救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

訪米報告と即時一括帰国への展望1(2025/05/14)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.05.14)

■訪米報告と即時一括帰国への展望1

 第133回東京連続集会は、5月9日、「訪米報告と即時一括帰国への展望」
と題して実施されました。以下はその報告です。

西岡 皆さん、こんばんは。お会いできてうれしいです。恒例になったのですが、
連休中にワシントンDCに行ってきました。家族会からは横田拓也代表と飯塚耕一
郎事務局長が参加しました。飯塚さんはもう少しで到着しますので、到着次第報
告します。その後私が少し情勢分析をしたいと思います。よろしくお願いいたし
ます(拍手)。

◆「拉致疑惑」が拉致問題にシフトチェンジ

横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)

 みなさんこんばんは。ご報告の前に、まず皆様方にお礼申し上げたいのは、4
月26日の訪米前に有楽町で一斉署名活動を行いました。家族会の他、支援者が大
勢集まっての東京での署名活動は12年ぶりでした。

 今日は母の早紀江が参加していますが、私たちの親世代の時は、世の中が拉致
問題を、「拉致疑惑」としてしか見ていなかった苦しい時代の中で、慣れない声
を張り上げて署名活動をしていました。

 2002年9月に日朝首脳会談が開催されてから日本中がひっくり返って、13歳の
子どもを下校途中に拉致したようなことが、本当にこの国内で起きたのかという
ことを、私も含めた日本人一人ひとりが厳しい現実を突きつけられた。

 その時から国民の皆さんお一人おひとりが怒っていただいて、北朝鮮に強く迫
るべきだというシフトチェンジをしていただいたわけです。そのシフトチェンジ
が署名の数に比例的に反映して、自律的な運動になり、2002年から現在までの大
きな変化になったのではないかと思います。

 ただその中で、訪米の前であることとか、トランプさんが4年ぶりに政権につ
かれたタイミングであることとか、安倍さんがご存命の頃に米朝首脳会談がもし
成功していたとすれば、日朝首脳会談も大きく前進していたかもしれないといっ
た時系列がある中で、再び米朝が歩み寄ろうという気配があるような、ないよう
な中で私たちが訪米する意味合いをさぐっていくことになりました。

 そして報道で取り上げていただいて、多くの方に伝えたいためにも活動をした
わけであります。署名活動の当日、多くの皆様方にご支援をいただいて、お礼を
申し上げたいと思います。

◆訪米に5党の国会議員が参加

 そして訪米についてですが、ざっくり申し上げると、4月29日10時に日本を出
発して、ワシントンDCに29日の10時に着きました。そして5月3日に出発して、5
月4日の日曜日に帰国しました。

 今度の訪米も、以前の訪米もそうですが、現地の日本大使館の大使を初め、多
くのスタッフの皆様方による、事前の大変力強いご支援や交渉があり、多くの方
に面会できました。大使館側だけでなく、外務省や拉致問題対策本部の皆様方に
もご支援をいただいて、大きな成果を得ることができましたことに、心からお礼
を申し上げたいと思っています。

 また今回の訪米は、拉致議連の超党派の先生方と家族会・救う会の3団体で行っ
たわけですが、自民党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本保守党と
政党が増え、5党8人の先生方が参加していただいたことは、相手のキーマンであっ
たり、上下両院の方々から見ても、日本が本気でこの問題に取り組んでいること
を、真剣に改めて訴えることができたという意味では、ものすごく力強いメンバー
で訪問できたと思います。

 今回ワシントンに着いた時に、私の前に座っていて、後ろ姿しか見えない男性
が、私が到着の1時間前にワイシャツを着て、ネクタイを締めて、スーツを着て、
到着した時彼が偶然後ろを振り向いた時、彼は日本に滞在していてワシントンに
戻るところだったのですが、私の顔を見て、「グッドラック」と言ってくれまし
た。

