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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

日朝合同調査委員会と連絡事務所がなぜ危険なのか(2018/10/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.10.16)

■日朝合同調査委員会と連絡事務所がなぜ危険なのか

 10月14日、共同通信が、政府が拉致解決のために平壌に連絡事務所を設置する
ことを北朝鮮に打診していた、と報じた。それに対して政府拉致問題対策本部は
家族会・救う会に「ご指摘の報道のような事実はない」とする外務省の回答を伝
えてきた。

 家族会・救う会は12日、拉致担当大臣を兼職することになった菅義偉官房長官
と面会したが、そこで菅大臣は総理が求めている日朝首脳会談を実現させて拉致
被害者の一括帰国を実現させることが自分の使命だという趣旨の発言をした。連
絡事務所などについての言及はなかった。

 私たちは9月23日に開催した国民大集会の決議で「我々が要求しているのは連
絡事務所の設置でも、報告書や偽の証拠でもない。認定、未認定にかかわらず全
拉致被害者が笑顔で家族のもとに帰ってくることだ。だからこそ、金正恩政権に
全拉致被害者の即時一括帰国を決断させるという一点に全勢力を注ぐことが求め
られている」と主張した。

 共同通信の情報源がどこなのかは不明だが、家族会・救う会は揺さぶりに乗る
ことなく「全被害者の即時一括帰国」実現を政府に求め続けていく。



 以下は西岡力救う会会長が「月刊正論」9月号に寄稿した「日朝議連、田中均
元外務審議官… 北朝鮮の謀略が始まっているのか」の中から合同調査委員会と
連絡事務所の危険性について論じた部分を抜粋編集したものです。参考のため掲
載します。

<参考情報>

◆なぜ、日朝合同調査委員会・平壌連絡事務所が危険なのか 西岡力

 6月の米朝首脳会談の前後から、日本の元外交官、学者、政治家、記者らが拉
致問題解決のために日朝合同調査委員会と平壌連絡事務所設置を繰り返し主張し
だした。これは大変危険な主張だ。その理由を述べたい。

 田中均・元外務審議官が口火を切り、それが短期間で拡散していった。田中均
氏は7月3日、日本記者クラブでの講演で、「拉致問題の解決を具体的に言うには
当然、何人が拉致されてどうなったのかという事実関係をきちんと明確にする努
力をしなければいけない。私がアジア大洋州局長をやっていたときも調査団を送っ
た。得た資料は十分でないし偽りもあった。

 北朝鮮との外交で一番大事なのは、相手を信じられないので、ありとあらゆる
手立てを打ち、真実を突き止めることだ。だから北朝鮮との合同調査団を作り協
力させる。平壌に日本政府の連絡事務所を作り、恒常的な仕事として拉致被害者
の捜索にあたるべきだ」と話した。

 この提案がなぜ危険かその理由を書こう。平壌に連絡事務所を作って日朝が合
同で調査するということは、「被害者死亡」の確認作業するということを意味す
るからだ。生きている被害者はすぐ全員帰国させることになる。当然、調査は帰
国後、日本独自で行う。特に、北朝鮮で他の拉致被害者を目撃したり、話しを聞
いたりしていないかについては徹底的な調査が必要だ。

 では、北朝鮮で行う調査とは何か。生存者を捜すことが含まれるのか。人間は
簡単に移動させられてしまう。北朝鮮が隠そうと決断している被害者を日本が合
同調査で発見できるはずがない。したがって2002年と2004年に訪朝した日本政府
代表団のように「死亡の経緯」の説明を聞いたり、「死亡現場」と称する場所に
連れて行かれたりするだけだろう。もしかすると山に連れて行かれて、ここに拉
致被害者の骨が合葬されているが、墓も作らず記録もないので誰の骨がどこに埋
められているか分からなくなっている、等という説明を聞かされるかもしれない。

 つまり、田中氏ら合同調査や連絡事務所設置を提案する人々が考えている拉致
問題の解決とは、日本側が横田めぐみさんたち8人の死亡など北朝鮮が2002年に
通報してきた調査結果なるものを受け入れることなのだ。世論を納得させるため
に、日本の警察などが北朝鮮に行って北朝鮮側と合同調査を長期間行い、それが
続く間に先に国交正常化を実現させようとしている。

 最近、北朝鮮工作機関が行っていると思われるめぐみさんたちが死んでいると
いう謀略情報の拡散と、田中氏らが主張する北朝鮮に連絡事務所を設置して合同
調査を行うという提案は裏と表のセットだ。

