救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

金賢姫氏と語ったこと、分かったこと2?連続集会報告(2009/04/15)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2009.04.15-2)

◆「めぐみさんのポラロイド写真をみせてもらった」

金賢姫と金淑姫は、80年から87年ほぼ一緒に行動しており、分かれるのは2回
しかない。81年7月から83年3月まで金賢姫が田口さんと一緒だった20か月。そし
て84年7月から12月まで、金賢姫が最初の海外実習に行った時。繰り返しになり
ますが、確認しておきますと、私は前者の方でめぐみさんに会っていたと思って
いたのですが、今回の証言で後者であることがほぼ分かりました。実習から帰っ
てきた後ということです。

次に、注目すべき新事実は「めぐみさんのポラロイド写真をみせてもらった」
とか、「めぐみさんが一緒にいる時入院した」という話を淑姫から聞いたという
ことですが、それはいつ聞いたことなのか。また、いつの写真で、いつ入院して
いたのかもくわしく聞きたいです。それによって、めぐみさんのあちらでの健康
状態の一部が分かるからです。

◆田口八重子さん「死亡」の嘘をくつがえせる可能性

それから、87年1月にマカオから帰ってきて、2月から10月にかけて招待所で生
活していた時に運転手から聞いたという話ですが、北朝鮮は、「86年7月に田口
さんが死亡した」と発表しています。金賢姫は、87年2月か3月頃に、「田口さん
がどこかに連れていかれた」と聞いていますので、微妙な時期になります。連れ
ていかれたのを聞いたのが86年7月以降であれば、事故ですでに死んでいる人に
ついてそれ以前の消息だけが噂として流れているのは不自然すぎます。北朝鮮が
「死亡」とした時期以降に田口さんが生きていたことになります。そのことにつ
いても金賢姫が運転手からどう聞いているのかをもっと詳しく聞きたいところで
す。

帰国した被害者の証言では、「田口さんは86年春に腰の痛みで入院し、田口さ
んと暮らしていためぐみさんは一人になった」ということです。その後、「韓国
人拉致被害者金英男さんがめぐみさんの招待所に通ってくるようになった。その
後二人は結婚した」と伝えられていますが、田口さんに関して言えば、86年春の
入院と、86年7月の死亡発表、86年の2月か3月にどこかに連れて行かれたという
話しがいつ噂となったのか、この関係をはっきりさせることで、北朝鮮が言う
「死亡」をくつがえすことができるのではないかと思っています。もちろん、北
朝鮮の発表では、田口さんは運転手とともに事故で死亡したとされており、運転
手仲間にその噂が全く流れていなかったという今回の金賢姫の証言は死亡説を覆
す大きな根拠です。

次に、中国人被害者の話ですが、「結婚させられた被害者たちの中に中国人が
いた」ということです。そして「86年に結婚させられたと聞いた」ということで
す。「結婚させられた」のは、「田口さんが」とは聞いておらず、「拉致被害者
たちが」と金賢姫さんは聞いています。面会後の記者会見でも彼女が話していま
すが、テレビの字幕では、「86年に結婚させられたと聞いた」とあったので、視
聴者の中には、田口さんが結婚させられたと思った人がいたかもしれません。韓
国語では「結婚たちをさせられた」と言っていました。主語を省略するのは韓国
語も日本語も同じですが、韓国語では目的語を複数型にする語法があります。そ
の場合は、主語が複数ということです。意訳すれば、「拉致被害者たちが結婚さ
せられたと聞いた」ということになります。その被害者たちの中に中国人も入っ
ていたということです。

◆中国人拉致被害者から中国人化教育も受けていた

実は、中国人拉致被害者については、金賢姫さんは、飯塚さんたちに会う前に、
趙甲済さんに新しい証言をしていた。「84年6月から8月に、中国から拉致された
中国人(マカオ人)の孔さんから中国語を習った」ということです。実は、私が
趙甲済さんから連絡を受け、「孔さんの情報と写真を送ってくれ」ということで
それを送りました。趙甲済さんが金賢姫さんにその写真を見せ、情報を確かめた
ところ、「マカオから拉致された」こと。「1回逃げようとしてつかまえられた」
こと、「名前は孔」ということ、写真と記憶している顔がぴったり一致したこと
で、マカオから拉致された中国人被害者も教官をさせられていたことが分かりま
した。ただし、マカオからは孔さんといっしょに蘇妙珍も来されていますから、
ここで金賢姫が証言した「結婚させられた中国人被害者」が孔さんかどうかはま
だ完全には確定できません。そこも金賢姫さんに聞きたいところです。

