救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

総選挙では拉致問題も争点に?連続集会47報告1(2009/07/24)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2009.07.24)

平成21年7月16日、救う会・救う会東京は第47回連続集会を開催した。
今回の講師は、韓国随一の拉致問題専門家である洪●(=榮の木を火に、ホン・
ヒョン)氏(早稲田大学客員研究員、元駐日韓国大使館公使)で、「流動化する
北朝鮮情勢 今何をなすべきか」というテーマで語って頂いた。また、来日中の
趙甲済氏(「月刊朝鮮」元社長)にも飛び入り参加をお願いし、コメントを頂い
た。冒頭、家族会から衆議院解散を受けてのコメントや活動報告がなされた。家
族会の参加者は飯塚繁雄代表(田口八重子さん兄)、横田早紀江(めぐみさん母)、
増元照明事務局長(増元るみ子さん弟)、本間勝さん(田口八重子さん兄)。概
要以下の通り。

■総選挙では拉致問題も争点に?連続集会47報告1

◆家族会活動報告

飯塚繁雄 このところ拉致問題に関する色々な動きがあるようにも見えますが、
国会の動きが止まってしまっています。解散ならびに総選挙に入ろうとしている
中、拉致問題を論議する場が少なくなっています。今日はたまたま自民党の拉致
問題特命委員会があり、全く方針を変えずに、このまま北朝鮮に対する法案を通
そうという意気込みが感じられました。我々は、自民、民主、公明各党を廻って、
総選挙のマニフェストに拉致問題をきちんと入れるよう要請しました。各党とも
に必ず入れるとはっきり言っていただきました。さらに、(貨物検査法など)北
朝鮮に対する法律案については早く成立させてほしいとお願いしました。どの党
が政権をとっても拉致問題だけは絶対に忘れないでということです。

しかし、この(解散にむけての)せわしない動きを見ると、拉致問題への関心
が少し薄くなっているのではとしないでもない。マニフェストに入れる約束は守っ
てくれるとは思いますが。各党がそろって拉致問題に言及していただければと思っ
ていますが、まだ民主党からははっきいした意向が出ていません。

今、世界はどういう目で日本の動きをみているのでしょうか。冷たい目で見て
いるかもしれません。特に、米国は(安保理決議を受けての)具体的な動きを進
めています。韓国もそうです。そこで当事国日本が動かないと、国際社会に向け
て協力を訴える力が弱くなります。

国民の願いを受けて、各党はマニフェストに入れるでしょう。拉致問題の解決
を強く訴える党に入れていただきたいと思います。私たちも、あらゆる機会をと
らえて政治に訴えていきたいと思っています。

長い間向こうにいる人たちのことを思うと、毎日毎日、何かしなければという
思いがありますが、こういう大きな政治の動きの中で、どんな動きがあるにしろ、
拉致問題は一番根底にある問題だということを常に訴えたいと思いますし、その
ことに言及する候補者を支持してほしいというお願いをしています。また、立候
補者へのアンケートを行いますので、その結果を見て現実的な対応をしてほしい
と思います。過去には唱えても動かない例もありましたが。また、貨物検査につ
いては、家族会・救う会声明を出しました。しっかり対応する意気込みのある候
補者に入れていただきたいと思っています。

先日は、鳩山代表にブルーリボンバッジをつけさせていただきましたが、その
後ははずしておられるようです。総選挙では、「我が党は拉致問題の解決に全力
を尽くす」ということばを是非聞きたいと思います。

横田早紀江 これまで活動してきたことが走馬灯のように思い出されます。外務
省で座り込みをしたことなどです。なんと言っても一番にやるべきことは、命を
助けることです。我々が言わなくても自主的にやっていただくのが国の姿勢だと
思います。何々党の問題とは違うのです。これだけは許せないという人が、本気
で動き出す時に、人がついていくと思います。そういう人が議員になってほしい
と思います。

本当に悲しい毎日です。頑張ってもだめなのかなと。今日は、生徒さん100
0人にお話をする機会がありました。「こんな大変なこととは思わなかった」と
言っていました。彼らが生まれる前のことですからね。私たちは、これまで経験
してきたことをお話することしかできませんが、これからも頑張っていきたいと
思います。

本間勝 このままでは衆議院を通過した貨物検査法案が、参議院の審議拒否で廃
案になるかもしれない、声を上げようと、渋谷で街頭活動を行ってきました。日
本がアメリカとともに、北朝鮮に対する強い制裁をやっていくべきと働きかけて
国連安保理で制裁決議が通りました。ところが、日本では内政の問題でちぐはぐ
になっているのは恥ずかしいと思います。これでは世界が真剣になってくれない
のではないかと心配です。また、各党の代表が国民大集会では一生懸命やると言っ
ておきながらこんなゴタゴタを見た国民は、本気で拉致問題をやる気があるのか
と思ってしまう。本当に腹立たしい思いです。党利党略ではなく、国益のために
動く人を送り込んでほしい。そうすればこの問題に取組みやすい。こんな大事な
問題が廃案になってしまうような審議拒否はおかしいんじゃないですか。

