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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮の内部情勢と拉致の最新情勢−東京連続集会報告2(2019/07/23)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.07.23)

■北朝鮮の内部情勢と拉致の最新情勢2

◆連安保理決議による厳しい対北朝鮮禁輸品目

金聖●(王へんに文) これまで我々は、国際的な経済制裁というと、ぜいたく
品が対象と思っていました。ベンツとかヨット、高級じゅうたん等です。実は2
016年から17年の制裁は、北朝鮮がほぼ輸出で外貨を稼げなくなり、海外の
労働者も引き上げなければならなくなり、またそれがないと社会が維持できなく
なる石油についてもかなり厳しい制裁が課せられました。

 北朝鮮に売ってはいけないものについてリストをつけておきましたので見てほ
しいのですが、実は配布資料に、HSコードを使って禁輸製品を明示化していま
すが、その中に安全ピンとかホチキスの針まで禁止になっています。

以下配布資料から引用

禁輸品リスト

○すべての在来式武器
○核・弾道ミサイル開発に寄与する可能性がある品目、これと関連した装備、技
術、技術サービス
○北朝鮮の作戦能力に直接寄与すると決定された品目
○ぜいたく品:真珠を使っている宝石製品、宝石、宝石用の原石および準宝石用
原石(ダイヤモンド、サファイア、ルビー、エメラルド含む)、貴金属になった、
あるいは貴金属メッキ宝石製品、ヨット、高級自動車(大衆交通ではない自動車、
レース用自動車)、高級時計、スノーモバイル、鉛クリスタル製品、レクリエー
ション スポーツ装備、じゅうたん(500ドル以上)、磁器の食器類(100ドル以上)
○大量の現金
○金
○天然ガス液体
○精油製品(年間50万バレルを上限)
○原油(年間400万バレルを上限)
○機械類(HS 84)
○電気機器(HS 85)
○木材類(HS 44)
○運送手段(HS 86〜89、鉄道車両、自動車、航空機、船舶)
○鉄鋼およびその他金属類(HS 72〜83: 鉄鋼、鉄鋼製品、銅、ニッケル、アル
ミニウム、鉛、亜鉛、スズ、その他非金属、非金属製の工具、非金属製の各種製
品)
* 禁輸品目が最も幅広く設定されたのは、2397号(2017年12月)である。この決議
は貿易において取り引き商品の種類を数字で分類したHSコードを使って具体的に
禁輸品目を指定している。例えば2397号の「鉄鋼およびその他金属類HS 830110
番」には鍵、クリップ、ステープル(ホッチキスの針)、「HS73940番」円型安全
ピン、「HS731819番」には金属ねじが禁輸品として明記されている。

* HSコードは72番から83番までに非常に広範囲で鉄鋼、鉄鋼製品、同、ニッケル、
アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、その他非金属、非金属製の工具、非金属製の各
種製品がこの範疇に入る。韓国の与党政治家たちが操業再開を論じている開城工
業団地の場合、工場の機械に塗る潤滑油が禁輸品目の「精油製品」であることか
らはじまって、生産設備や工具類、交通手段などが国連制裁に違反する行為であ
り、開城工業団地労働者への賃金を支払うために南側の銀行が開城工業団地支店
を再び開くこともやはり決議2321号(2016年11月)で禁止されている。決議2375号
(2017年9月)は北朝鮮が開城工業団地生産品目の相当部分を占めていた繊維(織物、
衣類完成品および半製品)輸出を禁止しているし、北朝鮮との合作事業も禁止し
ている。

金聖●  このような状況の中で、文在寅韓国大統領は、北朝鮮に支援をしたく
て開城工団の再開をしたいということで、トランプ大統領が板門店に行った時、
板門店から開城工団が見えますので、トランプ大統領に「あそこにあるんです。
あそこを再開しましょう」と言ったそうですが、再開するためには機械を持ち込
まなければならない。石油も入れなければならない。これはトランプ大統領がO
Kする話ではなく、具体的に国連制裁でこの品目を持ち込んではならないと書い
てある以上、簡単に再開することはできないわけです。そこまで厳しい制裁が課
されています。

◆住民は総合市場や小土地(山の傾斜地)で食べている

 そういう厳しい経済制裁がかかっているわけですが、それが北朝鮮の内部にど
のような影響を与えているか。通常ですと、北朝鮮の住民が苦しんでいるという
意見があるのですが、私の理解では、今の制裁で一番苦しんでいるのは金正恩の
幹部たちです。住民たちの苦しみは幹部たちに比べると小さいのです。

 北朝鮮の住民たちはこれまでずっと配給で食べてきましたが、今や配給を受け
ることはできないので、配給なしで生きていく覚悟をした。それから20年以上
経っています。

 実は90年代の後半に、「苦難の行軍」という、配給が途絶えてばたばたと人
が死んでいった時代がありました。その時、党や首領様に忠誠心が高い人から死
んでいった。配給を待っていたからです。そうでない人は闇市を始めた。

 忠誠心が高い人から死んでいったのを見て、「もう忠誠心を持っていても食べ
ていけない」、「配給を待っていては食べていけない」、「自分で食べるしかな
いんだ」と住民たちが覚悟を決めたのが90年代の後半です。

