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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

米朝実務協議後の北朝鮮情勢と拉致問題−東京連続 集会報告3(2019/10/30)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.10.30)

■米朝実務協議後の北朝鮮情勢と拉致問題−東京連続 集会報告3

◆アメリカでは核問題の専門家がいなくなり危ない

西岡 北朝鮮は段階的、相互的対応を主張しています。しかし、こちらが求める
のは、こちらが求める行動を彼らがすべてとった後に初めて取引きをするという、
全面的な取引きでなければならない。これを米朝関係についていうならば、段階
的、相互的対応はどうなりますか。

島田 例えば今年2月のハノイでの米朝首脳会談の際、金正恩が寧辺という核施
設を閉鎖すると言った。これは核施設の全部ではない。ボルトンもその場にいま
したが、「他にもいっぱい疑惑施設がある」と。寧辺の閉鎖だけで制裁を事実上
ほぼ全面解除すると金正恩が要求していたわけですが、「とんでもない」とトラ
ンプを説得して席を立たせた。

 北朝鮮は要求水準を高くして、下げてくる。そういう時に、アメリカの国務省
は交渉を長く続けたいので、「北朝鮮が譲歩した。新提案を出してきた。画期的
だ」となる。交渉が続いて注目されると予算も増えるし、個人的にも知名度が上
がる。将来シンクタンクなんかに高い契約金で雇ってもらえる。そういう発想で
す。とにかく交渉を続けることが自己目的化しやすい。

 「画期的な譲歩案が出てきたからこれに応じるべきだ」と国務省の官僚が言っ
た時に、ボルトン氏と極めて親しい側近ナンバーワンの人から聞いたのですが、
ボルトン氏が辞任する前に、「ビーガンは不安だ。彼は核拡散防止交渉の機微が
分かっていない」と。ボルトン氏から見ると、「またやっている」というような
陳腐な手口であっても、つい新しい提案だと思いかねないのです。

 ビーガン氏は北朝鮮担当の特別代表ですが、彼は大量破壊兵器のプロで、ヘル
ムズという上院の超大物議員のスタッフをやってきて、国内問題に強く、外交問
題ではロシア、東ヨーロッパが専門だった人です。

 ビーガン氏は人格的に立派な人ですが、その分野の知識がないので危ういとボ
ルトン氏が言っていたそうです。そういう意味で核問題の専門家が今いないわけ
で、危ないと思います。

◆「段階的、相互的対応ではなく即時一括が大原則」

西岡 このコラムの最後の所で、<拉致は「即時一括帰国」、核は「即時一括廃
棄」、それまで「最大圧力」を維持する、が大原則でなければならない>とあり
ますが、ストックホルムでの米朝実務者協議の前後に、アメリカが新しい譲歩案
を出したとか、出そうとしているという類の報道がありました。

 先ほど言ったように、ハノイでは北朝鮮は寧辺の核施設を廃棄する、と。そこ
にはプルトニウムを作る原子炉だけでなく、濃縮ウラニウムを作る施設もある。
それも廃棄する。だから制裁を全部解除してくれということだったわけです。

 そしてアメリカが出した新しい提案は、3年くらいの期限付きで石炭の輸出を
解禁するというものです。それを提案するのではとか、したのではという報道で
した。まさにこれが島田さんの言う、段階的、相互的対応です。

 アメリカはハノイで、「寧辺以外にも核施設がある。我々はあなたたちが言っ
ていることを一日単位で知っている」と。これはトランプ大統領が金正恩に言っ
た言葉です。

 確かに濃縮ウラニウムは地下施設で作れるわけです。原子炉はいらない。北朝
鮮はウラン鉱山を持っていますからウランを持っている。濃縮工場は少なくとも
あと二つある。それ以外にあと三つくらいあるのではと言われています。それは
どうもアメリカの情報当局がつかんでいるらしいですね。

 だから寧辺を閉鎖するということは、彼らの核能力の一部を減らすことになる
から一部の制裁を緩めてもいじゃないかという考え方です。だから段階的、相互
的対応になるわけですが、それがなぜいけないんでしょうか。

島田 これはまさにボルトン氏あたりが主張してきたことですが、核施設が10
0あるとしてその内20を廃棄するので制裁を解除すると、残り80の施設の稼
働が経済制裁解除によって得られるお金で活発化させることができる。だから2
割だけで譲歩すると残り8割を活性化させてしまう。むしろ相手の核活動を促進
することになるわけです。これが基本的なボルトン氏らの考えで、全く正しいと
思います。

