救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

増元さんが欧州議会で世界に広がる拉致問題を訴え(2012/06/06)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2012.06.06)

 家族会の増元照明事務局長が、5月29日、ベルギーのEU(欧州議会)で、世
界に広がる拉致問題を訴えた。
 増元さんのコメントと証言内容(全文)は以下の通り。

■増元さんが欧州議会で世界に広がる拉致問題を訴え

●増元さんコメント

 5月28日から31日、2泊4日の強行軍でEU議会の人権小委員会に出席した。EU議
会でも北朝鮮の人権問題が懸念される状況である。

 拉致問題も人権問題として証言を求められたのだが、欧州議会の雰囲気は、拉
致問題より北朝鮮国内の人権侵害問題や脱北者の問題が重要度としては上である
かのような雰囲気であった。共に緊急性を帯びる問題ではあるが、拉致問題に関
する意識は欠如しているように思える。欧州からも北朝鮮による拉致被害があっ
たという報告をしたのだが、詳細に関する質問がなかったというのは興味がない
ということだろう。

 記者会見でもそうだが、若い記者は何のことかわからないから質問することさ
えしないし、第一何を聞いていいのかがわからない。

 これは即ち勉強不足ということだが、詳しく調べようとする興味がわかないか
らにほかならない。この状況が欧州議会の雰囲気なのだ。

 残念ではあったが、これからも欧州に対する働きかけは続けていかなくてはな
らないだろう。

 最後に議長から発言を求められ、ゆるい状況に苛立ちを覚えていた私は言って
しまった。「我が国は、北朝鮮を国家承認していません。韓国政府も同様です。
韓国の場合は、憲法において、北朝鮮も韓国の一部であると言っています。北朝
鮮を国家承認したこと自体が北朝鮮の人権問題を引き起こしている。もう一度、
国際社会は北朝鮮の国家承認を考えるべきだ」と。本来ならば、「私は、家族に
会いたい。母にも合わせてやりたい。是非、欧州各国の協力をお願いしたい」と
言うべきであったが・・・。

 それでも、我々は拉致被害者のために欧州へのアプローチを続けなければなら
ない。

●証言

 まず、日本国民の一員として、EU各国及び国民に対して、昨年東日本大地震を
受け日本に寄せられた支援に感謝したい。

 又、本日北朝鮮に拉致された日本人に関する証言をする機会をいただいたこと
に感謝いたします。

  私は増元照明です。1998年夏、私の姉増元るみ子は北朝鮮の工作員によって
日本の国内から暴力的に拉致されました。多くの家族が私と同じような(経験を)
持ちます。我々は共に北朝鮮に拉致された被害者の家族の会を結成しました。私
は現在、その組織の事務局長をしております。私たちの目的は、愛する家族を北
朝鮮から取り戻すことです。

 北朝鮮は韓国を共産化するために工作員を育成しています。ところがその目的
が達成されないことを受け、、韓国政府を転覆するスパイを要請するために北朝
鮮は外国人を拉致することを考え始めました。北朝鮮は100人を超える日本人を
拉致しました。この国家的犯罪は2つの目的があったと思われます。一つは工作
員を日本人化する訓練のため、もう一つは、北朝鮮に逃亡した米兵の配偶者とす
るためです。

 私たちは、大韓航空機爆破犯人の金賢姫が拉致被害者田口八重子さんから日本
の言語、文化を学んでいたことで知ることができました。又、横田めぐみさん、
市川修一さんなど多数が日本語の教師として金正日政治軍事大学で働かされてい
たという目撃証言を得ています。

 曽我ひとみさんという帰国した拉致被害者は米国脱走兵のチャールズジェンキ
ンス氏の妻となっていました。他の拉致被害者も同様でした。タイ人拉致被害者、
アノーチャ・パンジョイさん、ルーマニア人のドイナ・ブンベアさん、レバノン
人のシハーム・シュライテフさんは全て脱走米兵の妻となっています。

 北朝鮮による拉致はこの二つだけの理由ではありません。被害者は偽札作りや
薬品作りに従事させられています。化学や物理に知識のある被害者は兵器製造部
門で使われています。

 それでは、日本以外の国から拉致被害者は?

