救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告



◆アメリカがもし制裁を緩めたら拉致解決が遠のく

西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)
 リビアのカダフィのように、石油という絶対に売れるものを持っていれば、密輸ができて外貨不足にはならないのですが、北朝鮮の石炭は中国にとって絶対に買わなければならないものではないから買わないわけです。アメリカからセカンダリー・サンクション(二次的制裁)をされるようなことで買う必要はない。
 どんどん外貨が減っているのも間違いない。朝鮮総連からの送金は止まりましたし、韓国からの送金も今はできないようになっている。ここまで追い込んで、この力を拉致被害者救出に使わなければ、ブッシュ政権のヒルさんたちがテロ支援国家の指定を解除してしまったような、せっかく追い込んだのにということになりかねない。
 そういう点でも強い危機感を持っているんですが、総理は国会の所信表明演説でも、「自分が金正恩と会って話をする」と強調しています。「不幸な過去の清算をする」と言って、北朝鮮に対して話をしようというメッセージを送り続けている。
 但し、北朝鮮が日本の経済支援に魅力を感じるとしても、今の段階で経済制裁が緩んだら、拉致解決には来なくなる。一息ついてしまう。だから日本が経済協力するということを材料として話し合いができる条件は、核・ミサイル問題の解決です。大陸間弾道弾だけの解決で取引に入ることは難しいし、北朝鮮も日本にはまだ来ない。
 日本にとって一番苦しくなるのは、アメリカが制裁を緩めてしまって、国連制裁も一部緩んだ段階で金正恩が会おうと言ってきた時です。核・ミサイル問題が日本の安全保障にとって100%とは言えない。そこは反対しなければいけないのに、日朝首脳会談のシナリオがそこで出てくることになると、股裂きのようにな状況になりかねない。
 それに真の意味で北朝鮮の非核化はできていないわけですから、北朝鮮の非核化を実現させて、拉致被害者を返さないと制裁は緩めないという枠組みを維持しなければならないというのが今の局面だと思っています。
 米朝首脳会談が具体的に決まるようなことになったら、トランプ大統領の性格から言うと、すべて下が詰めてから行くのではなくて、「いくつかの選択肢を準備しろ。俺が北朝鮮と取引するんだ」という形になると思うので、安倍総理に是非ワシントンに一泊二日でも行ってもらって、すり合わせをしてほしい。そして、今まで通り、強い圧力を背景にして核とミサイルを止めさせ、被害者を取り戻すという枠組みを崩すようなことはするな、と。
 6月の時(米朝首脳会談)にその枠組みが崩れたかどうかで色々な議論があったのですが、6月の時は崩れなかったのです。口では、「いいやつだ」といいましたが、制裁は緩んでいない。だから北朝鮮は困ってきたんです。
 北朝鮮は6月の時、内部では「勝利した」と言っていました。「トランプをだませた」と言っていたんです。トランプ大統領のツイッターだけ見ていると、だませたような気になるかもそれませんが、政策は緩んでいない。
 「トランプ大統領を見る時にツイッターだけ見てはだめで、政策や人事を見なければならない」というのが島田さんの持論ですが、トランプさんが今回金正恩と会って何を取ろうとするのか。今あるICBMだけでいいのか。作らないことを保証させるのはそう簡単ではないと思います。その辺はどういうことを考えていると思いますか。


  
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