今後の運動方針と全拉致被害者救出への道6(2025/04/30)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.04.30)
■今後の運動方針と全拉致被害者救出への道6
◆拉致被害者救出計画を作っておくべき
江崎道朗(えざきみちお、救う会副会長、麗澤大学特任教授)
家族会・救う会・拉致議連の皆様がゴールデンウイークに訪米されるわけです
が、本当なら家族と旅行に行って楽しんだりすべき時に、政府が不甲斐ないばか
りに、アメリカにわざわざ行っていただくことになるわけです。本当に悔しい限
りです。悔しいで。これを何とかしたいと僕は政治の裏方をやってきた人間なの
で、本当に悔しいです。
自衛隊法の第184条に、在外邦人の保護と輸送という項目があります。この
「保護と輸送」というのは、在外邦人の救出という意味です。
それに基づいてこの前、自衛隊がアフガンに行ったのですが、救出を成功させ
るためには現地の政治情勢や飛行場、輸送ルート、安全確保、そして現地のテロ
租期の内情を徹底的に調べて、自衛隊がいざという時に、現地で活動できるため
の情報部隊が自衛隊にできています。
この部隊に防衛大臣が命令して、台湾や朝鮮半島の争乱の時に、当然横田さん
たちを保護・輸送する責務がわが国にはあるのです。その準備と調査は徹底的に
行うとともに、関係各国との協力関係は当然やっておくべきだと思います。
拉致対策本部の所管外かもしれませんが、本来ならそういうことをやるべきだ
と思います。
僕は平沼赳夫先生(拉致議連前会長)の指示で、アメリカの情報機関と話をし
た時に、当時は平沼先生のスタッフでしたので民間人の立場から、台湾、朝鮮半
島有事の時のアメリカ軍のオペレーション計画を聞きました。
オペレーションをするには大規模な動員計画が必要です。武器、弾薬、人員か
ら飛行機、軍艦、戦闘機、こういう様々な物をどう動かして、どういう形でオペ
レーションをやるのかという大規模な動員計画を作っています。作るのはワシン
トンではないんです。民間の会社に委託しています。
それはなぜかというと、アメリカ政府がそれをやると生々しいので、民間のス
タッフにやらせて、そのアイデアをいざという時に全部使うという仕組みです。
朝鮮半島有事の軍事オペレーションの動員計画の委託を受けているある民間軍
事会社の幹部に、僕は平沼先生の指示で会いに行ったことがあります。要件は拉
致被害者の奪還で、「当然朝鮮半島有事の時のアメリカ軍の軍事オペレーション
の中に入っているし、入れるよね」という話です。当然の話なんです。
そういうことも併せて、運動方針の話なので、個人的な意見として敢えて言わ
せてもらいます。やはりトランプ政権と話をしていかないと、「じゃあ日本はど
うするの」と。圧力の話しです。圧力に関しては、そういうことを含めて、拉致
議連や政府の方で検討していただけるとありがたいなと思います。これはあくま
で個人的な話です。
僕自身は平沼先生の指示で、つまり個人の意向を受けてアメリカの情報機関と
そういう話をしてきたわけです。こういうことを含めて、対応とは「圧力」なの
で、「圧力」がないままの対応はありえないのです。すみません、勝手な言い分
で。
◆北朝鮮有事の時の救出作戦
西岡 10年以上前の5月の訪米の時、アメリカの国防総省を訪ねた時には、かな
りの人が出てきてくれました。作戦計画に関する活動について。米韓で、北朝鮮
でクーデターとか革命とか混乱が起きた時、核兵器がテロリストに渡ったりしな
いように、米韓軍が動くという作戦計画があります。
もちろん北朝鮮が攻めてきた時、それを防御して北上するのですが、「5029作
戦計画」と言います。
私にも発言の機会があったので、「5029作戦計画がありますよね。その中に拉
致された日本人を救出するオペレーションは入っていますか」と聞きました。ペ
ンタゴンの現役の人にです。そしたらにやっと笑って、「西岡さんの言うことは
よく分かる。しかし作戦計画は秘密です」と。
何を言っているのか分からないという反応でした。第一次安倍政権の頃から、
こういう話をアメリカとしているという説明も聞いています。
一方韓国軍はどうかというと、これも15年くらい前、まだトランプ政権ができ
る前、膠着状態で本気で壊さなければならないと思っている時に、たしか菅直人
政権の時だったと思いますが、「日韓は拉致被害者救出でどのように協力できる
か」というセミナーをやりました。
