特別講演会1(2025/08/29)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.08.29)
韓国から来日した太永浩(テ・ヨンホ)氏を講師に招き、「北朝鮮の最新情勢」
をテーマに特別講演会を8月28日に開催しました。通訳は西岡会長。
太永浩氏は、北朝鮮の駐英公使として在任中の2016年イギリスを出国し脱
北者として韓国に亡命。その後韓国の国会議員、尹錫悦政権の南北統一政策に関
する大統領諮問機関である民主平和統一諮問会議の事務処長(次官級)を歴任。
家族会の横田早紀江さん、横田拓也代表、横田哲也さんも出席。
西岡力(救う会会長)
本日は、元北朝鮮の外交官で、韓国に亡命した後国会議員をされ、その後大統
領直属の平和統一諮問会議の事務処長となり、尹(ユン)政権が終わったのでお
辞めになった。北朝鮮と韓国両方のエリートであった太永浩先生が来てください
ました。
実は国会議員の時、日本の北朝鮮自由週間の時も来てくださいました。私は何
回もお会いしているのですが、先生の方から、「東京に行く用事がある。自分は
今フリーだから拉致問題についても協力したい」という連絡をいただきましたの
で、講演をお願いしました。
先生の略歴はお配りの資料をご覧ください。そして今日の資料は、先生が書か
れた「三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録」の一部で、韓国で出された本の翻訳
本が日本で出ていますが、この本の中で、2002年9月に平壌で何が起きてい
たかについて書かれています。
太永浩先生は、小泉訪朝の時外務省におられた。そこで何が起きたのかという
ことをこの本の中で詳しく書かれています。その部分について直接お話いただき
たいとお願いをしてあります。それから北朝鮮の最新情勢についてもお話いただ
きます。
そして今朝、中国と北朝鮮が報道しましたが、9月3日、中国の戦勝記念軍事
パレードに金正恩氏が行くという報道がありました。それについても解説してい
ただきます。
◆小泉訪朝時、北朝鮮外交官は拉致問題を全く知らなかった
太永浩(元北朝鮮駐英公使、脱北者)
今日、よこためぐみさんのお母さま、そして弟さん二人、また皆さんの前で拉
致問題についてお話できることを光栄に思います。
今日皆さんにお話ししたいことはみなさんの関心事である拉致問題、特に20
02年9月に小泉首相が平壌を訪問された時、北朝鮮の外務省で何があったのか
ということについてお話したいと思います。実はその内容は、この本の中に書い
ていますので、それを中心にお話します。
私は80年代後半から外交官をしていましたが、北朝鮮の外交官たちの関心事
の一つが拉致問題でした。本当に拉致をしたのか、ということについてみんな関
心を持っていました。
そしてみんなが2002年9月まで思っていたことは、北朝鮮が拉致をする理
由もないし、拉致は事実ではなく日本がでっち上げたことだ、という風に北朝鮮
の当局が言っていましたし、私たちもみんなそう思っていました。
2002年9月に小泉首相が平壌を訪問して、「平壌宣言」にサインをして、
その「平壌宣言」や小泉訪朝について、「労働新聞」や北朝鮮のテレビが報道し
たわけです。
そのような報道があるまで、私たち外交官は拉致問題があるということなど全
く予想もしていませんでした。
◆えっ、金正日が拉致を認めた?
