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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

最新の北朝鮮情勢と拉致問題-東京連続集会報告3(2020/07/21)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.07.21-2)

■最新の北朝鮮情勢と拉致問題-東京連続集会報告3

◆米外交は北朝鮮に騙され続けてきた

島田洋一(救う会副会長)

 ボルトンの回顧録が6月23日に発売されて、私はすぐ電子版をキンドルでダ
ウンロードして、今スマホにボルトンの本が入っています。翻訳版が9月18日
に出るそうです。これは朝日新聞出版で、本来朝日がボルトンの本を出すなんて
ありえないのですが、トランプ批判の個所が色々あるということで朝日が出すよ
うです。

 最初のシンガポールでの米朝首脳会談の前に中国の楊潔?(ようけっち)、こ
の人が中国外交を指揮するトップですが、この人と、シンガポール会談の場で金
正恩がまるで示し合わせたように同じようなことを言っている、と。

 どういうことかと言うと、北朝鮮なんかに軍のハードライナー(強硬派)がい
て絶対にアメリカに譲ってはいけないと考えている、と。金正恩委員長はなんと
かその強硬派を押さえて、合理的な合意をアメリカと結びたいと思っている、と。

 でもアメリカに3人の韓国系米人がいて、それに対して、これは楊潔?が強調
したと言うんですが、「3人のアメリカ人犯罪者を北朝鮮が恩恵として解放した。
それに対してアメリカが何の見返りも与えなかったので、金正恩委員長は強硬派
の手前、非常に難しい立場になっている。だからアメリカが譲るべきだ」と。

 金正恩もシンガポール会談で、「強硬派が内部にいて彼らを納得させなければ
ならない。だから取りあえず米韓軍事演習を止めてもらえないか。そうでなけれ
ば強硬派を押さえきれない。世論の力が北朝鮮でも大きい」と言ったと書いてあ
ります。

西岡 北朝鮮に世論がある、と(笑)

◆ボルトンがいれば一切騙されなかったのに

島田 ボルトンもあきれて書いている。ボルトンがいればそういう話には一切騙
されない。彼は本に書いていますが、「これは共産圏の昔からの使い古されたテ
クニックだ」と。強硬派と穏健派が争っていて、書記長は苦労しているんだ、と。
書記長を助けて穏健派が強くなるようにアメリカが譲ってくれ、と。それに国務
省が常に騙されてきた。

 今回ボルトンが言うには、ころっと騙されているのがステーブン・ビーガン北
朝鮮元担当代表、今国務副長官だと書いていますが、これは我々も常に懸念すべ
き点だと思います。

 二度目のハノイの米朝首脳会談の前に、ビーガンを中心とするアメリカの交渉
代表と北朝鮮側が事前にすり合わせて、合意文書の案を作っていた、と。これを
ボルトンが直前にチェックしたところ、「北朝鮮の核活動の凍結に対して」、こ
れは凍結で廃棄ではなく、ちょっと止めます、と。それに対して制裁を解除して
いくというとんでもない内容だった、と。そういうのは絶対受け入れるなと言っ
ていたのに、ビーガンがそれも入れて案を持って行った、と。

 そこでボルトンとペンス副大統領が、「こんなものはだめだ」とトランプに言っ
たわけです。結局トランプも、「そうだ」と。「こんなもので合意しろとなった
ら、席を立つしかない、と言い、実際席を立つことを決断しました。

 だからボルトンが脇にいると、「こんな合意はいんちきだ」と分かるわけです。
ハノイ会談の段階では、ビーガンガトランプに説明しようと来たらしいのですが、
ボルトンによれば、トランプは、「こいつはだめなんだ」と。それをビーガンの
方が認識していなかった、と。今ビーガン氏も国務副長官になりましたので、ト
ランプと直接会う機会も増えているかもしれません。しかも抑えのボルトンがい
ないということです。

