北朝鮮の内部情勢と拉致の最新情勢?東京連続集会報告4(2019/07/25)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.07.25)
■北朝鮮の内部情勢と拉致の最新情勢
◆中国は観光で北朝鮮に外貨支援
金聖●(王へんの文) そしてもう一つ、これから言うことが重要なポイントで、
西岡先生とも議論をしてきたのですが、観光という穴が制裁に空きつつあります。
文在寅大統領は金剛山観光を復活したいと言っていますが、今の所できていませ
ん。アメリカは7月10日に、旅行警報により北朝鮮を依然として旅行禁止国に
分類しました。
しかし、中国が観光を使って北朝鮮に外貨を与えようとしています。習近平主
席が平壌を訪問後、「できることとできないことがある」と言ったのは、国連制
裁に違反するものはできないという意味だと思います。
では、できることは一体何なのか。裏で石油を出すのか。色々言っていたので
すが、その一つが観光だった。北朝鮮が去年輸出した金額は約3億ドルですが、
去年北朝鮮に入った中国人観光客が中国の統計によると120万人です。1人当
り約300ドルを支出したと仮定すれば、3億6000万ドルになります。北朝鮮の一年
の輸出規模より大きいドルを中国人が1年で落としている。
西岡 少し補足します。観光は国連制裁違反ではないんです。1年で120万人、
2017年は80万人でしたから1.5倍に増えています。それだけでなく中国
共産党はやる気になれば色々な形で助けられる。
今中国に2万人くらいの北朝鮮の労働者がいます。12月には戻さなければな
らないことになっていますが、既に分かっていることとして、観光ビザで労働者
を入れて、2か月とか3か月に1回、国境ではんこを押して橋を渡って戻ってく
る。そういうことを既にやっています。
あるいは私が北朝鮮の内部から入手した資料によると、北朝鮮のハッカーが中
国に出て、コンピューターのゲームを作ったりしている。また企業用ソフトを作っ
て韓国の企業に売っている。日本に売っているという話もある。そういう人たち
の活動も中国が黙認している。そこから得る外貨も大変な額になっていると思い
ます。
国連制裁の目的は外貨を止めることです。それが住民を苦しめないで、統制シ
ステムの中で食べている幹部たちを苦しめることになる。ところが中国が制裁の
穴を開けて、幹部たちに外貨を与えているということが明らかになってきていま
す。
◆人道支援か、食糧をたべる120万観光客のどちらかを止めさせろ
金聖● 昨日西岡先生と色々議論をしました。一体なぜ年間120万人の中国人
が北朝鮮に入っているのか。1年間に50%も増えているのか。誰かが誘導しな
いでこんなことが起きるだろうか。様々な説があります。
中国共産党が中国の観光業者に補助金を出しているのではないか。中国に電話
をして確かめてみました。具体的な証拠をつかまえることは今の所できていませ
んが、120万人の人たちが入っている。
西岡 ある関係者が平壌で北朝鮮の幹部に会って、なぜこんなに観光客が多いの
か聞いた。今北京では北朝鮮観光は1か月待ちだそうです。ホテルがなくて。そ
の幹部が言うには、「自然がきれいで美しい自然が残っている。人情がまだある。
料理がおいしい」。
国際社会から人道支援をもらいながら、おいしい料理を120万人に出してい
るんです。どっちか止めろ、と思います。これは事実ですから、その食糧がある
のなら、困っている人に食べさせればいいというキャンペーンをすべきだと思い
ます。
今中国人のための高級カフェとか、レストランとか、カラオケ屋があって楽し
く遊べるようになっているそうです。日本から北朝鮮に行く時は、昔は30万円
とか40万円かかった。距離の問題はあるにしても、中国人観光客はなぜこんな
に行くのかを明らかにして、この穴をふさがないと制裁が効果を上げない。制裁
が効果を上げると、内部矛盾が高まる。
いままで幹部たちはドルが使えたのに使えなくなった。銃が逆に向くかもしれ
ない。インフレが起きれば住民たちが北朝鮮の核開発に反対することが起きるか
もしれない。そういうことが起きない限り、北朝鮮は核を止めないし、被害者を
返さないと思うのですが、そのためにはこの穴をふさがなければならないと思っ
