救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会・拉致議連 訪米報告-東京連続集会4(2017/10/13)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2017.10.13)

■家族会・救う会・拉致議連 訪米報告-東京連続集会

西岡 大変厳しい、また難しい状況に今あると思いますが、「産経新聞」のワシ
ントン駐在客員論説委員で麗澤大学の教授でもある古森義久さんがここに来てく
ださっていますので、今の議論を聞かれた上で、特に米朝関係がこんなに緊張し
ている中で、そうやって拉致被害者を助けたらいいか、コメントをお願いします。

◆日本人拉致問題の過酷さ、むごたらしさがかなり大きく伝わった

古森義久 日本人の拉致問題を解決するには、あくまで主権国家としての日本が
独自の努力をしなければならない。これはもう大前提です。しかし、同盟国であっ
て超大国であるアメリカが、もしかして協力してくれるかもしれない。どこまで
協力してくれるかも一つの大きな要因だと思います。

 その日本の拉致問題に関してのアメリカと日本の手のつなぎ具合、この日米協
力に関して私自身は、ジャーナリストとして、ちょうど今から15年位前、20
02年にブッシュ政権が出てきて「悪の枢軸」といい始めた頃に、最初の日本か
らの訪米団がワシントンにいらっしゃって、すごく寒い天候の時期だったと覚え
ていますが、その時には日本政府よりもブッシュ政権の方が前向きに対応してく
れたということでした。

 それで皆さんが帰られて、「厳しいけれども心が温まるような思いがあった」
というようなことがありました。そして私の家内のスーザンが、アメリカ人弁護
士として、10年ほど前から、救う会の在米アドバイザーということで協力をさ
せていただいています。今回の訪問でもずっと皆さんに同行し、後ろから助ける
ようなことをし、私も時にはジャーナリストという身分を離れて、背後から応援
させていただくということもありました。

 そんな立場から、今回の訪米と今の状況について申し上げると、今回の訪米団
の成果というのはものすごく大きかった。結果として拉致問題解決に関する日米
協力が一つの歴史だとすれば、歴史的な大きな時期を画したのではないかと思い
ます。いらっしゃった方はみなさん謙虚な方ばかりで、あまり自分たちがやった
ということをおっしゃらないと思いますが、客観的に見てそういうことが言える
と思います。

 大きく分けて2つあります。1つは、今回の訪問でアメリカの官民、そして民
主党共和党の超党派の、それも行政府やマスコミも含めて、人間の心とか気持ち、
情ということで、日本人拉致問題の過酷さ、むごたらしさがかなり大きく伝わっ
たと言えると思います。

 その象徴は、トランプ大統領自身が、国連総会の場で演説をしたということで
す。アメリカの大統領の国連総会での演説は、世界中の演説の中でも最も視聴率
が高く、注目されるものですが、そこで言ってくれた。

 しかもその表現が、非常に人間的な表現で、気持ちがあふれたもので、「13
歳のやさしい少女」と言った。トランプさんは、やさしいのところでスイーツと
いう言葉を使った。

 これは安倍晋三さんがトランプさんに、横田めぐみさんの悲劇について色々語っ
ていたこと、もちろん拉致の被害者はめぐみさんだけじゃなくもっとたくさんの
方が悩まれているわけですが、それがトランプ大統領自身に伝わっていた。

◆こん睡状態のウォームビア青年の帰国と死が米国人を動かした

 もう1つは、オットー・ウォームビアという22歳のアメリカの青年が、北朝
鮮で1年半くらい刑務所に入れられて、こん睡状態になって、身体がぼろぼろに
なって帰ってきて、5日後くらいに死んでしまった。

 これがものすごく人間の悲劇、北朝鮮という政府の無法さを、アメリカの普通
の人の情に訴える効果があった。だからトランプ大統領もこのことについてずい
ぶん声明を出しています。

 ちなみにウォームビアさんの両親が、島田先生が言われたように、つい最近に
なって公開の場に出てきて、2つのことを伝えた。

 1つは真っ先に北朝鮮に対して、テロ支援国家と再指定してくれということ。
もう1つは、オバマ政権時代は、「自分たちは如何に不満があっても黙っていろ、
何も言うな」とさんざん言われたと言ったことです。

