救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮で一番聞かれている自由北朝鮮放送の現状2?金聖●代表(●=王ヘンに文)(2009/03/05)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2009.03.05-3)

●=王ヘンに文

以下、前号のつづきです。

西岡 2月21日から24日まで韓国に行っていました。そして自由北朝鮮放送
スタジオで私の番組を4回分録音してきました。放送局の金聖●代表の部屋には
モデルガンがありました。りんごには穴をあけられる程度の破壊力のあるもので
す。また、今も金代表には24時間警察の警備がついています。北朝鮮が一番顔を
みたくない男の一人が彼ですから。私もその彼とラジオに出ていますので、北朝
鮮のリストに入れられているでしょう。

北朝鮮はテロ、脅迫のために工作員を送り込み、金聖●代表も目標の一人になっ
ていました。盧武鉉政権の時、ラジオ局を始めてからは、何回もデモ隊に襲撃さ
れ、大家さんから困ると言われて何回も事務所を追い出されています。一時は、
トイレもない地下室で放送を続けていました。新聞を配達しながら給料なしで頑
張っていました。私は、お金もないのにラジオができるかなと思っていましたが、
行くたびに放送局はつぶれておらず、それで我々も支援し始めました。そのうち、
自由民主主義のために闘っていることが国際社会に認められるようになり、米国
からの支援が始まりました。韓国の民間でも、苦しい中、支援者もいました。

今、1週間に1回自由北朝鮮放送で番組をもっている人が何人もいます。趙甲
済(チョー・ガプチェ)月刊朝鮮元編集長、金成昱(キム・ソンウク)記者、康
仁徳(カン・インドク)・元統一部長官、李東馥(イ・トンボク)・元国会議員
など、韓国在野の一流の人々が無料出演しています。日本人では私一人ですが、
そのことを私は大変誇りに思っています。

米国議会が調査した脱北者のラヂオ聴取調査によると、自由北朝鮮放送は一番
聞かれていましたが、「番組が洗練されていない」などの評価もありした。素人
がやっているので間違いもあります。しかし、脱北者がやっているということに
意味があり、だからこそ、北朝鮮で隠れて聞こうとする人が多いのです。

実は、金聖●代表も北朝鮮で、韓国の短波ラジオを聞いていたといいます。 
和田春樹氏と言えば、日本では「拉致はない」などと書いた人と知られています
が、金聖●代表は、北朝鮮にいたとき、和田氏の金日成の革命歴史に関する著書
の朗読番組を楽しみにしていたそうです。「金日成は偽者」と頭から言えば、北
朝鮮住民の水準とかけ離れすぎている。しかし、公式歴史と少し違うことを言う
ので聞きやすかったとのことです。そして、金日成を無条件で信じるのではなく、
情報を比較して自分なりに考察してもいいのだということが分かったそうです。
北朝鮮の人の水準で、どういう情報が説得力を持って伝わるかは、北朝鮮で聞い
たことのある人たちが一番よく知っています。

私の番組の中で金聖●代表と対談している時、北朝鮮の人には分かりにくいこ
とを私が言った時は、補足して説明してくれます。そういうことができるのも、
多くの人が、救う会が訴えている自由北朝鮮放送へのカンパに応じてくださるか
らです。

12月に放送局に行った時、ちょうど金代表は北朝鮮からの電話を受けていまし
た。今、中朝国境からは中国の携帯電話がかけられます。電話の中身は情報を売
りたいという話でした。金代表は、欲しい情報の第1として、拉致の情報が欲し
いと言っていました。中国に逃げた人から情報をお金にしたいというFAXも来
ました。放送局に集まる拉致にかんする情報はすべて見せてもらっています。駄
目な情報もありますが、そうでないのもあります。もらった情報の調査を続けて
いるものもあります。

画期的なことは、自由北朝鮮放送が、中朝国境の4か所に事務所を出したこと
です。これからはより多くの情報が入手できるはずと期待しています。金聖●代
表たちの強みは、北に親戚や知人もいるということです。例えば、昨年、韓国の
メディアが北朝鮮のどこかの都市で、北朝鮮のおばさんたちがデモをしたと報道
しました。するとその都市に電話をして、デモがあったかどうかを確認して、そ
のような事実はないという子とを明らかにしました。もちろん権力中枢のことは
電話では分かりませんが、この程度のことは分かるのです。

韓国の中の北朝鮮情報は玉石混交の状態です。盧武鉉時代の歪みが払拭されて
いない。北朝鮮に有利なバイアスがかかったままです。なお、最近、自由北朝鮮
放送の中に、北朝鮮情報センターが作られました。ネットでも見ることができま
すが、まだ日本語のサイトはありません。日本語でリアルな情報を見ることがで
きるようになるとありがたいです。

