救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

全国規模の拉致問題国民大集会を開催(2021/11/15)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.11.15)

 令和3年11月3日、東京・シェーンバッハ・サボーで、1年ぶりに「全拉致
被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」が開催された。主催は、家族会、救
う会、拉致議連、知事の会、地方議連で、全国各地から800名が大集会に集合
した。

 北朝鮮では今、経済危機が深化、軍人の食糧が枯渇、党と政府の最高幹部らへ
の物資供給が止まり、中央銀行は国内で紙幣が刷れなくなり、これらの動揺を抑
えるためミサイル発射などで挑発を続けている。

 しかし、国際社会は最高度の制裁を維持しており、「先圧力、後交渉」に基づ
きなんとしてもこの厳しい制裁を背景にして日朝首脳会談を開かせなければなら
ないという立場から国民大集会が開催された。

 また、12月の北朝鮮人権週間中に、閣僚、国会議員、地方自治体首長、地方
議員の全員、また多くの国民が救出のシンボルであるブルーリボンをつけて救出
への意思を示そうと呼びかけた。

 以下はその概要である。

■全国規模の国民大集会を開催1

司会 西岡力(救う会全国協議会会長)

 皆さん、こんにちは。「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」を
始めたいと思います(拍手)。

 1年1か月ぶりになります。去年ここで横田滋さんの「お別れ会」をさせてい
ただきました。その時安倍総理がお辞めになり、新しい総理大臣として菅総理に
ここに来ていただいたのですが、1年経って新しい総理をお迎えすることになり
ました。

 しかし、新総理がまた日程を取ってくださって、官房長官と一緒に来て下さっ
ています。誰が総理になろうと、「この問題は日本国の最優先課題だ。全拉致被
害者の即時一括帰国なしには日本は国家ではない」と、そういう覚悟で、また誰
がやるかではなく国民全部で一緒に声を挙げたいと思います。怒りの声を挙げて
ください。平壌に届くように。特にこの1年間、被害者に申し訳ないという気持
ちでいっぱいです。

 少しだけお話ししますが、今北朝鮮経済は苦しいです。90年代後半に大変苦
しい時がありましたが、帰国した被害者に、「その時そういう状況でしたか」と
聞きました。そうしたら、「食料の配給はちゃんとあった。肉も食べていた。

 しかし、停電で暖房が切れて、ものすごく寒かった。石油でオンドルを使って
いますが、オンドルは暖房が切れるとすごく冷えるんです。それで家中の布団と
服を全部かぶってがたがたと震えていた」ということでした。

 今北朝鮮の被害者の皆さんがどういう状況なのか。そして私たちの力不足のた
めに、(救出が)1年延びてしまったと思うと、本当にやり切れない気持ちです。

 しかし、何もしなければ絶対に解決しないのです。そして何かをしていけば絶
対に突破口が開ける。思いを一つにして穴を開けようではありませんか。そんな
気持ちで今日の集会を進めさせていただきたいと思います。

 それでは主催者を代表して家族会代表の飯塚繁雄さんにご挨拶をお願いいたし
ます。

◆この問題は絶対にあきらめられない

飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)

 皆さま、こんにちは。しばらくでございます。このところのコロナの感染騒ぎ
で、我々の活動も途絶えてしまった期間が長かったですね。なんとかしようとい
う気持ちが、こういうことにさえぎられてできなくなった。

 しかし、北朝鮮を取り巻く環境はさらに厳しくなってきていると感じます。拉
致問題は今となってはあきらめるわけにはいかないのです。何としてもこの問題
を解決しなければならないと。これは我々家族だけの思いではなくて、ここに来
ていらっしゃる皆様を初め、国民全体の思いであろうと思います。

 新しく総理になられた岸田総理は、この問題について、「自分自身がこの問題
ときちんと向き合う覚悟ができている」とおっしゃいました。総理大臣や拉致問
題担当大臣が目まぐるしく変わり、その度に我々はお願いをしてきました。

 しかしながら、結果は出ません。我々としては厳しい立場になりつつあります
が、この問題は絶対にあきらめられないという思いを皆様方が背負っていただい
て、何が何でも解決するんだという意気込みを頂きたいと思います。

