救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

03_「拉致被害者は13人しかいない」に対する反論-3


女将からそのことを聞いていた石川県警の取調官は、李に「久米さん」という名前をふともらして反応を探った。久米という名前を警察が知るはずないと考えた李は、沖で久米さんの乗った船が捕まったのかと観念し、次のような驚くべき拉致の実態を自白した。

「工作船で不法入国した北朝鮮工作員が李のところに現れ、北朝鮮に帰国している妹の手紙などを持参して、協力を迫った。協力しないと妹に危険が及ぶと考えた李は工作員の手下となり、深夜ラジオ放送を通じて送られてくる数字の暗号の解読法を教えられ、それができるようになった後、次のような命令を受けた。『自分が日本人になりすますという指令が出ている。そのため、自分と年格好が似ている52から53歳の日本人男性で身寄りのない者を捜せ。頭の程度は問わない』。そこで、金貸しをしていた李はお客の中で久米さんがよいと考え報告したところ、『戸籍謄本を取らせて9月19日夜、能登町宇出津の海岸で待っている工作員に引き渡せ』と指令され、金に困っていた久米さんに密貿易を手伝わないかとだまして、戸籍謄本を取らせて宇出津海岸まで連れて行き、昨夜、海岸で待っていた北朝鮮の工作員に久米さんを渡した」

 東京の李の自宅の植木鉢の下から暗号解読用の乱数表などが発見された。読売新聞が当時の警察庁の幹部から聞いたことによると、警察は付近を航行していた工作船の暗号電波を傍受しており、李の自宅から押収した乱数表も添えて詳しい解析を韓国当局に依頼したところ、暗号は「ニガサナイヨウニウマクツレテコイ」という指示だったことが分かった(読売新聞2002年12月20日夕刊)。

 ところが北朝鮮政府は久米裕さんについても次のようなでたらめな「情報」を日本政府調査団に提供している。

「久米は北朝鮮に入国していないことが判明した。調査は1925年2月17日生、本籍地:東京都保谷市××町××番地、出生地:静岡県小笠郡××村の人物の存否につき調査した。当該年度の工作件数や工作計画等、住民登録台帳等を調査の上、似た人物がいた痕跡もなかった」(「事実調査結果」)

 ここで紹介したように、日本政府は久米さんが北朝鮮に拉致されたことを証明する数々の証拠、証言を持っているのだから、北朝鮮の「情報」は全くのでたらめだ。

 つまり、2002年9月17日金正日が日本に示した「拉致被害者は13人しかいない」という主張は、曽我ミヨシさんと久米裕さんという「拉致被害者・家族支援法」というれっきとした法律のもとづき日本政府が認定している拉致被害者を認めないという許し難い嘘なのだ。日本国の最高責任者として金正日からこのような嘘をつかれていながら、二度目の会談で小泉首相は曽我ミヨシ、久米裕という名前を出すことすらせず、嘘への糾弾をしなかった。その責任は重大だ。

 そして、日本政府認定の15人以外に拉致被害者がいるかどうかが次の問題になる。この答えは「絶対にいる」である。

 日本政府は平成14年10月、クアラルンプールで開催された日朝国交正常化交渉で、政府認定以外の小住健蔵、田中実、松本京子の3人について、拉致被害者として北朝鮮に調査を求めた。

 小住健蔵さんは北海道出身で昭和36年ころからほとんど家族と音信がなくなり、東京の山谷で労働者として暮らしていた。昭和55年6月、朴という名の北朝鮮工作員が小住さん名義で日本政府から旅券を取得した。つまり、この数ヶ月前頃、小住さんが北朝鮮に拉致されたと考えられる。朴は小住さんになりすまして6回にわたり海外渡航を繰り返し、昭和60年警察がなりすましに気づき朴を指名手配したが、海外に逃走されいまだに逮捕されていない。典型的な「なりすまし型」の拉致である。




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