救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ!国民大集会報告5(2019/09/25)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.09.25)

■全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ!国民大集会報告5

櫻井 西岡さん、トランプ大統領の言葉だけを追っていくと、時々分からなくな
ります。私たちの共通の友人であるジマーワさんという方が、「大事なことはト
ランプ大統領さんのツイートとか言葉ではなくて、彼の行動をよく見た方がいい」
と言ったことがあります。

 その意味ではアメリカの北朝鮮に対する制裁のあり方は全然変わっていない。
私たちが日本は何をすべきか、日本は何ができるかを論ずる前に、アメリカのこ
とを論ずるのは国家として頼りないというか、寂しいばかりですが、日本のやる
べきことを論じる前に今のトランプ政権の状況をどう見るかということについて、
いかがですか。

◆北朝鮮はアメリカが地下濃縮ウラン工場をいくつ知っているかを調査中

西岡 トランプ大統領が今一番考えているのは次の大統領選挙で再選されること
だと思います。ボルトン氏が解任された後の「ニューヨーク・タイムズ」を見る
と、これは激しく反トランプですが、ボルトン氏の功績として「ハノイでの2回
目の米朝首脳会談を決裂させたことだ」と書いています。

 トランプさんが安易に譲歩しなかったハノイでの会談については、民主党も共
和党も意見の違いはない。両党とも、トランプさんが安易に譲歩してしまうので
はないかと心配していた。「ニューヨーク・タイムズ」はボルトン氏が大嫌いな
のですが、ボルトン氏がそれを押さえたのは功績だ、と言った。

 アメリカはこれまで何回もだまされてきていますので、北朝鮮がきちんとした
行動を示さないのに、譲歩はできない。アメリカの国益から言うと核開発をまず
ストップするということです。

 ハノイでは北朝鮮は寧辺だけをストップすると、それがあたかも恩恵のように
言った。しかし寧辺以外に地下で濃縮ウラニウムを作っている施設がたくさんあ
るんです。作り続けていながら「制裁を解除してくれ」と言った。

 それに対してトランプさんが乗ってしまったらアメリカ中が批判するという枠
組みができている。北朝鮮もそれは分かったでしょうから、次に出してくるカー
ドとして、地下の濃縮ウラニウムについてアメリカはどこまで知っているのか。
知っている所は出さざるを得ないだろうなということを、アメリカがどこまで知っ
ているかを必死で調べて、出すカードを考えようとしていると思います。

 そのことは実は、安倍さんが金正恩と会った場合にも同じようなことが起きる
のではないかと思っていますが、それは後で話します。

◆全被害者の一括帰国のために何をしたらいいか

櫻井 ありがとうございました。ここでとっても大事なことは、北朝鮮と相対峙
して拉致被害者を取り返すことが日本単独ではできないことです。これは如何な
る国もできない大変大きな課題であろうと思います。

 日本にとって非常に大事なことは、日米の協力関係をしっかり固めることです。
その後ろに国際社会の支持をがっちりと取り付けることだろうと思います。その
意味でアメリカが、今西岡さんがおっしゃったように、「ニューヨーク・タイム
ズ」でさえも、あのハノイで金正恩と決裂したことを、トランプはよくやったと
褒めていることです。ここはアメリカの指導者たちの良識を信じていいのではな
いかと思います。

 同じように中国に対する対策も民主、共和両党が非常に厳しいことを考えてい
ます。その意味で大国アメリカの大きな流れとしては、正しい方向に行っている
と思います。

 ただ、「神は細部に宿る」んですね。小さなことに私たちは気をつけなければ
ならないわけで、小さなことというのは何か、アメリカの信頼をわが国が繋ぎ留
めなければいけない。何でもかんでもアメリカにおんぶにだっこでお願いするよ
うな国であってはならないわけで、アメリカとの信頼を勝ち得てどうしても日本
のために、日本の拉致被害者のために、横田さんのために、有本さんのために、
みんなのために、アメリカの大統領が一肌脱ごうということを、気持ちの中に定
着させるには、私たち自身が私たちの力と意思でこの拉致問題を解決していくん
だということを見せていかなければいけないわけです。