ところが突然、「朝日平壌宣言」が報道されたのですが、大きく言うと3つの
内容が含まれていました。
第一は、日本が過去を謝罪して経済協力をすること、第二に、日本国民の安全
に関わる懸案について(これは拉致問題です)、第三は、核・ミサイル問題につ
いて、ということでした。
小泉訪朝の後、全世界のマスコミが、「金正日が拉致を認めて再発防止を約束
した」と書きました、だから世界各地にいる私たち外交官はマスコミの取材を受
けて、「本当に謝罪したのですか」、「拉致はあったのですか」という質問を受
けざるをえなくなった。
そして世界各地の北朝鮮大使館から電報が本部に来ました。「本当に金正日総
書記が拉致を認めて、再発防止を約束したのか」、「我々はのことについてどの
ように答えればいのか」と。
私はその時、平壌の本部にいました。それまでは自分たちは拉致はないと思っ
ていましたが、電報が殺到したことによって、「北朝鮮の最高指導者が認めたん
だ」ということが分かって、私たちは衝撃を受けました。
ですから世界各地の外交官に指針を出さなければならなくなりました。「金正
日が拉致を認めて再発防止を約束した」のか、「いやそんなことは日本が作り出
したでっち上げなのか」。どのように答えを書かなければならないのか、自信を
持って書ける人が外務省にいなかったのです。金正日はいったい何を言ったのか
分からなかった。
最終的にどのような指針が外交官に送られたのか。「そのような質問を受けた
時に、イエスともノーとも言うな。答えるな」という指針が出されました。本来
なら、「これはでっち上げだ」と言わなければならないのに、「イエスともノー
とも言うな」という指針が出された。
◆「拉致を認めれば100億ドルが来る」
その時、首脳会談の会場に外務省の中で一人だけ、その責にいた人がいます。
それが姜錫柱(カン・ソクチュ)第一副外相です。それで姜錫柱は、「外交部が
混乱しているから俺が説明する。みんな講堂に集めろ」と言って、彼が説明する
ことになった。
姜錫柱は、行動に集まった外交官に、「拉致問題は必ず解決しなければならな
い問題だ。この問題さえ乗り越えれば日本から100億ドルが来る」、「だから
金正日将軍様が重大な決定をなさった」と言った。
それを聞いた外交官たちは、「これは大変なことになった。この後の処理を誰
がどのようにやるのか。そして一体、拉致を認めるという案を誰が金正日に上げ
たのか」と。
その時になって、北朝鮮の外務省の中で、「拉致を認めて100億ドルをもら
う」という案は、姜錫柱副外相ではなく、柳京(ユ・ギョン)国家安全保衛部第
一副部長が交渉して作った案を金正日に上げたんだという事実を、私たちは知る
ようになりました。
外務省の中では、「国家が拉致をしたことを認めた。そうしたら100億ドル
が来る。これは国際法的に成り立つのか。本当に100億ドル来るのか。大丈夫
なのか」と言っていました。
大きなことで言えば金正日が決めたことですから、それに反対できないが、
「本当に100億ドル来るんだろうか」と、小さな声で話が始まりました。
◆めぐみさんの「遺骨」が偽物?
その後、5人の被害者が、「一時訪問」という形式で日本に送られました。そ
してその後、横田めぐみさんが死んだのか、生きているのか、という問題が浮上
しました。
そして「遺骨」を高温で焼いて送った。北朝鮮は、「遺骨」を送ったのだから、
横田めぐみさんの問題は終わったと世界各地に話しました。しかし、しばらく経っ
て日本側が、「これは偽物だ」と理由を述べて発表した。そして世界各地の外交
官たちは、「こういう報道にどう答えればいいのか」と本部に問い合わせが殺到
するという混乱が起きました。
海外にいる北朝鮮外交官に対して、その国のマスコミがマイクを突き付けて、
「偽の遺骨を送ったというが、それを分かって送ったのか」という質問が殺到し
ました。
私は当時ヨーロッパ局にいたのですが、日本を担当するのはアジア局日本課で、
各地から問い合わせが来るから私が日本課の人に、「一体どうなっているんだ」
と聞いたところ、「我々も分からない。保衛部からこれを送れと言ってきたから
それを送ったのだ。本物か偽物かは我々も分からない」という答えだった。
それで、「分からないが、日本側が偽物と言っている状況を全部保衛部に報告
した」というふうに日本課は言っていました。
こういう事件が起きたら、「日本の言っていることはでたらめだ」と世界各地
で反論するか、あるいは、「実務レベルでミスが起きて偽物が行ってしまった。
その場合は責任者が処罰される」ということが起きるのですが、そういうことが
なくて、うやむやに処理された。
◆保衛部がしたことは外交部は知らない
私が言いたいことは、私は長い期間北朝鮮で外交官生活をしましたが、拉致問
題に関しては、北朝鮮の外交官はファクト(事実)を知らない、ということです。
世界の国との関係、例えばアメリカとの関係はみんな外交部(外務省)がやる
んですが、日本人拉致問題については国家保衛部が担当していて、外務省に対し
て、「知ろうとするな」と言って壁を作っています。
どのくらいの壁が作られたかと言うと、例えば日本との交渉では外務省から代
表が行きます。宋日昊(ソン・イルホ)という人がいきます。この宋日昊は実は
外交官ではない。保衛部の局長をやっていた人が外務省に来て、副大臣になり、
