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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北のミサイルに日本の資機材と在日の科学者の協力?輸出全面禁止を(2009/05/13)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2009.05.13)

連続集会報告1

4月5日に北朝鮮は、日本列島を越えるミサイルを発射した。このミサイルは
どういうものであったのか。4月23日に開催した連続集会45では、ジャーナ
リストの惠谷 治氏、西岡力・救う会会長代行に報告をしてもらった。家族会か
ら飯塚繁雄代表、増元照明事務局長、横田滋前代表が参加した。

2回に分けて送付します。

■北のミサイルに日本の資機材と在日の科学者の協力?輸出全面禁止を、連続集
会報告

惠谷 あれほど騒いだテポドン発射でしたが、もうメディアの関心外になってい
ます。発射以前から人工衛星なのかミサイルなのかの議論があり、発射後は成功
したのか失敗したのかの議論がありました。今日は、私がこれまで分析して来た
中で、初めて発表する事実が2つあります。

◆人工衛星の発射に失敗
今回発射されたものは見た限り3段式になっています。発射前は2段式か3段
式かの議論がありましたが、今は3段式で落ち着いています。しかし、結論から
言えば、今回発射されたものは2段式です。

「テポドン」というのは米軍のコードネームで、1号と2号があります。199
8年に発射したテポドン1号を、北朝鮮では「白頭山ロケット」と呼んでいます。
今回のテポドン2号は、2006年に発射し、すぐに空中分解したのと同じもの
ですが、テポドン2号を北朝鮮では「銀河ロケット」と呼んでいます。我々がテ
ポドン1号、2号と同じ系統のように呼ぶのとは違い、彼らからすれば、「白頭
山ロケット(テポドン1号)」と「銀河ロケット(テポドン2号)」は違う系統
だということです。

北朝鮮では今回発射したのを「銀河2号」と呼んでおり、北朝鮮の発表はあり
ませんが、2006年に発射したものが「銀河1号」であろうと推測されます。
米軍の呼称と北朝鮮の呼称は異なりますが、ここでは混乱を防ぐため、「テポド
ン」として話します。

報道の多くで、今回のテポドン2号は、「改造型」という見方がありました。
もし改造型であれば、改造前の原型はどういうものだったのか。報道では原型に
ついては何も出ていません。

98年のテポドン1号は、当時の防衛庁が8ページの報告書を出しており、はっ
きり分かっています。しかし、06年のテポドン2号については詳しいデータを
発表していません。これは、米国からの要請で、手の内をさらす必要はないとい
うことで、具体的なデータが出てこなくなったのです。

私は、入手可能な情報を集めて06年の発射について発表しました。まず、2
段式か3段式かについてですが、各段にエンジンがあるかどうかを見ます。北朝
鮮では98年には「光明星1号」衛星を、今回は「光明星2号」衛星を載せたと
言っています。実際には衛星を乗せた先端部分に推力をつけるため固体燃料によ
るエンジンがありますから、3段式と言っても間違いではありません。

人工衛星かミサイルかでは政府でも変更措置がありましたが、先端部分がとがっ
た円錐形でなければミサイルにはなりません。ミサイルは大気圏外に出た後、再
び大気圏に突入するので、その際に空気抵抗を少なくする必要があるからです。
しかし、今回のテポドン2号は先端が丸く、これでは再突入の際、燃えてしまい
ます。その意味で、98年も今回も人工衛星ロケットだったことは間違いありま
せん。

ではそれをなぜはっきり言わないのか。人工衛星発射なら平和利用だから問題
はないということになります。しかし、北朝鮮がアメリカに届く弾道ミサイルを
開発しているのは間違いないことです。北朝鮮は衛星と言わずにミサイルだと言
えばいい問題ないのですが、衛星と言い続けているのが曖昧なところです。

北朝鮮は今回、人工衛星を打ち上げたと私は確信しています。丸い先端部分を
見れば明らかです。あるテレビ解説では、「これはダミーで実際はミサイルだ」
と言っていましたが、ダミーなら先端を丸くする必要はありません。

では金正日はなぜ人工衛星にこだわるのか。98年は失敗しました。それから
約10年経ち、今年2月、イランが北朝鮮に先んじて人工衛星を打ち上げました。
ミサイル技術を伝授した弟子の国が先に成功したのです。イランは資金力がある
からとはいえ、金正日は大変悔しい思いをしたでしょう。だから今回は何として
も成功させたかったのだと思います。しかし、みごとに失敗しました。

