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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

トランプ大統領のお悔やみ書簡の意味(2020/07/07)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.07.07)

第14回救う会テレビ

 7月6日、第14回救う会テレビを収録しました。西岡力救う会会長が、トラ
ンプ大統領の横田早紀江さんへのお悔やみの言葉の意味、につき解説しました。

■トランプ大統領のお悔やみ書簡の意味

 みなさんごきげんよう。救う会テレビ、救う会全国協議会会長の西岡力です。

 今日は令和2年7月6日午後7時半です。

◆トランプ大統領から横田早紀江さんに、直筆のサイン入りメッセージが

 今日はですね、実は驚くべきことがあったのでそのことをちょっと話して、

 その意味について話したいと思います。

 トランプ大統領が横田早紀江さんに、横田滋さんご逝去に対するお悔やみの自
筆のサインが入ったメッセージを送ってくださったということで、その意味につ
いてお話ししたいと思います。

 これがそのメッセージでして、ホワイトハウスの印章がついてますよね。6月
30日付ですけども、日本に届いたのが7月1日だった。トランプ大統領の直筆のサ
インが下にあります。

 Dear Mrs. Yokotaとなっているわけですけど、The First Lady and I、自分の
妻と自分は、滋さんが亡くなった事について大変悲しみを覚えている、というと
ころから始まります。

 日本語訳を見て頂きますと、

〈親愛なる横田早紀江様、私とメラニアは〉、奥さんのことですけど、〈滋さん
が御逝去されたとの報に接し、悲しみに暮れています。
2017年の訪日の際に、早紀江さんと滋さんにお会いでき光栄でした。

 めぐみさんと再会し、すべての拉致被害者家族が愛する人の居場所について真
実を知るべきであるとの、あなた方の不屈の決意に感動しました。

 早紀江さんと滋さんの弛(たゆ)まない活動によって、北朝鮮による拉致問題
は日本と米国にとって優先課題であり続けています〉

米国にとっても優先課題であったと(書いて下さった)。

〈私たちは、早紀江さんと拓也さん哲也さんとともに、めぐみさんを必ずご自宅
に連れて帰るというこの重要な任務を続けます。心からのお悔やみを申し上げる
とともに、この悲しみに満ちた時期に横田家の皆様へ祈りを捧げます〉

 という心のこもったメッセージだったのですね。

 細かいことですが、実は滋さんは2017年の時は体調が悪くて面会は出来て
いないのですけども、トランプ大統領は2016年、今から4年前に大統領に当
選しまして、2017年から任期が始まって、今年再選を目指して、選挙ですけ
ども、2017年のここで言ってる、あの訪日の際の面会の写真がこれです。

 2017年の11月6日、迎賓館で安倍総理が間に入って家族会と面会してく
ださったわけですけども、メラニアさんのすぐ横に早紀江さんがいて、その後ろ
に拓也さん哲也さんがいるのが分かると思います。

 この面会だけじゃなくてですね、もう1回、2019年の5月27日、これは
去年ですね、日本が令和に御代替りした時、最初の国賓として日本に来てくださっ
た時も、もう一度会って下さったのですね。

 そしてこの2017年の11月のひと月前の、2017年の10月には、国連
総会でトランプ大統領は演説をしたのですけども、その時ちょうど北朝鮮は核実
験をしたりミサイル実験をしたりして軍事挑発をしていたわけです。

 それに対してトランプ大統領が北朝鮮を非難する演説の中で、「13歳の可愛い
少女を拉致している。許さない」ということも言ってくださった。そういうこと
がこのメッセージに含まれているわけです。

 それに対して横田早紀江さんがこのように御礼の言葉を。これは救う会にファッ
クスを頂いたのですけれども、これをメールニュースで出しました。

◆早紀江さんの感謝の返事

〈トランプ大統領閣下、

このたびは、夫、滋の召天に際しまして、御丁寧なお悔やみのお言葉を頂戴いた
しまして誠に有難く感謝申し上げます。これからも娘を取り戻す為に頑張って参
ります。

世界平和の為、お力添え戴きます様、お願い申し上げます。

益々の御活躍と御健勝をお祈り申し上げております。

神の御祝福が豊かにございますよう祈念致します。

横田早紀江〉

というメッセージが出ています。

 実はもう既に、国務省の中の北朝鮮担当特使であり、そして今は国務副長官で
あるスティーブン・ビーガンさん、それから駐日アメリカ大使館の、今大使が空
席ですから臨時大使のジョセフ・ヤングさん、それからポッテンジャー・ホワイ
トハウス大統領副補佐官からもお悔やみのメッセージが来ていたわけです。

 通常大使館はその国を代表するわけですから、アメリカ政府として公式のメッ
セージが来ていたのですけれども、それとは別にトランプ大統領が特別に個人的
なメッセージを下さったのですね。

