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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

激動する朝鮮半島情勢の下で拉致被害者救出を考える国際セミナー報告4(2018/12/20)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.12.20)

■激動する朝鮮半島情勢の下で拉致被害者救出を考える国際セミナー報告4

◆米両院のスネドン決議は日本の議員が動かした

島田 ありがとうございます。何度か話が出ているように、つい先ほどアメリカ
上院で、スネドンさんの失踪を北朝鮮の拉致の観点からしっかり調べろという決
議案が通りました。今松原仁議員が少し遅れて来られましたが、松原先生と初め
からこの場におられた山谷先生、渡辺周先生等で、最初から行かれたのは古屋先
生、塚田先生ですが、このスネドン決議案というのは日本の議員が動かして作っ
たと言っても過言ではないと思います。

 今回上院で決議案が通ったのですが、その中に、「日本と協力して真相解明を
進めていけ」というのがあります。これまで率直に言って、スネドン決議が通っ
たけれどアメリカのメディアがどれだけ報道しているかというと、あまり扱って
いません。この機会に日本発でアメリカにアプローチしていくべきで、拉致議連
の先生方とも相談したいと思います。

 日本発で動かしてきましたし、拉致問題に関してはアメリカの議員より日本の
議員の方があるかに詳しいわけです。そういう意味で、こちら側がイニシアチブ
をとって、やらなければいけないと思います。

 それでは西岡さんにお願いします。

◆国際社会の圧力を全拉致被害者救出にも使えるかが勝負

西岡 お手元に参考資料として、「全被害者即時一括帰国を−最後の勝負は近づ
いている」というものがあると思います。これは11月初めに私がある所で講演
したものです。

 今のお二人の話で、北朝鮮が追い込まれているということが分かったと思いま
す。この北朝鮮を追い込んだ力を「全被害者即時一括帰国」に使うことができる
かどうかが勝負だと思っています。

 過去に2回同じようなことがありました。ソウルオリンピックが成功して、中
国とソ連が韓国を承認しようとした時、北朝鮮は追い込まれたのです。そうした
ら1990年に自民党・社会党の訪朝団が行った。その時、そこにおられる有本
明弘さんは、訪朝団の幹部に有本恵子さんたちから来た手紙を見せて頼みました
が、日本の政治家が追い込まれた北朝鮮の指導者に会う機会があったのに、取り
上げなかったのです。

 曽我ひとみさんに聞きました。曽我さんはその時、北朝鮮のテレビで日本の政
治家が来ているというニュースを見て、それは白旗を掲げて日本の政治家が謝り
に来たというニュースでしたが、曽我さんは内心で、「日本の政治家が来てくれ
たんだから、日本国民である私を助けることが議題になるのではないか」と思っ
たそうです。何も起きませんでしたが。

 こちらが取り上げなければ、いくら北朝鮮が追い込まれていても何も起きない
んです。

 そして二度目のチャンスは、小泉訪朝の時でした。やはりその1年前にアメリ
カから圧力がかかっていた。ブッシュ大統領が「テロとの戦争」の中で、北朝鮮
を「悪の枢軸」として、核開発をしていると。戦争をしてでも北朝鮮から核・ミ
サイルを取り上げると公開の場で言いました。

 北朝鮮は本当に核を作っていたのですが、アメリカには「作っていない」と言っ
て騙して、アメリカからただで50万トンの重油をもらいながら核を作っていた
んです。それに対してアメリカは、「戦争をしてでもやめさせる」と言った。

 すごい軍事的圧力がかかった時、小泉総理が平壌に行ったのです。しかしその
時、日本では全員救出の体制ができておらず、北朝鮮から「8人死亡5人生存、
それ以外はいない」という紙が出てきた。それを確認しないで、「そうですか」
とそれを貰って、家族には「死にました」と断定で伝えたということがありまし
た。準備ができていなかったのです。

◆横田めぐみさんと田口八重子さん救出が一番難しい

 先ほど言いましたが、40発のミサイルと3回の核実験をしたために、アメリ
カが本気になって、核をやめさせようと強い圧力をかけた。去年の今頃は本当に
戦争が起きるかもしれないと私は思っていました。

 実は中国もそう思っていて、中国軍が中朝国境地域に集結しており、北朝鮮か
ら大量の難民が出てくることを想定して難民収容所を作っていました。そういう
中で、金正恩はアメリカが怖くなった。

 核・ミサイルは完成直前までいっているが完成はしていないというのが多数の
専門家の見方でしたが、金正恩は「完成した」と言って、完成したと言えばこれ
以上実験しなくてすみますし、これ以上実験したら爆撃されるかもしれないとい
うことで1月から発射がない。強く追い込まれた結果話し合いが始まった。

 もう一つ北朝鮮を追い込んでいるのは経済制裁です。「最高度のプレッシャー」
という言葉を安倍総理が使いながら、国連の議論をリードして、去年の8月、9
月、12月の国連の経済制裁は、北朝鮮が貿易で得ていた収入の9割をなくす厳
しいものでした。