 このウォームビア事件、これは自分で北朝鮮に観光とか見学で行っているんで
すが、結局捕まってしまった。日本国内にいて拉致された人とは違うわけですが、
こんなにひどいことをする北朝鮮政府だということで、ところで日本人の拉致問
題という悲劇があるんだよということが、マスコミで非常に広範に報道されまし
た。

 そして、22歳の長身で、いかにもアメリカ人らしい快活な、元気そうな男が、
もう昏睡状態で帰ってきて死んでしまった。北朝鮮は、なんとか菌という珍しい
ウイルスで死んだと言っていますが、アメリカ側で調べたらそんなウイルスは全
然なかった。

 その嘘ですね。例えばめぐみさんの「遺骨」と称して北朝鮮が返してきたもの
は全然そうじゃないということが分かった。こういう欺瞞、犯罪性が、日本人拉
致事件でさんざん実証されており、多くの日本人が苦しんでいることがマスコミ
の論調に出てきた。

 そういう背景もあって、今この時期に行って、しかも横田拓也さんという、自
分のお姉さんが拉致されているという人が、楽しかった、懐かしいあの頃の思い
出をちらちらと語りながら、アメリカ側に訴えるということは、私も会談の一連
の記録を見ましたが、かつてない、人間レベルでのアメリカ側の反応があったの
です。

 私は長い間見てきましたが、ブッシュ政権の時よりも、オバマ政権の時よりも、
人間レベルでのアメリカ側の日本人拉致問題に対する反応が違ったと思います。
拓也さんがポッティンジャーという人と会っていますが、新聞記者をやった後、
新聞記者より海兵隊がいいという道を選んだ人です。逆の例、海兵隊に行ってか
ら新聞記者になる人はいるんですが、新聞記者より海兵隊がいいといって入った
彼に畏敬の念を持ちます。

 インド洋で台風があって、ものすごい被害が出た時に、海兵隊が出てきて災害
に遭っている人を助けた。この時の海兵隊の活躍に感動して、新聞記者をやめて
海兵隊に入ったという人です。その後戦闘体験もあって、非常に前向きに、心を
込めて対応してくれた、と。

 それにはやはり、横田拓也さんという人の訴えがものすごくインパクトがあっ
て、「私は間違いなくこの件をトランプ大統領に、もう知っているけど改めてよ
く分かるように伝えます」とはっきり言明している。

 国務省、国防総省の対応もオバマ政権の時とは全然違うと言っていいくらいの
前向きの、情を現した反応でした。

 人間の心とか情という面で、もう一つの大きな訪米団の成果というのは、これ
もたまたま客観情勢が日米協力を深める方向で動いてきたと言えるかもしれませ
んが、アメリカ政府の政策面で、日本人拉致問題も含めての人権という要素、誰
かが「旗」という言葉を使われましたが、旗が上がってきたんですね。

 今までのアメリカ政府の北朝鮮政策というのは、やはり核開発を阻止すること、
それを側面から支えるミサイル開発を阻止することがほとんどすべてであって、
アメリカに直接インパクトがある問題としてはその2つだけで長年政策が築かれ
てきましたが、その一角に人権問題、北朝鮮が人権弾圧をするひどい国だという
こと、人道をふみにじっていることが入った。その一つの象徴が日本人拉致で、
政策面で人権問題が多きくなってきた。

 その原因の一つは、デビッド・スネドンというアメリカの自分の国の国民です。
これがどうやら北朝鮮にいるらしい。そして金正恩に英語を教えているという情
報もあるんです。

 オバマ政権の時は、中国で行方不明になって、中国政府がもう死んだんだとい
うことを言っているから、それを全部くつがえす形で再調査をするということは、
中国の感情を害するという配慮がオバマ政権にあって、あまりプッシュしなかっ
た。

 トランプ政権になってこれが変わってきたんですね。自国民の救出ということ
も兼ねて北朝鮮の人権問題を重視しなければならないということで、大きな旗が
上がってきた。これも実は古屋圭司議員のあるいは西岡さんがとってきた情報で
あって、スネドン事件でアメリカが動いた中には、日本側の情報がすごく大きかっ
た。

 そして下院では本格的に調べるべきとの決議があがって、上院はまだですが、
それをずっと押している。そういう時に、たまたま皆さんが行かれて、そしてス
ネドン事件を解決せよと一番大きく叫んでいるマイケル・リーという上院議員は
共和党で、オバマ政権とは仲がよくなかったけれどもトランプ政権とは近い関係
です。この人が来て、横田拓也さんたちの前でスピーチをしてスネドン事件のこ
とを言っている。