韓国の国防部傘下の国防研究所の元所長(元軍人)が来たのですが、自衛隊が
助けに行くことを含めた話をしたら、その人は、「自衛隊が救出作戦をするのは
無理だ、私は反日で言っているんじゃない」。当時はまだ集団的自衛権に関する
日本政府の解釈が変わっていなかった。
彼が言うには、「日本は同盟国ではない。同盟国でない国に、米韓軍の作戦計
画の内容は教えられない。我々の作戦に入っていない正体不明の軍隊が移動した
ら、我々は撃つ。しかし、不法に拉致、抑留されている外国人を解放することは、
韓国軍の作戦計画に入っている」。そう言いました。
その後安保法制ができて、自民党の拉致対策本部には、防衛庁の人も呼ばれれ
ば来る。そこで若い先生が、「自衛隊は動かないのか」と言ったら、防衛庁の人
が84条の話をしました。「84条があります」と。使いますとは言わなかった。
江崎 そこは防衛大臣が指示を出すことと、家族会の皆さんがアメリカに行った
時、「当然そういうことを日本政府は準備していると聞いています。日本は日本
としてやるべきことをやります」と言える状況を作っておかないとだめですね。
西岡 その部分について、アメリカと私たちがやっていないわけではないし、日
本政府がやってないわけではない。今米朝首脳会談になるかもしれない。その後
日朝首脳会談をやってほしいと思っているのですが、そういう中で軍事的準備を
しているということを公開的に伝えることはプラスかマイナスかということも判
断しなければならないわけです。
江崎 それはそうですね。
西岡 公開の席で議論できるものとできないものがあるということです。第一次
安倍政権以降その周辺にいた人たち、そして第二次安倍政権になって、第一次以
降拉致問題対策本部を続け、様々なことを検討してきた中で、全く検討していな
いということではないということです。
それは皆さんに言えるし、私が考えている、あるいは家族会・救う会が考えて
いる3つの道筋の1は、混乱事態が起きた時の救出作戦で、静かに準備をしている
とのことです。
◆中朝関係最悪、韓国とは関係を断つ、ロシアは停戦後は一方的な支援せず
西岡 では今、北朝鮮から見て米朝首脳会談はどう見えるのか。先ほど拓也さん
も、「中国と北朝鮮との関係が最悪だ」と。今朝聞いた情報ですが、4月15日が
金日成氏の誕生日です。太陽節と言って、民族最大の祝日といってお祝いします。
そこで世界中の北朝鮮大使館でもお祝いをするんですが、北京の北朝鮮大使館で
は、中国公安が大使館を封鎖して、友好国の大使などがはいることができなくなっ
ています。
金日成の誕生日のお祝いを中国ではできなかった。この情報を今朝聞きました。
それくらい習近平政権は北朝鮮を嫌っています。これはもっと確認した方がいい
んですが。
去年の5月には、大連港で北朝鮮向けの貨物船が臨検されて、コンテナに乗っ
ていた、ヨーロッパから密輸したぜいたく品が全部押収された。それは金正恩ファ
ミリーが使う「1号物資」だった。
「1号物資」だから中国の高官は大目に見てくれる筈と、中国に行ったけれど、
中国は大目に見ないで、全部没収してしまった、これまでにないことが起こった。
先ほど言った2018年、19年のトランプ大統領と金正恩氏が二度あった時、韓国
の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩氏は3回会っています。その2年間に
金正恩氏は何と4回訪中している。習近平と相談して、アメリカと何を話すかを
決めていた。1回は北京ではなく大連で会った。
習近平と金正恩が、きれいな海が見える公園を歩いた。そこに記念として二人
の足跡が残されていましたが、去年の5月に突然撤去された。中国で、習近平の
記念物を撤去するということは、習近平の許可がないと絶対にできないのです。
相談なしにオウーチンと条約を結び、派兵までした。どうも4回の訪中、そし
て習近平がその後訪朝したのですが、その時中国側が金正恩に対して、「大規模
な経済支援をしてもいい」という話をした。その条件が「改革開放政策」をする
ことだった。
それと日本海側の港を中国海軍に使わせるという話だった。中国海軍は日本海
に港を持っていないのです。金正恩は「検討する」と言って、最終的に拒否した。
そこから関係が悪くなった。
ウクライナの戦争がいつ終わるかと関係しますが、米朝が話し合いに入った場
合に、シンガポールとハノイでの米朝首脳会談では、中国という後ろ盾を持って
金正恩氏が出てきた。物別れに終わっても中国が助けてくれるというカードがあっ