 どこかで家族会の救出運動について見覚えがあって、そしてそのため我々がア
メリカに来たのだろうと感じた方だと思いましたが、応援をしてくださっている。
帰りの飛行機の中でも、客室乗務員の方が、何度も何度も、「お待ちしています
よ」と声をかけてくださることがありました。多くの方に見守っていただけたの
かなと肌で感じた訪米でした。

 今回の訪米でも、いつもそうなんですが、どういうことを相手に伝えるべきか
に悩んでいるわけです。行く前は、今回の訪米でどれだけ成果が得られるのだろ
うか、どれだけ意味合いをもたせられるのだろうかと、いつも不安になるわけで
す。

◆米高官との面会自体が金正恩に対し大きなプレッシャー

 今回も訪米の機内の中で、基本的にあまり寝ない形で、どういう言葉を組み立
てて、どの相手に何を伝えるかを考えます。そして色々なメッセージをそれぞれ
の方に伝えられたと思います。

 主なポイントは、例えば国家安全保障会議というホワイトハウスの横にある、
日本で言えば内閣官房のような機関がありますが、そのキーマンの方に会う時に
は、面会自体が私たちに希望や勇気を与えてくれると共に、面会自体が北朝鮮の
金正恩委員長に対して大きなプレッシャーになる機会を作ってもらって感謝して
いる、と伝えました。

 また今回の訪米についても、私たちの運動方針は「全拉致被害者の一括帰国」
だということだとか、親世代が母早紀江が一人しかいなくて残された時間がない
んだという切迫感を伝えました。

 また、個人の立場で言うと金正恩委員長に対しては、「めぐみを初めとする多
くの拉致被害者が拘束されており、地獄のような苦しみを与えられているので、
その苦しみを金正恩委員長にも与えてやりたいという、私の個人の心情を伝えま
したが、でもそれではこの問題は解決しなくて、やはり日朝が対話によって、両
国が明るい未来を描くことによってこの人権問題、両国にまたがる懸案事項を解
決することが望ましいと、苦渋の声ではありますが、そういうことをお伝えしま
した。

 アメリカ側に大事なポイントとして伝えたのは、親世代が健全な内に全拉致被
害者が日本に帰ってきて家族と再会すること、親世代が生きている内に会うこと
がタイムリミットであり、要求の水準であると伝えました。

 日朝間にまたがる懸案事項、つまり人権問題である拉致問題が解決すれば、米
朝間にまたがる懸案事項も大きく前進するはずなので、是非力を貸してほしい、
私たちの運動方針に理解を示してほしいということを、改めて伝えてきました。

 そして私は最後には、個人の感情として、私たちと戦ってほしいと伝えると共
に、私たちも言葉を武器に正義のために戦い続けるので、この問題を一緒に前に
進めてほしいと伝えました。

◆親世代の写真、トランプ大統領からの手紙を見せた

 今回の訪米に際し、写真を持って行きました。1つは私の母の写真で、父が亡
くなった時にトランプ大統領からお悔やみの手紙をいただいたのですが、サイン
入りのその手紙を持った写真です。これをそれぞれの面会の時に、トランプ大統
領とはつながっていたんだということ、だから引き続き力を貸してほしいという
ことを、それぞれの方に見て貰い、感じてもらいました。

 もう一つは有本恵子さんのお父様宛にトランプ大統領がサイン入りの手紙を書
いてくださいましたが、それを見て貰い、加えて有本恵子さんの写真を見せて、
こういう方が拉致されているので忘れないでほしい、こういう方々が苦しい思い
をしているんだということを伝えてきました。

 今回は母も高齢で、アメリカに行くことはとうていできないわけですけれど、
トランプ大統領からいただいた手紙の力というものは、遙かなところで守ってく
れている有本さんたちのことを実感しながら、訪米してきた感じでした。

 また今回の訪米は、これまでもそうでしたが、民主党政権が担っているから共
和党政権の所には行かないとか、今回は共和党政権だから民主党政権の所には行
かないということではなく、どの政権、どの時代においても、両政党の方々に私
たちの心情を訴えています。それが意味があったのかなと思います。