 とにかく一歩一歩でも交渉を続けていけば、相手の気持ちをなごませてさらに
核廃棄が進むのではないかというのがクリストファー・ヒル的な発想ですが、そ
れをやると確実にだまされて、核・ミサイルの開発配備が進んでしまうわけです。

◆トランプの短距離ミサイル発射無視を北朝鮮が悪用すると逆効果になる

西岡 私は色々取材したのですが、先ほどの報道は事実ではないとほぼ確認でき
ました。アメリカはストックホルムでは、「すべての核・ミサイルをやめなさい。
そうすればあなたたちが欲しがっている体制の安全を保証し、豊かな国になるよ
うにしてやる。そのための交渉の枠組みを作ろう。常設的な対話の場を作ろう」
と提案しています。

 ボルトン氏がいなくなって安易な提案をしたのかなと心配しましたが、今回は
そうではなかったというのが真実のようです。しかし、今後も北朝鮮は段階的、
相互的な提案を繰り返ししてくるでしょうし、その場合一番心配なのは、トラン
プ大統領は今自分の功績として、「北朝鮮の核実験と大陸間弾道ミサイルの発射
実験は止めた。俺がいなかったらそれが止まってなくて戦争になっていたかも」
等色々言っています。

 確かに2017年秋の緊張の結果、金正恩は「完成した」と言って実験をして
いない。トランプ大統領は短距離ミサイルについては何も言わない。それは金正
恩と約束していない、と。国連の制裁決議には書いてあるんですが、俺と金正恩
の間ではそういう約束はなかったと無視している。

 潜水艦発射ミサイルの実験も、あれはできてしまったら長距離ミサイルとほぼ
同じ効果を持つと思いますのでちょっと甘いように思います。しかしアメリカま
で届くミサイルを直前で押さえているという担保があるので、それが功績だとい
うのは、ある面でアメリカの大統領としては分かるのですが、あまりそれを口に
出して強調すると、逆に、「選挙前に核実験するぞ、大陸間弾道ミサイルの発射
実験をするぞ」と。

 「それをしてもらいたくなかったら制裁の一部を解除しろ」というようなこと
を脅しとして使ってくるかもしれない。北朝鮮側としては、「約束を守っている
のに制裁を続けているのはおかしいじゃないか」と言った時に、「それをやった
ら戦争をする」と言い返してもう一度軍事的圧力を高めるのか。

 戦争をするということになれば自分の交渉は失敗したということでもう一度緊
張関係に戻ってしまいますので、トランプ大統領とすると表向き自分の功績を維
持するために段階的、相互的対応にいくという誘惑にかられないか。

島田 トランプ氏がそういう誘惑にかられることは十分にありますが、それをや
ると幸か不幸か、アメリカではトランプ氏がホワイトハウスで何をしゃべっても、
翌日には「ワシントンポスト」の1面に載るくらいリークがすごいんです。従っ
て、トランプ氏としては、「北朝鮮は、アメリカまで届くミサイルを撃ってほし
くなかったらこれこれのものを寄こせと言っているから出すようにしてくれ」と
指示したら、間違いなく新聞に出ます。すると大打撃になる。

 そして私はボルトン氏が辞めないで中にいてほしかったのですが、外にいても
彼は益々影響力を増しています。安保補佐官としての秘密情報をいっぱい持って
いますから、彼が「トランプのやっていることはおかしい」と言えば、ものすご
い影響力がある。野党の民主党は飛びつきますね。

 内部にいる側近だったポッティンジャー氏、彼は安保副補佐官でしたので色々
な重要情報を持っていますから、彼からボルトン氏に「こんなおかしいことがトッ
プにより進められようとしている」と伝えれば、ボルトンはすぐ「フォックスニュー
ス」あたりに話して、批判すると思います。

 そういう構造があるのでトランプ氏が妙な妥協にいくことはないでしょう。ま
たトランプ氏の性格として、相手が騙しにかかってきた場合には、徹底的にみん
なが見ている前でつぶしにかかります。彼は本にも書いています。

 「トランプをひっかけようとしたらこんな目にあうんだということをみんなに
見せなければだめなんだ。俺はそれで財をなしてきたんだ」と言っているので、
今西岡さんが言ったようなシナリオでトランプに脅しをかけたら、逆効果になり、
我々にとってはいいことになると思います。

◆金正恩は民主党系大統領に期待して、トランプには花を持たせず我慢

西岡 もう一つ。北朝鮮が我慢を続けながら譲歩をしない理由として、大統領選
挙を見ているという見方があります。民主党政権になったら段階的・相互的対応
に応じるのではないか。だからトランプに花を持たせるような譲歩は、選挙前ま
でしないでいるのではないか、という推測も成り立ちますが。