 8万2929人の韓国人が朝鮮戦争中に拉致されています。戦争後にはおよそ500人
の韓国人被害者がいます。

 又、4人のレバノン人、ひとりのタイ人、ひとりのルーマニア人、2人の中国
人がいます。さらに、4人のマレイシア人、ひとりのシンガポール人、3人のフ
ランス人、3人のイタリア人、2人のオランダ人、1人のヨルダン人が拉致され
た疑いがあります。

 タイ政府はアノーチャさんの事を知るや大使館を通して北朝鮮政府に問いただ
しましたが、北朝鮮政府は彼女の存在さえ否定しました。ルーマニア政府も同様
でした。

 政治的行動を全くしていなかった無辜の民を拉致することによって、北朝鮮は
被害者だけでなくその家族にも国家に対しても危害を加えています。

 最近、我々は若いアメリカの青年が中国雲南省において2004年4月に行方不明
となった情報を得ました。彼のご両親とお兄さんが日本に来て被害者家族との会
合を持ち、彼の失踪が非常に怪しいものであることを感じています。

 私は、韓国、タイ、マカオ、そしてルーマニアを訪問し、拉致被害者の家族と
会い、その(家族をうばわれた)苦悩と苦痛を分かち合いました。我々はまた、
愛する家族を帰国させることを決心しました。日本と韓国を除き他の国の拉致被
害者は彼らを救う組織や家族を支援する組織を持ちません。だからこそ、私は日
本人だけでなく、全ての拉致被害者と家族のために声を上げることを決めました。

 我々は3年前、共に北朝鮮に拉致された被害者を救うため、国際拉致被害者連
合という組織を結成しました。我々の目標は、全ての拉致被害者を解放するため、
我々の声を国際レベルまで上げていくことです。

 全ての拉致被害者を救出することが目標です。そして、欧州連合の国々の協力
を必要としています。宜しくお願いします。

 有難うございます。

以上


●証言(英文)

 First, as a Japanese citizen, I would like to thank the European
Governments, and the European people for the assistance you provided
Japan in the aftermath of the Great East Japan Earthquake and tsunami in
last year. We are very grateful.

 I also appreciate the opportunity to testify here today about Japanese
victims kidnapped by North Korea.

 My name is Teruaki Masumoto. In August 1978 my sister, Rumiko Masumoto,
was forcibly abducted from Japanese soil by North Korean spies. There
are many other families like mine. Together we have formed the Committee
for Families of Victims Kidnapped by North Korea. I am now the secretary
general of that association. Our goal? is to get our loved ones back
from North Korea.

 North Korea planted spies in order to convert South Korea to communism.
But when that didn’t work, they began to think about kidnapping
foreigners to use as spies to overthrow the South Korean government.
North Korea kidnapped over a hundred Japanese citizens. This
state-sponsored crime had two purposes: one, to train spies to pass as
Japanese citizens; and two, to provide a marriage partner for an
American who defected to North Korea.

 We know now that Kim Hyon Hee, the former North Korean agent involved
in the Korean Air bombing, was trained in Japanese language and culture
by abductee Yaeko Taguchi. We also have eye-witness testimony that
Megumi Yokota, Shuichi Ichikawa, and others were working as
Japanese-language teachers at Kim Jong Il Political Military University
in Pyongyang.

 We know that it was decided that Hitomi Soga, one of the abductees who
has returned to Japan, would be the wife of American army deserter
Charles Jenkins. Other abductees faced the same fate: Anocha Panjoy,
from Thailand; Doina Bumbea from Romania; and Siham Shraiteh from
Lebanon were all married off to American army deserters.

 These are not the only two reasons for the abductions, however. At
present, abductees are made to work in medicine or in counterfeiting.
Abductees with chemical or biological backgrounds are used in weapons
production.

 What about abductees from other countries? There were eighty-two
thousand nine hundred twenty nine South Korean abductees during the
Korean War; currently there are about five hundred.

 We also know that there are four abductees from Lebanon, one from
Thailand, one from Romania, and two from China. In addition, there are
four suspected abductees from Malaysia, one from Singapore, three from
France, three from Italy, two from the Netherlands, and one from Jordan.

 The Thai government now knows about Anocha Panjoy, and has pressed the
North Korean government for answers through its embassy. But North Korea
refuses to even admit she exists. Its behavior toward the Romanian
government is the same.

 By kidnapping innocent civilians who were not involved in any
political activities, North Korea has harmed not only the victims, but
also their families and their countries.

 Recently, we received information about a young American who
disappeared in China’s Yunnan province on August 14, 2004. His parents
and brother came to Tokyo to meet us, and as we learned more about him
we felt his disappearance is very suspicious, too.

 I have visited South Korea, Thailand, Macau, and Romania. I have met
with the families of the abductees, and we have shared our pain and our
grief. We have also shared our determination to get our loved ones back
home. But except for Japan and South Korea, these families have no
organized structure, no means of helping their family members. So when I
raise my voice on behalf of the abductees, I do so on behalf of all of
them?not just those from Japan.

 We are determined to work together?all the families of those abducted
by North Korea. To that end, three years ago we formed the International
Alliance for the Abduction Issue. Our goal is to free all those abducted
by North Korea, and we will continue to make our voices heard at the
international level.

 Our goal is the rescue all the victims abducted by North Korea, and
for that we need the help and cooperation of the European Governments.
We hope we can count on you.

 Thank you.


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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 野田佳彦殿

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