救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「週刊新潮」記事に関する所感(2010/03/26)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2008.03.26)

■「週刊新潮」記事に関する所感

西岡力(救う会会長代行)

昨日、3月25日に発売された週刊誌に、救う会和歌山の井川氏が、家族会・救
う会の運動に関する事実誤認などにもとづく一方的な非難をなした。

井川氏は全国協議会の幹事でありながら、数日後に予定されている運動方針を
議論する家族会・救う会の会議で問題提起をせず、週刊誌に、家族会・救う会非
難を行った。たいへん残念だが、その行動自体が、ともに運動してきた仲間への
裏切りだと思う。

特に、記事の中での井川氏の、家族会に関する誹謗は限度を超えている。家族
会とともに車の両輪として運動を進めて行くにはふさわしくない言動といわざる
を得ない。役員会では、28日の全国幹事会に向けて現在対応を検討しているとこ
ろだ。

私がなぜ取材に応じなかったのかについて書いておく。19日金曜日夕方、突然
電話での取材要請を受けて、その日を含め週末は忙しいと断ったところ、同誌記
者はその日の深夜12時頃に自宅前に現れた。取材を断ったところ、記者が玄関前
で帰らずいつづけたので、家内が対応したものを、あたかも家内が自主的に取材
に応じたかのように書いた。記者は家内に取材の趣旨だけを伝えたいと語ったの
で、週が開けてから事務所に文書で出してくれと家内は伝え、記者は翌日の1時
近くになってやっと帰った。その後、文書での連絡はいっさいない。

次に、記事全体の大きな事実誤認についてだけ思うところを記したい。

家族会・救う会の運動は、平成9年に始まり現在13年となる。この間、平成14
年に、金正日が拉致を認め5人の被害者が帰国するという大きな成果があり、そ
の後、5人の家族の帰国という小さな進展以外、目に見える成果はない。

井川氏は運動が衰えていると論じているが、我々は運動のための運動をしてい
るのではない。運動の目的は、彼の地に抑留されている被害者を取り戻すことだ。
そのために、被害者が危害にあう危険を乗り越えて家族会・救う会が立ち上がっ
たことが原点だ。

北朝鮮の内部事情、国際情勢とわれわれが必死で作り上げた一定程度の世論の
盛り上がりが複合的に作用して、平成14年の5人帰国を生み出した。そのことは
運動の成果として誇るべきだが、運動の力だけで成果が上がったと思い上がって
はならない。

平成14年以降、週刊誌で運動を批判した井川氏らを含む多くの志を持つ人々が
救う会の運動に加わり、各地で行われる集会や署名活動などはそれ以前と比べる
と質、量ともに格段の活況をみせた。運動は確かに衰退ではなく成長発展した。
しかし、被害者救出という根本目的からすると、結果として平成14年以降には、
ひとりの被害者も救い出すことができずにいる。この現実の前で謙虚でありたい
と思っている。

ただし、平成14年以降、拉致棚上げでの日朝国交が実現しそうになることを、
われわれは必死で防いできた。そのための世論の盛り上げにわれわれ家族会・救
う会の貢献も大きかった。しかし、これは救出の体制作りという側面だ。

週刊誌の記事が、「紙くずになる」云々とした国民からの署名は、世論を盛り
上げ政府を動かすという側面で5人の帰国に大いに役立ったし、その後、拉致棚
上げを許さなかったという点でもたいへんな効果があった。

繰り返すが、運動だけでは被害者救出は実現できない。しかし、運動がなけれ
ば情勢がいくら有利に動いても全員救出は困難だ。

家族会・救う会は今後も愚直に、「全ての被害者を返せ、それなしには制裁は
強化され対北支援はあり得ない」という声を内外に広げる活動をしていくしかな
い。平成14年9月以前と比べると運動の条件はたいへん良くなっている。少しく
らいマスコミの報道頻度が落ちたからといって一喜一憂する必要はない。事態が
動くときは、動くのだ。そのとき、どれくらい備えをしておいたのかによって、
結果は違ってくる。

私は運動開始以来13年間、家族会の皆さんや多くの活動家と同じく無給無休で
被害者救出のために活動をしてきた。今後もそのことは変わらない。後で後悔し
ないように、できうる全てのことを行っていくしかないと思っている。

以上



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