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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

膠着状況が続く朝鮮半島情勢のもとで拉致被害者救出を考える国際セミナー5(2019/12/20)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.12.20-1)

■膠着状況が続く朝鮮半島情勢のもとで拉致被害者救出を考える国際セミナー5

櫻井 非常に興味深いお話だったと思います。アメリカの北朝鮮に対する政策的、
戦略的な構え、そして中国が北朝鮮を握っているというお話を伺いましたが、日
朝関係は日中関係でありまた日米関係でもある。西岡さん、こういう状況の中で
日本が今すべきことは何でしょうか。

◆膠着状態だが枠組みができた

西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)

 今日皆さんに配布した資料の中に1枚紙の参考資料<みせかけの進展を求めて
対北圧力を緩めるな>があると思います。

 古森さんの話を聞いていて、私の考えは間違っていなかったなと強く思いまし
た。しかし、今の矢板さんの話を聞いていて、後で教えてほしいこともあるんで
すが、「圧力を緩めなければ拉致被害者を取り戻せる」ということの疎外要素と
して、中国が裏で北朝鮮をどこまで支えているかということがある。そういうこ
とも考えなければいけないとお二人の話を聞いて思いました。

 まず私が考えていること、今の国際情勢を拉致問題の観点からどう見ているか
についてまずお話します。

 今は膠着状態ですし、去年のセミナーでも国際情勢について議論しましたが、
その時は「チャンスが来た」というトーンでお話しました。「チャンスが来た」
と言いながら、1年経ってまたセミナーをやっているじゃないか、西岡は判断を
間違えたのかと言われるかもしれませんが、私は枠組みはできたと思っています。

 この枠組みをどう活かせるかということが勝負であると思います。去年の「チャ
ンスが来た」は、枠組みを作ることに成功したということだったわけです。私は
「枠組みができた」と言いましたが、古森さんは逆に、アメリカの対北政策の中
に拉致問題が完全に組み込まれたとおっしゃいました。アメリカから見るとそう
ですし、日本から見るとアメリカを動かして枠組みを作ったと思っているわけで
す。

 北朝鮮は基本的に強い圧力がないと動きません。そして今北朝鮮に対して強い
圧力がかかっています。その直接の景気は2016年と17年にありました。北
朝鮮は弾道ミサイルを40発撃ちました。また核実験を3回しました。北朝鮮は
これまで6回しか核実験をしていないのに、その半分を2年の間にしました。

 特に2017年9月の核実験は、日本の防衛省の推計で160キロトンという
威力でした。広島に落されたのが16キロトンですからその10倍の威力を持つ
核爆弾を持ってしまった。彼らは水爆だと言っています。持ったのは事実です。

 そして今年の防衛省の防衛白書によると、「その爆弾を小型化して弾頭にする
ことができている」と判断しました。去年までは「できている可能性がある」で
したが、今年は「できている」になりました。アメリカも同じ判断をしています。

 広島の10倍の爆弾を小型化してミサイルに乗せられる力を彼らは持っている
んです。そして40発の弾道ミサイル実験で、アメリカの本土まで届くミサイル
が完成直前まで来ました。

 「火星12」というグアムとアラスカまで届くミサイルについては、国防科学
院が発射実験をするんですが、そこで成功するとこんどは軍に持っていって試射
をする。グアムに届く物は試射をしました。そして成功しました。実戦配備され
ているんです。

 まだ試射の段階なのは火星14と15です。西海岸と東海岸から発射しました。
その時アメリカは「これは」となって軍事圧力をかけました。さきほど古森さん
がおっしゃった通りで、すべての圧力をかけて止めさせる。

 空母が3隻来ましたし、原子力潜水艦も来た。BIBという60トンも爆弾を
積める戦略爆撃機が20回、グアムから飛んできて、朝鮮半島で演習をしました。
その結果金正恩は、自分が殺されるかもしれないと思って、9月まで毎月核・ミ
サイル実験をしたのに、10月にぴたっと止めました。

 そして11月末に火星15を意図的に高くあげるロフテッド軌道で撃って日本
海に落して、「国家核武力は完成した」と言いました。しかしそれは嘘です。な
ぜなら火星15は大気圏に再突入した時に3つに割れて、弾頭を安定的にコント
ロールすることに失敗したんです。

