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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致も理由に北朝鮮に強力な制裁を?緊急集会報告2(2016/02/02)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2016.02.02)

■拉致も理由に北朝鮮に強力な制裁を?緊急集会報告2

西岡 先日、自民党の拉致対策本部の会合があり、私も呼んでいただき、議論を
見させていただきましたが、ある先生が「悔しい」とおっしゃっていました。
「13項目は拉致のために作ったのだ。それも去年の6月に、7月で1年経って
も動かない時のために、総理のポケットに入れたんだ」と。それが核で発動され
るのが悔しい、と。

 そういう思いは本部長も同じでしょうから、核・ミサイルだけでなく拉致だと、
今おっしゃっていただいたと思いますが、我々も本当にそういう思いです。

 拉致対策本部が13項目を作ったわけです。核致対策本部が作ったのではない。
それなのに1年半経っても、それについて発動の議論が表ではない中で、核実験
になったらすぐ13項目を参考にするという。しかしこれは、拉致のために作っ
ていただいたのではないか。「拉致問題を解決しなければ、北朝鮮はその未来を
描くことが困難だ」と総理が言ったことを受けて、古屋本部長が作ってくださっ
た案です。

 なのにそれを、核だけで使われたらたまらない。だから、北朝鮮に対して、1
年半経っても一人も返さないこともあなたたちに制裁をかける理由ですよという
発信をしていただくということが、まさに今日の集会のテーマであり、拉致対策
本部として作った制裁を拉致のために使っていただきたいということを、古屋先
生にもう一度お願いしたいと思います(拍手)。

 続いて、民主党の元担当大臣であった松原仁先生にお願いします(拍手)。

◆ストックホルム合意は破棄、パイプは切れないから拉致担当大臣が交渉を

松原 仁(元拉致問題担当大臣、民主党衆議院議員)

 今回の北朝鮮の核の問題は、とんでもないと思っています。しかし、結論めい
て言うならば、本気で我々が怒っているということを、どのように知らしめるか
であろうと思っています。

 国際連合等を含む様々な部分からの北朝鮮に対する圧力は必要です。しかし、
我々は一貫してストックホルム合意は、その当初において、拉致問題と日本人妻
の問題や遺骨問題を同列に扱うことに対して、極めて多くの関係者が違和感を感
じていました。

 このストックホルム合意の進む方向の中で、果たして拉致問題が解決されるの
か。あの時、宋日昊(ソン・イルホ)がテレビに出た時の軽口を見て、おかしい
と思った関係者がたくさんいました。私はこのことが、1年半、日本の拉致問題
の時間を空回りさせてしまったのではないかという危惧の念を、多くの同志議員
とともに持っていました。わが党は従って、拉致対策本部の文章として、「ストッ
クホルム合意の破棄」を明確に主張してきました。

 北朝鮮が日本に対して思っている間違いがあると思います。また、拉致問題の
今の流れに対して、我々が極めて怒っているんだということを、彼らは認識して
いないのではないかと思っています。

 私はやはり、日本が本気で怒っているということを、明快に北に伝える必要が
あります。あの国ですから感情的な起伏でものごとを判断する国ですから、それ
はテレビの女性のアナウンサーの空気感を見れば分かるわけです。

 本気で怒っていることをあの国に伝えるには、それが外務省のメンツをつぶす
ことになるかどうか分かりませんが、ストックホルム合意を破棄することです
(拍手)。この合意自体が間違いであることを明快に我々が知ることが最初のス
タートでなければなりません。

 当然、拉致問題に関して、このストックホルム合意を主導的にやってきた外務
省の責任は極めて大きいわけですが、この合意を破棄することによって外務省の
責任は十分に問われることになるわけでから、そのことを我々がしなくて、拉致
問題に関して北朝鮮が真剣に対応するとはなかなか思えない。

 ストックホルム合意が破棄されなければ、日本はこの流れを是認しているに違
いないと思っていると思います。従って私はまずストックホルム合意の破棄をす
ること。それは即ち、主導権は外務省ではなく、加藤大臣のイニシアチブで北朝
鮮側と拉致の議論をする。これが最初のとっかかりである。

 このことによって、私は、北朝鮮とのパイプが切れるとは思っていませんし、
このことをして切れるならばパイプがつながっているとも思っていません。

 従って私はストックホルム合意の破棄からスタートし、この1年半の遅れを取
り戻すべく、国際的な様々な機関との連携の中で北に対する圧力を強くしていく。
これを一気にやらなければ、私は、拉致問題は容易に解決できないだろうと思っ
ています。

 ここに加藤さんもおられるわけですから、是非とも真剣にやってほしい。安倍
総理は分かっているはずです。このストックホルム合意を破棄する。そのことが
先に進むための最初の問題であり、中心で扱う組織は外務省ではなく、警察を主
体とする拉致対策本部にすべきだと思います。それから先は、また回転をしてい
く、進んでいくと思います。

 私はまさにこのストックホルム合意自体が初めからおかしいと思っていました。
その欺瞞性が明らかになってきた。これを破棄する。そして再出発することを今
日は強く申し上げたいと思います。以上です(拍手)。

