全被害者の即時一括帰国を!特別集会
◆核・ミサイル、拉致 具体的な行動をまだ北朝鮮は何もとっていない
山谷えり子(拉致議連会長代行、自民党拉致問題対策本部長、元拉致問題担当大臣、参議院議員)
皆様、こんばんは。強い気持ちで、すべての被害者を即時一括帰国させよとお集まりいただき、ありがとうございます。
いよいよ重大な局面、そして正念場に向かって、一致して、強い気持ちで解決に向けて糸口をつかみ、全面解決に向けて進んでいく時だと思っています。
6月14日、官邸で家族会の皆様と総理がお会いされた。私は胸がいっぱいになりました。家族の皆様は一日も早く会いたい。そんな中で、しかしながら、焦らないでとおっしゃられる。総理も、「私はだまされない」と言われた。
本当に長い、長い、苦しみの中で何度も裏切られ、不誠実さ、残酷、非道さ、そして時間稼ぎ、だましの苦しみを味わってきた中だからこそ、真の解決に向けて、そうした言葉が交わされたのだと思います。
一昨日、アメリカの下院で、北朝鮮の人権侵害はとんでもないという、北朝鮮人権法が再延長されました。
6月12日のシンガポールでの米朝会談の後のトランプ大統領の記者会見の席で、「なかなかいい会談だった。金正恩委員長はなかなかの人物だ」とトランプ大統領が言われた時に、記者たちは、「いやそうではないだろう。ひどい人権侵害があるではないか。ひどい残酷な状況があるではないか」と、人権問題について厳しい質問が出されました。
この非核化協議を進めながらも、この人権侵害国家、拉致という現在進行形のテロを行い続けているこの北朝鮮の体質を、国際社会は忘れていません。そしてこのタイミングで、アメリカの上下両院でそうした法案がまた可決された。
5月、家族会、救う会、拉致議連のメンバーとアメリカに行きましたが、ホワイトハウスや国務省、国防総省、国連の大使たちと話をして、そしてまたワームビアさんという、北朝鮮で残虐な行為をされて、昏睡状態でアメリカに戻った後、まもなく亡くなられたそのご両親が、涙ながらに言われました。「北朝鮮のこの残酷、非道さに光を当てなければいけない」、「息子の死をむだにはしない」と。
つい先日そのご両親から私はメッセージをいただいています。安倍総理が長きにわたって国際社会に訴えてこられた核・ミサイルの安全保障問題と同時に、拉致、人権侵害国家の体制を、政策を変えさせなければ、国際社会の中で平和で繁栄した国として北朝鮮は発展できないんだ、と。この思いを国際社会は共有しています。
だからこそ、圧力はかけ続けなければならない。核・ミサイル、拉致問題の解決に向けて、具体的な行動をまだ北朝鮮は何もとっていません。なのに国内外で宥和ムードが広がっている。
あの外交はショーのようなもので、きっと何かそんなムードが広がる。それは決して解決にはつながらないということを私たちは知っています。具体的な解決には日朝首脳会談が必要です。しかし、すべての被害者の全員一括帰国という姿が見えるまでは決して焦ってはいけないことです。
国交正常化をどうするか、経済支援をどうするか、あるいは日朝で合同調査委員会を開いたらどうか。色んな声が国内からも上がってきています。しかしそれは、本当に思う壺です。前のめりになって足をすくわれることになります。
合同調査委員会なんかとんでもないことです。北朝鮮は拉致をした。被害者がどこに住んでいるかを知っている。いまさら調査委員会なんかあったものではない。国内外で世論が分断されていく。これは北朝鮮を利するばかりです。私たちは強い気持ちで、すべての被害者の全員即時一括帰国です。2、3人、5、6人返すという段階ではありません。
全員の即時一括帰国まで、具体的な行動が見えるまでは圧力をかけ続ける。これが解決への道だと思っていますので、どうぞ宜しくお願いいたします(拍手)。
西岡 ありがとうございました。次に、渡辺周・国民民主党拉致問題対策本部長にお願いいたします。