◆軽水炉支援で村山政権は拉致を条件にしなかった

 大変有り難かったわけですけども、一部の論者の中には、「安倍政権はアメリ
カに頼って自分たちは何もしてないのではないか」と言うので、それは大変誤解
だということを今回はご説明したいと思うのですね。

 何回も繰り返し言っていますけれども、安倍政権と私たちの救出戦略は、「先
圧力」と「後交渉」なのですね。

 その場合に日本は世界一強い独自制裁をしているわけですけども、しかしそれ
だけでは足りないと、国際社会を巻き込んだ制裁をする時に、核を理由にした国
際制裁をうまく活用することが必要だということです。

 そしてトランプ大統領は先ほど申し上げた通り、2017年に任期が始まった
のですが、北朝鮮は2016年から2017年かけて3回核実験をして、40発
の弾道ミサイル発射実験をした。

 その渦中にトランプ大統領が現れて、「軍事制裁も辞さない。軍事力を使って
でも北朝鮮がアメリカまで届く大陸間弾道弾を完成することを阻止する」という
ことで、2017年の秋緊張が大変高まったのですね。

 その中でトランプ大統領は、先程言ったように、家族に会って下さったし、国
連の演説でめぐみさんのことに触れたわけですね。

 実はその2016、17年、核とミサイルで軍事緊張が高まった時ですね、私
は1993、94年を思い出したのですね。第一次核危機の時ですね。

 北朝鮮が核開発しているということが明らかになった時、当時のクリントン政
権は寧辺の核施設を爆撃すると準備をしました。金泳三大統領は、「それをする
な」と言いましたけど、アメリカはそれでも着々と準備をしていました。

 そしたら北朝鮮がですね、金正日が核開発を指導していたのですが、お父さん
の金日成が出てきて、カーター元大統領と平壌で会って、「核開発を凍結する」
いう米朝合意ができたのですね。

 でもその時ですね、拉致は全く議題に入っていなかったのです。米朝合意がで
きてしまった。

 そしてその後金日成が死ぬというようなことがありましたけど、金正恩もその
合意を引き継いで、いわゆるジュネーブ合意ということができて、アメリカはた
だで毎年50万トンの重油を北朝鮮に渡す、そしてそれとプラスアルファで新浦
という北朝鮮の都市に約45億ドルかかる(原爆を作りにくい)原子力発電所を二
基ただで作ってやる、と。その代わり核開発を凍結するという合意だった。
しかし、その45億ドルをアメリカは出さないと言ったのです。

 アメリカの国内法で、北朝鮮のような人権抑圧国家・独裁国家にアメリカの予
算で経済支援をすることは出来ないということがあって、出せなかったのですね。
クリントン政権は北と妥協をしたのですが、(アメリカは)出さないということ
だったのです。

 トランプ大統領もシンガポールやハノイで金正恩と会った時に、「核を辞めれ
ば豊かな国になる」と言いましたが、アメリカは金を出さないと言っているので
すね。これはトランプ大統領がケチだからではなくてですね、アメリカの法制度
がそうなっているのです。

 クリントン政権の時に、いわゆるジュネーブ合意で、ただで原子力発電所を、
核開発に使いにくい原子力発電所、これは軽水炉と言われるものですけども、こ
れを作ることになった時に、時の村山政権に請求書が来たわけです。

 韓国が30億ドル、日本が10億ドル、EUが5億ドル、この45億ドルを使って
ただで原発を作ってやる、ということになったのですが、村山政権はそれを出す
と言ってしまった。そして実際5億ドル出したのです。その時の条件に「拉致」
は入っていなかったのです。

 でもその話は94年ですよね。このテレビを見てくださっている皆さんはご承知
だと思いますが、日本政府が最初に国会で拉致を認めたのは1988年なのです。

 1988年に梶山静六国家公安委員長の答弁で拉致を認めていながら、1994年に核
問題で米朝が話合いをまとめた時に、日本に請求書が来た。

 その時もちろん核を止めさせるための合意に日本は賛成だが、日本の国益にか
なっているが、日本が金を出す条件はもう一つ(拉致が)ある、とと言うべきだっ
たわけです。

 それを言わないで村山政権は「10億ドル出します」と言って、実際5億ドル出
してしまったのです。今また同じような枠組みになっているのです。

 トランプ政権は核とミサイルで北朝鮮に強い圧力をかけている。軍事力を使う
と言っている。その時安倍総理は村山政権のように、米朝の話がまとまった時に
日本に請求書が来る。

 拉致は棚上げにして日本からお金を出すというようなことは絶対避ける。この
核と拉致を一緒にして国際包囲網を作って、北朝鮮が国際社会に出てくるために
は核と拉致を両方解決しなければならない。

 それを解決しない限り、国際包囲網も圧力も解けないという枠組みを作る、と
いうのが目標だったわけです。

◆「安倍政権は何もしてない」は誤解

 それで安倍総理はトランプ大統領が2016年に就任した直後から(拉致について
話した)。ゴルフをするという趣味が合ったということもあるのですけど、私は
安倍総理から直接聞いたのですけども、「ゴルフというのは良いのだ」と。「カー
トの中でたくさん話が出来るんだ」と。