対日交渉を担当した。
彼は自分が知っていることを、自分の直属の部下にも話しません。私は宋日昊
と個人的に親しかったのです。彼は酒が好きで、よくしゃべる男で、色んな席で
一緒になったのです。例えばサウナに二人で入ったこともあった。
そこで、「世界各地の外交官が拉致問題で大変なんだ。二人だけで話そう。本
当はどうなんだ。横田めぐみは生きているのか」と聞きました。そうしたら多の
事ではよくしゃべる宋日昊が、このことになると、「そんなこと聞くな」と壁に
なる。
ですからこのように、徹底的に情報統制をしているので、北朝鮮の外務省の中
で、「被害者が何人生きていて、今どこにいるのか」について知っている人は、
宋日昊以外には誰も知りませんでした。北朝鮮の外務大臣も知りません。
◆「100億ドルなんて約束はしていない」
また、「100億ドル」の問題ですが、北朝鮮の外交官たちは、「国家が拉致
をしたことを認めた。それで100億ドルが来る」と聞いたのですが、「これは
国際法上ありえるのか、日本は法治国家なのに」、と内心思っていました。
「うまくいかない場合、柳京保衛部第一副部長も無事でいられないだろう」とひ
そひそ話をしていました。そして今23年経ちましたが、柳京第一副部長は銃殺
されました。
私が外交官として日本の外交官と会った時、「拉致問題が解決しないのは日本
が100億ドルを約束したのに、それを払わないからだ」と言いました。すると
日本の外交官たちは、「何を言っているんだ。100億ドルなんて約束はしてい
ない。それは北朝鮮が勝手に作った話だ」と話しました。
以上が全般的な当時の状況の説明です。次に、今後どうしたらいいのかについ
て話します。
(2につづく)
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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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韓国から来日した太永浩(テ・ヨンホ)氏を講師に招き、「北朝鮮の最新情勢」
をテーマに特別講演会を8月28日に開催しました。通訳は西岡会長。
太永浩氏は、北朝鮮の駐英公使として在任中の2016年イギリスを出国し脱
北者として韓国に亡命。その後韓国の国会議員、尹錫悦政権の南北統一政策に関
する大統領諮問機関である民主平和統一諮問会議の事務処長(次官級)を歴任。
家族会の横田早紀江さん、横田拓也代表、横田哲也さんも出席。
西岡力(救う会会長)
本日は、元北朝鮮の外交官で、韓国に亡命した後国会議員をされ、その後大統
領直属の平和統一諮問会議の事務処長となり、尹(ユン)政権が終わったのでお
辞めになった。北朝鮮と韓国両方のエリートであった太永浩先生が来てください
ました。
実は国会議員の時、日本の北朝鮮自由週間の時も来てくださいました。私は何
回もお会いしているのですが、先生の方から、「東京に行く用事がある。自分は
今フリーだから拉致問題についても協力したい」という連絡をいただきましたの
で、講演をお願いしました。
先生の略歴はお配りの資料をご覧ください。そして今日の資料は、先生が書か
れた「三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録」の一部で、韓国で出された本の翻訳
本が日本で出ていますが、この本の中で、2002年9月に平壌で何が起きてい
たかについて書かれています。
太永浩先生は、小泉訪朝の時外務省におられた。そこで何が起きたのかという
ことをこの本の中で詳しく書かれています。その部分について直接お話いただき
たいとお願いをしてあります。それから北朝鮮の最新情勢についてもお話いただ
きます。
そして今朝、中国と北朝鮮が報道しましたが、9月3日、中国の戦勝記念軍事
パレードに金正恩氏が行くという報道がありました。それについても解説してい
ただきます。
◆小泉訪朝時、北朝鮮外交官は拉致問題を全く知らなかった
太永浩(元北朝鮮駐英公使、脱北者)
今日、よこためぐみさんのお母さま、そして弟さん二人、また皆さんの前で拉
致問題についてお話できることを光栄に思います。
今日皆さんにお話ししたいことはみなさんの関心事である拉致問題、特に20
02年9月に小泉首相が平壌を訪問された時、北朝鮮の外務省で何があったのか
ということについてお話したいと思います。実はその内容は、この本の中に書い
ていますので、それを中心にお話します。
私は80年代後半から外交官をしていましたが、北朝鮮の外交官たちの関心事
の一つが拉致問題でした。本当に拉致をしたのか、ということについてみんな関
心を持っていました。
そしてみんなが2002年9月まで思っていたことは、北朝鮮が拉致をする理
由もないし、拉致は事実ではなく日本がでっち上げたことだ、という風に北朝鮮
の当局が言っていましたし、私たちもみんなそう思っていました。
2002年9月に小泉首相が平壌を訪問して、「平壌宣言」にサインをして、
その「平壌宣言」や小泉訪朝について、「労働新聞」や北朝鮮のテレビが報道し
たわけです。
そのような報道があるまで、私たち外交官は拉致問題があるということなど全
く予想もしていませんでした。
◆えっ、金正日が拉致を認めた?