西岡 今、担当大臣そして対策本部を中心に交渉すべきだというお話でした。実
は我々がこの運動を家族と始めた時、平成9年ですが、その時から言っていたの
は、拉致問題だけを担当する部署を政府に作ってほしいということ。そして拉致
問題を国政の最優先課題にしてほしいというのが我々の課題でした。

 そういうことをずっと訴えてきましたが、小泉訪朝の時もそれはできませんで
した。家族支援室という組織ができ、中山先生が参与になりましたが、家族をケ
アーする組織で、拉致を国政の最優先課題にするところまではいきませんでした。

 それができたのは第一次安倍政権の時です。それからもう10年になります。
私はいつも言っています。「もう言い訳はできませんよ」と。対策本部ができて
10年経った。先生方はみんな大臣をされたわけですが、これまでは担当部署が
なかったから解決できなかったと言えたかもしれない。

 しかし、10年間担当部署があって、情報も取り、国際活動もし、啓蒙活動も
やってきた。そして北朝鮮が交渉に応じた。もう本当に背水の陣で、何のために
対策本部があるのか、今までやってきたのか。

 もちろん外交交渉は外務省かもしれませんが、対策本部ができたのは外交交渉
だけでは解決できないという安倍総理の第一次政権の時の判断があったからです。
そして10年間準備してきたわけです。「最終決戦のとき」と我々は言っていま
すが、加藤大臣以下皆さん方が本当に最終決戦で、身体を張って、助けていただ
く時期が来ているんだと、松原先生の話を聞きながら過去のことを思い出しまし
た。

 第一次安倍政権の時に家族担当参与となってくださって以降、ずっと我々と一
緒に闘ってくださった中山恭子先生、お願いします(拍手)。

◆まず平壌宣言の破棄を、国交正常化の前に被害者の救出を政府の方針に

中山恭子(元拉致問題担当大臣、日本のこころを大切にする党拉致問題対策本部
長、参議院議員)

 今の西岡さんお話を、そのまま続けてお話したいと思います。2002年に、
拉致被害者家族担当ということで内閣官房参与を務めました。そして9月17日
に、平壌宣言というものが出されました。この平壌宣言には「拉致」という単語
は全くありません。日朝国交正常化をするための宣言でした。

 その後、2006年に第一次安倍内閣ができました。それまではもっぱら拉致
問題を専門的に担当する部署が政府の中に必要ですと、家族担当ではなかなかも
のが言えなかったということもありまして、拉致問題を専門に担当する部署を作
りたいということをずっと言っていました。

 そして、第一次安倍内閣ができたその日、拉致問題を専門に担当する部署を作
ろうとおっしゃってくださいまして、構想はすべてできていましたので、200
6年9月26日に(総理大臣補佐官を)拝命し、本当に突貫工事で、当時対策本
部に来ていただいていた各省庁の方々が、徹夜続きで準備し、29日金曜日の閣
議で決定して対策本部ができました。この時初めて、拉致問題を専門に扱う部署
が政府の中にできた時でした。

 その後に北朝鮮が核実験を行いました。安倍総理が韓国を訪問するという時に
合せるような形で核実験を行いました。この段階で私たちは、平壌宣言を破棄す
べきであるという主張をしましたが、なかなか思うようにできなくて、平壌宣言
がそのまま続きました。

 そして2年前、2014年の5月29日に、平壌宣言にのっとって事を進める
というストックホルム合意ができました。私自身は2年前の2014年が始まっ
た時、この年こそ被害者を帰国させるチャンスだと考えていました。

 政府の中でも、拉致対策本部でも、一緒に動いてくれているという様子もあっ
たものですから、2014年こそ被害者を救出できるかもしれないと期待して、
その年が始まりましたが、なんとその年の5月29日、ストックホルム合意とい
うものが発表されました。

 読み始めてびっくりしました。これは拉致被害者を救出するための合意ではあ
りませんでした。あの合意では拉致被害者は一人も帰国できない、させるつもり
もない、そういう合意であることがあの文書を読めば明らかでした。

 それでびっくりして、今年こそがチャンスの年なのに、なぜこんな合意を結ん
だのか。何とも言えない情けなさと、悲しさを感じ、一刻も一日も無駄にしたく
ないこの2014年の時が無駄に流れてきて、しかも今後も無駄な時が流れるで
あろうと、ストックホルム合意はそのことを示していました。本当に残念な合意
でした。

 5月29日の発表の後、6月1日に国民大集会がありましたので、会場は浮か
れた感じでしたが、ここだけはしっかりお伝えしなければならないという思いで、
このストックホルム合意では被害者は一人も帰国できませんということをお伝え
しました。

 なぜかと言われると説明が長くなりますが、この合意は被害者を救出すること
が政府の大事な目的になっているのか、北朝鮮と日本との間で国交正常化をする
ことが国の大きな政策なのか。足の置き場所ですが、どちらに傾いているのかと
いうことを明確に示す動きです。