 それをどうやって見せていくかということを、これからの時間でお話していた
だきたいと思います。横田さんも、飯塚さんも、若い時からお姉さん、お母さん
のことを思って街頭に立つなど活動をしてきました。

 最初は難しいこともたくさんあったと思うんですが、国内への運動から海外へ
の運動に舞台を広げて、感じることがあったと思います。そうした体験を通じて、
これからの日本が特定失踪者の皆さんも含めて日本から連れていかれた人をとに
かく一括して取り戻す、それを実現するにはこれから何を考え、何をしたらいい
と感じていらっしゃいますか。

◆一人ひとりの方に目を合わせて話すこと、そして米国などに人脈を広げる

横田拓也 先ほど黒岩知事から「小川宏モーニングショー」の話が紹介されまし
たが、私が小さい頃の記憶が今も残っていて、番組に出る前の日に品川のホテル
に泊まった時、家族4人で窓から下を眺めました。山手線や京浜東北線の緑、青
の車両が走っていて、「東京にいるんだね」ということを話したことがあります。
その記憶は私個人の記憶かもしれませんが、テレビの番組に出ることによってカ
メラがすごく怖くなってしまいました。

 また姉がいなくなった直後に、警察の方が逆探知装置を着けて、刑事の方が居
間に10人以上いましたが、そのことがあって、電話の音が今でもあまり好きで
はなく、それはもしかして心の傷かもしれません。しかし、母が今の私よりもっ
と若い頃に「自分の娘を助けてほしい、誰か情報をください」と叫んでいたのを
今でも覚えています。

 私たちが学校に行っている時に、「畳をかきむしって泣いていた」という話を
先日櫻井先生と母が対談した時に、その話を横で聞いていた時に初めて知りまし
たが、私はなにができるんだろうと思う一方で、何か怖いという思いがあったの
ですが、2003年に家族会・救う会・議連で訪米してから、今でもそうですが
「一人ひとりの方に目を合わせて話すこと」です。

 私たちには外交権も警察権もなく武力行使もできない。家族を取り戻すには、
一人ひとりに直接会って、悔しい気持ちを真剣に伝えることによって、皆様の心
を動かすことしかできない。そして皆様がもう一人の方に伝えていただいて、民
意、強い民主主義を伝えていただくことしかできない。

 その意味では今回、トランプ政権は若干メンバーが変わっていくんでしょう。
そして先ほど申し上げましたように、日本政府がまずコミュニケーションを取る
必要がありますが、今後はタイミングをみはからって家族会、救う会、議連が一
緒になって人脈を作るとともに、私たちの意見を改めて深く打っていくために活
動していかなければなならいと思っています(拍手)。

櫻井 ありがとうございました。飯塚さんは本当に小さい時にお母様を連れて行
かれて、お母様のことを全く知らずに育って、ある年齢に達した時に、(お母さ
んの兄で育ての父の)お父さんから実態を知らされた。そしてその後若い身で、
訴えられてきました。

 アメリカにも行かれたし、国連にも行かれ、色々な体験をされましたが、今私
たちが何をしたらいいと思いますか。

◆国内、海外への周知活動、そして金正恩への啓発

飯塚耕一郎 日本は軍事国家ではありませんので、世論を使って被害者をどうやっ
て帰国させるかに尽きると思います。その意味で我々がやらなければならないこ
とは、この事件の悲惨さを伝えた上で皆さんに理解していただき、かの国から被
害者を絶対に返させる。それについて理解をしていただくことが一番重要だと思
います。

 そういう中でこの大集会には毎年皆さんがいっぱい来てくださいますが、正直
に申し上げると、まだ若い方々の理解が得られていないのかなと思っています。
10代、20代、30代、40代の方々への啓発を、ここにいる国会議員の方々
も含めてですが、色々な形でっぱい来てくださいますが、正直に申し上げると、
まだ若い方々の理解が得られていないのかなと思っています。10代、20代、
30代、40代の方々への啓発を、ここにいる国会議員の方々も含めてですが、
色々な形で衆知していくことが必要かなと思います。周知していくことが必要か
なと思います。