 一国の貿易収入の9割がなくなったらどうなるか。それが今年の9月で1年に
なった。去年9月から制裁が始まっただけで北の経済成長はマイナス5%になり
ました。今年は1月からその状態が続いている。
 先ほど金聖●(●王へんに文、以下同じ)さんとお昼を食べながら話を聞いた
んですが、新義州と丹東の間の物流はほぼ止まっている。中国もアメリカの目を
気にして制裁を守っている。白頭山を越えて山の向こう側から若干物流があるの
ですが、しかしかなり止まっていて制裁は効いている。

 だから先ほどの金聖●さんの話で、「9月から自給自足でやれ」という政治学
習資料が降りてきて、人民たちは、「そんなことを言っても俺たちは松の木の皮
を食べるのか。雑草をまた食べるのか」と言っている。

 しかしアメリカは、北朝鮮が核を完全に放棄するまで制裁を維持する、強化す
ると言っている。そしてそのアメリカを初めとする国際社会に拉致問題の認識が
広まっていると今古森さんの報告にありました。

 今北朝鮮を追い込んで、その圧力を拉致被害者を取り戻すのに使えるかもしれ
ない。これは自動的にそうなったのではなくて、我々もずっと努力してきました
が、何といっても安倍総理が戦略を書いてトランプ大統領にも話をし、国連の制
裁もし、こういう枠組みを作ったと思っています。

 枠組みはできた。しかしこれからが最後の勝負になる。私たちは「全被害者の
即時一括帰国」と言っていますが、前回のように5人とか6人とかで他の人が置
いていかれるようなことにならないためにどうするか。

 北朝鮮の内部では、全員は返したくない。拉致問題に触れないと日本からお金
が取れないことは分かっている。全員は返さないで、何人かで終わらせて、特に、
残念で申し訳ないんですが、今日ここに横田早紀江さんも飯塚繁雄さんもおられ
ますが、横田めぐみさんと田口八重子さんが一番難しい。

 でも家族会の前代表と現代表が一番難しいということは、北朝鮮も分からなけ
ればいけない。その難しい人も含めて全員返さないと、日本人は「よかったな」
とは思いませんよ。

 その二人を含む「死亡」とされた8人は、金正日が、「この人たちは秘密を知
りすぎているから死んだと言え」と決裁した人たちです。今度は新しく金正恩が
決裁する。金正恩からもう一度「この人たちを出すな」という決裁が出ちゃった
ら、金正恩時代はもうだめです。ほぼ難しい。

 ここで、「じゃあ日本から金を取るためには秘密は知ってるかもしれないけれ
ど、それよりも制裁を解除してお金を優先しよう」と思わせなければだめです。
しかし、そういう選択肢が上がってくるところまでは来たというのが私の認識で、
まだ難しい問題はあると思っていますが、その問題については後でお話します。
島田 ありがとうございます。北朝鮮の体制は金正恩と妹の金与正がすべて仕切
っていると私は思っていますが、北朝鮮側としては6月の段階でトランプ氏を騙
せたとある程度思っているかもしれないけど、騙されてないという認識になって
いるとしたら、正恩と与正としては、この状況を打開するためにどうしようと思
っているでしょうか。

 ここで討論を一旦止めて、デビッド・スネドンさんのお兄さんのジェームス・
スネドンさんが今こられましたので、一言挨拶をお願いします。彼は日本語がう
まいですから。

◆スネドン家のお母さんは早紀江さんを思い出しては力を得ている
ジェームス・スネドン(デビッド・スネドンさん兄)

 ちょっと走ってきたものですから(笑)、(と息をはずませながら)、申し訳
ない。スネドンです(拍手)。

 皆様がさっき言っていただいて嬉しいです。もちろんデビッドは私たち家族の
問題だけではなく、日本人の拉致問題とも関係があります。我々家族にとっては
この問題が拉致問題だけではなく、人権問題であり、北朝鮮の国民の皆様の問題
であることも心深く感じています。

 拉致被害者を北朝鮮から一日も早く戻し、この問題を解決させることを願って
います(拍手)。

 それから妹のジェニーです(拍手)。

西岡 ジェニーさんがデビッドさんと年が近く、一番親しかったそうです。実は
アメリカ上院の決議の中にも、「日本に協力を求める」と書いてあるんですが、
デビッドさんが拉致されたのではないかということについて2つあるんですが、
1つは私があるところから入手して、それを問題提起したのですが、昨日3時間
くらいスネドン家と私と話をしてました。

 色々な可能性が考えられますが、拉致の可能性が高いと考えています。そして
韓国からはスネドンさんが英語を教えていたという情報が出てきています。アメ
リカの議会の決議を受けて、政府がより真剣に調査に踏み込むことになり、私も
協力したいと思っています。