た。
今回はそれがない。プーチンが戦争になった後も北朝鮮を助けるのか。ロシア
の経済力は韓国より下です。ロシアは戦争で大変疲弊しています。ロシアは兵士
不足で困っています。今の戦争のやり方は人海戦術ですからどんどん死者が出る
わけです。その一番ほしい兵士を送ってくれるから支援するのです。停戦になっ
たら、一方的な支援はない。
韓国とは去年の初めに、もう同じ民族ではない、統一はしないという方針を立
てました。その理由は、韓国が豊かで、自由だということを北朝鮮の住民が知っ
てしまったからです。北朝鮮の住民の大多数は韓国との統一を望んでいます。そ
ういう状況を作ったのは韓国政府ではなく、脱北者の活動家の人たちの努力です。
韓国政府は、2000年の南北首脳会談で金大中・金正恩が会った時、金正恩が
「相互批判はやめましょう」と提案し、短波放送は全部やめてしまって、風船ビ
ラを送るのもやめました。韓国のドラマをUSBで送るようなことは韓国政府はやっ
ていません。
脱北者の人権活動家たちがずっとやってきた結果です。そして文在寅(ムン・
ジェイン)政権になって交流が進んで、もう南のドラマを見てもいいと北朝鮮の
住民たちが思ってしまったこともあって、大量に情報が入って、韓国へのあこが
れが抑えきれなくなって、「韓国はもう外国だ」と言って交流を止めたのです。
いくら左翼政権ができたとしても、文在寅のように南北首脳会談は行わないし、
支援も貰わない。貰ったら支援と一緒に(韓国の)情報が来るからです。
◆アメリカと日本しか出口がない
そういう北朝鮮にとって、アメリカと日本しか出口がないのです。もちろん、
ウクライナの戦争がどういう終わり方をするかにもよります。今は北朝鮮は外貨
を得ていますが、まだ分かりません。
そういう中でトランプ大統領は、「核問題で話をしましょう」と言っている。
水面下で接触をしているとも言っています。私もトランプ大統領が北朝鮮と接触
しているという話は聞いています。
でもトランプ大統領は、「お金は出さない」と言っている。軍事的な圧力をか
けないということはあるけども、お金は日本から貰ってくれ。と。セットなんで
す。そのセットの価値が、2018年、19年の時よりもっと高まっている。それは中
国という後ろ盾がなくなったからです。韓国と交わることはできなくなった。
我々にとって、有本のお父さんが亡くなり、追い込まれている情勢ですが、国
際情勢は有利ではないか、と思っています。だから日本からの支援という我々が
持っているカードを最大限活用して、軍事的圧力の話もありますがそれは控えめ
にした上で、米朝首脳会談、その後の日朝首脳会談で勝負をかけたいと思います。
可能性はあります。
だから早紀江さんには元気でいていただきたい。希望はあります。しかし、絶
対ということはないので、申し訳ないけど、いつになったらできますとは言えま
せん。私たちは神様ではないので。
しかし、いい方向に行っているのではないかと思っています。
◆あらゆる道筋を見出して、考えて、手を打っておくべき
江崎 本当に悔しいんです。その悔しさをかみしめながら、変な言い訳に対して、
「ふざけるな」と言い続けることが大事だと思います。言い訳は聞きたくないの
で、そのためには、シビアな話をしますけれど、救う会がこれだけの方針を立て
てやっているんです。それをちゃんと分かっている人間がどこにいるかというと、
拉致議連があります。それを含めて、今日のチラシ、運動方針が配られています
ので、ご託はいいから知り合いの政治家に、これをちゃんと読んで、署名しても
らいましょう
政治の世界では、本当に言い訳をするんですが、言い訳よりそれをどう突破す
るのか。西岡さんたちが様々な分析をして追い込んでいるわけですから、戦い方
をもっと多くの人に知っていただきたいなと思います。
あらゆる道筋を見出して、考えて、手を打っておくべきだと思っています。
◆5/9連続集会、5/24国民大集会
西岡 5月9日に東京連続集会で、訪米報告をします。訪米は4/29から5/4までで
す。私と島田議員は2日前に先乗りします。そして5/24の国民大集会に、是非来
ていただきたいと思います。また5月には全国の仲間たちと新しい署名用紙で街
頭署名活動を行います。署名用紙は救う会のホームページからダウンロードでき
ますので、署名を集めてください。ありがとうございました(拍手)。
以上
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■今後の運動方針と全拉致被害者救出への道6