 今回特に、その思いをブルーリボンバッジに込めて、みんなで解決するぞとい
うような意気込みでいきたいと思います。そして、今度こそは解決するぞという
意気込みを持っていきたいと思います。

 北朝鮮情勢については西岡力会長が話されましたが、我々があきらめないこと
こそ解決につながると感じます。今回選挙もありましたが、拉致問題は変わらな
い。我々の思いも変わらない。このことを是非くみ取っていただき、今日の集会
からさらに一致団結して解決に向けて進めていきたいと思います。

 それぞれ立場もあると思いますが、何とか答えが出せるように。私はよく、
「日程表を作って、それに基づいて進めて、それなりの答えを出してほしい」と
言いますが、計画を作り、そしてどうなったかの答えを出してほしいと思います。

 難しい面もあると思いますが、この問題は解決という答えがでなければなにも
ならないと思います。是非とも皆様のお力を頂き、今後も進めていきたいと考え
ていますので、是非とも宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍
手)。

西岡 飯塚さんは2代目の家族会代表ですが、家族でも親の世代ではなく兄弟の
世代です。それでも、こういう言葉を使って申し訳ないんですが、薬をたくさん
飲みながら頑張って、今日も何としても来るということで来ていただき、「結果
を出してほしい」とおっしゃいました。家族の人たちも健康が心配な、後がない
状況です。

 続きまして、主催者を代表して、拉致議連会長で元拉致問題担当大臣の古屋圭
司先生にお願いします(拍手)。

◆拉致議連は行動する議員連盟だ

古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)

 今年も主催者の一人としてここに立たなければならない。忸怩たる思いです。
本当に申し訳ない。これが偽らざる気持ちです。しかし、私たちは拉致問題解決
までは徹底的に取り組んでいく。これは拉致議連の総意で、覚悟を持って決めて
います。

 この15日には、横田めぐみさんが拉致されて丸44年になります。12日に
母校の小学校で拉致問題の全校集会をやった。そんなニュースを耳にしました。
そして同級生の代表が、「もしかしたらめぐみさんの拉致は私にふりかかってい
たかもしれない。だからこれは、すべての人に関係していることなのだ。だから
政府はあらゆる手段を尽くして解決してほしい」と涙ながらに訴えたあのシーン
を見まして、私だけではなくて、政府の関係者はもちろん、拉致議連に参加して
いる皆さんも同じ気持ちで胸に突き刺さったと思います。

 我々はつい2週間前までは与野党で衆院選を戦っていました。しかし、民主主
義が立脚しているのは選挙です。選挙で結論が出た以上は、一つにまとまる。拉
致議連は超党派拉致議連で、正式名称は北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出
するために行動する議員連盟であり、与野党同じ考え方で取組んできました。今
日は選挙後の挨拶回り等があったと思いますが、今日は多数の同志が参加してく
れました。

 話は変わりますが、今月号のある月刊誌に、横田拓也さんと飯塚耕一郎さんの
対談が載っていました。私はつぶさに拝読しましたが、その中で、「政府は今ま
で拉致問題解決に本気で最高の努力を尽くしてきたのだろうか」という疑問があ
りました。

 また解決には、政府も我々国会議員も国民一人ひとりも覚悟をしなければなら
ない。それがあってこそ北朝鮮の金正恩に、「拉致問題を解決しなければわが国
に明るい未来はない」と認識させることが必要だとのことでした。

 その通りだと私は思います。そして、「拉致問題は被害者や家族の問題ではな
く、国民一人ひとりの問題だ」と本当にその通りです。主権国家の国民を強制的
に奪い取ることはテロに等しいことです。

 私たちはこの問題の解決のため、拉致議連としても徹底的にこれからも取り組
んでいくとお誓いします。北朝鮮は常に、何か厳しい状況があると、脅してきま
す。そして国家というのも不愉快ですが、国家の基本は国民の生命と財産、生活
を守ることです。

 しかし北朝鮮はそんなことはお構いなしで核・ミサイルの開発に取り組んでい
る。これは本当に許しがたい行為です。

 私は何年も前にハングルのソフトを買って、「朝鮮中央通信」の配信をいつも
見ていますが、厳しい状況の時は、仮想敵を作り、今は日本ですが、それをこき
おろすのが常套手段です。でも額面通りに受け取る人は誰もいません。厳しい論
調の裏には、本音は日本からの支援がほしいということです。

