救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

訪米報告1(2023/05/15)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2023.05.15-2)

 この4年間コロナで訪米できませんでしたが、家族、救う会、拉致議連は5月
初めの連休に訪米し、米政府、議会、専門家等の要人と面会し、拉致問題の解決
に関する新しい運動方針につき理解と支援を求める活動を行いました。今回はそ
の報告です。

■訪米報告1

西岡 皆さん、こんばんは。私と島田さんは5月1日から、本体の横田拓也さん
ん、飯塚耕一郎さん、そして拉致議連の山谷えり子先生(団長)、塚田一郎先生、
北村経夫先生が2日に出発され6日まで、多くの方々に面会しました。

 まずは家族会の横田拓也代表に、どんな気持ちで行かれ、行ってみてどう思わ
れたか、どんなことを訴えたのか等についてお話ししてもらいたいと思います。

◆ようやく4年振りに訪米ができ家族会、救う会の運動方針を伝えられた
横田拓也(家族会代表、横田めぐみさん弟)

 皆様、こんばんは。お手元の資料にありますが、5月2日に出発して、5月2
日に到着し、6日に現地を出発して、7日の日曜日に帰国しました。家族会から
私と飯塚耕一郎事務局長、救う会から西岡会長と島田副会長、拉致議連から山谷
先生、塚田先生、北村先生の3名、また拉致問題対策本部の方々が参加しました。

 この訪米は対策本部が中心になって企画の立案と推進をしていただきました。
また現地の駐米日本大使館に段取りを含め多大なるご支援をいただきました。わ
たワシントンD.C.在住のスーザン・古森さんが、ずっと昔からボランティアをし
てくださっていますが、今回も多大なるご支援をいただきました。

 家族会、救う会、拉致議連によるこの訪米は2019年5月が最後で、4年ぶ
りの訪米になりました。この間、トランプ大統領やバイデン大統領に私たち家族
会が面会する機会を頂き、私たちの心の内、苦しい思いを伝えることができまし
た。

 しかし、アメリカで政権が代わり、国際社会でも変化がある中で、北朝鮮にとっ
て一番関心があるアメリカに対して、あらゆる面で私たちの考え方、方針や思い
を伝えたかったのですが、コロナの感染拡大により、私たちの国際活動はすべて
中止に追い込まれていました。

 そういう中、私たちは東京集会等国内での講演や集会を中心に活動してきたわ
けですが、やはり国際社会に北朝鮮による拉致問題の難しさというものを理解し
てもらうための発信ができなかったことは、風化につながるのではないかという
心配もありました。

 ようやく4年振りに訪米して、私たちの思い、家族会、救う会の運動方針を伝
えることができました。

◆今回が56回目の国際活動

 いつもアメリカのワシントンD.C.に行く時、行きが12時間、帰りが13時間
かかるのですが、私自身はいつも機内の真っ暗な中で思うことがあります。この
訪米がそれだけ具体的な歩みを得られるのだろうか、と。また思いが伝わるのだ
ろうかという心配を抱えながらいつも訪米して、そして帰りには今回の訪米がど
のくらいの成果があったのだろうかといつも考えています。答のないような時間
を過ごしながらいつも帰ってきています。

 そして実際に具体的に何かが分かったということはないにしても、後を振り返っ
てみると色々な方々の心に響いて、理解を頂いているということになっているの
ですが、その瞬間、瞬間には、具体的な成果をいつも感じることができなくて、
そうした苦しい思いでいつも国際活動を続けてきています。

 拉致問題対策本部に、これまで私たち家族会が、それも親世代が中心になって
行ってきた国際活動が何回あったのかの履歴を調べてもらったのですが、少なく
とも55回以上は、アメリカ、タイ、ルーマニア、韓国等に行っていたそうです。
そして今回は56回目の国際活動だったそうです。

◆親世代の成果の上で会えた

 今回お会いした方々のほとんどが、親世代のメンバーが過去にお会いしており、
日本に来ていただいた時にもお会いした方々が多かったこともあって、私たちが
1から、「拉致問題とは」とか、「横田めぐみがここで拉致された」とか、そう
いう序章の部分はほとんど話さなくてよく、ほとんどの方がすべてのことを理解
して、「私たちに何ができるんだ」ということで私たちに耳を傾けてくださった
というのは、やはり親世代の方々のこれまでの地道な、血のにじむような成果だ
と思っています。

 今回個人的には、行きの飛行機の中で、笑いごとではないのですが、私はぎっ
くり腰になってしまい、初日10時に着いた時から腰が痛くて、バスにも乗れな
いような状態で、よちよち歩きみたいで動いてきたのですが、それでも何とか頑
張って、ここに書いてある先方の方々としっかり私たちの運動方針等を伝えるこ
とがでたと思っています。

 出発前は羽田空港で記者の方にお話ししましたし、あちらでも最終日に記者会
見を開き、訪米団の総括報告を行いました。私たちの運動方針は、お手元の資料
や、これまでの連続集会等でお話ししていますが、「全拉致被害者が帰国するこ
とを北朝鮮が約束できれば、私たち家族会・救う会は日本政府が北朝鮮に人道支
援することに反対しない」という立場を表明して、また金正恩委員長へのメッセー
ジにも託しています。