 デビッドのお母さんがちょうど早紀江さんと同い年で、同じ母親同士で、早紀
江さんのことを思い出して、息子のことをあきらめないといつも力を得ている、
ということでした。

ジェニー 皆さんと一緒にいてありがとうございます。家族全員が国際的なサポー
トが必要と思っています(拍手)。

島田 それではパネルに戻って、金正恩・与正としては今度は韓国を騙して韓国
から金を取ってやろう、と。これが解決を妨げる要素になっている気もするんで
すが、北朝鮮トップの発想と韓国がどれだけマイナスの働きをするのか。

◆文在寅政権は北を助けたくてしょうがないができないでいる

金聖● 今日の「労働新聞」を見ると、我々式の集合研究討論会を開いたという
記事があります。つまり、もう経済制裁は揺るがない。この状態で耐えるしかな
い。そういう覚悟を彼らは決めたのではないかと思います。

 ですから北朝鮮とするとアメリカとの関係はもうだめだと思っていると思いま
す。そこで韓国についてですが、私は脱北者ですからちょっと申し上げにくいの
ですが、脱北者である私の目から見たとしても、文在寅政権は北を助けたくてしょ
うがない。それは同朋という見方をしてもいいくらいです。

 しかし、国際的な経済制裁があるためにできないでいるというのが今の状況で、
形式的には色々なものを出そうとしていますが、実質的に支援はできていないと
思います。

 今韓国では文在寅政権に対して批判が高まっています。特に、南北首脳会談を
3回もやりながら人権問題を取り上げないということで、青瓦台の前でリレー式
にデモをやったり、強い抗議の声を我々脱北者や韓国人が挙げています。

 この文在寅政権に対する非難の声は、段々高まってきているというのが今の状
況です。日本の皆さんから見ても問題が多いのではないでしょうか。特に北朝鮮
政策についてですね。

 今週の木曜日の世論調査を見て、文在寅大統領はよくやっていると答えた人が
50%になりました。

島田 拉致問題に対するアメリカ側の反応、対応はどうですか。

◆拉致問題が米韓同盟問題等、大きな問題と絡み合ってくることも

古森 北朝鮮の今の動きは核兵器の全廃ということをなんとか先に延ばすかある
いはしないですまして、その一方でアメリカのあるいは国連の経済制裁を緩和、
あるいは除去して経済的な利益を得ようとする、基本的にはそういう特徴の制作
です。

 それに対して今、アメリカのトランプ政権がここに来て、急に批判し、問題視
し始めたのは、今キムさんもおっしゃいましたが、韓国の文在寅大統領の態度で
す。これは非核化という本来の、そして韓国にとっても非常に重要であるべき問
題をないがしろにして、とくかく北朝鮮の要請に応じて経済的利益だけを与え始
めている。あるいは軍事的な緊張緩和措置を許していると言っています。

 これはマイク・ポンペオというトランプ政権の国務長官が11月20日に、国
務省で記者会見をして、はっきり韓国という国名を挙げて、「今の状態では困る。
とにかく非核化を優先した上で、それが実現できることが分かった上でこそ経済
面での利益供与を北朝鮮に対してやってくれ」、と。

 ご存知のように今、韓国と北朝鮮は南北共通の鉄道を作るとか、あるいは天然
ガスなどのエネルギーのパイプラインを作るとか、あるいは非武装地帯、軍事境
界線のあたりの監視所を全部なくしてしまうとか、非武装地帯の上の空域を飛行
禁止にしてしまう。空軍力は韓国軍が米軍より強いですから、最悪の場合の有事
に備えてこの空域を使って演習などをすることを一切やめてしまう。これらは明
らかにアメリカにとって不利、北朝鮮にとって有利ということで、いくつもいく
とも北朝鮮を利するような措置を文在寅政権がとっている。

 これに対し、かなり強い言葉でポンペオ国務長官が公式の会見の場で抗議して
います。それに対して文在寅政権はすぐに、大丈夫だ、大丈夫だというようなこ
とを言っているわけです。

 韓国というのはアメリカの北朝鮮政策にとって不確定、頼りにならない要因に
なってきたということです。やはり日本人拉致事件の解決という点でも、金正恩
政権が弱い立場にいく、核問題で完全に核を放棄することをしない限りは、自分
たちが滅びてしまうというところまで行けば、アメリカ側の政策目的としては理
想的なわけです。

 北朝鮮が、強くなる、生き残る、なんとか切り抜けてしまうというようなこと
はだめで、これは拉致問題解決の展望とも密接に絡み合った問題として、韓国が
果たす役割、あるいは役割を果たすべきなのに果たさないというのは米韓間で非
常に大きな問題になっています。

 将来的には米韓同盟はどうなんだと、北朝鮮が全く脅威でなくなったら在韓米
軍はいらないんじゃないのというような議論が当然出てくるわけで、大変次元の
大きな問題です。私が報道で申し上げているのは、幸か不幸か拉致問題が非常に
大きな問題と絡み合ってきたということです。
(5につづく)


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