 2点目に、海外においてもこの問題はなかなかご理解いただけない部分が多く
あります。ここ数年拓也さんと二人でニューヨーク、ベルギー、ジュネーブなど
に訪問させていただきました。

 すごく印象に残っているのは、ニューヨークのペルー総領事館だったと思いま
すが、そこの大使の方に、こういう事件があって我々は家族を北朝鮮から取り戻
したいとお話したところ、すごく感銘していただいて、その方が肌身離さず持っ
ているお守りのイコンを渡していただいて、「これはもう僕には要らないから君
たちが肉親が帰るまでこれを持っていなさい」と言ってくださいました。

 そういう形ですごくご理解をいただいた時もありましたが、まだまだ世界にお
いて北朝鮮の人権問題が理解されていない部分があることを改めて感じました。
そういうことで海外の方々にも周知したいなと思っています。

 最後に、この問題の解決のキーパーソンは金正恩以外にいませんので、彼がこ
の問題を解決することに寄ってメリット、恩恵を受ける。だから解決した方がい
い、中途半端な解決ではなく全面解決がいいということを彼に理解させることで
す。会場の皆さんや日本全国の方々に「即時一括帰国させよ」ということを常に
掲げて、金正恩自身に突き付けていきたいなと思っています(拍手)。

櫻井 独裁者の気持ちをどういうふうに変えていくかという問題は非常に難しい
問いかけです。生半可なことでは独裁者は気持ちを変えません。変えるには、自
分の身が危ない、絶体絶命であるというところを理解させるような状況を作って
いかなければなりません。

 それには経済的な手段、軍事的な手段、それを合わせた国際政治の手段がある
わけですが、わが国にはご承知のように限界があります。その中で西岡さん、あ
なたほど今の日朝のこと、拉致のことを知っている方はいないと思いますが、今
の日本国民と日本政府がどのように考えるべきか、そして何をしたらいいのか、
どういった行動の余地が我々に残されているのかをお話ください。

◆「拉致問題の解決が必要」とだけ言う人は信用できない、解決の定義が問題

西岡力 私は先ほど、「1回勝負の時がくる」と言いました。金正恩氏がこの問
題について決断をする時がくるだろうということです。そこで勝てなければ、あ
と10年とか、もっとかかるかもしれない。しかし、そこまで持ってくることが
できたことも確かです。

 北朝鮮の内部からの情報によると、彼らは「日本は独自外交はできない。アメ
リカの言うことを聞く。小泉訪朝は失敗だった。総理にサインをさせたにも関わ
らず、そして被害者を5人も帰したにも関わらず経済協力を取れなかった。アメ
リカが反対したからだ」と。

 北朝鮮はなかなか世論というものを理解できないのでそういう総括になってい
るようです。「だからまずアメリカと話をする」と。しかしトランプ大統領は、
「豊かな未来が待っている」と動画まで作って金正恩氏に見せましたが、「俺は
金は出さない」と繰り返し言っています。

 安倍総理は、「韓国にやったことと同じことについては、日本がやるべき交際
法上の責任があるのでそれをします」と言っている。しかしそれは、核・ミサイ
ルはもちろん、拉致問題が全面解決した後やると言っている。

 またトランプ大統領が拉致のことに言及したのは、もちろん人間対人間の心が
動かされたこともありますが、「豊かな国になれるんだぞ。金はシンゾー・アベ
が出すと言っている。しかしシンゾーは拉致が絶対だぞと言っている」と。

 そういう枠組みができた。これは我々にとって悪いことではない。その枠組み
を作ることができた。これを資産としてどう活用するのかということです。

 実は今日のニュースを見ると、先ほど90年の金丸訪朝の話が出ましたが、そ
の金丸さんの息子さんが訪朝したというものでした。何と北朝鮮が、金丸信生誕
105年のお祝いをしてくれた。日本でそういうお祝いが山梨であるのかどうか
分かりませんが、それはつまり、北朝鮮にとって金丸さんが約束したことは大変
有利だったということです。