◆「時間的制約」があり、拉致問題の優先交渉を訴え

 一方で、訪米前には、もしかしたら私たちの方針が、アメリカ側から見た時に
納得できるものなのか分からないという心配が少しあるのではと思い、対面で私
たちの苦しい気持ちを、言葉の力を通じて伝えようということで、真剣に伝えて
きました。

 北朝鮮問題は、日本も国際社会も同じ危機に瀕していますが、核問題や弾道ミ
サイル問題、人権問題では拉致問題と大きく見ると3つあるわけですが、日本政
府、もしくは家族会・救う会が考えているのは、この3つの内、人権問題、拉致
問題を他の問題と切り離して、優先的に交渉して解決をはかりたいという方針で
す。

 その背景には、親世代、今元気でいらっしゃるのは有本のお父さんと私の母で
ある横田早紀江の二人ですが、私の母は87歳で最近体調が思わしくなくて、元
気に過ごしてはいるんですが、このまま時間がだらだらと過ぎていった時に、4
5年以上待っていてもめぐみに会えないということがあってはならないといつも
思っていますし、有本のお父さんも(妻の)嘉代子さんは亡くなられ、上京する
時は車椅子で移動されているという、現実の厳しさがあります。

 つまり、「時間的制約」がありますから、やはりこの運動方針の背景にあるも
のは、親世代が健在な内、存命の内に拉致被害者を返すことで、タイムリミット
を設けて、それを北朝鮮に突き付けているわけです。

 その切り離すという意味ですが、私たちは決して抜け駆けをしてこの問題を進
めようということではなく、真剣に、消去法的な選択肢の中でこの方針を作って
いるんだということを伝えてきました。

 もちろん過去に日本政府が米支援を一方的にやって、何の成果も得られないよ
うな一方通行の人道支援をすることは賛成しないことも伝えてきました。また拉
致問題が解決されない限り、家族会・救う会、そして日本政府は強力な圧力を緩
めることは考えていないことも、お会いしたすべての方々にお伝えしました。

◆一方的な力による現状変更は許されない

 いつもお話しする時もそうですが、ウクライナを拉致問題に重ねてしまうわけ
ですが、ロシアによる、一方的な力による現状変更により、ウクライナの歴史、
文化、言語、家族の絆、こういうものが私たちが想像できないような状態で破壊
され続けています。

 同じように、私たちも、45年、50年以上前から、北朝鮮による一方的な力
による現状変更で家族の絆が引き裂かれて、日本人一人ひとりがある意味課せら
れているわけですが、領海侵犯、主権侵害をされているのです。こんなことが許
されていいわけがないということも、お会いした方々に言いました。

 それほど苦しい中で今回の方針を作って、アメリカ政府に伝えに来ているんだ
ということをお話ししてきた次第です。

 後程、西岡力会長、島田副会長からも面会の趣旨や先方の反応についてお話が
あると思いますが、すべての方々が私たちの運動方針を理解していただきました。
一切異論、反論は出ませんでした。

 北朝鮮もよく見て理解してくれていると思いますが、日米が一体となってこの
運動方針のもと、北朝鮮に突き付けるという構図が描けたのかなと思っています。

 こうしている間に、北朝鮮では慢性的な食糧事情の悪化、医療環境の脆弱さに
より、多くの方々が餓死をしたり、コロナも含めて亡くなっているのではないか
と推測します。

◆金正恩委員長の英断を

 少し前から、本物か偽物か私には判断できませんが、ジュエさんという女の子
が金正恩委員長の横に座って、委員長のほっぺたをさわったりしている映像を私
たちは目にするわけですが、仮に女の子が本物の娘さんであるとすれば、金正恩
委員長が自分の娘を愛すると同じように、私たち拉致被害者の親世代は拉致され
た自分の家族や娘を愛している。この気持ちは一緒じゃないか。どうしてその気
持ちが分からないのかということを、改めて金正恩委員長に考えてほしいと思っ
ています。

 このまま我慢比べのような形で、どこの国からの対話も受け入れない、日本か
らの人道支援に対しても耳を傾けないことが続けば、2500万人の北朝鮮国民
はもちろん、拉致された被害者もずっと苦しい思いのまま、無駄な時間だけを過
ごすはめになってしまいます。

 もっと長い時間軸で見れば、金正恩委員長の娘さんでさえ明るい未来を描ける
んだろうかと、心配してほしいと思います。ロイヤルファミリーの家の窓からは
そういう景色は見えないかもしれませんが、移動する車の窓から苦しんでいる人
々の顔を見てほしいと思います。

 このまま我慢比べをして、自分たちに明るい未来の保証があるのだろうか。リー
ダーとして何ができるかを真剣に考えてほしいと思います。そのために私たちは
繰り返しお話をしていますが、拉致被害者が帰国した際に、秘密を聞き出したり、
それを暴露することはないと表明しています。私たちは拉致された家族や兄弟を
取り返したいだけです。そのことを信じて外交交渉に、表に出てきてほしいと思っ
ています。

 あの国では金正恩委員長しか決められませんから、勇気や英断をもって日朝首
脳会談を開いて、日本だけが明るい未来になるのではなく、日朝両国が明るい未
来を描くできるように判断をしてほしいと思います。

 その判断を引き出すために、日本政府ががむしゃらに、真剣に、一刻も早く、
具体的な行動につなげていただけるようにお願いしたいと思います。以上です。
(拍手)。

(2につづく)



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