◆「落下物2」は二段目ブースターではなく、衛星のカバー
次に、テポドンの先端部に弾頭を着ければミサイルになりますが、それ以外は
人工衛星と同じです。

今回北朝鮮は発射予告をしました。日本海に1段目が、太平洋の約2000キ
ロ離れたところに2段目が落ちるということでした。しかし、3段目は発表して
いません。3段目はないのです。だから私は2段式だと思います。

衛星がある先端部には、フェアリングというカバーがついています。宇宙空間
に出るとこのカバーが外れて衛星本体が出ます。フェアリングが2枚で作られて
いたかどうかは分かりません。衛星下部にも小型エンジンがついています。そし
て、フェアリングが切り離されてどこに落ちるかは、普通は予告しません。

今回落下地点の模式図が報道等で出ましたが、よく理解して書かれた図はなかっ
たようです。人工衛星は、2段目のブースターが切り離され落下するときの高度
がだいたい400キロです。その後すぐ先端部のフェアリングも切り離され落下
します。フェアリングは燃え尽きる場合もあります。そしてむきだしになった人
工衛星についている小型エンジンの燃料は北朝鮮がもっとも不得意とする固体燃
料です。人工衛星下部のエンジン部分は人工衛星を軌道に載せた後、切り離され
宇宙ゴミになります。いずれは引力に引き寄せられ、大半は大気圏で燃え尽き、
一部が残って落下する場合もあります。

98年の発射の時は、3段目の固体燃料で失敗して衛星本体が爆発し、落下し
ました。今回も3段目の固体燃料で失敗したのではないかと思いますが、データ
はありません。

今回「探知」誤報がありましたが、これはあの日みんなが洗脳状態になってお
り、「探知」という連絡がはいったら、もう米軍情報も入ったと思い込んでしまっ
たものです。翌日は冷静な発表がありました。しかし、11時42分、第4報で、
「落下物1」が秋田の西方280キロに落ち、「落下物2」は太平洋側1270
キロに落ちると発表がありました。防衛省は「落下物2」と言ったのに、報道で
はブースターの「2段目」とされてしまいました。

98年の防衛庁の報告書では、「物体A」、「物体B」、「物体C」などとなっ
ています。今回政府は当初「飛翔体」と言い、後にミサイルと訂正しましたが、
当時「物体A」と表現したのは何なのか分からなかったからです。今回防衛省は、
「落下物2」としましたが、これが「2段目」と報道されたのです。また、北朝
鮮の予告より1000キロも日本に近い1260キロのところに落ちると速報さ
れました。

防衛省は「落下物2」情報を一回取り下げるのですが、ここがポイントです。
実はフェアリングが「落下物2」なのです。98年の「物体B」もフェアリング
で、仙台の沖60キロのところに落ちました。一説によるとというより、ほぼ間
違いないのですが、米軍はこれを回収して分析しています。これで北朝鮮の金属
工学、材料工学のレベルが分かるからです。

この「落下物2」について、今回新聞は1行も書いていない。防衛省は1回発
表して取り下げた。おそらく記者の人たちは、「落下物2」を「2段目ブースター」
と早合点して書いたのでしょう。

私が得た情報では、「2段目ブースター」は衛星とともに飛んでゆき、一端は
分離したのか、爆発して分離したものか不明ですが、衛星は「2段目」の近くに
落ちた。しかし、海のことですから、どのくらい近かったかはまだ分かりません。
いずれにしても分離して落下したことは間違いないと思います。そして、おそら
く分離はうまくいかなかったと思います。

また、フェアリングが「落下物2」であるということが人工衛星だったことを
裏付けています。衛星を打ち上げようと思わなければ、カバーをはずす必要がな
いからです。これが第1の新事実です。

◆1段目落下地点は100キロ外れか?引き揚げればすべてが分かる
次は大事なポイントです。98年の1段目はノドン、2段目はスカッドでした。
北朝鮮は金がないのによく頑張っているという視点は大事です。テポドン2号は、
アメリカまで届かせるために進化させたものです。中国の「東風」ミサイルを流
用したものという人もいますが、テポドン2号の1段目は、「ムスダン」です。
旧ソ連が開発した潜水艦用のミサイルで、もう博物館入りのものですが、それを
北朝鮮が譲り受け、北朝鮮流に開発し、今回利用したものと思います。