 北朝鮮の選挙の読みは当たらないことが多く、以前は安倍政権は倒れると言っ
ていたんです。総連からもそういう報告があがっていた。「モリ」とか「カケ」
とかの時に、「これでもう安倍は倒れる。ポスト安倍に向けて工作をしよう」と
いうことになっていたのですが、その見通しははずれた。

 願望が読みに入ってしまうこともあるし、ハノイでもトランプがあの提案に乗
るかもしれないと思っていたわけでしょう。わざわざ金正恩が列車に乗ってハノ
イに行く、と出発の時に国民に知らせた。普通は帰ってきてから成功した時に国
民に知らせるのですが、成功すると思っていて玄松月(ヒョン・ソンウォル)と
いう歌劇団の親玉を連れて行った。そしてアメリカを手玉にとったという歌劇を
作ることになっていて、その準備までしていたというんですが、見通しを間違え
たわけです。

 そういうことも含めて、実際に民主党政権になったら我々にとって危機的な状
況が来るのか。段階的・相互的対応を取る可能性がある政権になりますか。

島田 まず、ブッシュ政権がライス国務長官、ヒル次官のコンビで、本当に坂を
ころげおちるように北朝鮮に騙されて融和的な方に行った。あの時は共和党のブッ
シュ政権でした。ボルトンやラムズフェルド国防長官いた時は強硬姿勢でしたが、
この人たちが抜けると国務省が主導権を握りおかしな方向に行く。

 民主党政権になっても、要所要所にしっかりした人がいれば、そんなおかしな
方に行く可能性はない。オバマ政権の時も、ライス・ヒルがやったような驚くよ
うな譲歩はしていない。しかけたことはあったのですが、事実上何もしなかった
と言うべきかもしれませんが、おかしなことはあまりしなかった。

 今候補者の中では、エリザベス・ウォーレンという人が候補者のナンバーワン
で、2番がバイデン、3番がサンダースで、ウォーレンとサンダースは極左と言っ
てもいい人です。

 アメリカの知り合いに聞くと、例えばウォーレンが大統領になった場合、安保
補佐官は誰になるのか、東アジアを担当するのは誰になりそうかと聞いたら、
「全く分からない」と。

西岡 左翼だったら金正恩に甘いとか。

島田 民主党政権で最も外交感覚が甘かったと言われるのはジミー・カーターで
すが、カーターの安保補佐官はズビグネフ・ブレジンスキーというすごく強硬な
人でした。従ってたまたま強硬派を起用することもありえるのです。全く読めな
いですね。

西岡 ジャヌージは。

島田 今西岡さんが言ったフランク・ジャヌージは、ジョー・バイデンのアジア
担当の補佐官ですが、驚くほどの融和派です。バイデンが大統領になったらジャ
ヌージが安保担当補佐官になるかもしれない。これはウォーレンが大統領になる
場合よりもっと悪いかもしれません。

西岡 金正恩がそれを希望してトランプに花を持たせるような大譲歩はしないで、
なんとか耐えようと穴倉にこもっているかもしれない。

島田 時間がどっちの味方かですが、経済制裁で相手が痛みを感じるくらいに高
めていけば、金正恩も苦しくなります。その勝負になってくると思います。ボル
トンがいなくなって、その分不安が増したわけですが、議会では今の所外交に影
響力が強い上院は、マルコ・ルビオとかテッド・クルーズ等の強硬派が中心で、
力を持っていますから上院共和党の強硬派もかなりブレーキ役になると期待して
います。

◆食糧不足で国際支援を受けながら、120万もの観光客においしい食事

西岡 北朝鮮は今外貨が不足して苦しいことは確かなことなんですが、中国が一
定程度支援をしていると言われます。前回金聖●(●=王へんに文)さんがきて
くれて話をしましたが、観光客が急増している、と。2018年に北朝鮮に入っ
た中国人観光客は120万人です。これは日本経済新聞が書いています。前年比
5割増しです。

 食糧がないと言って国際社会から人道支援をもらう国が120万人の観光客に
食べさせている。どっちかをやめさせるべきですね。観光客は弁当持ちで来てい
るわけではないからこれは滅茶苦茶です。国連の人が会いに来るのでその話を来
週しようと思います。

 ある関係者が、中国人がなぜ来ているのかを調べたところ、景色がきれい、人
情がある、飯がうまい、と。飯がうまいのを名物にして120万人も観光客を入
れる一方で、国民は飢えているから食糧支援をしてくださいというのはいくらな
んでも滅茶苦茶です。

 そういうことが起きていて、北京や上海の旅行業者が大量の人を入れている。
平壌のホテルは2か月くらい空きがないそうです。

(4につづく)


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