ところが突然、「朝日平壌宣言」が報道されたのですが、大きく言うと3つの
内容が含まれていました。
第一は、日本が過去を謝罪して経済協力をすること、第二に、日本国民の安全
に関わる懸案について(これは拉致問題です)、第三は、核・ミサイル問題につ
いて、ということでした。
小泉訪朝の後、全世界のマスコミが、「金正日が拉致を認めて再発防止を約束
した」と書きました、だから世界各地にいる私たち外交官はマスコミの取材を受
けて、「本当に謝罪したのですか」、「拉致はあったのですか」という質問を受
けざるをえなくなった。
そして世界各地の北朝鮮大使館から電報が本部に来ました。「本当に金正日総
書記が拉致を認めて、再発防止を約束したのか」、「我々はのことについてどの
ように答えればいのか」と。
私はその時、平壌の本部にいました。それまでは自分たちは拉致はないと思っ
ていましたが、電報が殺到したことによって、「北朝鮮の最高指導者が認めたん
だ」ということが分かって、私たちは衝撃を受けました。
ですから世界各地の外交官に指針を出さなければならなくなりました。「金正
日が拉致を認めて再発防止を約束した」のか、「いやそんなことは日本が作り出
したでっち上げなのか」。どのように答えを書かなければならないのか、自信を
持って書ける人が外務省にいなかったのです。金正日はいったい何を言ったのか
分からなかった。
最終的にどのような指針が外交官に送られたのか。「そのような質問を受けた
時に、イエスともノーとも言うな。答えるな」という指針が出されました。本来
なら、「これはでっち上げだ」と言わなければならないのに、「イエスともノー
とも言うな」という指針が出された。
◆「拉致を認めれば100億ドルが来る」
その時、首脳会談の会場に外務省の中で一人だけ、その責にいた人がいます。
それが姜錫柱(カン・ソクチュ)第一副外相です。それで姜錫柱は、「外交部が
混乱しているから俺が説明する。みんな講堂に集めろ」と言って、彼が説明する
ことになった。
姜錫柱は、行動に集まった外交官に、「拉致問題は必ず解決しなければならな
い問題だ。この問題さえ乗り越えれば日本から100億ドルが来る」、「だから
金正日将軍様が重大な決定をなさった」と言った。
それを聞いた外交官たちは、「これは大変なことになった。この後の処理を誰
がどのようにやるのか。そして一体、拉致を認めるという案を誰が金正日に上げ
たのか」と。
その時になって、北朝鮮の外務省の中で、「拉致を認めて100億ドルをもら
う」という案は、姜錫柱副外相ではなく、柳京(ユ・ギョン)国家安全保衛部第
一副部長が交渉して作った案を金正日に上げたんだという事実を、私たちは知る
ようになりました。
外務省の中では、「国家が拉致をしたことを認めた。そうしたら100億ドル
が来る。これは国際法的に成り立つのか。本当に100億ドル来るのか。大丈夫
なのか」と言っていました。
大きなことで言えば金正日が決めたことですから、それに反対できないが、
「本当に100億ドル来るんだろうか」と、小さな声で話が始まりました。
◆めぐみさんの「遺骨」が偽物?