 アメリカの東海岸まで飛ばす射程距離は出ました。しかし弾頭を安定的にコン
トロールすることはできなかったんです。まだ実験が必要です。しかし、「完成
した」と言った。「トランプが怖いから実験はしない」とは言えないから、「完
成した」と言って実験を止めた。

 そしてシンガポールで会った時、「朝鮮半島の非核化をする」と約束し、トラ
ンプ大統領から「安全を確保する」という言葉を貰ったのです。日本のマスコミ
はよく、「体制が認められた」と言いますがそうではなく、英語の原文を見ると
セキュリティ(Security)と書いてあります。つまり、「私の安全をトランプが
保証してくれた。だからアメリカまで届く弾道ミサイルの実験はしない」という
ことです。

 完成直前までいったけどそれを止めるという取引が今の米朝の状況です。我々
はそれを見て、この中に拉致問題をどう組み込むかを考えました。北朝鮮が完成
直前にミサイルの実験を止めるくらい双方が動いている。何らかの取引が必ず米
朝の間で起きる。

 その取引が核・ミサイルだけで行われてしまったら、必ず日本に請求書が来る。
そうではなく、その取引の枠組みに拉致を入れることができるかどうかが勝負だ
と考えたのです。

 安倍総理も同じことを考えていらっしゃったと思います。安倍総理は必死になっ
て拉致問題の深刻さを説明しました。先ほど古屋先生のお話にもありましたが、
何回もワシントンに行って、拉致問題があるということについて説明する必要が
ないくらいになりました。

 アメリカの議員はもう拉致問題があることを知っている。1年に1回行くと、
「また来たのか。この1年に何があったか教えてくれ」と。アメリカのシンクタ
ンクの専門家、議会の専門家、NSC(国家安全保障会議)の専門家の人たちと
の間にそういう関係を築くことができました。

 それでトランプ大統領が、金正恩氏と核を止めさせる談判を2回したわけです
が、特に今年2月のハノイでの談判で日本人拉致を2回出した。

 ですから枠組みはできた。これから残っているのは、その枠組みを活かすため
に2つの山がある。一つは、この山を動かすためには米朝が動かないと日朝は動
かないことです。

 北朝鮮はアメリカとの交渉で、核で何らかの譲歩が成立するなら、その後日本
から多額の経済支援を受けたい。アメリカも北朝鮮に「核は止めなさい。明るい
未来が待っている」というけれども、「私は金を出さない」とトランプ大統領は
言っています。「シンゾーが出すと言っている」と。「でもシンゾーの条件は拉
致だぞ」という枠組みになっているわけです。

 米朝が動かなければならない。そのためには経済制裁が効くかどうか。あるい
はもう一度金正恩氏が年末に、アメリカとの約束を破ってアメリカまで届くミサ
イルの実験をすれば、もう一度軍事的緊張が高まるでしょう。

 そして、経済制裁で残っている「石油の禁輸」というカードをアメリカが切れ
ば、本当に困ります。古森さんが言ったように、本当に困らないと北朝鮮は動か
ない。これからどうなるか分かりません。それを乗り越えた後、今度は日朝が始
まったとしても、金正恩氏は全員を返す決断をまだしていない。

 これら2つの山をどう乗り越えるか。しかし枠組みはできたという意味では、
膠着状態ではあるけれども、その膠着状態は何も我々が手掛かりとするものがな
い絶望的な膠着状態ではなく、枠組みを作ることができた。

 しかし第一の山である米朝が動かないので次にいけない。そういう状況が当面
の枠組みです(拍手)。

櫻井 私なりにまとめてみると、安倍総理が各国首脳に会うたびに拉致問題を語っ
てきた。トランプさんに対してはとりわけ熱心に語ってきて、その結果米朝首脳
会談で拉致が提起された。先に首脳同士が通訳を入れて話す場で語った。これが
一番大事な時間です。そこでトランプさんがまず拉致問題を出したので金正恩さ
んがびっくりした。どうしてアメリカの大統領が日本人の拉致のことをいうのか、
と。

 そのくらいトランプさんの心の中に拉致というものをしっかりと刻み込んだの
が日本外交、安倍外交であったわけです。その結果、古森さんが先ほどおっしゃっ
たようにアメリカの外交の中には、対北朝鮮外交に非常に堅固なものがある、と。