 ではどうやって食べてきたかということですが、チャンマダンという市場で商
売をして食べてきたのです。ところが2002年になると、72経済改革措置と
いうのが出たんですが、自分たちで作ったチャンマダンという市場を総合市場と
いう名前で公式化しました。そこから税金を取ることが始まりました。

 1.5m×1.5mの売り場を作って、そこで商売をさせ税金を取る。つまり、
国家が配給を与えないで、商売で食べることを公認したのです。市場で何が売ら
れているかというと、アメリカ製品も日本製品も韓国製品も売られていました。
韓国製品は隠して売るのですが、何でもある。

 商売が始まった結果大成功して大金持ちになった人がいます。外の世界ではト
ンジュと呼ばれる人たちも出てきたし、金儲けができなくて一日一日食べるのが
精一杯という人も出てきた。つまり資本主義的な市場経済が入ってきたのです。

 最近はなくなったのですが、ちょっと前までは帰国した在日朝鮮人たちは、日
本から送られてくるもの、大金持ちならコンテナ一杯分の中古の衣服が送られて
きて、そういうものがチャンマダンで売られていた。少し前まではチャンマダン
に行くと、日本製品が一番いいものとみんな思っていて、日本に対するあこがれ
が北朝鮮で生まれました。

 公認の総合市場とは別に、駅前とか、人が通る路の道端で闇で商売をする人も
出てきました。政治警察がきたら物を持って逃げる。それがバッタが飛んでいく
みたいだからバッタ市場と呼ばれた。それもたくさんあった。そういうことをし
てみんな食べていました。

 農村には協同農場がありますがそれとは別に、小土地というのがあります。山
に入って斜面を耕し、そこで主としてじゃが芋を植える。その収穫は自分のもの
です。山中どんどんみんな上がって行って、少しでも空き地があるとそこに植え
る。少し大げさかもしれないですが、私の感覚では、北朝鮮の全耕地の10%く
らいは小土地じゃないかと思います。

 それを北朝鮮当局が一度没収しようとしたのですが、一度所有ということを覚
えてしまった人たちは自分のものを取られることに徹底的に抵抗する。没収は成
功しなかった。軍隊が駐留している以外の北朝鮮の山という山はみんな小土地に
なって、それで食べている。

 実は家内作業班というのがあって、これは合法的なもので、1968年8月3
日に金日成が、職場に行っていない家庭の主婦や、北朝鮮では定年は男60歳、
女55歳ですが、定年を過ぎた老人や身体障害者は家の中で働け、生活品を作れ
という制度を作ったのです。

 8・3人民商品というのですが、家の中で家内手工業のようなことをやれとい
うわけです。在日朝鮮人がこれを利用してござを作ったり、工芸品をたくさん作っ
ていたのですが、これを逆利用して、家の中で何でも作っている。衣類、タバコ
もそうですが、最近麻薬まで作っている。そういうもので食べているので配給な
しでも生きていける。

 また運送業もやっている。サービス車なのですが、「す」がなくてサービ車
(チャ)というものです。これは何かというと、中国から中古のバスやトラック
などを買ってきます。個人所有というのは表向きはないですから大きな事業所や
軍部隊に登録だけしてもらう。彼らにお金を払って、最初は自分で運転しますが、
その内運転手を雇って国内で人や物を運んでお金を取る運送業が発達してきた。

 そういうもので食べているので配給の復活は望んでいないんです。食糧配給制
が復活する場合、配給の3大要素というそうですが、政治活動証明書、軍事活動
証明書、所属した行政単位が発行する証明書を持っていくと配給がもらえるので
すが、政治活動なんか参加したくないし、自分で食べていけるから配給の復活は
望んでいないんです。そういう人たちが多く出てきている。

 但し、自分で食べていけることに関して経済制裁がどういう影響を与えている
か。今北朝鮮では、国が配給する機能が麻痺していて、トンジュという大金持ち
がいて、市場経済があり、個人がある。それで経済が回っていく体制ですが、実
はそのトンジュの一部は国境地帯で中国と貿易をしている。その貿易ができなく
なった。北朝鮮に物を売れなくなった。また北朝鮮の貿易の9割以上は中国が相
手ですが、その中国に物が売れなくなった。

 その結果、市場の経済規模が縮小した。そして食糧をはじめとする物価上昇の
兆しが見えている。バッタ市場などが増えるのに反して、総合市場は半分、ある
いはそれ以下に減っている。売り場に空きが出ている。しょば代を払えないから。
そういう通信員の報告が殺到している。

 これがもっと続いて、インフレーション、物価の高騰が起きた場合には北朝鮮
の住民たちが、これは制裁のせいだ、それで市場での自分たちの生活までできな
くなるのかということになれば、その原因である北朝鮮の核開発を止めろという
方向に住民たちの意識がいく可能性があります。

 私は経済制裁で金正恩が核を放棄することはかなり疑わしいと思っていますが、
しかし住民たちの市場を中心とする経済生活が、経済制裁の結果より苦しくなる
ならば、なぜ核開発をするのかという不満が高まってくる可能性があると思って
います。

 以上をまとめると、今の所住民たちの生活に経済制裁は相対的にそれほど大き
な影響はないが、一方幹部たちには大きな影響があります。

(3につづく)


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