救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

横田拓也代表、西岡力会長が衆議院拉致特で発言(2022/05/20)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.05.20)

 本日、5月20日(金)午前中に、衆議院で「北朝鮮による拉致問題等に関す
る特別委員会」が開催されました。以下は参考人として招致された横田拓也家族
会代表の冒頭の発言原稿です。

 また救う会の西岡力会長の原稿は冒頭発言のレジュメです。

 その後横田代表も、西岡力会長も各党議員の質問にそれぞれ答えています。


■横田拓也代表、西岡力会長が衆議院拉致特で発言

◆横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)

 北朝鮮に拉致された被害者族連絡会代表の横田拓也と申します。

 本日は私の姉横田めぐみを初めとする多くの拉致被害者救出のために、この様
な形で発言の機会を頂きました事へ感謝致します。

  私の姉横田めぐみは、今から45年前の1977年11月に新潟市内の寄居
中学校からの下校途中に北朝鮮の工作員達によって拉致されました。当時13歳の
中学一年生の時に起きた事件です。

  2002年に5人の拉致被害者とそのご家族を帰国させる事が出来たものの、
今も人質として多くの拉致被害者達が北朝鮮国内で拘束され続け、私達の助けを
求めています。

  私が説明するまでもなく、北朝鮮国内の食糧事情は想像を絶するほど厳しい
ものです。医療環境も劣悪且つ脆弱です。発言の自由・移動の自由・思想の自由
は全て奪われ、厳重な監視下で拉致被害者達は毎日必死で命を繋いでいる状況と
言えます。

  金正恩委員長は北朝鮮国内で新型コロナウィルスの感染拡大をようやく認め
ました。このニュースの裏で、拉致被害者をはじめ北朝鮮国民はこれまで以上に
自由を剥奪された生活を強いられている事を忘れてはなりません。

  姉横田めぐみの帰りを待つ私達家族としては、雪や大雨が降れば姉の健康は
大丈夫だろうか、食糧不足のニュースを耳にすれば姉や姉の家族は十分な栄養を
摂れているだろうか、新型コロナウィルス感染拡大のニュースを聞けば姉は元気
で暮らせているだろうか、いつもこの様な心配をしています。

  拉致された自分達の家族や兄弟を待つそれぞれの拉致被害者家族は全員この
様な心配をしながら毎日生活をしているのです。

  姉横田めぐみが拉致された当時、私は9歳でした。1997年に設立した家
族会の初代代表は父横田滋です。最前線で10年間闘い続けて来ました。めぐみ
との再会を願っていましたが、残念ながら2年前に他界しました。2代目の代表
は飯塚繁雄さんです。国内外を飛び回り、14年間も声を上げ続けて来られまし
た。

 拉致された妹の田口八重子さんを取り戻す事に全精力を注がれてきましたが、
残念ながら昨年12月に再会は叶わず他界されました。

 家族会設立から25年間、身を粉にして戦い続けたにもかかわらず家族との再
会が果たせないその無念をしっかり受け止める必要があります。そして、当時9
歳だった子供世代である私が3代目の家族会の代表として最前線で声を上げなく
てはならない運命の非情さを当たり前の事として受け止めて欲しくありません。

  自分の家族を取り戻すために北朝鮮と戦う事自体は家族として当然です。一
方で、この様な国家ぐるみで行われた重大な人権侵害に対して、日本国家・日本
政府が毅然とした態度で私達家族会以上に最前線で戦って頂く必要があります。
人権問題であり、主権侵害・領海侵犯と言う重大な事案である事を再認識して頂
きたいと思います。

 その為に、国会でもっとこの問題について深い議論をして欲しいと思います。
国家として、拉致被害者を取り戻すために何が出来るのか、厳格な法執行を更に
強化するために何か出来るのか、工作員達が再び侵入しないためにどの様な法的
及び物的準備が必要なのか、こうした事への議論を深めて頂く必要があると思い
ます。

  私達家族会そして支援して下さっている救う会の運動方針を改めてこの場で
申し上げます。

  全拉致被害者の即時一括帰国、この要求の水準を下げる事も変える事もあり
ません。

「部分的解決」や「段階的解決」と言うアプローチは容認出来ません。

  日朝両国に「調査委員会」や「連絡事務所」を設置すると言う考え方にも賛
同致しません。

  拉致被害者達は、北朝鮮当局によって24時間厳重監視下で“誰が・どこで
・いつ・何を”しているかを完全に把握されています。その事があたかも無い前
提に立ち、調査委員会や連絡事務所を設置して何か新しい情報を見つけましょう
と言う聞こえの良い考えは、北朝鮮当局が目論む幕引きと時間稼ぎに手を貸して
いる事を意味します。この点を間違える事が無いよう、しっかり議論して頂きた
いと思います。