◆お世話になったアーミテージさん宅を弔問

 日本を出発する時点では決まってなかったのですが、アメリカに着いた初日、
10時半くらいに着いて、日本大使公邸に行きました。その時、「ルビオ国務長官
と会えます」という話がありました。国務省のスケジュールにもわれわれと会う
ことが記されたのですが、その1時間後にトランプ大統領が政権100日目で、西側
諸国に自分がこれだけやってきたことを説明するために、ルビオ国務長官も参加
することになり、急遽スケジュールがキャンセルされたことが分かりました。

 それを受けてランドー国務副長官に面会させていただいて、私たちの訴えを聞
いていただきました。その前の民主党政権の時の副長官はシャーマンさんで、来
日された時もお会いさせていただいたこともありますし、時を遡ればアーミテー
ジさんという身体の大きい男性の副長官がおられました。

 家族会が2003年に、母も含めて親世代が訪米した際に暖かく迎えてくださいま
した。そんな時代から国務省とは接点を持つことができていて、今回もランドー
副長官とお会いすることができて、大使館の協力とともに私たちの活動に大きく
プラスになったのかなと思っています。

 また今回上下両院の先生方に面会させていただいた時、日本人拉致問題と違っ
て、アメリカ人が中国、北朝鮮の国境近くで拉致された疑いがあり、「私たちだ
けの問題だけではなく、あなたたちの国民も拉致された可能性があるんですよ」
と訴えてきました。それが動きそうな気配が出てきたという意味でも、即効性と
いうよりは遅効性の圧力がじわじわと効いてくる仕掛けづくりができたのかなと
思います。

 先ほどアーミテージさんの話をさせていただきましたが、実は4月13日に79歳
でお亡くなりになりましたので、出発前に私の方から無理をお願いして、アーミ
テージさんのご自宅にお花を捧げたいとの要望を出させてもらいました。そして、
アーミテージさんの奥様とお会いすることができて、これまでのお礼を述べてお
別れをしてきました。

 今回も、言葉を伝えるという活動でした。帰国してからも記者会見でお話しし
ましたが、「私たちはここまでやってきたので、これからは日本政府が行動する
順番ですよ」ということをお伝えしてきました。

◆政府は覚悟を決めて具体的な行動を

 国内では選挙の問題があったり、関税問題がありますが、人権問題、拉致問題
はどこか他人事のようになっているように私自身は感じますが、命のかかる問題
ですので、我がこととして真剣に石破首相を初めとするキーマンの方々が具体的
な行動をしてほしいと思います。

 空港でもお話ししましたが、日本政府に求めると友に、金正恩委員長にも求め
たいと改めて言いたいのですが、やはりこの拉致問題、人権問題が解決しないま
ま時間が経っても、何も得るものはないと思います。

 ミサイルや砲弾、兵士をロシアに売って、多少潤っているのかもしれませんが、
そんなことをしても長続きしないことは分かっていて、日本からの人道支援、経
済支援を得ることによって、中長期的な明るい未来を描くことができるはずだと
思っています。米朝首脳会談があった時もそういうことを語り合ったはずです。

 まだ日米、日朝で話し合うというストーリーを安倍さんも描いていたはずです
ので、改めて原点に戻って英断をしてほしいと思っています。このままでは、娘
の金ジュエさんに誇れる父親でいられるのかということを、金正恩委員長が自覚
してほしいと思います。

 娘さんを初めとする後継の子どもたち、そして2500万人の国民の皆さんに明る
い未来を描くことこそが、本当の立派なリーダーであると思います。お互いが不
信の殻を破って、日朝両政府が真剣に懸案事項を解決して、親世代の母とめぐみ
が会える、拉致被害者が日本に帰ってこられるようにしてほしいと思います。

 そのために当事者である日本政府が本気で覚悟を決めて、具体的な行動をして
もらうことが大事だと思っていますので、この場で皆様方にもお伝えします。以
上です(拍手)。

(2につづく)


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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿

■救う会全国協議会ニュース

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