 その後矢板さんが中国が北朝鮮を非常に支援しているという指摘がありました。
そして今ここで私たちが直面している事態は、米朝が動いていないということで、
その原因は北朝鮮が拉致にしても対米にしても政策を変えてきたのではないか。
その中で中国が徹頭徹尾北朝鮮の応援をしようとしている。

 そして例えば今北朝鮮が持っているミサイルの技術はどこから来たのか。軌道
修正型のミサイルはイスカンデルというロシアのミサイルから来たとされていま
すが、軍事の専門家によると、「実は中国のミサイルに非常によく似ている」と
いう方がいます。

 そもそも中国は○小平(○は登へんにおおざと)の時代から、他の国への核の
拡散を戦略にした。アメリカやソビエトだけに核を占有させない。他の国に拡散
するため積極的に核の技術を出した経緯があります。

 そういう中で米朝関係、具体的には「おいぼれ」とか「ロケットマン」という
言葉がでたり、北朝鮮の国連大使金星(キム・ソン)さんも、「非核というのは
交渉のテーブルにはない」と言った。

 そしてもう一つ気になるのはアメリカ軍の動きです。久保田るり子さんに教え
ていただいたのですが、10月27日でしたが、そのころ毎日のように米軍が朝
鮮半島の偵察のための哨戒機などを出していた。

 背景の分析は非常によく分かったんですが、目の前の状況について米朝の間で
一体何が起きているのか、さらには中朝、文在寅さんと北朝鮮との関係はどうなっ
ているのか。どなたからでも結構です。

◆日本が一番弱い所は軍事、国会で議論もしない

古森 アメリカと北朝鮮との関係ですが、トランプ政権の考え方について少し補
足させていただきます。トランプ大統領が米韓同盟について非常に懐疑的で、
「もうやめちゃってもいい」、あるいは「在韓米軍を引いてもいい」と言ったと
いうような話が流れています。

 しかし公式にはそういうことは言ってないんです。いくつかの例証があります。
一つは、今アメリカの議会が最終段階に入ってきていますが、2020年国防権
限法があります。会計年度は2019年10月から始まる1年間ですが、アメリ
カは国防費をどれくらい何のために使うかを膨大な文書にして出しています。

 この中で朝鮮半島に関しては、在韓米軍は28,500人で、これ以上減らさ
ない。減らす場合のお金を議会としては出さない、と書いてあります。付け加え
ると北朝鮮の非核化のためのアメリカの戦略はCVIDで、これはトランプ政権
の最初の戦略ですが、これもはっきりと2020年国防権限法に書かれています。

 ですから軍事面でのトランプ政権の北朝鮮に対する考え方は厳しくて、今も何
も変わっていないことです。だからアメリカはそれに備えなければならないし、
一番大切なのは臨戦態勢をしっかり保つということです。同時に軍事的抑止、相
手を攻撃して破壊する意思も能力もあるということを見せるということです。こ
の2つが柱になって対決していますから、日本において、朝鮮半島情勢に対して
我々が一番弱い所は軍事です。

 軍事で何が必要なのか。それを研究することさえなく、国会で一回でも議論し
たことがあるか。ないですね。日本の戦後のあり方というのは、軍事というのは
忌避するということで、その代償を払わされたりします。

 アメリカはまず軍事をすごく重視している。そういう背景があって、北朝鮮に
ちょっと変わった動きがある場合、あるいはアメリカがやってくれると言ってく
れていることをやらない場合、なんとなく危険なものが飛んでくることが常にあ
るわけです。

 金正恩がシンガポールであるいはハノイで2つのことをきちんと約束した。こ
れは核開発を止めるということと、長距離弾道ミサイルの開発を止めるというこ
とです。日本が気になっている短距離弾道ミサイルについては残念ながら放って
あります。中距離弾道ミサイルも北朝鮮はいっぱい持っています。撃ったりして
も何も言わなかった。しかし軍事にかんしてはアメリカはきちんとやっているわ
けです。