  今、国際社会はいかに平和と安全が一つの暴挙によりいとも簡単に壊されて
しまう事を目撃しています。同時に、自国の主権・自分達の歴史や文化・一人一
人の人権や家族そして平和を守るために勇敢に戦い続けている姿を目に焼き付け
ています。

  翻って日本はどうでしょうか。13歳の少女が、侵入してきた北朝鮮の工作
員達によって拉致されながらも45年間解決する事が出来ていないのです。自分
達の国民を絶対に守り続ける、拉致された全ての拉致被害者を必ず取り戻す、主
権・人権を絶対に守ると言う強い覚悟を持って欲しいと思います。

  拉致被害者の親世代の高齢化は進んでいます。私の母横田早紀江も86歳で
す。必ず姉めぐみを北朝鮮から取り戻し、日本の地で再会し、抱き合わせてあげ
たいと願っています。拉致された有本恵子さんと父明弘さんとを抱き合わせて上
げたい、拉致された田口八重子さんと飯塚耕一郎さんとを抱き合わせて上げたい、
この当たり前の願いが一刻も早く実現出来るよう、引き続き皆様の変わらぬご支
援とご協力を頂けますよう宜しくお願い致します。

本日は有難うございました。

◆北朝鮮情勢と救出への道筋

 西岡 力(救う会会長)

1.拉致被害者救出への道筋

家族会・救う会の救出戦略

 制裁の圧力を背景に日朝首脳会談を実現し、金正恩委員長に「全拉致被害者の
即時一括帰国」の決断を迫る。

?日朝首脳会談実現のために必要なこと

・北朝鮮が制裁などの効果で体制危機に直面し、日本との交渉をせざる得なくな
る状況を作る。国際制裁は効果を上げている。コロナまん延も重なり、体制危機
に近づいているので近く、日朝首脳会談実現の可能性はある。

 そのため

・国内世論を盛り上げて日本はこの問題で起こっていると北朝鮮に伝え続ける。
そのため、国会議員の先生方にも常時、ブルーリボンを付けることと、新しい国
会決議を出すことを積極的に検討していただきたい。

・拉致問題が解決しない間、国際制裁が緩まないようにする。

・日本から北朝鮮に「親の世代の家族会メンバーと被害者が抱き合うことなしに
日朝関係改善はあり得ない」というメッセージを送り続ける。親の世代がいなく
なったら多額の経済支援は不可能だと伝える。

・米国政府をはじめとする国際社会に、拉致問題の深刻さと日本にとっての拉致
解決の重要さへの理解をえる。北朝鮮がトランプ時代のように再度、米朝首脳会
談を選んだ場合、そこで拉致も核と並んで議題に挙げさせ、小泉訪朝の時のよう
に先に日朝首脳会談を選んだ場合、命が係わっている被害者の帰国を日本が優先
して交渉し、それが実現したら核問題が進展なくても国連制裁に違反しない人道
支援を行うことを認めさせる。

?日朝首脳会談で金正恩委員長の決断を促す

・日朝首脳会談で、金正恩委員長に「全拉致被害者の即時一括帰国」を実行すれ
ば我が国は次の2つの支援を段階的の実行できると説得する

・まず、大規模な人道支援が可能であり、次に核ミサイル問題・人権問題が解決
して国連制裁が解除されれば国交正常化して韓国に行った枠組みで大規模の経済
協力が可能だ。これを丁寧に説明して決断を迫る。

・また、被害者らが知っている北朝鮮にとって公開されたくない秘密については、
「被害者家族は帰国が実現すれば国交正常化に反対せず、被害者から秘密を聞き
出して反北朝鮮活動をしない」というメッセージを出しているから日本政府はそ
の実現を約束すると説得する。

?家族会・救う会が「全拉致被害者の即時一括帰国」にこだわる理由

・北朝鮮当局は全被害者の名簿をすでに持っている。それを見ることが出来るの
は金正恩委員長らごく少数の最高幹部のみ。

・2002年に横田めぐみさん、田口八重子さんら8人が「死亡」と通告された
のは、当時の最高権力者金正日委員長が秘密を多く知りすぎているので返せない
と判断したため。この金正日委員長の決定を覆すことになる8人を取り戻すこと
が一番困難。しかし、8人について死亡の証拠は何もない。生存を示す情報はあ
る。