◆拉致被害者救出計画を作っておくべき
江崎道朗(えざきみちお、救う会副会長、麗澤大学特任教授)
家族会・救う会・拉致議連の皆様がゴールデンウイークに訪米されるわけです
が、本当なら家族と旅行に行って楽しんだりすべき時に、政府が不甲斐ないばか
りに、アメリカにわざわざ行っていただくことになるわけです。本当に悔しい限
りです。悔しいで。これを何とかしたいと僕は政治の裏方をやってきた人間なの
で、本当に悔しいです。
自衛隊法の第184条に、在外邦人の保護と輸送という項目があります。この
「保護と輸送」というのは、在外邦人の救出という意味です。
それに基づいてこの前、自衛隊がアフガンに行ったのですが、救出を成功させ
るためには現地の政治情勢や飛行場、輸送ルート、安全確保、そして現地のテロ
租期の内情を徹底的に調べて、自衛隊がいざという時に、現地で活動できるため
の情報部隊が自衛隊にできています。
この部隊に防衛大臣が命令して、台湾や朝鮮半島の争乱の時に、当然横田さん
たちを保護・輸送する責務がわが国にはあるのです。その準備と調査は徹底的に
行うとともに、関係各国との協力関係は当然やっておくべきだと思います。
拉致対策本部の所管外かもしれませんが、本来ならそういうことをやるべきだ
と思います。
僕は平沼赳夫先生(拉致議連前会長)の指示で、アメリカの情報機関と話をし
た時に、当時は平沼先生のスタッフでしたので民間人の立場から、台湾、朝鮮半
島有事の時のアメリカ軍のオペレーション計画を聞きました。
オペレーションをするには大規模な動員計画が必要です。武器、弾薬、人員か
ら飛行機、軍艦、戦闘機、こういう様々な物をどう動かして、どういう形でオペ
レーションをやるのかという大規模な動員計画を作っています。作るのはワシン
トンではないんです。民間の会社に委託しています。
それはなぜかというと、アメリカ政府がそれをやると生々しいので、民間のス
タッフにやらせて、そのアイデアをいざという時に全部使うという仕組みです。
朝鮮半島有事の軍事オペレーションの動員計画の委託を受けているある民間軍
事会社の幹部に、僕は平沼先生の指示で会いに行ったことがあります。要件は拉
致被害者の奪還で、「当然朝鮮半島有事の時のアメリカ軍の軍事オペレーション
の中に入っているし、入れるよね」という話です。当然の話なんです。
そういうことも併せて、運動方針の話なので、個人的な意見として敢えて言わ
せてもらいます。やはりトランプ政権と話をしていかないと、「じゃあ日本はど
うするの」と。圧力の話しです。圧力に関しては、そういうことを含めて、拉致
議連や政府の方で検討していただけるとありがたいなと思います。これはあくま
で個人的な話です。
僕自身は平沼先生の指示で、つまり個人の意向を受けてアメリカの情報機関と
そういう話をしてきたわけです。こういうことを含めて、対応とは「圧力」なの
で、「圧力」がないままの対応はありえないのです。すみません、勝手な言い分
で。
◆北朝鮮有事の時の救出作戦
西岡 10年以上前の5月の訪米の時、アメリカの国防総省を訪ねた時には、かな
りの人が出てきてくれました。作戦計画に関する活動について。米韓で、北朝鮮
でクーデターとか革命とか混乱が起きた時、核兵器がテロリストに渡ったりしな
いように、米韓軍が動くという作戦計画があります。
もちろん北朝鮮が攻めてきた時、それを防御して北上するのですが、「5029作
戦計画」と言います。
私にも発言の機会があったので、「5029作戦計画がありますよね。その中に拉
致された日本人を救出するオペレーションは入っていますか」と聞きました。ペ
ンタゴンの現役の人にです。そしたらにやっと笑って、「西岡さんの言うことは
よく分かる。しかし作戦計画は秘密です」と。
何を言っているのか分からないという反応でした。第一次安倍政権の頃から、
こういう話をアメリカとしているという説明も聞いています。
一方韓国軍はどうかというと、これも15年くらい前、まだトランプ政権ができ
る前、膠着状態で本気で壊さなければならないと思っている時に、たしか菅直人
政権の時だったと思いますが、「日韓は拉致被害者救出でどのように協力できる
か」というセミナーをやりました。
韓国の国防部傘下の国防研究所の元所長(元軍人)が来たのですが、自衛隊が
助けに行くことを含めた話をしたら、その人は、「自衛隊が救出作戦をするのは
無理だ、私は反日で言っているんじゃない」。当時はまだ集団的自衛権に関する