櫻井 古森さん、どこかの記者会見で「CVIDについては何もいわなかったじゃ
ないか」ということですが、トランプさんは「言わなかったのは時間がなかった
からだ」みたいな答えをしていますが、アメリカの国防総省等の専門家の間では、
対北朝鮮政策は非常に堅固だと私も思いますが、肝心のトランプさんが、気持ち
はどうであれ詰めが甘いところに若干の懸念を抱く人もいます。これについては
どうでしょうか。

◆トランプ大統領は一般に思われているよりは細かい

古森 彼自身に脇が甘いとか粗雑ということは事実でしょうが、スッタッフがい
て、国務次官補など日本との絆も深い、理解も深い、そして中国に対しては批判
的で、さらに実務家である。だからあまり心配する必要はないんじゃないでしょ
うか。

 例えば国家安全保障会議でずっとアジアを担当しているポッティンジャーとい
う人がいますね。議連も家族会・救う会も何度も会っている人です。彼らの実務
能力というのは決して低くない。切々とめぐみさんのことを訴えたら、「必ず大
統領に伝えます」と言って、その後の国連演説で「13歳のやさしい少女」と、

 かれは「やさしい」という言葉にsweetを使った。確かに懸念はありますが、
一般に思われているよりは細かいですね。

 話はズレますが、中国に対しては厳しいことをぴしっと言う。私はペンス副大
統領から直接聞いたんですが、演説の前にトランプさんは全文をきちっと読んで
いるそうです。LINE BY LINE、一行ごとに全部読んだ、と。だから少しは誤解が
あるようですね。

櫻井 ありがとうございます。矢板さん、中国がアメリカの固い決意の前で、北
朝鮮に色々な支援をする。中国は米中貿易戦争で大変なプレッシャーを受けてい
て、中国の足元は大丈夫なのかなあと思う面がたくさんあるんですが、北朝鮮に
対して中国はどういうふうにやっていくんでしょうか。どう助けていくのでしょ
うか。

◆中国はアメリカを意識して北朝鮮に接近・支援、北朝鮮が強気に

矢板 2019年の1年間は習近平にとって非常に厳しい年で、米中貿易戦争が
本格化し、全面対決となってしまった。香港も長期化する。今習近平が解決しな
ければならない課題がたくさんあって、主なものは四大問題と言われます。

 第一は米中で、第二が香港、第三が国内経済、第四が台湾問題です。台湾は独
立志向の蔡英文が当選しています。米中が一番大きな問題ですが、その中で北朝
鮮が大事になってくる。そこで中国は急に対北朝鮮の態度を変えてきたわけです。

 例えば今年6月に習近平が突然北朝鮮を訪問した。今まで中国の歴代指導者が
たくさん北朝鮮に行っているんですが、中国人も北朝鮮人も記念日が大好きです。
だいたい記念日の日に合わせて行きます。建国何十周年とか共産党と労働党の関
係が何十周年とか。

 ところが今年の6月は何の記念日でもなかった。これはこの後大阪の国際会議
でトランプ大統領と会う。その前にアメリカへのプレッシャーとして中国と北朝
鮮との関係の深さをアメリカにみせつけるために行ったわけです。

 だから中国は完全にアメリカを意識して北朝鮮に接近しています。具体的に習
近平が行ったあと北朝鮮に80万トンの米を支援すると報道で出ています。その
後韓国の文在寅政権が北朝鮮に5万トンの米を送ろうとしたら、「いらない」と
言われた。後ろに中国がいるからです。

 だから今の北朝鮮が非常に強気になったのは、後ろの中国が全面的に支援を始
めたことが関係していると思います。

 あと観光ですが、中国政府の発表では去年1年間で20万人の観光客が北朝鮮
を訪れたということですが、一人平均360ドル、約4万円を使っている。それ
だけ80億円ですが、観光客ではなく会議とか観光以外の目的で訪朝する人もた
くさんいます。そうやって国際社会の制裁を骨抜きにしています。

 中国の願いはただ一つで、中国の承諾がなければ北朝鮮は絶対アメリカの言う
ことを聞かないということです。制裁もゆるめて北朝鮮を楽にしてあげることで、
米朝の間に中国が割って入って主導権を握ることです。

