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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」報告6(2013/12/25)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2013.12.25)

■特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」報告6

◆拉致に国内の協力者がどのくらい必要か

西岡 ありがとうございました。司会者として整理させていただいて、せっかく
ですので、金東植さんの話を聞きたいと思います。

 今荒木さんが、惠谷さんが発表した報告と考えが違う部分があると率直に話さ
れました。特に国内の協力者の問題が一つ争点としてあると思います。もちろん
惠谷さんの報告でも、国内の協力者の存在を否定しているわけではありませんが、
「拉致の3類型」のところで、「条件拉致」の部分は、工作船が来て、小船が来
て、ゴムボートで3人の戦闘員と工作員が来て、ゴムボートを待たせておいて、
条件に合う人を海岸から連れていくという仮説です。

 そのことを我々が考えることになった一つのきっかけは、曽我ひとみさんの証
言です。曽我さんは東京の集会にも来てくださって、何回も公開の席で、自分が
どう拉致されたかを話しています。お母さんと二人で歩いていたところ、3人の
男に後ろから襲われて、すぐ近くで袋に入れられてかつがれ、川と思われるとこ
ろに連れていかれ、多分木造船と思われる船に載せられた。それ以上、お母さん
のことは分からない、と。

 曽我さんは1回しか乗り換えていないと言っているんですが、工作船に乗って
いった、と。

 北朝鮮はそうではなくて、請負組織があった、と。国内の組織があって、お母
さんはその組織から貰わなかったから知らない、と言っているんですが、それに
対して曽我さんは、そうではない、と。3人にその場で襲われて、そのまま船に
連れていかれた、と。そこに女性の工作員がもう一人いたという話をしています。

 曽我さんは、お母さんのことが大変心配で、国連の委員会にも同じ話をしてい
ます。そのパターンが地村さんたちや蓮池さんたちにも当てはまるのではないか。
そういうことで私は地村さんに話を聞きました。蓮池さんには聞けていません。
そしてそういう仮説を立てたんですが、それについてせっかくですから、元工作
員の金東植さんが韓国から来ているので、日本国内の協力者なしでも拉致はあり
えるのか、そんなことは工作機関の常識ではないということなのか聞いてみたい
と思います。

◆協力者なしでも十分ありえる

金東植 韓国人拉致の場合は、協力者なしに(拉致)しました。従って、日本人
拉致も、協力者があった場合もあるでしょうし、なしでやった場合もある。協力
者なしでも十分ありえると思います。

西岡 その韓国人拉致は高校生拉致ですか。

金東植 そうです。拉致は主として作戦部の戦闘員が行います。作戦部の戦闘員
たちは、自分が潜入する地域の地理をよく知っているので、入ってきて、あると
ころに隠れていて、命令にあった条件の人間が来たら、その場で拉致をする。

西岡 今の韓国人拉致のやり方は機関の中で聞いたんですか。

金東植 高校生拉致については具体的に聞いていません。しかし、自分は現役の
工作員だった時、2回韓国に潜入しました。韓国人はよく、「誰か迎えに来たん
ですか。韓国内の組織があるんでしょう」と聞きます。「そうではなくては、な
ぜ韓国の地理を知っているんですか」と。

 しかし、そんなことはなかった。自分だけで入って、そのまま韓国に潜入でき
た。北朝鮮は、韓国潜入の場合、国内の組織なしに潜入し、拉致し、また帰って
いくことができる。

 もしも内部の協力者がいて拉致をしたのであれば、その対象は大変健康で、頭
が良くて、工作員にするのにふさわしい人を選んだはずです。しかし、実際には
工作員にできなかった例がたくさん出たということを見ると、内部の協力者があっ
たケースもあるだろうけれども、協力者なしにやったケースの方が多かったので
はないかと考えます。

◆韓国の海岸は武装軍人が警備、拉致に日本語は必要ない

荒木 韓国に侵入するのは同じ民族です。日本は外国です。従って日本の方が困
難という点があるのではないですか。

金東植 侵入は日本の方が明らかに簡単です。なぜなら韓国の海岸はすべて武装
した軍人たちが警備をしているからです。ですから、韓国に侵入して死んだ人た
ちも多いです。しかし、日本に侵入して死んだ人はいません。船が事故を起こし
て沈没したとか、そういう場合以外は死んだ人はいません。2000年代の初め
に、中国側の海に北朝鮮の工作船が来て、日本船の追跡を受けて沈没した例があ
ると思いますが、それが最初だと思います。

 日本に入るというのは、ジョークを交えてですが、「休暇に行くようなもんだ」
という話まであったぐらい過去は容易でしたし、安全でした。

荒木  (日本に)上陸するのは簡単ということは我々も分かります。問題は、
上陸してから日本人と同じように行動して、例えば誰か探すという場合に、北朝
鮮の工作員だけで可能かどうか。

金東植 拉致する時、日本語は必要ありません。外見をみれば男か女か、若いか
若くないのかは分かります。だから条件にあったのを拉致することができます。
日本人のふりをする必要はありません。入る、上陸するというのが大変なんです。

 日本に侵入する工作船に関係する事件について一つ紹介します。83年の夏と
記憶していますが、北朝鮮の工作船が日本に侵入しようと航海していました。先
ほども言いましたが、日本に侵入するのは「冷めたおかゆを食べる」という朝鮮
のことわざがありますが、そのくらい簡単だと思っていたので、安易な気持で航
海をしていました。