 文在寅韓国大統領の外交アドバイザーである、文正仁(ムン・ジョンイン)、
親北・従北の代表ですが、彼が最近、ハノイ会談の時の合意文書案についてイン
タビューで言っていることですが、「見たけど実にいい内容だった。ビーガンと
我々は完全に意見が一致する」と。だから文在寅のアドバイザーとビーガンが完
全に意見が一致するということは、極めて危ない話です。

 そこは、ボルトンの本が出た大きな意義だと思います。ビーガンというのがい
かに危ない人物かと。これを日本側もきちんと踏まえた上で対応していく必要が
ある。

◆トランプは「リビアモデル」を理解できなかった

 ボルトンの下の、NSC(国家安全保障会議)のフレッド・フライツ氏に聞い
たのですが、「対北協議のグッド・ディールは自分だとトランプが常に言ってい
た」と。だからトランプは騙されないぞという意識はあるんですが、核拡散問題
について専門知識はないですから、「これはアメリカにとっていい案です」と言
われた時に、「いいか悪いか判断する能力はトランプにはない」と。

 なぜないと言えるか。これはボルトンの解任にもつながるんですが、リビアモ
デルということをトランプは全然分かっていない。リビアのカダフィはイラクの
サダム・フセインが殺されたのを受けて、自分もやられるんじゃないかというこ
とで、「核を放棄します」とCIAやイギリスのMISに言ってきて、実際に2
003年から4年にかけて核を全部放棄したんです。化学兵器も全部放棄した。
中距離ミサイルも全部放棄した。それを見てからアメリカが制裁を解除した。

 だから核拡散防止におけるリビアモデルというのはそういうことです。ボルト
ンが、「リビアモデルでなければいけない」と言っているのですが、それを指し
ているわけです。まず完全核廃棄、それから制裁解除。

 ところがその後、2011年にカダフィは民衆蜂起によって殺害されました。
トランプは金正恩と非常に関係が悪かった時に、「お前核廃棄しなかったらリビ
アのカダフィのようになるぞ」と言ってたんです。トランプの認識では、相手が
考えようとしなかったら追い詰めて、クーデターで殺されるようにする。それが
リビアモデルだという認識です。

 ボルトンが本を出した後のインタビューで応えているのですが、トランプに対
して、「これ以上明確にしようがないほど、自分が言っているリビアモデルとは
こういうことなんだと説明したけれどもトランプの頭に入らない」と。

 北朝鮮がトランプの誤解を利用して、「ボルトンというのは、カダフィが殺さ
れた運命のように北朝鮮をもっていけると、リビア問題と言っている。そんな人
間を入れたら交渉できない」と。

 それにトランプが騙されて、ボルトンを解任した直後の取材に対して、「なぜ
ボルトンを解任したか。その理由は、彼が「リビアモデル、リビアモデル」と言っ
たせいで交渉の機運が萎えてしまった。大きな責任だ」と。つまり、リビア問題
の意味が分かっていないんです。

 それでこの本の中に、「核問題の具体的なことをトランプは分かっていない」
と書いたのですが、それは非常に危ない。ボルトンの本の中で、「最も同志とし
て信頼できる」と描かれているのがペンス副大統領です。

 それに次いで、ポンペオ国務長官も同志として、特にイラン問題などやってい
ける。ところがトランプと意見が違うということになった時に、ポンペオが最後
の段階でイエスマンになってしまう。ビーガンが融和的な案をまとめた時も、ポ
ンペオは国務長官で上司ですから、チェックして押さえなければならない話なの
に、それをポンペオがきちんとやったのかどうかよく分からないとボルトンは書
いています。

 だから、最終的にイエスマンになってしまうという部分と、国務長官は忙しい
のでビーガンの動きをポンペオがきちんとチェックしなければならない。ポンペ
オも核拡散分野の専門家ではなく、元々陸軍の軍人でその後企業で働いていた経
歴です。だから現在の安保(担当大統領)補佐官のロバート・オブライエン氏、
彼は企業弁護士出身で核問題は詳しくない。