孔さんのことを最初に証言した韓国の女優の崔銀姫さんは、私のインタビュー
に対して「彼女は結婚したのではないか」と言っています。「どうしてそう言え
るのか」と聞いたら、「孔さんは金正日の秘密パーティに呼ばれ、金正日に『い
いところに嫁に行かせてやる』と言っていた」とのことです。だから金正日は、
彼女を結婚させようとしていたのだから結婚した可能性が高い、ということです。

拉致の目的が教官だったこと、中国人も拉致されて教官をさせられていたとい
うことがこれで証明されます。

◆拉致被害者の工作員化に失敗、「しないことに」、そして教官に使った

この資料にはありませんが飯塚さんが今日、「(面会で金賢姫から)ヨーロッ
パ人被害者の話が少し出ました。『工作員として教育したが失敗した。それで外
国人を工作員にはしないことになった』そうです。そして、『工作員を教育する
方に廻すようになった』と。つまり、拉致被害者は工作員にはならないと思われ
ます。」という金賢姫証言を紹介されました。当初の拉致の目的は教官だけでな
く、拉致被害者を洗脳して工作員として使うという目的があったようです。「よ
ど号」グループはある意味でそうなったわけです。彼らは自分から行ったからで
す。

実は、この金賢姫さんの証言は少し分かりにくく、「ヨーロッパ人が」なのか、
「ヨーロッパに送ったら逃げてしまった」なのか、どうもはっきりしないようで
す。もう少し具体的にいつ、誰のことなのか、その情報をいつどこで入手したの
かくわしく聞きたいところですが、すぐ頭に浮かぶのは、1978年に拉致されたレ
バノン人女性4人のケースです。親たちが騒いだので2人をヨーロッパ、具体的に
はユーゴスラビアまで出してレバノンに心配するなと電話をかけさせたところ、
すきを見て逃げ、それにより拉致が判明し、残り2人も救出されたケースです。
救出後そのレバノン女性4人はレバノン政府の調べに対して、「拉致された後、
スパイにされる訓練を受けた」と言っています。教官としてではなく、スパイに
なるための暗号の解読とか銃の撃ち方の訓練を受けた、と。洗脳させたと思って
ヨーロッパまで連れていったら逃げてしまったということで、拉致した人間は簡
単には洗脳されないと思ったということです。そこで教官として使うことにした。

70年代後半に、工作機関の中でどんなことが言われていたのか。金正日が、76
年に、「工作員の現地化教育をするために拉致をしろ」と命令したと、複数の元
工作員が証言していますが、金賢姫さんは現地化教育第1号だったので、教官た
ちから、「お前たちの教育は金正日同志の指導によって始まったのだ」と絶対聞
いている筈です。それを聞くことで、拉致の規模や人数、そして世界中でどの程
度拉致したかももう少し分かってくると思います。そこも聞きたいところです。

「敵工地」のことですが、朝鮮人民軍には、「敵工局」があります。しかし、
敵工局、敵工地という組織はないと金賢姫さんも言っています。運転手が知らな
いところに連れていかれたという所がどこなのかがまだ分かりません。

◆日本に招聘したい
3.の所で、「積極的に協力したいと思っていた」と何回か言われたそうです
が、我々の招待については、今回はっきりしたイエスはもらえませんでした。招
聘状も用意していたのですが、それを出すような雰囲気でもなかったそうです。
面会所には韓国政府、国情院の人も同席し、15分前に、金賢姫さんに「あと15分
ですよ」と耳打ちするなどしています。彼女も政府の人を気にしているように見
えたということです。私が聞いた情報では、まだ確認がとれていませんが、金賢
姫さんは「今回の面会では田口八重子さんのことを言え。それ以外のことはあま
り言うな」と事前に言われていたとのことです。面会の中身も、ほかの話題にな
ると彼女はあいまいになったそうです。日本に来てほしいということについても、
はっきりと返事をしなかったが、「協力する」とは言っています。