 梶山答弁があったのに拉致を出さないで、戦前のつぐないだけではなく戦後の
償いもすると言った。そこをベースにして日本と交渉しようとしている。少なく
とも金丸訪朝をアレンジした統一戦線部は今でも考えています。だからこそ金丸
さんの息子さんを呼んだのです。

 そしてその統一戦線部が考えていることは例えば、米朝が動き始めた。米朝首
脳会談が決まったら突然、休眠状態だった日朝国交促進議員連盟が活動を開始し
て、国会議員会館の中で約60人の国会議員を相手に勉強会をやった。

 その講師は、統一戦線部の指導を受けている朝鮮総連の新聞の平壌支局長を国
会議員会館に呼んで与野党の先生方が話を聞いた。与党の先生もいました。これ
は事実です。何かをしようとする時は、工作を先にやるんです。今回金丸さんの
息子さんを呼んで105周年をやったことは、その一環なのかどうか。

 北朝鮮は多分9月末から米朝実務協議をするという方向です。トランプ大統領
も年内に金正恩ともう1回会いたい意向です。

 そこで核について彼らがどこまでカードを切ってくるかは分かりませんが、彼
らからするとトランプ大統領が一定の範囲でだませたり、あるいは話し合いが通
じれば日朝に行く。しかし、古屋先生たちではなく、もう一つの議員連盟と一緒
にやろうとする準備を、少なくとも統一戦線部はしているのは間違いない。彼ら
はそれが仕事だから。

 だから今の段階で私たちが気をつけなければならないのは、「拉致問題の解決
が必要だ」とだけ言う人は信用できないということです。みんな解決と言います。
だから私たちがここで、皆さんとともに繰り返し叫び続けた解決の定義が問題で
す。「全被害者の即時一括帰国」でなければならない。

 その国交促進議員連盟の中では、「国交正常化交渉と拉致被害者の調査を並行
してやりましょう。そのために日朝合同調査委員会を作りましょう。調査が長引
くから平壌と東京に事務所を作りましょう」という話が出ている。

 なぜ調査が長引くんですか。独裁者は全部知っているんですよ。曽我ひとみさ
んもいらっしゃいますが、拉致被害者も1週間に1回の生活総和をやっているん
です。北朝鮮の人は全員、1週間に1回思想点検をするんです。その報告書は全
部党の組織部に上がっています。被害者全員のファイルがあるんです。だれがど
こにいるか分からないなんて嘘です。それなのに調査に長くかかる。笑わせるん
じゃないということです。

 しかし、そういうことをやろうという人が、小泉訪朝の時外務省の幹部だった
人がテレビに出てきて、そんなことを繰り返し言っている。有名な国際政治学者
がそういうことを言い始めた。そういうことがシンガポール会談の直前から直後
にかけて起きたんです。

 アメリカが安易な譲歩をしなかったからそれは止まりましたが、アメリカが動
き始めたら、それがまた動き始めるに違いないと私は思っています。だからこそ、
「拉致問題の解決が必要だ」とだけ言う人は信用できない。解決って何ですかと
聞かなくてはならない。「全被害者の即時一括帰国」で、今日特に強調したいの
は一括です。

 彼らが狙っているのは何人かだけ返して、あとは調査をしましょうということ
です。それはもうだめだ。先ほどまでの話を私は注意深く聞いていたのですが、
菅官房長官は「一括」とおっしゃいました。古屋圭司先生たちが自民党本部から
それを言い続けてくださっていたんですが、官房長官がここで、「日本政府の目
標は拉致被害者の一括帰国だ」とおっしゃいました。その意味はすごく大きいと
思っています。

 「一括帰国」というラインから政府が絶対折れないように、そして「拉致問題
の解決」という人たちは信用できない。そうではなく、「全被害者の即時一括帰
国」というかどうかです。そこを見分けないと、これから最後の戦いになってく
ると、様々なけたぐりや工作等色々なことが起きてきます。彼らはなるべく、小
さな物で大きな物をとろうということで、そのために給料をもらって仕事をして
いるのが宋日昊(ソン・イルホ)等の人たちで。

