救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会の今後の運動方針と情勢報告1(2022/03/25)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.03.25)

■家族会・救う会の今後の運動方針と情勢報告1

 令和4年3月24日、東京・文京区民センターで第117回東京連続集会が開
催されました。

 今回は家族会から横田拓也代表、横田哲也事務局次長が参加し、近況活動報告
を行い、また拉致問題の解決等について訴えました。次いで、北朝鮮の最新情勢
について、また家族会・救う会が3月13日の合同幹事会で決めた新たな運動方
針について西岡会長が報告しました。概要以下の通り。

西岡力(救う会会長)

 お手元の「拉致問題と北朝鮮情勢」を書いていたら今日北朝鮮が大陸間弾道ミ
サイルを発射しました。それは後で報告します。今日はまず、横田拓也さん、横
田哲也さんに来ていただきましたので、家族会・救う会の新運動方針や米大使と
の面会、岸田総理との面会について、また報道から北朝鮮のミサイル発射につい
てコメントがほしいということもありましたので宜しくお願いいたします。

◆岸田総理は金正恩委員長に自らの言葉で、力強く声を発してほしい

横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)

 皆さん、こんばんは。本日大変お忙しい中お越しいただき誠にありがとうござ
います。昨年12月11日に家族会臨時総会を開催しました。その場で飯塚耕一
郎事務局長から、「飯塚繁雄前代表が体力的に思わしくなく代表職を降りたい」
旨の報告があり、その場で次の代表を誰にするかを話し合いをして、私が3代目
の代表として就任させてもらうことになりました。

 ご存じの通り私の父が初代の家族会代表で、1997年に家族会が設立されま
した。以後約10年間代表を務め、その後を飯塚繁雄前代表に引き受けていただ
き、14年間全国を駆け巡っていただきました。国内外で拉致問題の重要性を訴
えていただいて、まさに最前線で身を削って活動されており、本当に頭が下がる
思いです。改めてご冥福をお祈りしたいと思います。

 3月12日に飯塚前代表の「お別れ会」を行いました。人数制限がありフリー
で出入りできることはなかったのですが、それでも実に多くの皆様方に暖かいご
配慮をいただきましたことを、改めて現代表としてお礼を申し上げたいと思いま
す。

 また3月13日に家族会と全国の救う会の幹事の皆様が集合して合同会議を開
催し、今年の我々の運動方針を協議し、決定しました。私たちの運動方針はこれ
までと変わっておらず、「全拉致被害者の即時一括帰国」というハードルを一切
下げることなく活動を続けることになりました。

 岸田総理は国内向けには「最重要課題」とおっしゃっていただいていますが、
肝心な金正恩委員長に対して、この問題が解決すればお互いが平和になるんだと
いうことを、もっと自らの言葉で、より一層力強く声を発してほしいということ
を記述し、その後の岸田総理との面会の時にも同じことを私から申し上げました。

◆中日米大使「拉致問題が解決するまでアメリカは継続して努力を続ける」

 家族会・救う会の合同会議が3月13日の日曜日に開催されて、翌日の14日
にエマニュエル駐日米国大使の公邸を訪問させていただきました。1時間の時間
をいただいて、家族の思いを伝えました。

 私からは、冒頭、日米などの国際社会が引き続き対北制裁を緩めてはならない
ことを改めて大使にお伝えすると共に、「可能であれば」という前提で申し上げ
ましたが、バイデン大統領が春先に来日されることがあれば、家族会・救う会と
面会させていただけないかとお願いしました。面会自体が北朝鮮への強いメッセー
ジになるので、是非検討してほしいとお願いしました。

 エマニュエル大使からは、「拉致問題が解決するまでアメリカは継続して努力
をし続ける」という暖かい言葉を頂きました。問題が解決するまで日米が同盟の
きづなをしっかり結んで、北朝鮮と厳しく向き合えればいいなと思っています。

 2日後の3月16日に、家族会・救う会で首相官邸に岸田総理を訪問させてい
ただきました。家族会・救う会の合同会議で決まった運動方針について説明に上
がりました。

 我々が改めてお伝えしたのは、先ほど申し上げたように、私たちの方針は「拉
致被害者の即時一括帰国」で、ハードルは下げないということを、直接お伝えし
ました。またこの方針に書いてある通り、岸田総理自らが金正恩委員長に対して、
「この問題が解決すれば明るい未来が描ける」ということを、力強く、自らの言
葉で発してほしいとお願いしました。

◆親世代が子どもに会えないことは絶対にあってはならない

 当日、有本のお父さん(有本明弘さん)も神戸から参加していただきました。
土曜日の家族会総会の時もそうでしたが、90歳を越えておられることもあって、
移動される度に、見ていても苦労が絶えないなと肌で感じます。実際にご苦労さ
れておられます。

 私の母も86歳で、来年2月に他界した父と同じ歳になります。本当に残され
た時間がなくて、これだけ45年間戦い続けてきて、家族や兄弟に会うために1
400件以上駆け巡って国内外で救出を訴えて世論がこれだけ高まって1500
万筆以上の署名をいただいたにも関わらず、会えないことになっては絶対になら
ないと思います。