 拉致被害者救出ということを日朝国交正常化の前に行うということが、はっき
りと政府の方針で出ていれば、あのような合意はけっしてないはずです。

 従って、平壌宣言もストックホルム合意も、もっとはっきり言えば、政府の中
の方々がそこまで意識していたかどうかは別にして、あの二つの宣言と合意は、
拉致被害者が犠牲になっても致し方ない、日朝国交正常化の方が日本としては大
事な仕事なのだということを意味しているのです。

 担当者がそういう思いでやったとは思いませんが、そういう結果をもたらすの
が平壌宣言であり、ストックホルム合意です。

 そしてもちろん帰ってきません。あの合意がある以上帰ってきません。ですか
ら松原先生がおっしゃったように、この二つをどのようにしたらいいのかは色々
やり方があると思います。無視するのか、破棄とはっきり言うのか。核実験をやっ
ているわけですから、両方とも反していますので、理由はつけられますから破棄
とはっきり言っていいと思いますが、2国間の関係で簡単に破棄と言えないとい
うのであれば、無視するとか色々なやり方があるはずです。

 先ほど加藤大臣が、「対話の窓口を閉じない」とおっしゃいました。これは非
常に巧妙な言葉です。ずっと以前からこの言葉は使われています。これは戦略と
戦術をまぜこぜにした単語です。

 北朝鮮の外務省は全く力を持っていませんから、北朝鮮外務省と交渉して何か
を結んでも、拉致被害者を帰国させることは決してないと言っても過言ではない
と思っていますが、そのつながりは一旦止めてもらって、これが止まらない限り
北朝鮮国内で出先が外務省で続くんです。

 それ以外の人と交渉しないと、被害者救出はできません。これは私自身の経験
からです。日本の外務省は強いかもしれませんが、北朝鮮の外務省は全く力を持っ
ていませんから、このルートが止まれば、北朝鮮と別ルートで交渉ができます。
止まらない限り別のルートは出てきません。経験上はっきり言うことができます。

 外務省ルートを止めるということと、北朝鮮と日本の対話の窓口を止めるとい
うことは全く違う問題です。外務省ルートを閉じても、北朝鮮と日本との対話の
窓口はもっと深い形で続きます。

 従って、外務省同士のルートを閉じて、被害者救出のルートを作りましょうと
いうことをずっと言い続けています。そのためには、加藤大臣を中心にした拉致
対策本部と北朝鮮との、もっと金正恩グループに近い人たちとの話し合いをする
必要があると思います。拉致対策本部にもっと頑張ってもらいたい。

 もう情報の予算もついています。あまり多くありませんが。独自の情報も持て
るはずですから、外務省の方はほっといて、拉致対策本部と北朝鮮との直接の交
渉ルート、対話の窓口を開いてほしい。外務省ルートを閉じても、必ず対話の窓
口はつながります。

 拉致対策本部と北朝鮮とで物事を進めない限り、被害者の救出はありません。
従って、先ほど松原先生がおっしゃったように、平壌宣言とストックホルム合意
は破棄するか、破棄できないのであれば無視して、新しいルートを作って、被害
者救出に集中した、それだけの交渉を進めることが必要だろうと思っています。

 2年前には可能性があると思っていましたが、残念ながらできませんでした。
今年はある意味でチャンスがあると考えています。大臣と拉致対策本部に期待し
ます。この2年間、本当に無駄な時間が流れました。それぞれの人々に色々な変
化があります。一日も無駄にできないような状況になっています。

 いつも皆様にご支援いただいていることに感謝します。政府が動くには皆様の
ご支援が必要です。これがなければ政府は動きづらい、動けません。

 安倍総理は私は信用しています。必ず被害者を救出するとお考えのはずです。
ですから、安倍政権そのものも、2年前ストックホルム合意ができた後10月に
なってやっと、衛藤晟一補佐官や安倍総理の指示のもとで日本にとっての最重要
課題は拉致問題ですが、10月になってやっとそれを外務省が(北朝鮮に)伝え
に言っているんです。

 あまりにも情けない状況が続きました。2014年も、2015年もその流れ
が続いて今になっています。この年こそはっきりと、加藤大臣が専担で見てくだ
さる拉致対策本部に、外務省からも人が入っていますし、警察からも優れた人々
が集まっています。なんとしても集中した形で救出に当たっていただきたい。こ
の時期をのがしたら非常に難しくなると思っています。どうぞ心から大臣にお願
いします。期待しています。

 もう一つ、北朝鮮が不安定な状況になった時、自衛隊が救出に入れないだろう
か。その地域を支配している国の同意がなければ動けないという規定がまだ残っ
ています。北朝鮮を国家と認めるかどうかによっても、少し違う形の動きができ
るかもしれないけれど、なかなか表だって北朝鮮に自衛隊が救出に入ることがで
きない状態です。

 できれば拉致問題に絡んで、これも何文字か入れれば動けるようになりますの
で、これも頭の隅に置いていただきたいと思っています。宜しくお願いいたしま
す(拍手)。

(3につづく)


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