 私は宋日昊と大喧嘩したことがありますが、そういうことが起きるだろうと思
います。しかし、それを乗り越えないと頂上には行けない。しかし、ここまでは
きた。最後の戦いが待っている。金正恩自身が、「統一戦線部のやり方では日本
はだませない」と思って、別のやり方でやれと言うかどうか。

 統一戦線部は変わらないと思いますが、そのためには私たちも統一戦線部に負
けない知恵と勇気と団結の力が今必要だと強く思っています(拍手)。

◆外交、交渉の背景には強さがないとだめ

櫻井 どうもありがとうございました。衆議院議員の三ッ林裕巳先生がお出でで
す。どうもありがとうございます(拍手)。

 今の横田さん、飯塚さん、そして西岡さんのお話で、私たちが何を考えるべき
か、何をすべきか、何に対して警戒心を持つべきかが明らかになったと思います。
二度とだまされてはならないのです。だますのが得意なのが北朝鮮のリーダーで
したが、今回はへたをすると、彼自身の存続にも関わってくるような、非常にせっ
ぱつまった状況ができています。

 だけどもここで日本とアメリカがしっかりと手をつないで、国際社会を味方に
つけて、今皆さんがおっしゃったような心構えでいかなければ、この1回きりの
チャンスを逃してしまうかもしれない。まさに勝負をかける時だと思います。

 そのために是非、皆さん方の拉致に対する関心、そしてとにかく安倍政権のも
とでこの拉致問題を解決するんだという意味での一致団結、そして安易な妥協は
絶対にしないという固い決意、これを私たち国民が一生懸命言い立てれば、政権
に対する後押しにもなりますし、北朝鮮に対する圧力にもなっていくだろうと思
います。

 そして早紀江さんがおっしゃったように、拉致問題を解決することで、本当の
意味での国家になっていかないといけないんですよ。どうして国民を救うことが
できないのか。40年も、それ以上も、どうして手も足も出せないのか。これは
国ではないからですね。

 国ではないということは、確かに私たちは真面目な誠実な人々によって成り立
つ日本国ですから、一生懸命に仕事をして、一生懸命に経済発展をして、一生懸
命にいいことをしようと国際社会のためにも貢献してきましたが、ふっと振り返っ
てみると、世界が大きく変わる中で、そして北東アジアも大きく変わる中で、い
いも悪いも含めて、拉致解決のたった一つのチャンスが目の前に来ている時に、
経済しか使えない、その他の手段は国家として使えない。

 戦争をしたいと言っているのではありません。外交、交渉の背景には強さがな
いとだめなんです(拍手)。その強さというのは、経済でもあり、軍事力でもあ
ります。

 何としても、我々の国が国民を守るんだという気概でもあると思います。これ
から2年間安倍政権が続く中で、何としてでもこの拉致問題を解決していかなけ
ればならないわけですが、安倍さんだけにお任せするのではなく、私たちも戦力
なんだという気持ちで、一生懸命この問題に取組んでいきたいと思います。

 今日は本当にありがとうございました(拍手)。多少の意見の違いは、大きな
問題の前では、とんと乗り越えて一緒にやっていきましょう。ありがとうござい
ました(拍手)。

 ここで決議案を松原仁さんにお願いします。

◆解決には圧力と怒りが大事

松原仁(拉致議連幹事長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)

 皆様、お疲れ様でした。今色々な議論がありました。私は決議文を読む前に二
つのことを申しあげたいと思います。

 櫻井さんからもお話があったように、この問題の解決には圧力と怒りが大事だ
と思っています。圧力というのは今から17年前に、5人の拉致被害者が帰って
きた時、あの環境はブッシュ政権によって、北朝鮮は「悪の枢軸」と呼ばれ、北
朝鮮側が政府高官を初め大変恐怖を感じていた。

