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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」報告3(2013/12/19)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2013.12.19)


■特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」報告3

◆韓国人化教育を受けた北朝鮮人工作員

西岡 今日はたくさんの国会議員の先生方が来てくださっています。紹介略(31
名の衆参議員と54名の議員秘書)。

 それでは第1部「拉致の全体像を探る」を始めたいと思います。第1部はレジュ
メが準備されています。

 まず韓国から、北朝鮮労働党対外連絡部の元工作員金東植さん(仮名)に来て
いただきました。金東植さんは1981年から95年まで、対外連絡部の工作員
でした。

 我々は工作員というと金賢姫さんを思い出します。また安明進さんを思い出し
ます。金賢姫さんは調査部所属の工作員でした。安明進さんは作戦部所属の戦闘
員でした。金東植さんは連絡部所属の工作員で、現役工作員として2回、韓国に
浸透する作戦に従事され、1回目は成功しましたが、2回目に韓国で銃撃戦になっ
て逮捕されました。その後、韓国の安保機関に勤務しています。

 実は、今年この本が出ました。『誰も私を届出しなかった』。90年代の韓国
に浸透して、韓国の中で親北左翼活動をしている運動家に会って、地下組織を作っ
たりする活動をしていたんですが、「誰も私を届出しなかった」というタイトル
です。

 金東植さんの韓国語は、北朝鮮のなまりが一切ありません。韓国人化教育を受
けたんです。韓国から拉致された高校生3人が、金東植さんの韓国語あるいは韓
国人化教育の先生でした。

 そして、金東植さんの金正日政治軍事大学の同期生は、日本担当で日本人化教
育を受けました。我々専門家の立場では、「連絡部でも日本人化教育がされてい
た」ということが、初めて公開の席で明らかになることです。

 それ以外にいくつかの日本人に関する情報、あるいは拉致被害者の活用法、そ
して拉致解決についての見解等をお聞きしたいと思います。

◆「タナカ」氏から日本語を学んだ同期生

金東植(北朝鮮労働党対外連絡部の元工作員)

 今日このように意味のある場所に招待してくださいました皆様に感謝申し上げ
ます。もっと早い時期に皆様方にお話をすればよかったのですが、少し遅くなり
申し訳なく思っています。

 私は、15年間北朝鮮で工作員として過ごしながら、目撃したり、話を聞いた
日本人についてお話をしたいと思います。

 私が日本人について聞いたのは、87年から88年の間です。その時はまだ日
本人拉致問題がイシューになっていませんでした。私の金正日政治軍事大学の、
当時の名前は金星政治軍事大学ですが、同期生であるチョー・ソンヨルから日本
人講師について話を聞きました。

 その当時私は韓国に潜入するために、韓国語を学んでいました。その時、私の
大学の同期であるチョー・ソンヨルと会ったところ、彼は、「タナカ」という日
本人から日本語を学んでいると話しました。

 私に教えてくれた韓国人拉致被害者は仮名を使っていました。従って、「タナ
カ」という人の名前が本名なのか仮名なのかについては、私は性格には分かりま
せん。

 その当時、「タナカ」と呼ばれていた日本人は平壌市内の郊外にある順安区域
にある招待所で、日本人化する工作員たちに、日本語および日本の習慣などを教
えていました。

 その中では工作員も講師もサングラスをかけ、マスクを付けて、昼間晴れてい
ても傘をさして歩いていますので、顔は確認できませんでした。私は「タナカ」
さんと直接会って話をしたことはありません。ただ、彼が住んでいた招待所を知っ
ていたために、そこを通り過ぎる時に、2〜3回、後姿や横の姿を見たことはあ
ります。

 彼は当時170センチくらいの身長で、髪の毛を伸ばしていて、体格は普通で
した。歳は性格には分かりませんが、30代か40代だったように思います。彼
が日本人であること、またその地域で「タナカ」という名前を使っていることは、
その地域にいる工作部署に人たちはみんな知っている事実でした。

 そして彼の奥さんも日本人だという話を聞きました。しかし、その二人がどの
ようにして結婚するようになったのか、また二人の間に子どもがいるのかという
ことについては聞いたことがありません。