 そして中国は今日本に対して笑顔を向けていますが、それもアメリカと戦って
いる以上、なんとか日米を分断して日中関係をよくしたいという思いがあるわけ
です。

 先ほど西岡先生が、北朝鮮は圧力がなければ動かないとおっしゃいましたが、
実は中国もまったく同じです。今までの日本の対中外交は、「こんにちは」とか
「乾杯」とか、握手をすることで仲良くなるみたいなものでしたが、それでは何
も動かない。完全に相手のペースです。

 だからこれから、例えば日本が中国に対してこれがほしいと思った時に、ただ
お願いするだけではなく、中国に圧力を加えることです。例えばアメリカが香港
人権法案作りましたが、日本でも作ろうとか。安倍さんが、「台湾を訪問したい」
とか。

 中国が譲歩しなければ日本は中国に不利な政策を打ち出すというそういう明確
な外交をやるべきです。今まさに中国は弱っているわけですから。そういう意味
で強気の対中外交を展開する時ではないかと思います(拍手)。

古森 今中国を動かして日本人拉致問題解決の一助とするというのはいい考え方
だと思うんですが、アメリカが中国に頼んで北朝鮮を動かすことは一度やりまし
た。トランプ大統領が出てきてまもない2016年の春ですが、北朝鮮の核兵器
を放棄させたい。一番影響力を行使できるのは中国だから、中国に色々やってく
ださいよと言って、その代りアメリカが中国に対して圧力をかけていた貿易問題
でも圧力をやめるから100日間猶予を与える、と。

 そして習近平が来たら、「いい男だ」と褒める。そう持ち上げて100日間待っ
たわけです。だけど何もしてくれなかったということがありました。日中の状況
は日米とは違う所もありますが、そういうことも現実ですので知っておくべきと
思います。

櫻井 今のご指摘はとても大事だと思いますが、中国は2016年に北朝鮮をコ
ントロールできなかったわけです。核・ミサイルもあきらめさせることができな
かった。むしろ、歴史を振り返れば中国が北朝鮮の核・ミサイル開発を勇気づけ
た面があります。

 今習近平は、北朝鮮に食糧や観光客で北朝鮮を支えながら、喜ばせることはで
きてもコントロールできるのでしょうか。中国がアメリカに見せたければ、何ら
かのコントロールをして見せなければならないのですが、それはできるんでしょ
うか。

◆中国と北朝鮮はやくざの親子の関係

矢板 中国と北朝鮮は親子の関係とはいえ、やくざの親子の関係なんです。子が
悪さをしていることを親はなんとも思っていないんです。北朝鮮が核・ミサイル
実験をしますが、中国にとっては別にどうでもいいんです。

 やくざの子どもが外で喧嘩をして人を傷つけたとしても、それを悪いとは思っ
ていないんです。表面上は、「ちゃんと言い聞かせますから」と言いますが、何
とも思っていないんです。

 中国にとって一番望ましい中朝関係というのは、ほどよい緊張関係があり北朝
鮮が孤立して中国の言うことを聞く、という状況です。北朝鮮が韓国と一緒になっ
たり、アメリカと一緒になったりするのは今の中国にとっては非常にマイナスで
す。

 ただアメリカが北朝鮮を攻撃して北朝鮮が体制崩壊したら、それは中国にとっ
てはいい状況ではないですが、今はほどよい緊張関係があり戦争にはならない。
そこで核実験をやっても構わない。先ほどの指摘のように、中国が北朝鮮に核開
発の技術を提供したこともあります。

 日本のマスコミは北朝鮮の核兵器は中国に速く届くとよくいいますが、中国の
共産党政権は人民の命をなんとも思っていませんから、核兵器が飛んできても気
にしないんです。そういう意味で全く脅威を感じていないのです。

 去年北朝鮮がトランプと会談をした時に約束をしましたが、それを実行できな
いのは中国が後ろで邪魔しているからです。北朝鮮がちんぴらなら中国はやくざ
なんです。やくざの方が怖い。北朝鮮の経済は基本的に中国によって成り立って
いるわけですから、中国が国境を閉ざせば北朝鮮はたちまちだめになります。中
国はそこまでやりたくない。

 日本も中国になにかやってもらいたい時には、本気で中国に圧力をかけて痛み
を感じるようなことをやらないと、中国は口先だけで実際はなにも起こらないと
思います。

(6につづく)

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