その後、5人の被害者が、「一時訪問」という形式で日本に送られました。そ
してその後、横田めぐみさんが死んだのか、生きているのか、という問題が浮上
しました。
そして「遺骨」を高温で焼いて送った。北朝鮮は、「遺骨」を送ったのだから、
横田めぐみさんの問題は終わったと世界各地に話しました。しかし、しばらく経っ
て日本側が、「これは偽物だ」と理由を述べて発表した。そして世界各地の外交
官たちは、「こういう報道にどう答えればいいのか」と本部に問い合わせが殺到
するという混乱が起きました。
海外にいる北朝鮮外交官に対して、その国のマスコミがマイクを突き付けて、
「偽の遺骨を送ったというが、それを分かって送ったのか」という質問が殺到し
ました。
私は当時ヨーロッパ局にいたのですが、日本を担当するのはアジア局日本課で、
各地から問い合わせが来るから私が日本課の人に、「一体どうなっているんだ」
と聞いたところ、「我々も分からない。保衛部からこれを送れと言ってきたから
それを送ったのだ。本物か偽物かは我々も分からない」という答えだった。
それで、「分からないが、日本側が偽物と言っている状況を全部保衛部に報告
した」というふうに日本課は言っていました。
こういう事件が起きたら、「日本の言っていることはでたらめだ」と世界各地
で反論するか、あるいは、「実務レベルでミスが起きて偽物が行ってしまった。
その場合は責任者が処罰される」ということが起きるのですが、そういうことが
なくて、うやむやに処理された。
◆保衛部がしたことは外交部は知らない
私が言いたいことは、私は長い期間北朝鮮で外交官生活をしましたが、拉致問
題に関しては、北朝鮮の外交官はファクト(事実)を知らない、ということです。
世界の国との関係、例えばアメリカとの関係はみんな外交部(外務省)がやる
んですが、日本人拉致問題については国家保衛部が担当していて、外務省に対し
て、「知ろうとするな」と言って壁を作っています。
どのくらいの壁が作られたかと言うと、例えば日本との交渉では外務省から代
表が行きます。宋日昊(ソン・イルホ)という人がいきます。この宋日昊は実は
外交官ではない。保衛部の局長をやっていた人が外務省に来て、副大臣になり、
対日交渉を担当した。
彼は自分が知っていることを、自分の直属の部下にも話しません。私は宋日昊
と個人的に親しかったのです。彼は酒が好きで、よくしゃべる男で、色んな席で
一緒になったのです。例えばサウナに二人で入ったこともあった。
そこで、「世界各地の外交官が拉致問題で大変なんだ。二人だけで話そう。本
当はどうなんだ。横田めぐみは生きているのか」と聞きました。そうしたら多の
事ではよくしゃべる宋日昊が、このことになると、「そんなこと聞くな」と壁に
なる。
ですからこのように、徹底的に情報統制をしているので、北朝鮮の外務省の中
で、「被害者が何人生きていて、今どこにいるのか」について知っている人は、
宋日昊以外には誰も知りませんでした。北朝鮮の外務大臣も知りません。
◆「100億ドルなんて約束はしていない」
また、「100億ドル」の問題ですが、北朝鮮の外交官たちは、「国家が拉致
をしたことを認めた。それで100億ドルが来る」と聞いたのですが、「これは
国際法上ありえるのか、日本は法治国家なのに」、と内心思っていました。
「うまくいかない場合、柳京保衛部第一副部長も無事でいられないだろう」とひ
そひそ話をしていました。そして今23年経ちましたが、柳京第一副部長は銃殺
されました。
私が外交官として日本の外交官と会った時、「拉致問題が解決しないのは日本
が100億ドルを約束したのに、それを払わないからだ」と言いました。すると
日本の外交官たちは、「何を言っているんだ。100億ドルなんて約束はしてい
ない。それは北朝鮮が勝手に作った話だ」と話しました。
以上が全般的な当時の状況の説明です。次に、今後どうしたらいいのかについ
て話します。
(2につづく)
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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
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https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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