ています。
金聖● 最後に一言だけ申し上げて終わります。私たちが放送を始めて15年以
上が経ちました。苦しい時期もたくさんありました。今はアメリカの国務省の支
援を得て、4時間の放送ができ職員にもまともな月給を出せるようになったので
すが、そうでない時期も長かった。
その時助けてくださったのは日本の皆さん方でした。日本の皆さんが救う会の
自由北朝鮮放送支援委員会を通じて、その時、その時に支援してくださり、今日
もそれをいただきました。それがあったからここまでこれた。そのことをいつも
忘れていませんし、この間も職員みんなで話し合って、今少し余裕があるので、
日本からいただいたお金を自分たちで使わないで、別途貯めることにしました。
そして日本の皆さんは拉致問題を解決したいのだから、拉致の情報が北から出
てくるように使おうと思っています。苦しかった時の恩を忘れないで、これから
も皆さんと一緒に戦っていきたいと思います。ありがとうございました(拍手)。
今日本にいる自由北朝鮮放送のマネージャーで、梨花女子大学で北韓学の修士
号を持っていて、今日本で暮らしているソン・チウさんですが、これから窓口に
なってくれますので宜しくお願いいたします(拍手)。
西岡 次に家族会の横田拓也事務局長と救う会の島田洋一副会長にお願いします。
◆暴力と恐怖で人々を支配する北朝鮮、国民に自由を与え明るい未来を
島田洋一(救う会副会長)
では、横田拓也さんから、今の話の感想も含め、最近感じていることを話して
いただきます。
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
父は1年半ほど前から入院して来れない状況ですし、母は昨日は行くかどうか
悩んでいたんですが体調がすぐれないということで、今日は家族会は私一人にな
りました。
代表の飯塚繁雄さんも、先の国民大集会では体調が悪くて欠席されましたので、
私自身も辛い思いでいます。
今日金聖●さんの話を聞きました。色々な所で似たような話は聞いていますが、
金正恩委員長の親が行ってきたことによる被害者等の苦しみを思うと本当に心が
痛いと感じます。
我々は今、日朝、米朝でなんとか国際環境がうまく回転して、人権問題、拉致
問題を解決して、北朝鮮の国自体が幸せな未来を描けることを願っていますが、
今の話では暴力と恐怖で人々を支配する時代が続いていて、明日のことより今日
の命をつなぐにはどうしたらいいかという苦しみの中に2500万の国民がいる
のではないかということを聞くと、辛いところです。
金日成のファミリーとしては国民に肉のスープを食べさせることを長年言って
いますが、未だに逆のような現実があります。自分の体制維持のために高級車や
豪華な時計を渡して権威を高めたり、体制維持をするのではなく、国民に自由を
与えて暴力と恐怖を解けば、世界から金正恩委員長が尊敬されるのではないかと
思いますので、そういう意思決定をしていただきたいと思います。
2006年にブッシュ大統領とお会いした時に、ハンミちゃん(瀋陽の日本総
領事館に駆け込んだ北朝鮮少女)もオーバルルームに招かれていました。その場
で金聖●さんは、人権問題、拉致問題解決のために自由を訴えたということで、
胸が熱くなる思いでした。絶対負けてはならないという、人として生きている信
念と強さに感動を覚えつつ、私も姉を救う会立場で、拉致された人々を救うとい
う立場で、一生懸命活動していきたいと思っています。
前回の東京連続集会は6月7日に開催されましたが、その時点では板門店で米
朝首脳が会うような予兆はなかったのですが、G20やその前にあった中朝首脳
会談を受けて、とんとん拍子に国際情勢が変わっていったということを見ると、
日朝でも、それは米朝が先に進まないと具体的に進まないでしょうが、何が起き
てもおかしくないなと期待も含めて思っています。
一部の報道では、8月にタイで日朝の外相が会うような話もささやかれていま
すので、これが日朝首脳会談にうまくつながるように期待したいと思います。ま
た先ほど北朝鮮国民の大変苦しい話を聞くと、拉致された人々、私の姉も苦しく
貧しい生活をしていることを考えると、残された人生を明るく過ごしてほしいで