増元 まず、姉のるみ子の戸籍が回復されましたことを報告させていただきます。
鹿児島の家裁が昭和61年に失踪宣告しましたが、これを取り消してほしいという
申立てをしました。取消しになったため戸籍も回復されます。被害者が帰ってく
れば戸籍は回復されるからと簡単に考えていたのですが、久しぶりに謄本を見た
ら姉の戸籍がないのです。新しい仕組みになったのでしょうが、バツ印で載って
いるわけでもない。これでは姉を迎える準備が整っていないと思い、回復して待
つことにしました。母も、このままでは可哀想なので、戸籍を回復して、増元家
の一員としていることを示しながら帰国を待ちたいという意向でした。

この戸籍回復を行っている過程で、母や姉のフミ子の記憶が戻ってきました。
父がなぜ除籍をしたか。当時、北朝鮮による拉致であることは、産経新聞の報道
もあり、半信半疑ながらある程度拉致と信じていました。昭和59年から60年にか
けて、警察から、「あなたの娘さんの戸籍を注意してみておいた方がいいですよ」
と再三言われていました。父は、鹿児島市役所で何度も姉の戸籍を取り寄せてチェッ
クしていました。その意味は、背乗り(その人物に成り代わること)です。姉の
戸籍を悪用される可能性があるとの指摘を警察から受けたわけです。辛光沫が逮
捕されたのは昭和60年で、そのとき初めて背乗りが明らかになりました。それ以
前にも警察は北朝鮮による拉致の目的に背乗りがあることを分かっていたのです。
私たちには、「戸籍に気をつけろ」と言いながら、政府は拉致認定もしてなかっ
たし、北朝鮮にはっきりと言っていませんでした。市川家も同じ事情だと思いま
す。

わたしたち家族は、昭和60年に鹿児島市から姶良郡に引越したものですから、
それを期に、姉の戸籍を悪用されないために除籍したのです。母と姉の記憶でこ
ういうことが分かってきたこともあり、その意味でも戸籍が回復できてよかった
と思っています。そして父親の無念ですね。姉が北朝鮮にいることを信じながら
も除籍をしたその無念をもっと早く回復してあげればよかったと思っています。

裁判官から、「政府や報道がどのような発言をしようと全く白紙の状態です。
昭和53年8月12日に失踪し、その後の消息がつかめないという状況をくつがえす
証言や証拠を提示してください」と言われました。3回ほど審判をやりました。
現行法で失踪宣告を取り消し、戸籍を回復するには、本人が出てきて名乗るか、
死亡日が違うという確固たる証拠を出すという二つの方法しかありません。私た
ちは、死亡日を出すことはできませんので、生存していることを訴えました。そ
して失踪宣告を申立てたこと自体が間違いで、裁判所も1年間何も新たな情報が
ないため死亡と受け入れたことも間違いだという主張をしました。姉の場合は、
蓮池祐木子さんが姉と招待所で一緒に暮らしたという証言がありました。それで
書面で証言をしていただきましたが、市川修一さんの場合は安明進さんの証言し
かありません。市川修一さんと特定できるかどうかが危惧されましたが、色々な
証言を提出したことで認められました。

最終的には、「昭和53年8月12日以降も生存していると類推される」いう結論
を裁判所が出し、失踪宣告が取り消されました。本当に関係の皆様にお礼を申し
上げたいと思います。おそらく特定失踪者の家族の中にも、失踪宣告された方が
おられると思います。今後回復の指針になればとは思っていますが、政府の認定
もないわけで、調査会が1000番台リストに載せているとか、脱北者が見たことが
あるという証言で、果たして裁判官を納得させることができるか、難しい問題が
あると思っています。

ところで、ヨーロッパで拉致された人たちですが、戸籍はあるが現住所がない。
出国の記録はありますが、入国していないからです。このままでいいのかなとい
う思いがあります。

飯塚さんが言われた今日の自民党特命委員会で私は発言を求めて、帰国者担当
の副代表・浜本七郎からこれだけは言ってほしいと託されていた内容を伝えまし
た。それは、帰国した拉致被害者はもうすぐ定年を迎え働けなくなるということ、
老後の蓄えがないことに不安をもっていることです。また、北朝鮮が支払うべき
賠償金がどうなるかにも不安をもっている。国としての何らかの保証があればあ
りがたいとのことでした。

政府の対北ラジオ「ふるさとの風」において、「日本政府は拉致問題に大きな
関心を寄せております」と放送していますが、拉致被害者の安全についてもっと
厳しい言葉で求めてほしいということを伝えました。

(以下次号)




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