 ですから、明らかにアメリカ政府の政策の柱として人権問題が浮かんできた。
そういう風にアメリカが動いてきたけれども、その動きを加速させ、最後にトラ
ンプ大統領自身にあのような発言をさせたということが訪米団の成果だったと私
は思っています。

 しかし、冒頭で申し上げたように、拉致事件を解決する主体は日本です。いざ
戦争が起きた時にどうするんだと。これはアメリカの国防大学で非常に綿密な政
策を研究して、シミュレーションもしていて、もし北朝鮮が線上になった時に捕
らわれている人たちは一体どうなるのか、政治犯収容所に対してどうするのか。

 まず米韓軍が北に入っていった場合には、正面から戦わなければならないが、
核兵器をどう抑えるか。そうするとどうしても、人権弾圧に関しての政治犯を解
放する。彼らの研究では、拉致された人たちも政治犯と同じようなカテゴリーに
入れられて、収容所に入れられているのではないかと見ている。これは実態と違
うところですが、北朝鮮に捕えられている人たちをどうするかをやっているんで
す。しかし、この救出は優先順位は高くない。

 政治犯収容所やその他の収容所を管理している北の職員が、危機の時に何をす
るか。ひょっとして、自分たちの犯罪行為を隠すために収容してきた人間を殺す
のではないかと。そんなシナリオさえ描かれている。

 ですから、そういう危機がたくさんあり、当の日本が、結果としてできないな
らまだいいが、出発点において何もしない、何もできない、それが日本という国
であり、平和憲法だというようなことを言っていること自体は、もうたくさんだ
という感じがするわけです。

 皆さん本当にご苦労様でした(拍手)。

西岡 最後になりますが、今の古森さんの話も聞いた上で、今回の訪米を活かし
て、今後何をしていきたいのかということを、それぞれ一言ずつお願いします。

◆弱みや弱音を見せれば相手の思うつぼ

横田拓也 先ほどの西岡先生の話に近いんですが、家族としての立場では、圧力
が高まれば高まるほど、私の姉を初めとする被害者のリスクの確率が高くなる。
その個人の立場だけで言うと、圧力を高めることは好ましくないという感情があ
るのは嘘ではありません。

 ただ、私たち訪米団が今回もワシントンDCに着いた時に、ある記者の方から
同じような質問を受け、「トランプ大統領が圧力に傾いています。皆さんとして
はどうですか」と私にマイクを向けられたので、私はその場で答えました。

 「私は今もトランプ大統領の圧力を優先するアプローチに賛成しています。支
持します」と言いました。個人の立場ではものすごく辛いコメントですけども、
私たちが、個人の立場であれ、日本国民の一員としてであれ、弱みや弱音を見せ
れば相手の思うつぼなんです。その点で私は、前を向いて頑張るしかないと思っ
ていますので、実際の交渉は日本政府に預けたいと思っています。

 スネドンさんのご家族の話が色々な方からありましたが、CSIS(戦略国際
問題研究所)のシンポジウムがワシントンでありました。9月13日にあり、ス
ネドンさんのご家族とも話をさせていただきました。

 その時、ご家族が発言されました。「このようなシンポジウムが開かれること
はいいことだけれども、ものすごく個人的に違和感を感じる」と。それはなぜか。
「相手が悪いのは分かっているのに、被害者がそこにいることも分かっているの
に、核の脅威を世界が認めて分かっているのに、なぜこの現場でシンポジウムを
開いて、どうすればいいのだろうというレベルの話をするのかが分からない」と。

 「北朝鮮はもちろん悪いけれども、これだけ豊かな国」、アメリカや日本のこ
とを指していると思いますが、「これだけ豊かな国の人間が何もしないことの方
に非があるのではないか」と。

 その通りだと思います。どこかで誰かが傍観者なのではないですかということ
を思います。もっと真剣に日本政府はこの問題をとらえて、具体的な歩みを進め
てほしいと願うばかりです。以上です。