すし、また両親と家族と友だちとすごせるようになればいいなと願っています。
また家族会の活動の一つで、既にニュースでも報道されていますが、タイの拉
致被害者のアノーチャー・パンジョイさんの活動に、元事務局長の増元さんがタ
イを訪問されて、国内、国外に情報発信をしていただいているということです。
国際社会、そしてタイの外交当局が人権問題によりセンシティブになって、北朝
鮮に対して、タイも日本もアメリカも、そして国際社会でも、拉致問題を解決せ
よとの動きにつながればありがたいと思っています。
今日は金聖●さんの話を聞いて勇気づけられましたし、これからも戦っていき
たいと思います。ありがとうございました(拍手)。
◆中国人の北朝鮮観光による外貨支援には、日本も中国圧迫に協力を
島田 今日の金聖●さんの話ですが、俗悪な中国人が大挙して平壌に行ってお金
を落としており抜け穴になっているということですが、習近平に倫理を求めても
無駄ですから、やはり俗悪な中国人が北朝鮮に行く余裕をなくす、つまり中国経
済を苦しい状態にするのが大事だと思います。
その点、トランプ氏は、「習近平のことが大好きだ。尊敬している」と言いな
がら、どんどん経済制裁を強化しています。牽制しつつですが、そういう大統領
は今までにいませんでした。
この間G20で日本に来た時も、今後関税の上乗せは当分しないとトランプ氏
が言い、これを「米中休戦」と報じたメディアが多かったのですが、これまでに
課している関税は一切下げないのですから、関税による戦争状態が続いているわ
けです。
エスカレーションを止めただけで、現にアメリカの企業を中心に中国からどん
どん工場を東南アジアに移す、あるいはメキシコに移す動きが加速していますか
ら、日本も中国圧迫に協力すべきだと思います。
例の情報通信会社ファーウェイ(華為)については、アメリカは輸入と輸出を
分けて考える必要があると思いますが、ファーウェイの輸入についてはアメリカ
政府が調達から完全に外し、アメリカの企業にも基本的に使わせない。同盟国、
友好国にも同じようにファーウェイを使うなと言って、輸入を止める圧力はアメ
リカは全く緩めていない。
逆にアメリカの企業がファーウェイに部品を売ること、輸出については安全保
障上も問題がないものは売ってもいいとしています。他の国の企業が売ってもう
けるくらいならアメリカ企業がもうけを減らしてまで輸出を止める必要はないと
いう議論です。
アメリカから輸出していい部品、輸出してはならない部品の線引きは、今担当
の商務省がガイドラインを作っているところです。アメリカの中でも、ファーウェ
イを締め上げろと、マルコ・ルビオ上院議員のような人が影響力をもっています
から、ここは日本もしっかり協力したらいい。
中国経済が苦しい状況に追い込む。向こうがルールを守らない限りはそういう
状態に持っていくのが、北朝鮮に旅行にいく人たちが減ることにもつながるだろ
うと思います。
◆金正恩はアメリカの「斬首作戦」が怖いから会談に出てくる
最近イランの首脳部が、トランプ氏から「話し合いましょう」という申し出に
対して、こういうことを言っています。「アメリカはイランに制裁をかけている。
これは経済テロだ。経済テロをしながら話し合おうなど、ふざけるな。トランプ
と話し合うことなどない」と。これは私は常識的な態度だと思います。
ところが金正恩は、アメリカに制裁をかけられながら、「板門店に出てこい」
と言われると嬉しそうに出てくる。これはやはり金正恩は怖いんでしょうね。ト
ランプが豹変して、「斬首作戦をやるぞ」と、1年半前の状態に戻るのが怖いの
です。だからイランのような、ある意味で筋の通った対応ができない。
北朝鮮は相変わらず、段階的相互的な措置でやろうということで、みせかけの
措置、例えば一つの核関連施設を封鎖するから代わりに制裁を一部解除しろ、と。
その手法で今までだましてきたわけで、それをまたやりたい。そのためにはジョ
ン・ボルトン(安全保障担当大統領補佐官)が邪魔になるから、「ボルトンを止
めさせろ」とさかんに言っています。
アメリカのメディアでも少し前に、「ボルトンはイランに先制攻撃をするよう
な危険な人物であるから彼を止めさせるべきだ」という議論が盛り上がって、
「際トランプ氏もボルトン解任に傾いているのではないか」という報道があった