 田中氏は講演で、安倍首相の外交は国内のナショナリズムに迎合して強硬一辺
倒の姿勢を取り成果を上げていない、プロの外交官を活用せよ、と批判している。
私は田中氏の安倍批判に強い違和感を感じざるを得ない。田中氏は2002年小泉訪
朝を準備するとき拉致被害者救出を優先する外交を展開していたと強調している
が、それはウソだ。

 田中氏は同年9月17日、首脳会談開催前に北朝鮮側から「5人生存、8人死亡、
それ以外はいない」とされる拉致被害者調査結果を受け取り、確認作業を一切し
ないまま、東京で待つ家族に「お宅の娘さんは死亡しました」という式に死亡通
告を行わせた。家族の多くは「慎重に確認作業をしていています」という説明を
聞いて数時間待たされた後、死亡通告を聞いたから、そのときは死亡を信じてし
まった。翌日の朝、平壌に同行していた安倍官房副長官(当時)が家族会・救う
会の宿所を訪ねてくれ、日本側は死亡確認作業をしていない、ただ北朝鮮が死亡
と伝えてきただけだ、と伝えてくれた。私たちは緊急会見を開いて、死亡は確認
されていない、「死亡者」、「遺族」という言葉を使わないで欲しいと訴えた。
それがなければ多くの国民は死亡説を信じて、国交正常化を支持していただろう。
田中氏は国交正常化という自身の外交官としての手柄を立てるために、検証なし
で横田めぐみさんらの死亡を日本国内に信じさせようとしたのだ。

 また、5人の被害者が日本に帰ってきた時も、本人らが日本に残って子供らを
待つという決断を秘密裏に伝えていたにもかかわらず、5人を北朝鮮に戻そうと
主張していた。田中氏は「外交」を、被害者の人権や国家の主権よりも大切にし
ているのではないかと疑わざるを得ない。田中氏への批判はここまでにしよう。

 現在の安倍政権は「被害者の「死亡」を裏付けるものが一切存在しないため、
被害者が生存しているという前提に立って被害者の即時帰国と納得のいく説明を
行うよう求め(る)。」という基本的立場を堅持している。(政府拉致問題対策
本部)。

 北朝鮮は2002年から「拉致したのは13人だけでそのうち5人は帰国させ8人は死
亡しているのでその証拠を出したから拉致は解決済み」と言い続けている。しか
し、彼らは死亡と通報してきた8人のうち誰についても死亡の客観的証拠を出せ
なかった。2人分提供された遺骨も他人のものだったし、死亡診断書や交通事故
調書も偽造されていた。この点の詳細は政府拉致問題対策本部作製の「北朝鮮側
主張の問題点」というパンフレットが写真入りで分かりやすくまとめている。同
本部のホームページにも全文アップされているから、ぜひ一度熟読して欲しい。
(http://www.rachi.go.jp/jp/mondaiten/index.html)

 2002年の時点で死亡の証拠を出せなかったということは、その時点で生きてい
た可能性が高いことを意味する。その上、北朝鮮内部から多くの生存情報が出て
きている。救う会のような民間団体でも横田めぐみさん、田口八重子さん、有本
恵子さんらについてはかなり詳細な情報を入手できている。それ以外の政府認定
被害者らについても生存情報は多数ある。

 政府は救う会などとは比べられない豊富な予算と人材を使って情報収集にあたっ
てきた。すでに多くの生存情報が政府にあることは間違いない。ただ、それが事
前に漏れると北朝鮮が逆利用してくる恐れがあるから、絶対に秘密は守らなけれ
ばならない。政府は被害者を助けることを最優先にしているので、家族に対して
さえ多くの情報を開示しない。

 以上見たように、米朝首脳会談前後から様々な謀略情報が出てきたし、それと
呼応するような形で拉致被害者死亡とする北朝鮮側の謀略にのる合同調査や連絡
事務所設置提案が浮上し、国交正常化後の拉致解決をとなえる議員らの活動も活
発化している。

 これらの背後には、日本から多額の過去清算資金をとろうと動き始めた北朝鮮
の工作があることは間違いない。彼らもこのチャンスにかけている。しかし、現
在までのところは2002年に死亡としてニセ証拠を提出した8人を含む全拉致被害
者を返す決断はなされていない。それなしにカネだけ取ろうとしている。全被害
者の即時一括帰国を実現するためには、まずこの謀略や工作との戦いに勝たなけ
ればならない。

以上


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