 安保副補佐官のマット・ポッティンジャー氏、彼は我々が何度も会っているし、
信頼できる人間ですが、彼は中国が専門で、ウォールストリートジャーナルの記
者として中国に滞在している時に、民主化運動家と接触して拷問に近い取り調べ
を受けたりしていて、彼は中国に対して厳しいですが、北朝鮮に関しても分かっ
ていますが、彼も核拡散の専門家ではないので、細かなごまかしを北朝鮮側がやっ
てきた時に、それに気づけるかというとちょっと難しい。

 ボルトンが書いているのですが、ビーガンが北と交渉する時には必ずNSCから
も一人入れろ、と。ボルトンは安保補佐官ですからNSCのトップだったのですが、
北朝鮮問題に関しては、アリソン・フッカーという女性の朝鮮部長で、彼女が
NSCから米交渉団に入っていくパターンですが、しかし時々はずされていた。ビー
ガンがNSCをはずして北と交渉している局面があって、非常に不信感をもってい
るとボルトンが書いています。

 ちなみに今回ビーガンが韓国と日本に来た時も、アリソン・フッカーは一緒に
来ていなかったと聞いています。それもどういう意味があるのか、疑問を感じて
いるところです。

 エピソード的に言うと、最初のシンガポール会談の前に、金英哲(キム・ヨン
チョル)という金正恩の部下がホワイトハウスに招かれた。ボルトンは、間違っ
ても大統領執務室にあんな殺人者を入れるなと強く主張していた。回顧録による
と、オットー・ワームビア青年を拷問で殺した直接の責任者は金英哲だとアメリ
カ側は見ている、と「そんな奴を大統領執務室に絶対入れてはいけない」と主張
したのですが、トランプが聞き入れず、大統領執務室に入れて、その上金英哲を
リンカーン・デトロフ(ガラス扉キャビネット)という所に止めようとまでした。

 そこでボルトンとペンスが、「ホワイトハウスに入れるのはしょうがないけど、
執務室でないようなところで会うべきだ」と言ったが、結局通らなかった、と。

 金英哲も緊張していて、入ってきた時、金正恩のトランプ宛書簡を車の中に忘
れてきたと言うんですね。それで通訳に慌てて取りにいかせた。ボルトンは本の
中で、「これは一番大事な金正恩委員長の書簡を置き忘れてきたことを、彼は帰っ
てどう説明するんだろうか」と書いていましたが、今回の本でそのことが北に伝
わったかもしれないですね。

 安倍首相に関しては、「安倍は非常によく北朝鮮のことを分かっている。安易
に制裁を変えては絶対にだめだと、そしてリビアモデルへの理解もある。文在寅
とは180度違う」と書いています。「但し、安倍さんの立場としては分かるの
だけども、トランプの戦略は本当にすばらしいというようなことを言いすぎだ」
と。「トランプが真に受けるかもしれないので、問題のある部分はしっかりと注
文を付けないといけない」と言っています。ボルトンのこの点は安倍さんも注意
しなければいけないかなと思います。

 3回目の首脳会談を板門店でやりましたが、ごく短時間のものですが、G20
サミット中にトランプ大統領がツイッターで金正恩に呼び掛けている。ボルトン
など周りは全然知らなかったそうです。そして金正恩が降りてきて会うことになっ
たのですが、板門店会談にはボルトンは行っていないです。

 結局40分だけで、写真を撮る時間がいっぱい作って、向こうは「金正恩と李
容浩(リ・ヨンホ)外相の二人でくるからアメリカ側も二人にしてくれ」という
ことで、トランプとポンペオの4人で会談した。相互に20分ずつ、通訳を入れ
るので10分ずつ、挨拶の時間を抜かすと5分ずつくらい。それで、これでは実
質的協議にはならないだろうと、ボルトンはソウルに行かず、香港からウランバー
トルに行くという行動をとったので、短時間の米朝板門店会談で何が話し合わせ
たかはよく分からない、ということです。

(4につづく)

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下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

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