・一括帰国にこだわらないと、日朝首脳会談でこの8人については再度死亡とさ
れ、日本との合同調査の対象とされ、秘密をあまり知らない認定あるいは未認定
の被害者数人を出してきて見返りとして制裁一部緩和と人道支援を求め、残りに
ついては国交正常化交渉と並行して調査をするという提案が浮上する危険性があ
る。

・政府の拉致問題解決の定義、1認定の有無にかかわらず全ての拉致被害者の帰
国、2真相究明、3実行犯引き渡し。このうち1が実現するまで制裁緩めず支援
せず、国交正常化交渉に入らずの原則を守る。1が実現すれば制裁一部緩和と人
道支援実施し、国交正常化交渉を開始してその中で2と3の実現を求める。

・「産経新聞」が昨年の総選挙で各党にアンケート〈家族会と救う会は「全拉致
被害者の即時一括帰国」を基本方針に掲げています。数人の被害者の返還など、
いわゆる「部分帰国」を北朝鮮側が示した場合、容認しますか。あるいは「即時
一括帰国」にこだわりますか〉。自民、公明、立憲、維新、国民、共産の6党が
〈「即時一括帰国」にこだわる〉と回答(産経2021年10月29日)。自民
党は「全拉致被害者の即時一括帰国」実現を公約。

2.体制の危機近づく北朝鮮情勢

・ウクライナ戦争、プーチン大統領が開戦前に、1週間以内にウクライナを占領
する計画だと通報。ロシアの兵器で武装している朝鮮人民軍はウクライナ戦争に
高い関心。金正恩はロシアの敗退で朝鮮人民軍の実態がわかり恐怖。偵察総局と
総参謀本部から合計20人程度の参観団がウクライナのロシア軍に派遣されてい
る。ウクライナに提供された西側の兵器の実戦での状況を検討し、戦争過程を把
握し北朝鮮に適用することが目的。

・ロシアが計画通り戦争で成功すれば、中国が台湾との戦争に突入し、人民軍は
米軍を攪乱する局地戦を行うことを中国と協議した。中国は早ければ今年末か来
年に台湾侵攻を計画していた。人民軍は西海5島地域での局地戦を検討していた。

・6重苦で追い詰められる金正恩政権

?経済制裁による外貨枯渇、?コロナ蔓延、?台風と豪雨による水害、?金正恩
の健康不安、?中朝国境完全封鎖→1月16日から貨物列車再開したが4月に再
度停止、?住民と幹部の不満と反体制勢力活動 

・「建国以来の大動乱」、5月14日金正恩がコロナのまん延を認めてこう語っ
た。発熱者が120万人以上、死者50人と5月15日に発表した。5月15日
に私が関係者から聞いたところによると、平壌だけで1万2千人の死者が出てい
るという。

・ただ、今回、初めてコロナ患者が出たわけではない。ここに来てまん延を認め
た理由は、食糧難のため地方で餓死者が出始め体制批判が沸騰していて、このま
まだと暴動がおきそうだという危機感がある。全国的に自宅隔離となり、その日
暮らしをしている多数の最貧層は食べ物がなくて餓死直前になっている。各地で
「コロナで死んでも、飢え死んでも同じだ」「金正恩は軍事パレードやミサイル
発射ばかりして人民を見殺しにしている」という怨嗟の声が出ている。

・5月上旬、平安北道で保衛員の殴り殺された死体がみつかったが、首に「人民
たちが何か悪いことしたか、お前たちが悪いことしたのだろう、悪いことした奴
らがしていない者をいじめている、人民をいじめるやつは復讐される」と書いて
あった。

・権力中枢部で対日接近を検討。西岡が聞いた検討内容情報。

「中国は改革開放を迫る、韓国は情報が流入して体制危機招く、まず米国に接近、
ミサイル発射などで挑発して制裁一部解除と人道支援を得る。ただし米国は大規
模の経済支援をしないことはわかっている。

 日本に接近する。日本から支援を得ても体制危機は来ない。また、コロナ後に
日本から観光客を呼ぶという計画ある。日本と接近する場合、拉致問題は避けら
れないと認識。対日接近があるとすればウクライナ戦争後」

以上



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