拉致議連の総会でお願いしたのですが、衆参両院の拉致問題特別委員会で参考
人として招いてほしいと(拍手)。立法府が必要として呼ぶ人の警備は、当然行
政府がするでしょう。彼女は旅券法違反という日本の中での公的立場があります
が、立法府がこちらの都合で呼ぶわけですから、色々なことがクリアーに整理さ
れるのではないかと思っています。今後連絡を密にしていきたいと思って、韓国
の友人に連絡を頼んでいます。
今日は洪先生がおいでです。面会の時期に韓国に行っておられました。

◆金賢姫氏が負担を感じない形で会う機会があれば

洪● 私の印象では、日本のメディアの関心と韓国のメディアとでは、焦点の当
て方が違っていたと思います。日本では拉致問題でしたが、韓国で取り上げて点
は、「金賢姫が自分は偽者ではない」と言ったことです。これまで韓国では、
「金賢姫は北朝鮮の工作員ではなく偽者だ。KAL機爆破テロを金正日が指令した
ようなことはない」、と金賢姫を圧迫し、「KAL機事件そのものに疑惑がある。
金賢姫は偽者の可能性が高い」とテレビ局が放送しました。これに対し、韓国の
テレビ局はその報道を反省し、訂正したかというと、全くしていないのです。
●=榮の木を火に

金賢姫が田口八重子さんの家族と会う場面を報道するなら、自分たちが間違っ
た報道をし、世論を間違った方向に導こうとしたことを謝罪すべきでしたが、そ
れをしませんでした。それに敢えて触れたくないので、黙っていた金賢姫が姿を
現したという簡単な報道になってしまったと思います。

また、金賢姫氏はすごく負担を感じていたのではないかと思います。NHKとの
電話インタビューでも、「(田口さんの)家族に会いたい」、「日本に行きたい」
という話をしたと思いますが、日本政府の要請で韓国政府が会うようにというこ
とになった時、説明責任を感じたのではないかと思います。限られた時間で、自
分は何を家族に伝えることができるか、そのことに集中したと思います。先ほど、
西岡先生が言われたような(詳しい質問をする)面会を実現するには、まったく
違う雰囲気の中で、負担を感じない形で会う機会があれば、おのずとその問題は
解決されるでしょう。

レバノンの女性の拉致は、「月刊朝鮮」の今年3月号では、「アブ・ニダル」
グループを利用したということです。直接拉致することもあるし、外国のテログ
ループや犯罪組織を使い拉致することもあるのです。韓国人や外国人の協力者を
動員する場合もあるわけです。拉致のやり方は一つのパターンではないと言える
と思います。

4月号の「月刊朝鮮」には、金賢姫さんの面会後の感想が少し載っています。
「工作というのは命をかけてやることですから、自分の場合も、工作に失敗した
時毒の入ったアンプルを噛んで自殺をはかった。自分を偽者にしようとした人も
工作で失敗したのだから、誰かが自殺をはかるべきではないか」と、そこまで強
い決意を明らかにしています。

あまり金賢姫さんに色々なことを期待すると、彼女が負担感を感じて、言いに
くい場面もあるのかなと感じまして、負担感を感じないような環境で会えるよう
になればいいと思います。普通人間は、聞かれると答えます。聞かれないと答え
ません。楽に会える環境が必要だと思います。

これは推測ですが、彼女も昔の友人を守らなければならない面があるでしょう。
例えば「自由主義」をやったということは、北朝鮮では大きな冒険で許されない
ことです。その話は二人だけの共犯です。話も面白い。しかし、詳しく言うと、
北に残された人が被害を受けることも意識しているのかなという気がしました。
言える範囲では大概話したという印象でした。

◆政府が90年代の前半に拉致被害者救出を訴えていれば

増元 面会の報道を見て思ったことは、日本政府は何を聞いてきたのかという思
いでした。韓国で7回くらい金賢姫さんに面会して田口八重子さんと断定したの
です。88年に政府は「拉致の疑いが濃厚」と答弁しているわけですが、91年に金
賢姫さんが書いた本には、日本人拉致被害者に関する記述があります。それをな
ぜ聞かなかったのか、あるいは聞いても報告しなかったのか、日本政府は明らか
にすべきだと思います。

