救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会の今後の運動方針と情勢報告2(2022/03/28)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.03.28)

■家族会・救う会の今後の運動方針と情勢報告2

◆解決への4つの道筋

西岡力(救う会会長)

 まず北朝鮮情勢を先にお話しして、それを踏まえて運動方針の解説をしたいと
思います。

 配布資料の「拉致問題と北朝鮮情勢」は、家族会・救う会の合同会議の資料に
最近の情勢を踏まえて作ったものです。

 まず拉致問題についての頭の整理、我々の立場の確認を家族会・救う会の合同
会議でしましたが、ここでもやりたいと思います。

 私たちが考える「解決への道筋」は4つです。大きく言えば、圧力を背景にし
て、北朝鮮の最高指導者を交渉の場に引き出して、日朝首脳会談で全拉致被害者
の即時一括帰国の実現に迫ってもらうということです。

◆親世代が生きている間に

 第一に、世論を盛り上げ「親の世代の家族会メンバーと被害者が抱き合うこと
なしに日朝関係改善はあり得ない」というメッセージを北朝鮮に送り続ける。

 去年の運動方針にもこの一節があるのですが、有本嘉代子さんが亡くなり、横
田滋さんが亡くなり、そして飯塚繁雄さんが亡くなられたことを受けて、親の世
代で最初から運動していた家族会のメンバーは2人になってしまいました。有本
明弘さんと横田早紀江さんです。早紀江さんも少し前まで時々ここにいらしてい
ましたが、今は出る元気がなくなる状況です。

 我々も親の世代に是非会ってもらいたいと思っているのですが、北朝鮮に対し
ては日本から多額の経済支援がほしいのであれば、日本人が「よかったな」と思
わなければだめですよ。多くの国民が「よかったな」と思うのは、25年前から
娘を探し、全被害者を助けようと運動の先頭に立ってきた親の世代の人たちが被
害者と抱き合う姿が、日本国民の前に現れる。そうなって初めて「よかったな」
となりますよ、と。

 あまりよくないことを言いたくはないですが、有本さんも早紀江さんもお歳で
あることは間違いないので、あまり長引くとお二人も被害者に会えないで天国に
行かれることもあり得るわけです。

 その後にめぐみさんが帰ってきたらどうなるか。日本人は、「なぜ早く返さな
かったのか」、「あまりにも残酷ではないか」というふうに思いますよ。そうなっ
たら「よかったな」とはなりませんよ、と。そういうことを考えると、北朝鮮側
にも時間がないのですよ、というメッセージを北朝鮮に送り続ける。

 そして、日本人は「よかったな」と本当に思いたいんだ、と。拉致問題につい
ては、北朝鮮は、「日本人は関心がない」と思っており、「国交正常化になれば
お金が来るのではないか」と思っていますが、そんなことはない、と。「よかっ
たな」と思わないと、いくら政府が国交正常化を約束しても国民の大多数が反対
することだってありえますよ、というメッセージを送り続けたいということです。

◆核問題の中に拉致問題がセットになって入った米朝ハノイ会談

 次は、「2.米国政府をはじめとする国際社会に、拉致問題の深刻さと日本に
とっての拉致解決の重要さへの理解をえる」ですが、アメリカの理解という点で
いうと、2つの道があります。1つは、トランプ大統領と安倍総理の関係でかな
りいい所までいったアメリカとの連携です。

 アメリカにとっては核・ミサイル問題、アメリカまで届く大陸間弾道ミサイル
を持たせないというのが利益なわけです。今日の実験に関してアメリカがどう出
るかが今後の焦点になると思います。

 一方日本にとってはまず拉致被害者の命を助けなければならない。そして日本
の安全保障にとっては核・ミサイル開発も許すことができないということです。
だから対北問題で優先順位が違うわけです。

 そういうことがずっとあったのですが、安倍総理がトランプ大統領に繰り返し
拉致問題の重要性と深刻さ、そして日本にとっての重要さをお話しくださった結
果、トランプ大統領も全体の構造を理解して、シンガポールでの米朝首脳会談で
1回、ハノイでの米朝首脳会談で2回、拉致問題に言及したと言われています。

 その直後、安倍総理から、「私の考えをトランプ大統領が伝えてくれたのだ」
と聞きました。その内容は私たちは教えてもらっていないのですが、ハノイでの
会談が物別れに終わった年の5月に、私たちはホワイトハウスに行った時、トラ
ンプ政権の関係者から次のように聞きました。

「ハノイでの会談で最初の1対1の会談で拉致問題を出した。その時金正恩委員
長は話題を変えてごまかした。次の少人数の夕食会でもう一度トランプ大統領が
拉致問題を出した。その時、〈意味のある回答〉があった」と教えてもらいまし
た。

 〈意味のある回答〉の中身は、「それは外交上のことであなたたちには教えら
れません。でも安倍総理には全部教えてあります」という話でした。

 トランプ大統領が話したと思われることを全体から考えると、トランプ大統領
は金正恩委員長に、「核・ミサイルをやめなさい」と迫ったわけです。そして、
「止めたら明るい未来がありますよ」と言って、わざわざビデオを作ってきて、
「止めたら北朝鮮はこんなに明るくなるよ」という映像を見せたそうです。

 一方、「北朝鮮が核・ミサイル開発を止めてもアメリカは経済支援はしない」
と言った。アメリカの予算は議会が決めるのですが、人権抑圧独裁国家に大規模
なODAを出すことは議会が許さないわけです。

 トランプさんはお金のことにうるさいケチな人とも言われますが、そうだから
ではなく、94年の「ジュネーブ合意」の時も、民主党のクリントン政権も、
「お金は出さない」と言って、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)という、た
だで原子力発電所を作ってあげるという枠組みを作ったのは米朝なのに、KEDOに
出資はしなかった。

 それは核・ミサイルを止めたとしても、人権抑圧独裁国家であることは変わら
ない。そこにお金を出すことは議会が認めないのです。そしてトランプ大統領は
金正恩氏に、「お金は日本と韓国が出すと言っていると言った」と記者会見で話
しています。

 そして「日本が出すと言ったが、シンゾー(安倍晋三)は拉致のことばかり言
う。シンゾーから支援を得たいならあなた(金正恩)はシンゾーに会え。シンゾー
から拉致の話を聞け。そうしたら日本が韓国に1965年に経済協力したように、北
朝鮮に経済協力する準備があると言っている」という話が、大きな枠組みの中で
提案されたのではないかと私は推測しています。

 つまり、核問題の中に拉致問題がセットになって入り込んだのです。アメリカ
にとって、日本が拉致問題を言うことは核問題の妨げではなく、逆に核問題を解
決するための必要な一部分に拉致問題がなったのです。

 アメリカにとっては日本のお金を使って核問題で説得して止めさせる。日本に
とっては核問題だけ進んで拉致問題が置き去りにならない、核が進む時は拉致も
一緒に進むという構造になったということだと思います。

 ですから安倍総理が我々の12月のセミナーに来られた時等も、「繰り返し本
当に様々なことをやってきて努力してきたんだが、残念ながら結果が出なかった」
とおっしゃいましたが、その努力の一つがトランプ大統領を通じて金正恩を説得
するということだったのです。

(3につづく)




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