救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

04_「拉致被害者は13人しかいない」に対する反論-4


田中実さんは昭和24年生まれ、神戸市東灘区に住むラーメン屋店員だった。幼くして親と別れ、身寄りなく養護施設で育っていた。ラーメン店の店主、韓龍大が、日本国内で地下活動を展開していた北朝鮮工作組織「洛東江」のメンバーで、韓が北朝鮮工作員の命令を受け、田中さんを「海外旅行に行かないか」と誘った。田中さんは昭和53年6月6日に成田を出国、ウイーンに向かったあと消息がない。ウイーンで拉致され、モスクワ経由で平壌まで連れて行かれたと思われる。

以上の事実は、「洛東江」のメンバーとして活動していた地下工作員張龍雲氏の証言により明らかになった。張氏は朝鮮総連活動家だったが昭和47年から在日地下組織「洛東江」のメンバーとなっている。

横田めぐみさん、市川修一さんらを目撃したと証言して拉致問題解決に大きく寄与した元工作員安明進氏は、田中氏の写真を見て、1988年から91年頃、平壌郊外にある工作員養成学校「金正日政治軍事大学」内で、田中氏を何回も目撃したという重大証言をしている。田中氏は拉致というショックのためか髪の毛、眉毛がすべて白髪だったという。

 今年初め頃、警察庁は小住、田中の2人を拉致被害者として追加で認定する手続を進めているという複数の内部情報があったが、現在まで認定はなされていない。

 すでに平成14年4月18日、金正日が拉致を認める半年くらい前に、警察庁は「(認定以外の)拉致の可能性のある事案というのはいろいろつかんでおるわけでございます」(参議院外交防衛委員会 漆間巌警備局長)と答弁し、認定以外の拉致事件があることを認めている。筆者は、警察庁が小住、田中も当然含まれる可能性のある事案を数十件持っていると聞いている。

 その中には、有本恵子さんたちのように赤軍派日本人によって海外で拉致されたケースも含まれる。赤軍派リーダーの田宮高麿は生前、支援者であった高澤皓司氏に「自分たちは合計20人程度を拉致した」と、語っている。高澤氏が有本さんのご両親を自宅に訪ねて、その事実を告げている。あと17人拉致されていると言うことになる。

 救う会は政府認定以外に8人、寺越昭二、寺越外雄、寺越武志、福留貴美子、小住健蔵、田中実、加藤久美子、古川了子さん、を拉致被害者と認定している。曽我ひとみさんが拉致被害者であるということは、金正日が認めるまで日本国政府も、私たち救出運動側も、マスコミもまったく分かっていなかった。

その反省に立ち、平成15年1月に救う会から分離発足した「特定失踪者問題調査会」(荒木和博代表)には、現在400人以上の拉致の可能性が排除できない事件が集められ、弁護士など専門家の参加を得て精力的に調査を進めてきた同調査会では少なくとも100人の被害者がいると判断している。

 元工作員安明進氏は、金正日政治軍事大学で11人の日本人教官を目撃したと証言している。そのうち写真や特徴などで安明進氏がほぼ間違いないと現段階で話している人が7人である。横田めぐみ、増元るみ子、市川修一、蓮池薫さん以上4人が政府認定者で、田中実、加藤久美子、古川了子さんが政府未認定被害者だ。安明進氏は拉致に関する証言を始めた平成9?10年頃は増元るみ子、蓮池薫については記憶にないと語っていた。るみ子さんについては昨年全身が写っているそれまで見たことのない写真を見て、特に足の形などがめぐみさんといつも一緒にいた女性にとてもよく似ていると証言した。また、蓮池薫さんについては当初から似ているなとは思っていたが若いときの写真で若干雰囲気が違ったので両親に自信のない証言をするのは申し訳ないと考えて、見たとは言わなかったが、当時から日本の警察の調べには薫さんに似た日本人教官がいたと証言していたし、一昨年10月に薫さんが帰国した姿を画面で見て間違いないと確信したといっている。

 安明進氏が目撃した11人のうち5人はまだ誰なのかまったく分からない拉致被害者である。その上、安明進氏は88年当時金正日政治軍事大学の複数の教官からそこで働く日本人教官は約30人と聞いている。また、安明進氏によると拉致された韓国人約80人が教官として働かされていたという。

 政府認定以外に日本人拉致被害者がいるということは間違いない。

 金正日はその全貌を知っていながら、「13人しか拉致していない」という大嘘をついて真実を隠している。

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