のですが、そういうことはなく、ボルトン氏も、「イランに先制攻撃をすべきだ」
というようなことは、少なくとも補佐官になってからは言っていません。
あくまでもアメリカの兵士や民間人に対してイランがテロをやっているから、
人的被害が出たら厳しい報告をするということで、今は抑止力で対応しています。
そして軍事的圧力をかければ、ひょっとしたら戦争になるかもしれないというと
ころに、新たに投資しようという企業は出てこないですから、だから軍事的圧力
をかけるというのは、経済制裁を実効性があるものにする上で、大変大事なんで
す。
その点、北朝鮮に対する軍事圧力が今弱まっているので、だから中国人のわけ
の分からない連中が観光旅行をするわけです。
ボルトン解任の話は最近なくなりましたので、ガセネタだったと言っていいと
思いますが、5日ほど前に、アメリカのメディアが一斉に報じた話ですが、ボル
トン氏の側近ナンバーワンというべき、フレッド・フライツという人物が、国家
情報長官に指名される可能性が高まっているという報道がありました。
人事のことですからどうなるか分かりませんが、そういうことを見てもボルト
ン氏の影響力は落ちているどころか、第一の側近が国家情報長官に起用されるか
もしれないと言われるくらい、むしろボルトン派の影響力が強まっていると期待
をもって見ています。
そのフライツ氏は私も親しい人ですが、彼は日本人拉致問題について一度、上
院で証言したことがあります。私も日常的に情報を入れていますが、そういう人
が毎日大統領に、朝、機密情報を上げる立場、つまり情報コミュニティのトップ
になってくれれば大変いいことだと思っています。
フライツ氏は現在、「FOXニュース」に毎日、コメンテーターで出ています
が、ボルトン氏及び周辺の存在感が増しているのは心強いことです。日本もしっ
かりバックアップしていかなければいけないと思います。
時間ですので、今日はこれで終わります(拍手)。
以上
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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■北朝鮮の内部情勢と拉致の最新情勢
◆中国は観光で北朝鮮に外貨支援
金聖●(王へんの文) そしてもう一つ、これから言うことが重要なポイントで、
西岡先生とも議論をしてきたのですが、観光という穴が制裁に空きつつあります。
文在寅大統領は金剛山観光を復活したいと言っていますが、今の所できていませ
ん。アメリカは7月10日に、旅行警報により北朝鮮を依然として旅行禁止国に
分類しました。
しかし、中国が観光を使って北朝鮮に外貨を与えようとしています。習近平主
席が平壌を訪問後、「できることとできないことがある」と言ったのは、国連制
裁に違反するものはできないという意味だと思います。
では、できることは一体何なのか。裏で石油を出すのか。色々言っていたので
すが、その一つが観光だった。北朝鮮が去年輸出した金額は約3億ドルですが、
去年北朝鮮に入った中国人観光客が中国の統計によると120万人です。1人当
り約300ドルを支出したと仮定すれば、3億6000万ドルになります。北朝鮮の一年
の輸出規模より大きいドルを中国人が1年で落としている。
西岡 少し補足します。観光は国連制裁違反ではないんです。1年で120万人、
2017年は80万人でしたから1.5倍に増えています。それだけでなく中国
共産党はやる気になれば色々な形で助けられる。
今中国に2万人くらいの北朝鮮の労働者がいます。12月には戻さなければな
らないことになっていますが、既に分かっていることとして、観光ビザで労働者
を入れて、2か月とか3か月に1回、国境ではんこを押して橋を渡って戻ってく
る。そういうことを既にやっています。
あるいは私が北朝鮮の内部から入手した資料によると、北朝鮮のハッカーが中
国に出て、コンピューターのゲームを作ったりしている。また企業用ソフトを作っ
て韓国の企業に売っている。日本に売っているという話もある。そういう人たち
の活動も中国が黙認している。そこから得る外貨も大変な額になっていると思い
ます。