日本政府の解釈が変わっていなかった。
彼が言うには、「日本は同盟国ではない。同盟国でない国に、米韓軍の作戦計
画の内容は教えられない。我々の作戦に入っていない正体不明の軍隊が移動した
ら、我々は撃つ。しかし、不法に拉致、抑留されている外国人を解放することは、
韓国軍の作戦計画に入っている」。そう言いました。
その後安保法制ができて、自民党の拉致対策本部には、防衛庁の人も呼ばれれ
ば来る。そこで若い先生が、「自衛隊は動かないのか」と言ったら、防衛庁の人
が84条の話をしました。「84条があります」と。使いますとは言わなかった。
江崎 そこは防衛大臣が指示を出すことと、家族会の皆さんがアメリカに行った
時、「当然そういうことを日本政府は準備していると聞いています。日本は日本
としてやるべきことをやります」と言える状況を作っておかないとだめですね。
西岡 その部分について、アメリカと私たちがやっていないわけではないし、日
本政府がやってないわけではない。今米朝首脳会談になるかもしれない。その後
日朝首脳会談をやってほしいと思っているのですが、そういう中で軍事的準備を
しているということを公開的に伝えることはプラスかマイナスかということも判
断しなければならないわけです。
江崎 それはそうですね。
西岡 公開の席で議論できるものとできないものがあるということです。第一次
安倍政権以降その周辺にいた人たち、そして第二次安倍政権になって、第一次以
降拉致問題対策本部を続け、様々なことを検討してきた中で、全く検討していな
いということではないということです。
それは皆さんに言えるし、私が考えている、あるいは家族会・救う会が考えて
いる3つの道筋の1は、混乱事態が起きた時の救出作戦で、静かに準備をしている
とのことです。
◆中朝関係最悪、韓国とは関係を断つ、ロシアは停戦後は一方的な支援せず
西岡 では今、北朝鮮から見て米朝首脳会談はどう見えるのか。先ほど拓也さん
も、「中国と北朝鮮との関係が最悪だ」と。今朝聞いた情報ですが、4月15日が
金日成氏の誕生日です。太陽節と言って、民族最大の祝日といってお祝いします。
そこで世界中の北朝鮮大使館でもお祝いをするんですが、北京の北朝鮮大使館で
は、中国公安が大使館を封鎖して、友好国の大使などがはいることができなくなっ
ています。
金日成の誕生日のお祝いを中国ではできなかった。この情報を今朝聞きました。
それくらい習近平政権は北朝鮮を嫌っています。これはもっと確認した方がいい
んですが。
去年の5月には、大連港で北朝鮮向けの貨物船が臨検されて、コンテナに乗っ
ていた、ヨーロッパから密輸したぜいたく品が全部押収された。それは金正恩ファ
ミリーが使う「1号物資」だった。
「1号物資」だから中国の高官は大目に見てくれる筈と、中国に行ったけれど、
中国は大目に見ないで、全部没収してしまった、これまでにないことが起こった。
先ほど言った2018年、19年のトランプ大統領と金正恩氏が二度あった時、韓国
の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩氏は3回会っています。その2年間に
金正恩氏は何と4回訪中している。習近平と相談して、アメリカと何を話すかを
決めていた。1回は北京ではなく大連で会った。
習近平と金正恩が、きれいな海が見える公園を歩いた。そこに記念として二人
の足跡が残されていましたが、去年の5月に突然撤去された。中国で、習近平の
記念物を撤去するということは、習近平の許可がないと絶対にできないのです。
相談なしにオウーチンと条約を結び、派兵までした。どうも4回の訪中、そし
て習近平がその後訪朝したのですが、その時中国側が金正恩に対して、「大規模
な経済支援をしてもいい」という話をした。その条件が「改革開放政策」をする
ことだった。
それと日本海側の港を中国海軍に使わせるという話だった。中国海軍は日本海
に港を持っていないのです。金正恩は「検討する」と言って、最終的に拒否した。
そこから関係が悪くなった。
ウクライナの戦争がいつ終わるかと関係しますが、米朝が話し合いに入った場
合に、シンガポールとハノイでの米朝首脳会談では、中国という後ろ盾を持って
金正恩氏が出てきた。物別れに終わっても中国が助けてくれるというカードがあっ
た。
今回はそれがない。プーチンが戦争になった後も北朝鮮を助けるのか。ロシア
の経済力は韓国より下です。ロシアは戦争で大変疲弊しています。ロシアは兵士
不足で困っています。今の戦争のやり方は人海戦術ですからどんどん死者が出る