北朝鮮社会は今、流動的になっています。金正日が倒れた後、この船はいつま
で続くのかという不安が広がっています。信じられるのはドルだけとも言われま
す。従って、正しい情報を取りやすくなってきたという感触があります。

救う会としても独自に脱北者から情報を取る活動をしています。昨年から今年
にかけて複数から入手した情報では、北朝鮮は昨年、各機関が別々に管理してい
る日本人拉致被害者にかんする大々的な調査をした、家族関係なども含めた新し
い調査を始めたという情報もあります。ということは、私たちの主張していると
おりいまだに帰れない日本人被害者が抑留されているということです。

拉致被害者は色々な機関が管理していますので、工作機関以外にも、軍や国家
保衛部にもいます。縦割りの北朝鮮では、横のことは分からない。

これからは特に情報が来た時、それをどう判断すべきかが重要になります。そ
ういう時、自由北朝鮮放送はたいへん頼りになります。脱北者のネットーワーク
の中心にあり多くの情報が集中しているからです。例えば保衛部関係の情報が出
てくれば、保衛部から来た脱北者と連絡をとって確認できる。私の知る限り、脱
北者で金聖●代表のことを悪く言う人はいない。それは、ラジオを自分のために
しているのではないことをみなが知っているからです。テロの危険がある中で一
番つらい仕事をしている。脱北者の団体はいくつかありますが、その中で脱北者
に信頼されているのが金聖●代表です。北朝鮮が大きく動く時、金聖●代表たちは
私たちを助けてくれるでしょう。

その他、昨年12月の国際セミナーに来ていただいた張哲賢さんという3号庁
舎の統一戦線部にいた人などもいる。安明進氏は工作機関の作戦部の戦闘員だっ
たので、学校のことは知っているが、幹部たちの情報は知らない。張哲賢さんは
幹部だったのでそういう情報も知っている。こういう人たちが増えている。

また、韓国で、脱北者の行動の自由が少し広がった。盧武鉉時代は、たとえば
私と会うと、処分とかがあったが、かなり変わったのはそういう邪魔が少なくなっ
たことです。実は盧武鉉・金大中政権の以前は、韓国の情報機関が、拉致に関す
る情報をかなりたくさんとって日本に提供してくれていました。しかし、この1
0年で情報機関が完全に変わってしまった。そして、李明博時代になっても情報
機関には盧武鉉時代に左翼にへつらって出世した人々がまだ多くいます。実務者
が、「時代は変わった」と実感するほどの人事はまだ行われていません。金賢姫
さんが最近メディアに出てきて証言しはじめたのも、韓国が正常化しつつあるこ
とと関係がありますが、その速度が遅いこととも関係がある。

彼女は88年に会見し、92年に「今、女として」を書き、95年に「忘れられない
人」で田口八重子さんについて書きました。「田口さんたちは今もとらわれてい
るのに、日本政府や国民は何をしているのか。」と書いています。当時、飯塚さ
んは表に出られない状態でしたが、「家族は何をしているのか」という表現もあ
りました。まだ、家族会もなかった頃です。

97年には、横田めぐみさんのことが分かり、98年に金大中が大統領になった。
その間、まだ金賢姫には動ける自由があったのです。彼女は97年に日本で出版さ
れた「忘れられない人」の文庫版にあとがきを書いています。その後、結婚して
子どもも二人できた。締め付けも強くなり、彼女としても「やるだけのことはし
た」として、静かな生活をするようになった。

彼女に対し、韓国内親北左翼が脅迫を始めたのは01年秋からです。北朝鮮が拉
致を認めることに関して検討を始めたと思われる時期です。そして「拉致は認め
るが大韓航空機事件は認めない」とのシナリオができた。

そのシナリオに沿って北朝鮮が韓国内親北派を使って金賢姫に圧力をかけた。
最初は、宗教家や作家たち、また大韓機遺族会の一部がでっち上げ説を声高に主
張しはじめた。それを受けてテレビ局がでっち上げ説に立て番組作りをした。金
賢姫さんには、「大韓機事件は疑問が多い」との番組に出ろと圧力がかかった。
金賢姫さんの自宅をテレビ局の取材チームが襲撃した。住所は国家情報院がもら
したと思われました。そしてついに国情院に、疑問ある事件に関する調査委員会
が設置され、大韓機事件も再調査の対象とされた。その委員会は金賢姫さんに16
回も出頭せよと脅しました。

李明博政権になったのを契機に金賢姫さんが、政府に対して自分に対して国情
院がやったことを告発しました。そして今金賢姫さんは、飯塚さんに会いたいと
言ってくれています。まだ面会の詳細は決まっていないようです。

以上


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