国連制裁の目的は外貨を止めることです。それが住民を苦しめないで、統制シ
ステムの中で食べている幹部たちを苦しめることになる。ところが中国が制裁の
穴を開けて、幹部たちに外貨を与えているということが明らかになってきていま
す。
◆人道支援か、食糧をたべる120万観光客のどちらかを止めさせろ
金聖● 昨日西岡先生と色々議論をしました。一体なぜ年間120万人の中国人
が北朝鮮に入っているのか。1年間に50%も増えているのか。誰かが誘導しな
いでこんなことが起きるだろうか。様々な説があります。
中国共産党が中国の観光業者に補助金を出しているのではないか。中国に電話
をして確かめてみました。具体的な証拠をつかまえることは今の所できていませ
んが、120万人の人たちが入っている。
西岡 ある関係者が平壌で北朝鮮の幹部に会って、なぜこんなに観光客が多いの
か聞いた。今北京では北朝鮮観光は1か月待ちだそうです。ホテルがなくて。そ
の幹部が言うには、「自然がきれいで美しい自然が残っている。人情がまだある。
料理がおいしい」。
国際社会から人道支援をもらいながら、おいしい料理を120万人に出してい
るんです。どっちか止めろ、と思います。これは事実ですから、その食糧がある
のなら、困っている人に食べさせればいいというキャンペーンをすべきだと思い
ます。
今中国人のための高級カフェとか、レストランとか、カラオケ屋があって楽し
く遊べるようになっているそうです。日本から北朝鮮に行く時は、昔は30万円
とか40万円かかった。距離の問題はあるにしても、中国人観光客はなぜこんな
に行くのかを明らかにして、この穴をふさがないと制裁が効果を上げない。制裁
が効果を上げると、内部矛盾が高まる。
いままで幹部たちはドルが使えたのに使えなくなった。銃が逆に向くかもしれ
ない。インフレが起きれば住民たちが北朝鮮の核開発に反対することが起きるか
もしれない。そういうことが起きない限り、北朝鮮は核を止めないし、被害者を
返さないと思うのですが、そのためにはこの穴をふさがなければならないと思っ
ています。
金聖● 最後に一言だけ申し上げて終わります。私たちが放送を始めて15年以
上が経ちました。苦しい時期もたくさんありました。今はアメリカの国務省の支
援を得て、4時間の放送ができ職員にもまともな月給を出せるようになったので
すが、そうでない時期も長かった。
その時助けてくださったのは日本の皆さん方でした。日本の皆さんが救う会の
自由北朝鮮放送支援委員会を通じて、その時、その時に支援してくださり、今日
もそれをいただきました。それがあったからここまでこれた。そのことをいつも
忘れていませんし、この間も職員みんなで話し合って、今少し余裕があるので、
日本からいただいたお金を自分たちで使わないで、別途貯めることにしました。
そして日本の皆さんは拉致問題を解決したいのだから、拉致の情報が北から出
てくるように使おうと思っています。苦しかった時の恩を忘れないで、これから
も皆さんと一緒に戦っていきたいと思います。ありがとうございました(拍手)。
今日本にいる自由北朝鮮放送のマネージャーで、梨花女子大学で北韓学の修士
号を持っていて、今日本で暮らしているソン・チウさんですが、これから窓口に
なってくれますので宜しくお願いいたします(拍手)。
西岡 次に家族会の横田拓也事務局長と救う会の島田洋一副会長にお願いします。
◆暴力と恐怖で人々を支配する北朝鮮、国民に自由を与え明るい未来を
島田洋一(救う会副会長)
では、横田拓也さんから、今の話の感想も含め、最近感じていることを話して
いただきます。
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
父は1年半ほど前から入院して来れない状況ですし、母は昨日は行くかどうか
悩んでいたんですが体調がすぐれないということで、今日は家族会は私一人にな
りました。
代表の飯塚繁雄さんも、先の国民大集会では体調が悪くて欠席されましたので、
私自身も辛い思いでいます。
今日金聖●さんの話を聞きました。色々な所で似たような話は聞いていますが、
金正恩委員長の親が行ってきたことによる被害者等の苦しみを思うと本当に心が
痛いと感じます。
我々は今、日朝、米朝でなんとか国際環境がうまく回転して、人権問題、拉致