淑姫の名も出ています。淑姫に教えていた日本人女性もいた。その女の子はお
となしい子で精神的に弱いところもあった、ということを知っていたのであれば、
日本政府は90年代前半に、淑姫に教えていた日本人に大きな関心を持たなければ
ならなかった筈です。しかし関心を持っていなかったか、あるいは持つ気がなかっ
た。その責任を明らかにすべきと思います。

その女性が横田めぐみさんであるという名前は分からなくても、日本人である
ことを金賢姫さんは知っていたわけです。90年代の前半なら、めぐみさんはまだ
20代です。その時期に拉致被害者救出を訴えていれば、返してくれた可能性もあ
ると思います。拉致被害者に一顧だにしないとか、関心がないというところが垣
間見えて非常に腹立たしい思いがします。

「新潮45」に出ていること(「横田めぐみさんは死んでいる」?警視総監発言の
酷薄)ですが、本人は「言っていない」とのことですが、私は言ったのではない
かと残念に思います。根拠のない話を軽々しく言うということは非常に残念です。

◆座った瞬間「こんなに立派に育てていただいて」

飯塚耕一郎 遅れて参りましたが、感想だけを申し上げます。非常に純粋に、一
人の人間として彼女に会えたことは非常によかったと思っています。何より象徴
的だったのは、韓国政府がこの問題について、譲歩というか、受け入れて対処し
ていただいたことです。

フォトセッションの後、3人で席に座った瞬間に彼女が言った一言を未だに鮮
明に覚えています。親父に向かって、「こんなに立派に育てていただいてありが
とうございました」と。彼女が感謝の意を述べるということが起こってしまった
のです。裏を返すと、彼女は本当に姉妹のように暮らしていて、「お姉さんの子
ども」という意味合いで感謝のことばを言われたのだと思います。

私はそういう言葉は想定していなかったので驚きましたが、韓国国内で何を言
われようが、一人の人間として、23年前の女性をずっと思い続け、またその女性
の子ども、家族を思い続けて過ごしてこられたと思います。そんな彼女に対し、
言葉で何かを使えるというのはどうかと思ったのですが、それよりも、感謝の気
持ちをお互いにもっていたことが一番印象に残っています。

また、彼女の口から直接、「87年時点では田口八重子さんも含め誰も死亡して
いない」と生の情報が聞けたことは、とても喜ばしいことでした。また、北朝鮮
の証言は嘘だったということがより堅固なものになったと認識しています。

我々親子が、元工作員の女性と会えて、昔の情報を聞けたということだけでも
素直に嬉しかったのです。日本政府は、この気持ちを次につなげてほしいと思い
ます。麻生さんは、首相就任時に、「この問題に全力をもって臨む」という趣旨
の発言をされましたが、具体的な行動に移していただければと思います。

ここ数日、北朝鮮のミサイル問題で、「弱者の恫喝」かどうか分かりませんが、
北朝鮮はダイナミックに動いています。ミサイルだけでなく、拉致問題でも日本
の意思を突きつけることが何より重要だと思います。日本政府が突きつけること
で被害者家族の気持ちの一片でも救われるということをひしひしと感じた面会で
した。

横田早紀江 待望の面会ができ本当によかったと思います。その中で、淑姫さん
という工作員の方については、地村富貴江さんからも名前をお聞きしていました。
西岡先生に、「スッキさんと言っていました」と言ったら、「それは大変だ」と
いって、その訳を教えてもらいびっくりしたことがあります。今日の、金賢姫さ
んのお話の中で、「北朝鮮の自尊心を活かして閉ざされた心を動かす方法を考え
るべき」ということですが、政府が、北朝鮮に負けた形でなく、どうやって自尊
心を活かして救出できるのかということが、すごく大事な点だと思いました。す
べての人の知恵を出し合って、どうしたらみんなを無事に救出できるのか、それ
が一つの言葉に表されていると思いました。どうしたらいいのかは分かりません
が、間違いのないよい方法を政府が真剣に考え抜いてほしいと思います。そして
一刻も早く助け出してほしいと思います。