 ところが思いもかけず韓国の領海にその船が入ってしまいました。緊張しない
でいたので、そうなってしまいました。韓国の警備艇がその船を発見し、追跡し
ました。その漁船は、日本の漁船と同じような造りをしていました。韓国の軍艦
が追ってきたので全速力で逃げました。

 漁船のような外形ですが、高速エンジンがついていたので、警備艇は追いつく
ことができませんでした。軍艦が追いつかないので、軍艦に積んでいたヘリコプ
ターを動員して追跡しました。追跡したところ、漁船に擬装した北の工作船とい
うことが明らかになったので、ヘリに搭載していたミサイルを使って撃沈しまし
た。

 しかし、工作船に乗っていた一部要員だけがその場で死に、大部分は子船に乗
り換えて日本近海に逃げました。日本の近海から非常無線で北朝鮮の基地に「助
けてくれ」と連絡しました。そこで北朝鮮から工作船が来て、救助しました。

 その後北朝鮮は、韓国に対して大変な非難をしました。それが有名な風山(プ
ンサン)号撃沈事件です。当時北朝鮮は、「民間船舶である風山号を韓国軍が撃
沈した」と大々的に非難しました。その船に乗っていた工作員は死なないで無事
でした。そして救助されて、新たな工作船に乗って日本潜入に成功しました。そ
の程度に、日本に入るのは簡単だったという話です。

◆日本に入ってくる工作船は武装していなかった

惠谷 今の風山号事件で大事なことは、韓国軍に攻撃された時、日本へのテロ工
作船は武装していなかったことです。つまり反撃できなかったのです。それで撃
沈されました。しかし、その後も日本に入ってくる工作船は、武装していません
でした。というのも、巡視船に臨検された時に、武装していると問題が起きます。

 しかし、武装していなければどうするか。問題なしです。ですから、以前は竹
島の西を通ってきていたんですが、韓国に近いということで、今は竹島の東を通っ
てくるようになりました。

 1998年に、能登沖で2隻の不審船事件がありましたが、それ以降、日本向
けも武装するようになりました。つまり日本は非常にまねられていたということ
です。

西岡 つまり、韓国は軍隊が出て工作船を取り締まっているんですね。韓国にとっ
て、北朝鮮との工作は戦争なんです。韓国軍が見張っている地域を避けてくるか
ら、例えば鹿児島に来た工作船は、南浦(ナンポ)から揚子江の方に行きました。
揚子江の河口に北朝鮮は工作基地を持っていて、そこで給油してきます。直接来
れば鹿児島は近いんですが、韓国海軍が警備しているところは通らないというこ
ともあって、遠回りします。

◆拉致されない状況を作れていなかった日本

 日本は島国ですから、警備をちゃんとして、船が来ないような状況を作れてい
れば拉致はなかったんです。あるいは、(認定)最初の久米裕さん(拉致)の時
に、それが分かったら、色々な情報が色々なところにバラバラにあったわけです
が、それが政治に集約されて自衛隊が出たり、海上保安庁が出たりすることがで
きていて、そして韓国軍と一緒になって、米軍とも一緒になって警備をしていれ
ば、工作員の上陸を防げたわけです。

 奄美沖の工作船が自沈した事件では、米軍の軍事衛星の情報、海上自衛隊の偵
察機の情報、(工作船の)電波情報などが総合的に活用されて、発見することが
でき、自衛隊から海上保安庁にも有益な情報の提供があって、あのようなことに
なった。

 そういう能力を日本は持っていたのに、なぜ70年代の後半、あのようにたく
さん(拉致を)やられた時にそれができなかったのか。この問題は先ほど荒木さ
んが言った不作為のことも含めて、残っている課題だと思います。

 しかしもう拉致されてしまったわけですから、拉致された人をまず取り戻すと
いうことを是非していただかなければならない。その場合に、一体何人拉致され
ているのか、です。人質を取戻そうと思っているのに人質が何人いるか今分から
ないんです。それくらい我々はみじめな状況なんです。

 政府は、先ほど大臣は力強くおっしゃっていましたが、「認定の有無にかかわ
らず全員助ける」と。しかし、認定の「無」の人をどうやって助けるのか。口で
言うのは簡単ですが、「この人を出せ」と北朝鮮に言えないわけです。「無」の
人ですから。

 「無」の人も助けると政府は言っているわけですから、具体的な方策を検討も
されているでしょうが、話ができることについては話をしていただきたいし、明
日政府が主催する討論会でもその話を私は是非したいと思っています。そのため
に、今日やったのは、分かっていることで公開できることは知っておきましょう、
と。そしてゲームが始まった時に、だまされないようにしましょう、と。

 荒木さんと少し違っているかもしれませんが、全員取戻すことについては、荒
木さんと全く同じなので、金東植さんも来てくれて、とにかく分かっている情報
を、知恵を絞って、全体がどうなっているのかということをやりながら、政府に
交渉してもらわなければいけないと思います。

 最後に、金東植さんの一言を聞いて第1部を終えたいと思います。

金東植 参考になるかと思って1つ申し上げます。韓国に侵入する北の工作船も、
実は日本の漁船を偽装しています。日本の漁船の塗装をして、○○丸という名前
をつけると、韓国海軍は、「これは日本の漁船だ」と、彼は同盟国と言いました
が、友好国の船だからといって韓国海軍が見逃す。

 だから逆に、日本に侵入してくる北朝鮮の工作船は、日本の漁船を偽装するこ
ともあるけれど、もしかしたら韓国漁船を偽装してくることもありえるというこ
とを参考までに申し上げたいと思います。

西岡 これで第1部を終りたいと思います。特に韓国から来てくださいました金
東植さんありがとうございました(拍手)。

(7につづく)



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