 そのために日本は総力を結集してこの問題を解決してほしいと、岸田総理には
改めてお願いをしました。

 さて本日3月24日に、北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)と思われるもの
を日本海に発射したと報道されています。明らかに残念な話ですし、日本の安全
保障、北東アジア、世界に対する脅威につながります。日本が真剣にこの問題を
とらえていく必要があると思います。

 北朝鮮に対して私が言いたいのは、こうした脅威を与えても何一つ得るものは
ないわけで、金正恩委員長に理解をしてほしいと心から思います。北朝鮮が人権
問題、拉致問題を全面的に解決する。拉致問題で言うと「全拉致被害者の即時一
括帰国」ができさえすれば、日朝共に明るい未来が描けるという考え方を、金正
恩委員長にもしてほしいと思いますし、それを考えていただけるように、岸田総
理を初め日本のあらゆるルートを使って北朝鮮当局、金正恩委員長の耳に届くよ
うに、日本政府がしっかりと動いてほしいと思います。

 私たちは自分たちの家族や兄弟と会いたい。横田家でいうとめぐみと会いたい
し、母には絶対に会ってもらいたいと思っています。この問題は日本が脅威にさ
らされており、これは全国民に課せられている課題だと思うと、私たちは同じ声、
同じトーンで日本政府に対して救出を強く訴えること。

 そして日本政府は家族会が言っているからではなく、日本の主権や人権が侵さ
れているという我が事の視点に立って、この問題の解決をはかるように、能動的
に力強く動いてほしいと思います。

 岸田総理には、自らの言葉で力強く、問題解決のために首脳会談を開催して、
金正恩委員長とわたりあっていただきたいと思っています。ありがとうございま
した(拍手)。

◆北朝鮮国民や拉致被害者を自由に

横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)

 皆さん、こんばんは。今日北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に発射しました。北
朝鮮はどのくらいミサイルを持っているのか。余裕があるからなのか、どこかの
国が支援しているのか分かりません。しかし、まだまだ圧力をかける場面がある
のではないかと思っています。

 今日ここに来るまで、防衛省のホームページを見てきたのですが、24時間、
365日、切れ目なくレーダーで監視しているということです。日本に発射した
らイージス艦が打ち込む体制があって、それを逃したらパック3が打ち落とす体
制ですが、完全に打ち落とせるかは分からないわけです。しかし、もし日本の領
土に着弾しそうな時の体制は十分整えているようです。しかし、より一層の体制
強化をお願いしたいと思います。自衛隊の人には感謝したいと思っています。

 北朝鮮のミサイルについては色々なことが言われていますが、もしかしたらエ
ンジンがウクライナのものかもしれないですね。ウクライナは北朝鮮に科学技術
者を派遣していた事実があり、中国の空母はウクライナからの払い下げです。

 今のロシアとウクライナの関係で言えば誰もがウクライナを応援しますが、違
う角度からはそういうウクライナの一面も見られます。拉致問題の関係から見る
と、今のロシアとウクライナの関係は、何が正しく、何が必要かを見る必要があ
ると思っています。

 3月14日にエマニュエル駐日米国大使にお会いしました。やはりアメリカと
の連携は非常に重要だと思いますし、北朝鮮は米国を恐れていますので、日米の
連携には意味があると思います。

 それぞれの家族は、どんなことがあったかの拉致のストーリーをお話しされま
したが、私は横田家の拉致問題ではなく、被害者は自由が奪われていること、た
から協力してほしいということをお話ししました。

 日本国民以上に、アメリカという国は自由や人権に関心がありますのでそうい
う話をしましたし、アメリカの軍事圧力にも意味がありますので、これからも連
携が大事だと思っています。

 まだ確定していませんが、バイデン大統領が日本に来られるとき、もしお会い
できる場面があれば、大統領はブリーフィングで情報を得ているとは思いますが、
拉致問題のみならず、北朝鮮という国はテロ支援がほしい国だとこうこと、また
それはアメリカにとっても脅威だということ、アメリカがより圧力をかけること
が望ましいということをお話しできればと思っています。

 少し前に、中朝国境の貿易が再開され、色々な物資が流入してきています。し
かし、国民が潤うのではなく、政権幹部が潤うだけですから、北朝鮮国民や拉致
被害者の自由が獲得できればと思います。

 また物資の流入でコロナウイルスが付着していてそれが蔓延したら、北朝鮮を
脆弱にするかもしれません。日本政府は、拉致被害者を早く返せと求めてほしい
と思いますし、求めて結果を出すことが重要ですので、岸田総理が「最重要課題」
とおっしゃっておられますので、是非早急に答えを出してほしいと思っています。

 今は明るい兆しは見えていませんが、日本国民一人ひとりの大きな声が日本政
府を後押しして、それがいい結果につながると思っていますので、これからもお
通ししてほしいと思っています。ありがとうございました(拍手)。

(2につづく)



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