わけです。その一番ほしい兵士を送ってくれるから支援するのです。停戦になっ
たら、一方的な支援はない。
韓国とは去年の初めに、もう同じ民族ではない、統一はしないという方針を立
てました。その理由は、韓国が豊かで、自由だということを北朝鮮の住民が知っ
てしまったからです。北朝鮮の住民の大多数は韓国との統一を望んでいます。そ
ういう状況を作ったのは韓国政府ではなく、脱北者の活動家の人たちの努力です。
韓国政府は、2000年の南北首脳会談で金大中・金正恩が会った時、金正恩が
「相互批判はやめましょう」と提案し、短波放送は全部やめてしまって、風船ビ
ラを送るのもやめました。韓国のドラマをUSBで送るようなことは韓国政府はやっ
ていません。
脱北者の人権活動家たちがずっとやってきた結果です。そして文在寅(ムン・
ジェイン)政権になって交流が進んで、もう南のドラマを見てもいいと北朝鮮の
住民たちが思ってしまったこともあって、大量に情報が入って、韓国へのあこが
れが抑えきれなくなって、「韓国はもう外国だ」と言って交流を止めたのです。
いくら左翼政権ができたとしても、文在寅のように南北首脳会談は行わないし、
支援も貰わない。貰ったら支援と一緒に(韓国の)情報が来るからです。
◆アメリカと日本しか出口がない
そういう北朝鮮にとって、アメリカと日本しか出口がないのです。もちろん、
ウクライナの戦争がどういう終わり方をするかにもよります。今は北朝鮮は外貨
を得ていますが、まだ分かりません。
そういう中でトランプ大統領は、「核問題で話をしましょう」と言っている。
水面下で接触をしているとも言っています。私もトランプ大統領が北朝鮮と接触
しているという話は聞いています。
でもトランプ大統領は、「お金は出さない」と言っている。軍事的な圧力をか
けないということはあるけども、お金は日本から貰ってくれ。と。セットなんで
す。そのセットの価値が、2018年、19年の時よりもっと高まっている。それは中
国という後ろ盾がなくなったからです。韓国と交わることはできなくなった。
我々にとって、有本のお父さんが亡くなり、追い込まれている情勢ですが、国
際情勢は有利ではないか、と思っています。だから日本からの支援という我々が
持っているカードを最大限活用して、軍事的圧力の話もありますがそれは控えめ
にした上で、米朝首脳会談、その後の日朝首脳会談で勝負をかけたいと思います。
可能性はあります。
だから早紀江さんには元気でいていただきたい。希望はあります。しかし、絶
対ということはないので、申し訳ないけど、いつになったらできますとは言えま
せん。私たちは神様ではないので。
しかし、いい方向に行っているのではないかと思っています。
◆あらゆる道筋を見出して、考えて、手を打っておくべき
江崎 本当に悔しいんです。その悔しさをかみしめながら、変な言い訳に対して、
「ふざけるな」と言い続けることが大事だと思います。言い訳は聞きたくないの
で、そのためには、シビアな話をしますけれど、救う会がこれだけの方針を立て
てやっているんです。それをちゃんと分かっている人間がどこにいるかというと、
拉致議連があります。それを含めて、今日のチラシ、運動方針が配られています
ので、ご託はいいから知り合いの政治家に、これをちゃんと読んで、署名しても
らいましょう
政治の世界では、本当に言い訳をするんですが、言い訳よりそれをどう突破す
るのか。西岡さんたちが様々な分析をして追い込んでいるわけですから、戦い方
をもっと多くの人に知っていただきたいなと思います。
あらゆる道筋を見出して、考えて、手を打っておくべきだと思っています。
◆5/9連続集会、5/24国民大集会
西岡 5月9日に東京連続集会で、訪米報告をします。訪米は4/29から5/4までで
す。私と島田議員は2日前に先乗りします。そして5/24の国民大集会に、是非来
ていただきたいと思います。また5月には全国の仲間たちと新しい署名用紙で街
頭署名活動を行います。署名用紙は救う会のホームページからダウンロードでき
ますので、署名を集めてください。ありがとうございました(拍手)。
以上
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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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