◆「自尊心を活かして」とは

増元 先日在日の人が言っておられたことですが、報道の方にお願いしたいこと
です。金賢姫さんのことを「元死刑囚」と常に書かれますが、あれは金賢姫さん
に失礼ですし、「元工作員」でいいと思います。私も、「元死刑囚」には違和感
を覚えます(拍手)。また、「自尊心を活かして」というのはどういう意味なの
か洪先生に伺いたいと思います。

洪 金賢姫氏がどういう気持ちでそれを言ったのかが分かりません。金賢姫氏は、
「北朝鮮は死んだ人を生き返らせることができる国ですから」と説明を付けてい
ます。工夫したり、あるいは状況の転換によっては色々なことがありえるという
意味で言ったのかなと思います。しかし、北朝鮮の面子を立てるといっても限界
がありますし、彼女もそのことはよく知っていると思います。「何をやるか分か
らない相手」という方が重みがあると私は思いました。

先日韓国で、高校一年の時、多分北に拉致されたというケースが明らかになり
ました。高校に入ってすぐということでした。海の近くで神隠しのように消えた
少年の話、というようなことが韓国でもあちこちにあります。日本のように情報
を集めようという話も出ています。その高校生も、誰か拉致された人の配偶者に
なったのかなと思います。日本の熱心な救出運動が韓国でも少しづつ伝わってい
ることを感じました。

西岡 私は、金正日政権との間でも、死んだ人が生き返って出てくることがあり
える、という意味で言ったのではないかと思いました。金正日政権が倒れなけれ
ば一切物事がすすまないということではない、ということです。5人が金正日政
権の間に帰っています。問題の全部の解決となると金正日政権の間には非常に困
難と思います。核・ミサイル・人権問題のすべてが解決するとは思えない。しか
し、一歩一歩進んでいくことはできると思います。

この間の自民党の拉致問題特命委員会で、金賢姫さんの証言について安倍元総
理は「例えば、2004年の再調査であるとか、今回の『調査のやり直し』を日本政
府は認めたが、そんなことをしなくても北はすべて分かっているのに認めたのは、
今まで死亡と言っていた人を生きていた人にするためには、調査をやり直したと
いう手続きをとらせてやらないと面子は立たないだろう。そういうことはこちら
も考えています」という趣旨のことを話されました。死んでいるという人を生き
返らせるために相手の面子を立てることは日本政府も考えていないわけではない、
と言っておられました。

私はこのことについてすでに雑誌に書いたことがあります。安倍政権になって
対策本部を作り、北朝鮮に3つのことを要求した。それが拉致問題解決の定義に
もなっていますが、生存者の安全確保と期間、真相究明、実行犯の引渡しの3つ
です。そこでは、実行犯の引き渡しとされ犯人の引渡しとはなっていない。犯人
となれば首謀者も入ります。そうなると首謀者が金正日であることは間違いない
わけで、金正日政権に対し、金正日を引き渡せということになる。それでは条件
闘争にならない、ということです。表現は考えているなと私は思いました。そし
てそれに反対ではないと書きました。

それは生存者を取りもどすことが第一だからです。優先順位をつけてもらわな
いと困る。中山恭子補佐官は「3つのうち第1を最優先する」と言っていました。
「安全確保と全員の帰還は絶対揺るがないけれども、順番をつけることはありえ
る」と。「批判されるかも分かりませんが、私はそういう覚悟です」と言ってい
ました。このことも面子を考えていることだと思います。

もちろん民間で、「金正日政権打倒」という声が出るくらい日本人が怒ってい
ることを示すことは大切ですが、交渉の仕方にはぎりぎりのところで色々なこと
がありえます。すべての方法を使って一日も早く全員を取り戻してほしいと思っ
ています。

飯塚耕一郎 (「金賢姫さんの家族はどうなっているのでしょうか」との質問に
対し) 「私も北に家族が残されていますので同じ境遇です」と言っていました。
「私も同じように母に会いたい」と。しかし、今どうなっているかは、どこにい
るかは分からないということです。

以上


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