 恐怖を感じるような圧力を北朝鮮のトップに与えなければ、この問題の解決は
原則的には進まないと思っています。北朝鮮が調子に乗って、何発もミサイルを
発射している状況は許しがたい。これに対し、圧力で彼らに畏怖の念を持たせな
ければ、この問題の解決はできません。仲良くなって解決できるような問題では
ないと皆様に明確に申し上げたい。

 もう1点は、怒りです。私は怒りが十分に北朝鮮側に伝わっているとはまだ思っ
ていません。政府側が極めて慎重に事を運ぶのは当たり前です。私の立場から勝
手なことを言わせてもらうならな、ストックホルム合意のようなものは、とっく
に破棄されねばならないような内容です。そのようなものが残っていて、日本人
が怒っているということは、北朝鮮には簡単に伝わらないと思います。その上で
決議案を読みます。

◆決議案採択

決議案

 本日、私たちは今年2回目の「全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ! 国
民大集会」を開催した。北朝鮮はいまだに多くの拉致被害者を抑留し続けながら
人権を蹂躙し、国際社会が求める核・ミサイルを放棄せずに、短距離ミサイルや
ロケット砲を発射しながら開き直っている。この間も、彼の地で救いを待ってい
る多くの同胞の苦しい日々が続いた。日本で愛する肉親の帰りを待つ家族の苦し
みも続いている。私たちは、心からの悔しさと怒りに震える思いだ。

 5月の国民大集会でも確認したが、拉致被害者救出運動がチャンスを迎えてい
ることは変わりがない。北朝鮮の政策を変えさせるには強い圧力を背景にした交
渉しかない。私たちはいま、北朝鮮が核・ミサイルを全面廃棄し、全ての拉致被
害者を返すまで圧力をかけ続けるという国際的枠組みを、この間の必死の努力で
手にしている。これこそ私たちの運動の大きな成果だ。

 圧力は効果を上げ、北朝鮮は米国との首脳会談の場に出てきた。米朝首脳会談
で日本人拉致が取り上げられ、核・ミサイル廃棄を要求する場で拉致被害者全員
帰国を同時に要求するという戦略は成功しつつある。米朝協議と相まって安倍首
相が拉致問題解決のために繰り返し提案している日朝首脳会談も連動して実現に
向かうことが強く期待される。

 家族会・救う会は今年2月、「全拉致被害者の即時一括帰国が実現するのであ
れば、私たちには国交正常化に反対する意志はない」とする金正恩委員長宛のメッ
セージを公表した。この立場には全く変化がない。政府はすべての手段を動員し
て、なんとしても全拉致被害者の即時一括帰国を実現させてほしい。
以下、決議する。

1.北朝鮮は、全拉致被害者の即時一括帰国をすぐに決断せよ。
2.政府は、国民が切望する全拉致被害者の即時一括帰国を早急に実現せよ。

令和元年9月16日
「全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ! 国民大集会」参加者一同

櫻井 同意なさる方は大きな拍手をお願い致します(拍手)。ありがとうござい
ます。この拍手をもって、決議案は決議となりました。ありがとうございました
(拍手)。

 ではここで、みんなで取り戻そうのシュプレヒコールをしたいと思います。主
催者の皆さん、壇上に上がってください。

西岡 それでは皆さん、こぶしを強く握ってください。松原先生は怒りが足りな
いと言いました。腹の底からの怒りを込めて、叫びたいと思います。

北朝鮮は全拉致被害者の即時一括帰国を決断せよ!決断せよ!決断せよ!

全被害者を一括して返せ!返せ!返せ!

政府は国民が切望する全被害者の即時一括帰国を早急に実現せよ!実現せよ!実
現せよ!

私たちは全被害者が帰ってくるまで戦うぞ!戦うぞ!戦うぞ!戦うぞ!

ありがとうございました(拍手)。

櫻井 皆さん、本当にありがとうございました。今日の気持ちを忘れないで、み
んなで気持ちを合わせて頑張っていきましょう。本当にありがとうございました
(拍手)。

以上




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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

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