◆憲法に国家主権の観点が抜けている

山谷えり子 私は今日、池袋で拉致問題解決を訴えましたが、その時に憲法改正
も話しました。日本の憲法は占領時代に、占領軍によって草案が作られ成立した
ものです。ですから、国民主権も基本的人権ももちろん大事ですが、国家主権と
いう視点が圧倒的に欠けているんですね。

 まず前文では、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して我らが安全と生
存を保持しようと決意した」ということで、各国はすべて公正と信義に厚い国々
だから自衛隊も持ってはいけないというか、自分の国を守るための力についての
規定がなかったわけです。

 しかし、時代の流れの中で自衛隊が発足したわけですが、「でも自衛隊は憲法
違反だ」という憲法学者が7割、8割もいるんです。9割の国民は自衛隊の存在
を認めて感謝しているんです。

 立憲主義というならば、法治国家であるならば、この矛盾をきちんとした憲法
のもとで主権国家としてのたたずまいを、普通の国なみにして、国民、国家を守
ることをまず考えるのが根本だと思っています。国家主権あっての国民主権で、
一人ひとりが守られるわけです。

 イラン・イラク戦争の時に、サダム・フセインが48時間以内に出て行かなけ
れば爆撃するということで、日本人も脱出したかったんですが自衛隊はもちろん
迎えにいけません。民間航空会社は、そんな危険なところに行きたくないという
ことで、結局トルコが日本人を救出してくれて送ってくださったんですね。

 じゃあその時から情勢は変わっているだろうか。基本的な所は変わっていない
と思います。朝鮮半島有事の際は、もちろん自衛隊が邦人救出するというのは当
たり前だと思いますが、今の憲法では残念ながらそれができないのです。

 ですから、米韓との連携をつなげながら(やるしかないのですが)、ただ平和
安全法制ができたので、自衛隊の活動範囲は広がりましたし、訓練・装備も上げ
ていくことが今できています。そういう意味では以前よりはいい状態になってい
ます。

 私たちは、平和安全法制ができる前は、拉致議連として自然災害も含めて、朝
鮮半島有事の際は緊急時に自衛隊を出せないかと、特措法を作り、実際に条文も
できて韓国にも説明に行ったことがあるんです。しかし、国内の各党の賛同が得
られず、議員立法として提出することができませんでした。

 平和安全法制が成立したのだからさらにそれをバージョンアップすべきではな
いかという声が、自民党の拉致対策本部の会議を開くと、色々な議員さんがおっ
しゃっています。

◆情報やサイバーテロから国を守るために情報機関設置を

 私は拉致問題担当大臣として、また国家公安委員長として、やはり情報とかサ
イバーテロから国を守ることが非常に重要だなと思いますので、きっちりした情
報機関というものを作っていくことが大事だと思います。

 アメリカでも最近、国防総省の中にサーバー部というのを整え直しています。
ですから、情報機関を作ること、自衛隊の位置づけをしっかりすること、もちろ
ん憲法改正をするのが一番いいのですが、そういうことを思いながら今歩いてい
るところです。

 ただ、特定秘密保護法ができてから、格段に高い情報が各国から来るようにな
りました。そして平和安全法制が成立してから、あの時私は国家公安委員長でし
たので、中谷元防衛大臣と岸田外務大臣と3人が国会に呼ばれて、答弁をする機
会が度々ありました。

 野党からの質問は、本当に国家主権ということを何と考えているのかというよ
うな、おかしな質問でした。でも法律は国会で成立させなければなりませんので、
そのためには国民の声が大きくなっていくことが大事ですので、主権国家として
の形を整えましょうよと、拉致被害者を救出できるように国家の形で足りないと
ころは直していきましょうよという声を大きくしながら訴えました。

 今、危機的な状況にありますので、現実的に、できる範囲のことを力いっぱい
広げる努力を、自民党拉致対策本部長としてお預かりしていますので、しっかり
やっていきたいと思います(拍手)。

(5につづく)


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「もう我慢できない。今年こそ結果を!」。2月2日に家族会・救う会合同会議で決めた今年の運動方針です。 拉致被害者家族の高齢化が進み、「生きている間に被害者に会えないかもしれない」という言葉が出るようになっています。経過はすべて説明して頂くことはないと思います。しかし、今年中にぜひ結果を出して欲しいということが、家族会・救う会そして心ある日本人の心の底からの叫びだと思います
2014年4月27日午後2時午後5時 日比谷公会堂
東京都
千代田区
日比谷公園1-3