問題を解決して、北朝鮮の国自体が幸せな未来を描けることを願っていますが、
今の話では暴力と恐怖で人々を支配する時代が続いていて、明日のことより今日
の命をつなぐにはどうしたらいいかという苦しみの中に2500万の国民がいる
のではないかということを聞くと、辛いところです。
金日成のファミリーとしては国民に肉のスープを食べさせることを長年言って
いますが、未だに逆のような現実があります。自分の体制維持のために高級車や
豪華な時計を渡して権威を高めたり、体制維持をするのではなく、国民に自由を
与えて暴力と恐怖を解けば、世界から金正恩委員長が尊敬されるのではないかと
思いますので、そういう意思決定をしていただきたいと思います。
2006年にブッシュ大統領とお会いした時に、ハンミちゃん(瀋陽の日本総
領事館に駆け込んだ北朝鮮少女)もオーバルルームに招かれていました。その場
で金聖●さんは、人権問題、拉致問題解決のために自由を訴えたということで、
胸が熱くなる思いでした。絶対負けてはならないという、人として生きている信
念と強さに感動を覚えつつ、私も姉を救う会立場で、拉致された人々を救うとい
う立場で、一生懸命活動していきたいと思っています。
前回の東京連続集会は6月7日に開催されましたが、その時点では板門店で米
朝首脳が会うような予兆はなかったのですが、G20やその前にあった中朝首脳
会談を受けて、とんとん拍子に国際情勢が変わっていったということを見ると、
日朝でも、それは米朝が先に進まないと具体的に進まないでしょうが、何が起き
てもおかしくないなと期待も含めて思っています。
一部の報道では、8月にタイで日朝の外相が会うような話もささやかれていま
すので、これが日朝首脳会談にうまくつながるように期待したいと思います。ま
た先ほど北朝鮮国民の大変苦しい話を聞くと、拉致された人々、私の姉も苦しく
貧しい生活をしていることを考えると、残された人生を明るく過ごしてほしいで
すし、また両親と家族と友だちとすごせるようになればいいなと願っています。
また家族会の活動の一つで、既にニュースでも報道されていますが、タイの拉
致被害者のアノーチャー・パンジョイさんの活動に、元事務局長の増元さんがタ
イを訪問されて、国内、国外に情報発信をしていただいているということです。
国際社会、そしてタイの外交当局が人権問題によりセンシティブになって、北朝
鮮に対して、タイも日本もアメリカも、そして国際社会でも、拉致問題を解決せ
よとの動きにつながればありがたいと思っています。
今日は金聖●さんの話を聞いて勇気づけられましたし、これからも戦っていき
たいと思います。ありがとうございました(拍手)。
◆中国人の北朝鮮観光による外貨支援には、日本も中国圧迫に協力を
島田 今日の金聖●さんの話ですが、俗悪な中国人が大挙して平壌に行ってお金
を落としており抜け穴になっているということですが、習近平に倫理を求めても
無駄ですから、やはり俗悪な中国人が北朝鮮に行く余裕をなくす、つまり中国経
済を苦しい状態にするのが大事だと思います。
その点、トランプ氏は、「習近平のことが大好きだ。尊敬している」と言いな
がら、どんどん経済制裁を強化しています。牽制しつつですが、そういう大統領
は今までにいませんでした。
この間G20で日本に来た時も、今後関税の上乗せは当分しないとトランプ氏
が言い、これを「米中休戦」と報じたメディアが多かったのですが、これまでに
課している関税は一切下げないのですから、関税による戦争状態が続いているわ
けです。
エスカレーションを止めただけで、現にアメリカの企業を中心に中国からどん
どん工場を東南アジアに移す、あるいはメキシコに移す動きが加速していますか
ら、日本も中国圧迫に協力すべきだと思います。
例の情報通信会社ファーウェイ(華為)については、アメリカは輸入と輸出を
分けて考える必要があると思いますが、ファーウェイの輸入についてはアメリカ
政府が調達から完全に外し、アメリカの企業にも基本的に使わせない。同盟国、
友好国にも同じようにファーウェイを使うなと言って、輸入を止める圧力はアメ
リカは全く緩めていない。
逆にアメリカの企業がファーウェイに部品を売ること、輸出については安全保