 この度岸田新政権が誕生しましたが、岸田政権においても、「拉致は最重要課
題の一つ」とはっきり言明をいただきました。そして早速家族会とも面会してい
ただきました。さらに、「条件を付けずに金正恩と向き合う」との決意を表明さ
れました。その通りだと思います。この考え方は寸分も狂うことがあってはなら
ないと思います。そのために、あらゆる手段を尽くすということです。

 そのためには今までやってきた取り組みを深めることももちろんですが、一方
で新たな試みをしていく。私はその時期が来ていると思います。

 拉致議連は政府の取り組みを決定的に支援する一方、やり方が少し生ぬるけれ
ば背中を押す等その取り組みを応援していきたいと思います。それが超党派で行
動する拉致議員連盟の責任だと思います。

 これからの我々の目標はただ一つ。北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出す
るために行動することです。しっかりその目標に向かって、これからも関係者と
連携しながら頑張っていくことをお約束してご挨拶に代えます。ありがとうござ
いました(拍手)。

西岡 続きまして、岸田文雄内閣総理大臣、政府拉致問題対策本部長よりご挨拶
をいただきます(拍手)。

◆私の手で必ず拉致問題を解決しなければ

岸田文雄(内閣総理大臣、拉致問題対策本部長)

 国民大集会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げさせていただきます。

 まず、昨年、有本嘉代子さん、横田滋さんがお亡くなりになられたことに、心
よりお悔やみを申し上げます。お二人には、私が外務大臣の時代に、お話を直接
お伺いする機会がございました。お嬢様の恵子さん、めぐみさんとの再会がかな
わぬまま亡くなられたお二人がどれだけ無念の思いを持っておられたかを思いま
すときに、胸の締め付けられる思いがいたします。言葉もありません。改めてご
冥福をお祈り申し上げる次第です。

 お二人がご存命の間に、お嬢様の恵子さん、めぐみさんを帰国させることがで
きなかったこと、また、2002年に5名の拉致被害者の方々が帰国されて以来、
1人の拉致被害者の帰国も実現できず、いまだに多くの被害者の方々が北朝鮮に
取り残されていることは、本当に申し訳なく思います。

 拉致問題は、岸田内閣の最重要課題です。先日、総理官邸で拉致被害者ご家族
の皆様とお会いし、「なんとしても結果を出してほしい」という切実な思いを改
めて心に刻ませていただきました。拉致被害者のご家族もご高齢となる中、拉致
問題の解決には一刻の猶予もありません。私の手で必ず拉致問題を解決しなけれ
ばと強く考えているところです。

 拉致問題の解決のためには、国際社会の理解と協力を得ることも不可欠です。
私は総理就任以来、各国首脳との会談において、拉致問題の解決の重要性を必ず
訴え、理解を得ています。

 総理就任の翌日には、米国バイデン大統領との電話会談を行い、拉致問題の即
時解決に向けて米国側の理解と協力を求め、バイデン大統領の支持を得ました。
今後、米国を訪問する際には、諸懸案の中でも特に一刻の猶予もない拉致問題の
解決の重要性について、改めて首脳間で理解を深めたいと思っています。

 同時に、わが国自体が主体的に動き、トップ同士の関係を構築していくことが
極めて重要でもあります。

 このため、私は、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。日朝
平壌宣言に基づき、拉致問題の諸懸案をしっかりと解決し、その上で、不幸な過
去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指していく、こうした方向性をしっか
りと念頭に置きながら、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまい
ります。

 本日、この集会を通じて、日本国民の一致団結した強い意思が示されることは、
拉致問題の解決に向けた力強い後押しとなります。その声こそが、国際社会を動
かし、北朝鮮を動かすことにつながっていくと信じております。

 私自身、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、皆様と心を一つに
しながら、総理大臣として自らが先頭に立ち、政府を挙げて、全力で取り組んで
まいります。このことを今一度、今日の集会においてお誓い申し上げさせていた
だきまして、私の御挨拶とさせていただきます。本日は誠にご苦労様です(拍手)。

(2につづく)


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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

■救う会全国協議会ニュース

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