 安倍総理は最初にワシントン訪問してトランプ大統領とゴルフをした時ですね、
「カートの中で拉致の話だけを延々としていた」というのです。そして、「アメ
リカ人拉致のスネドン問題までも俺は言ってやったよ」と総理は言っていました
けど、トランプ大統領は大統領に就任するまで拉致問題の「ら」の字も知らなかっ
たのです。

 しかしその2017年の10月には、国連演説で「13歳の少女」と演説をし、
そして11月には東京で家族に会った。そして日本に国賓として行くならもう1
回会うと言って、2年後の2019年5月、去年も会ってくれた。

 それは安倍総理がこの拉致問題の重要性を繰り返し繰り返し話をし、また家族
と会ったトランプ大統領が、先ほど言いましたけども、「早紀江さんと滋さんの
弛まない活動によって、北朝鮮による拉致問題は日本と米国にとって優先課題で
あり続けています」と(考えるようになった)。

「私たちは早紀江さんと拓也さんと哲也さんと共にめぐみさんを必ずご自宅に連
れて帰るというこの重要な任務を続けます」というメッセージを、自筆のサイン
入りで横田家に送るまで頭に入った。

 これがあるということは金正恩の立場からすると、今の国際包囲網から抜け出
すためには、核でトランプ大統領を、彼らはハノイで騙そうとしたわけですけど、
何か交渉して妥協するだけでは駄目だ、と。

 トランプ大統領の横に、安倍総理がいて、国際社会の支援を得て、経済制裁を
緩めてもらうためには、拉致問題も一緒に解決しなきゃだめだ、と。なぜならそ
の軍事圧力、経済制裁の圧力をかけているトランプ大統領が、「めぐみさんを自
宅に連れて帰る」と言っているのです。

 これはもうめぐみさんが生きているということを前提の言葉ですよね。そうい
うことを言うまでトランプ大統領に拉致問題を認識させることができた。

 それは最後に安倍訪朝をして、金正恩と談判する時の条件を作るという意味で、
大変意味があることだったのです。

 もちろんトランプ大統領も金正恩に、「核を止めれば豊かな国になれるぞ」と
説得しながら、アメリカの国内法の問題もあって、大規模な経済支援はできない
わけですし、トランプ大統領はアメリカ第一主義ですからなるべくアメリカの予
算を使いたくないという気持ちもあるでしょう。

「しかし、シンゾー・アベは1965年日韓国交正常化の時にやった経済協力は
できる」と言っている。「但しシンゾー・アベは、あの男はもう拉致ばかり言う
のだ」。「拉致が動かなければ絶対あの男はお金を出さない男なのだ」と。

 だからトランプ金正恩会談でもトランプ大統領は、何と3回も拉致問題を出し
たわけですね。それはもうトランプ大統領の頭の中に拉致問題が入っていて、な
んとか解決しなくちゃいけないという人道的な問題であると同時に、金正恩との
取引の中で自分のポケットにあるお金は使えないので、議会が手を抑えているか
ら、「シンゾーは出すと言っている」ということも含めて、全体の枠組みにセッ
トされてるのです。

 村山政権は先ほど言いましたように、拉致を(条件に)出さないで、10億ドル
出すというように約束して、5億ドル本当に出してしまったのです。こんな馬鹿
なことないじゃないですか。

 そうならないようにするために、トランプ大統領に拉致問題を認識させた。我
々も繰り返し2000年から訪米して、アメリカの与野党、国務省、ホワイトハ
ウス、国防総省に、拉致問題の深刻さをインプットしてきたのです。その成果が
このトランプ大統領の直筆のお悔やみの書簡だった。

 もちろん滋さんの人柄が、トランプ大統領とは会っていませんけど、滋さんと
いう人の存在がですね、トランプ大統領を感動させて、早紀江さんと滋さんの活
動に敬意を表するという意味で、直筆のお悔やみの手紙になったと思います。

◆「先圧力」の圧力の部分は完成、「後交渉」の段階に

 つまり今「先圧力」の圧力の部分は完成している。これに穴を開けないように
しながら、金正恩に決断を迫る「後交渉」の段階に入っている。

 繰り返し私が申し上げていることの条件として、日米は完全に連携している。
トランプ大統領が拉致問題を正しく認識している。これは安倍外交の大きな成果
だ。

 安倍さんは何もやっていないのではなくて、一歩一歩布石を打って、枠組みを
作っている。我々も一緒に努力してきた、ということであります。

 今日はトランプ大統領が、横田早紀江さんに送ってきた、滋さんご逝去、お悔
やみのメッセージの持つ意味についてお話し申し上げました。ありがとうござい
ました。

以上


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