障上も問題がないものは売ってもいいとしています。他の国の企業が売ってもう
けるくらいならアメリカ企業がもうけを減らしてまで輸出を止める必要はないと
いう議論です。
アメリカから輸出していい部品、輸出してはならない部品の線引きは、今担当
の商務省がガイドラインを作っているところです。アメリカの中でも、ファーウェ
イを締め上げろと、マルコ・ルビオ上院議員のような人が影響力をもっています
から、ここは日本もしっかり協力したらいい。
中国経済が苦しい状況に追い込む。向こうがルールを守らない限りはそういう
状態に持っていくのが、北朝鮮に旅行にいく人たちが減ることにもつながるだろ
うと思います。
◆金正恩はアメリカの「斬首作戦」が怖いから会談に出てくる
最近イランの首脳部が、トランプ氏から「話し合いましょう」という申し出に
対して、こういうことを言っています。「アメリカはイランに制裁をかけている。
これは経済テロだ。経済テロをしながら話し合おうなど、ふざけるな。トランプ
と話し合うことなどない」と。これは私は常識的な態度だと思います。
ところが金正恩は、アメリカに制裁をかけられながら、「板門店に出てこい」
と言われると嬉しそうに出てくる。これはやはり金正恩は怖いんでしょうね。ト
ランプが豹変して、「斬首作戦をやるぞ」と、1年半前の状態に戻るのが怖いの
です。だからイランのような、ある意味で筋の通った対応ができない。
北朝鮮は相変わらず、段階的相互的な措置でやろうということで、みせかけの
措置、例えば一つの核関連施設を封鎖するから代わりに制裁を一部解除しろ、と。
その手法で今までだましてきたわけで、それをまたやりたい。そのためにはジョ
ン・ボルトン(安全保障担当大統領補佐官)が邪魔になるから、「ボルトンを止
めさせろ」とさかんに言っています。
アメリカのメディアでも少し前に、「ボルトンはイランに先制攻撃をするよう
な危険な人物であるから彼を止めさせるべきだ」という議論が盛り上がって、
「際トランプ氏もボルトン解任に傾いているのではないか」という報道があった
のですが、そういうことはなく、ボルトン氏も、「イランに先制攻撃をすべきだ」
というようなことは、少なくとも補佐官になってからは言っていません。
あくまでもアメリカの兵士や民間人に対してイランがテロをやっているから、
人的被害が出たら厳しい報告をするということで、今は抑止力で対応しています。
そして軍事的圧力をかければ、ひょっとしたら戦争になるかもしれないというと
ころに、新たに投資しようという企業は出てこないですから、だから軍事的圧力
をかけるというのは、経済制裁を実効性があるものにする上で、大変大事なんで
す。
その点、北朝鮮に対する軍事圧力が今弱まっているので、だから中国人のわけ
の分からない連中が観光旅行をするわけです。
ボルトン解任の話は最近なくなりましたので、ガセネタだったと言っていいと
思いますが、5日ほど前に、アメリカのメディアが一斉に報じた話ですが、ボル
トン氏の側近ナンバーワンというべき、フレッド・フライツという人物が、国家
情報長官に指名される可能性が高まっているという報道がありました。
人事のことですからどうなるか分かりませんが、そういうことを見てもボルト
ン氏の影響力は落ちているどころか、第一の側近が国家情報長官に起用されるか
もしれないと言われるくらい、むしろボルトン派の影響力が強まっていると期待
をもって見ています。
そのフライツ氏は私も親しい人ですが、彼は日本人拉致問題について一度、上
院で証言したことがあります。私も日常的に情報を入れていますが、そういう人
が毎日大統領に、朝、機密情報を上げる立場、つまり情報コミュニティのトップ
になってくれれば大変いいことだと思っています。
フライツ氏は現在、「FOXニュース」に毎日、コメンテーターで出ています
が、ボルトン氏及び周辺の存在感が増しているのは心強いことです。日本もしっ
かりバックアップしていかなければいけないと思います。
時間ですので、今日はこれで終わります(拍手)。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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