 彼は日本人であるので、生活費、月給も日本円を貰っているという話を聞きま
した。そして「タナカ」さんがいた招待所からそれほど遠くないところにある招
待所で、別の日本人が日本語を教えているという話を聞きました。それ以上私は、
その人について聞いたことはありません。

◆日本人拉致の目的の第1は工作員化、在日韓国人も拉致

 次に、なぜ北朝鮮は日本人を拉致するのか。皆様はよくご存知だと思いますが、
私の考えを申し上げたいと思います。北朝鮮が日本人をたくさん拉致した理由は、
当時韓国人もたくさん拉致したのですが、まず第1に、その人たちを工作員とし
て使おうとするという理由でした。

 従って、初めから拉致をしたのも工作部署であり、その人たちを収容して工作
したのも工作部署です。日本人であれば、別途日本の言葉や習慣を教える必要は
なくて工作員としての教育さえすれば日本に潜入させることができるし、海外で
活動させることもできる。

 韓国人も同じでした。彼らを拉致して最初から工作員教育をしました。しかし、
拉致を不作為で、作為なしで(西岡=これは選ばないでという意味だと思います)
行ったので、その中には工作員としてふさわしくない人も含まれていました。

 そこで工作員に使うことができなかった人たちを、北朝鮮の工作員に日本語や
日本文化を教える講師として使ったのです。そして講師として使えなかった人た
ちは、日本に関係する通訳や翻訳など適当な仕事をさせたと聞いています。 ま
た、被害者の身分は、日本に潜入する工作員の身分偽装のためにも使われました。

 それでは実例をあげて申し上げたいと思います。80年代末から92年まで、
韓国で活動した夫婦の工作員がいました。その夫婦は中国系マレーシア人に擬装
した対南工作員でした。夫は、チン・ウンバンという名前で呼ばれており、奥さ
んはチョン・オクチョンという名前で呼ばれていました。

 しかしその奥さんは日本人でした。その当時、30代から40代の女性でした
が、92年に韓国の中で大型スパイ事件があったので北に逃げました。韓国から
逃げ帰ったその夫婦は、北朝鮮から共和国英雄称号を受けました。そして二人と
も金日成党高級学校という幹部学校で教育を受けました。

 そして夫は、今度は韓国人オン・ジウに擬装して98年10月に韓国に潜入し
て、その年の12月、半潜水艦に乗って北朝鮮に帰る時、韓国軍によって撃沈さ
れ、死亡しました。奥さんは今現在も北朝鮮で生きています。

 その日本人の夫人が拉致被害者かどうか、私は確認できていません。しかし、
その人の年や工作員になった過程を見ると、拉致被害者である可能性が十分にあ
ると見ています。

 先ほど申し上げた「タナカ」さんの場合は、工作員として活用できなかったか
ら日本語講師として使ったケースであり、金賢姫が日本語を学んだ李恩恵(リ・
ウネ)さんもそのようなケースだと思います。

 そして80年代の半ば、韓国に入って捕まった辛光洙(シン・ガンス)氏の場
合は、拉致被害者の身分を擬装用に使ったケースだと思います。

 また注目しなければならないのは、この時期、日本にいる日本人だけを拉致し
たのではなく、在日韓国人も拉致しました。当時、公開的な北朝鮮への帰国があっ
たわけですが、それとは別に、必要な人は拉致しました。ひどい時には、在日の
幼い子どもを、睡眠剤を飲ませて拉致したこともあります。

 私が90年に韓国に潜入しまして、韓国で活動していたおばあさんの大物工作
員李善実(リ・ソンシル)を北朝鮮に連れ帰ったのですが、彼女は日本で幼い1
0代の自分の甥たちを北朝鮮に拉致したということがありました。そして同じ年
の北朝鮮の子どもを、その身分を使って日本に送り込んで、日本で現地化教育を
しましたが、結果的に失敗して、その二人を北朝鮮に呼び戻したというケースが
ありました。

◆工作員の日本人化教育を行った被害者は返せない

 また後で、時間があればもう少し詳しいことを申しあげることとして、次に、
今後どのようにすれば解決できるのかということについて、私の考えをいくつか
申し上げます。

 私の考えでは、日本がこれまで拉致問題でとってきた行動をもう一度見直して
みる必要があるのではないかと思います。2002年に、北朝鮮の金正日がなぜ
拉致を認めたのかということについて、もう一度考えてみる必要があると思いま
す。