テポドン1号の1段目には羽根が4枚ついていましたが、今回はありません。
羽根があるということは、それを動かすということで姿勢制御をするわけです。
羽根がなければどうするかというと、ブースターの中は4つのラッパ型の噴出口
(ノズル)があり、ノズルの方向を変えることで噴射方向を変えて姿勢を制御し
ています。これは大変な技術です。高熱を噴射する位置にあるノズルに配管をつ
けることなどが必要ですが、2006年の発射では、この問題で40秒で燃焼が
ストップし、空中分解して落下しました。98年のノドンやスカッドにはその技
術はなく、外に羽根をつけた上に、噴出口にも燃えない黒鉛をつけた羽根があり
ました。

今回は、その点はみごとに成功しました。1段目はほぼ予定通りに落下しまし
た。南北20キロ、東西250キロの範囲。第2段は120キロと800キロの
範囲に落下すると予告されましたが、ロシアの関係者はこんなに幅広くとるとは
考えられない、技術的に非常に遅れているというコメントを出しています。1段
目が落下した日本海では、日米韓などが注視していました。また、デジタルグロー
ブ社の人工衛星クイックバードは、発射時直後の映像を偶然に撮っています。ム
スダンが正確に飛翔したことだけは、金正日も喜んでいるでしょう。

ところが、これは入手したばかりの新情報ですが、1段目は南北20キロ、東
西250キロの範囲より100キロも離れたところに落ちたようです。つまり話
にならない技術レベルでした。まだクロスチェックなどしていませんので、事実
かどうか分かりませんが、おそらく間違いないでしょう。間違いないソースから
聞きましたから。これが第2の新事実です。

日本の排他的経済水域に落ちていますから、これを引き揚げれば技術的なこと
を含めすべてがはっきりします。政府は、当初「引き揚げる」と発表し、北朝鮮
は「とんでもないこと」と即座に反応しています。その反応を見ると絶対に引き
揚げた方がいいと思います。技術的には可能ですが、後は予算措置の問題です。
予定海域と違ったところでしたが、イージス艦の情報でほぼ落下地点は割り出せ
ます。日米合同でやればいいと思いますが、その価値をどう評価するかです。

北朝鮮は金がない国です。イランは昨年模擬衛星を打ち上げ、今年2月に衛星
投入に成功しました。金がある国だなと思いました。イランは、ノドンを北朝鮮
から買って、「シャハブ」というミサイルを作りました。そして「シャハブ」を
2段重ねにしました。しかし、同じものを2段重ねると1段目はパワーがないの
で上がりません。そこで2段目を全長を小さくしました。同じように北朝鮮も1
段目の「ムスダン」の上の2段目には、それより小さな「ノドン」を使っただろ
うと思います。2段目の推力が弱くて失敗したという情報もありますが、まだ分
かりません。アメリカの情報によれば、1段目は液体燃料、2段目は固体燃料で
はないかということです。

しかし北朝鮮の固体燃料の技術は高くない。苦手な技術を使ったかどうかはま
だ分かりません。液体燃料の場合、ブースターの中の上部に酸化剤タンクがあり、
下部に液体燃料タンクがあるため、配管が非常に複雑になります。液体燃料は量
の調節だけで、途中でストップすることもできますが、固体燃料は火薬のような
粉末で、花火の伝統技術のような技術が必要で、一端火がついたら途中でストッ
プすることはできません。しかも、円錐形に下部の真ん中から順に燃やしていく
技術が必要です。日本は得意な技術ですが、北朝鮮は十分に持っていないと見て
います。100キロくらいの短距離は固体燃料で飛ばしたことがありますが、長
距離を飛ばしたことはありません。

韓国を狙うミサイルがスカッド、日本を狙うのがノドン、アメリカを狙うのが
テポドンです。テポドンは射程が長く、大は小を兼ねず、日本には打ちたくても
打てません。事故で日本の領空に落ちてくる可能性はあったのでパック?を準備
しましたが、実はパック?(3)では事故を起こした弾道ミサイルは撃てません。
MDシステムではスーパーコンプーターが推力、方向などを瞬時に計算して、3
0秒後の位置を予測して当てるように一瞬で計算して撃つのですが、事故でダッ
チロールし、不安定な動きをすると計算ができないからです。というより、今回
はMDシステムの予行演習という意味で重要だったと思います。

(つづく)

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下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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