 当時北朝鮮が、拉致を認めるということは国際的なダメージであることを知り
ながら認めたのは、日本から莫大な経済支援を得ることができるだろうと判断し
たからだと思います。

 私が北朝鮮にいた90年代の初め、日朝国交正常化交渉が盛んに行われていま
した。その時、党の部長や副部長たちは、日本からいくらぐらい賠償をとれるか
について、40億ドルくらいは取れると言っていました。そして日朝首脳会談を
し、拉致を認めたわけですが、そのお金を結果的には受け取れなかった。

 従って、もし経済的支援で拉致問題を解決しようとするならば、大変莫大な金
額が必要になるだろうと思います。

 2番目に考えなければならないのは、なぜ北朝鮮が一部だけを日本に返して、
残りの人たちを死亡したと言ったのかということです。決して返すことができな
い状況だったということです。そしてこれ以上拉致問題を解決する意思がなかっ
たのだと言えると思います。

 まず第1に、なぜ返せなかったのか、なぜ死んだとしたかということですが、
それはその人たちがあまりにも多くの北朝鮮内部の秘密を知っていたからです。
工作員として使っていた場合は返すことができなかっただろうと思います。日本
がその立場だったら簡単に返せるでしょうか。

 次に、工作員でなくても、工作員を育成する講師として使ったとしたら返すこ
とができません。普通、日本語を学ぶ工作員は、約1年間日本語を学びます。で
すから、拉致された日本人が工作員に日本語を教えたとすれば、1年に一人を教
えたと見ればいいと思います。

 そうだとすると彼らが拉致されて30年以上経ちますので、一人当たり30人
以上の工作員のことを知っていると考えられます。30人の工作員のことを知っ
ている日本人講師を日本に返せるでしょうか。そこで日本には送れないので死亡
確認書を作って出してきたんだと思います。

 実は、その死亡確認書を私は求めて見たことがあるんですが、その文字の筆跡
が、私が韓国に潜入した時に持っていた偽造韓国人住民登録の筆跡と同じでした。
それは彼らを工作部署の一つで活用したことになると思います。

◆拉致を指令した父親を否定することができない

 ですから、今現在は、拉致問題解決が非常に困難な時期だと思います。しかし、
北朝鮮は日本人だけを拉致したのではないという事実を知る必要があります。北
朝鮮は最近、アメリカ人を拉致しましたし、過去には多くの韓国人も拉致しまし
た。従って、それらの国との国際協調をより積極的にすれば、解決への道が開か
れるのではないかとも思います。

 ただ、拉致問題の解決において、北朝鮮の金正恩政権には大変否定的な側面が
あります。金正恩は自分の父親から政権を渡されたので、自分の父親を否定する
ことができないと思います。

 解決のためには「死んだ」と言っていた人たちが、実は「生きていた」という
ふうに、彼らに否定させなければならないのですが、それが困難だということで
す。

 しかし私は、皆さん方が今までしてきたように、日本政府と皆さん国民が解決
のために努力をしていくならば、解決の日が来るだろうと信じています。ありが
とうございました(拍手)。

西岡 体系的にお話をしていただきました。田中実さんの写真は見ていただきま
したが、顔には記憶がないということです。但し、招待所の中で、「タナカ」と
呼ばれている人がいた。その人は工作員の日本語の先生だったということが確認
できたということで、その人が田中実さんなのかどうかについては今の段階では
言えません。

 もう一つ、招待所の中では本名は使わない。仮名を使うということですが、調
査部では、仮名どころか日本人も朝鮮名を使っているんです。田口八重子さんは
李恩恵で、佐藤とかは言っていない。しかし、連絡部ではシステムが違う。「タ
ナカ」という日本名を使っていた。

 さらに、金東植さんの韓国語の先生も拉致被害者だったんですが、その内一人
は、苗字は本名を使っていた。ですから、本名を使うこともあるという話もして
くださいました。

 今の段階で言えることはここまでで、これ以外のことは情報はありませんが、
様々なパズルのような情報を集めてみて、真実に迫るしかないと思っています。

(4につづく)



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