救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

トランプ大統領面会報告と緊迫する北朝鮮情勢-東京連続集会99



◆追い込まれた戦争はせず、譲歩する北朝鮮

西岡 力(救う会会長)
 これからどうするか、ということですが、過去の例を見ると北朝鮮はアメリカの軍事的圧力がかかった時だけ譲歩する。北朝鮮は追い込まれたら戦争をするんじゃないかという人がいますが、それは私は違うと思っています。追い込まれたら譲歩するんです。
 彼らは唯物論者で信じているのは力ですから、正義なんかは信用していません。自分の力だけを信用しています。だから自分が殺されるということは絶対避けようとする。
 94年にアメリカのクリントン政権が爆撃を準備しました。寧辺の5000キロワットの原子炉を狙って爆撃を準備したら、金日成が出てきて、「ちょっと待ってくれ」と。実際に5000キロワットの原子炉を止めました。
 しかしその代りに、プルトニウムを造る代わりに軽水炉を作ってやると、しかしアメリカはそのお金は俺は払わないと日本と韓国に請求しました。当時の村山政権は、「分かりました。10億ドル払います」と言って、5億ドル払った。
 その時本当に悔しい思いをしました。なぜ日本から金を出すのだったら、プルトニウムをやめるだけでなく、拉致被害者を返せと言わないのか、と。日本が5億ドルだしてもいいが被害者も返せ、と。なぜ村山政権は言わなかったのか。その時は本当に悔しい思いでしたが、まだ家族会も救う会もなく、一人の学者としてそう思っていました。
 次に2002年にアメリカがもう一度軍事的圧力をかけた。先ほど言った。「テロとの戦争」の中で、北朝鮮の大量破壊兵器を取り上げろ、と。イラクについては、あったかなかったかを議論しているんですが、北朝鮮については2002年の段階であったわけです。
 その証拠は、パキスタンのカーン博士が、濃縮ウラニウムを造る技術を北朝鮮に教えたからです。その時我々をずっと支持してくれているジョン・ボルトン前国連大使は、2002年の段階で国務省の軍縮担当の次官でした。
 軍縮の中には核問題も含まれているので、パキスタンに行ってカーン博士に直接会ったのです。カーン博士は、複数回北朝鮮に行っている。技術指導をしてきたんです。だから金正日はアメリカをだまして、アメリカから50万トンの重油を毎年ただでもらいつづけていたんです。軽水炉ができるまでの間は、発電所が止まってしまい電気がたりなくなるとだました。ブッシュ政権は毎年50万トンの重油を北朝鮮に出していたんです。
 アメリカから重油をもらいながらアメリカまで届く核・ミサイル開発を北朝鮮は続けていた。教えていた本人からアメリカは聞いてしまった。テロ国家から大量破壊兵器を取り上げる戦争をすると言っていたブッシュ大統領がそれを知った。
 イラクの場合は、「濡れ衣だ」と言えたんですが、北朝鮮は言えないわけです。そういう危機が2002年だった。そしたら金正日が出てきた。小泉さんを呼んだ。拉致を認めるという譲歩までした。
 残念だったのはその時外務省が、「被害者を返せ」という要求を出さないで、「消息を出せ」と言った。それで北朝鮮が消息を出したがそれは嘘だった。向こうが困っているのだからぎりぎり頑張って、「被害者を返せ」と言っていれば、少なくとも小泉さんが帰る飛行機に5人は乗っていたはずです。5人は出すつもりだったんだから。
 当時残念ながら、全員取り戻すという体制がなかった。外務省だけに任せておけないということで、第一次安倍政権以後、拉致問題担当大臣ができて、対策本部ができて、被害者を助けることが政府の最重要課題になったのですが、2002年当時はそうはなっていなかった。
 北朝鮮の行動パターンは、アメリカが軍事的圧力をかけてきたら、「窮鼠猫を噛む」で、テロをしたりするんじゃなくて、金日成も出てきて寧辺の原子炉を止めましたし、金正日も出てきて拉致を認めたんです。
 じゃあ孫はどうするんだ、ということです。今孫にアメリカが軍事的圧力をかけている。それも、「あなたは死にますよ」とB1Bを飛ばして、今年になってからバンカーバスターを積んだB1Bを20回も飛ばして、1回は元山まで行って平壌にも届くぞとやっているわけです。レーダー波にはひっかからないぞ、と。
 今後の展開として米朝秘密協議が始まるかもしれない。あるいはその前に、アメリカの圧力をかわすため、日本を使おうとして日朝協議が始まるかもしれない。「トランプ大統領に一番近いのは安倍だから、俺の本心をトランプに説明してくれ」と安倍さんを使おうとするかもしれない。
 あるいはその前に心理戦が効いて、金正恩と一緒に死にたくないという人たちが何かするかもしれない。それをさせないために、内部統制を今厳しくしています。軍に対して組織指導部が監察するというのは本当にないことです。
 軍の総政治局というのは、もともと組織指導部と一体になって軍をたちが何かするかもしれない。それをさせないために、内部統制を今厳しくしています。軍に対して組織指導部が監察するというのは本当にないことです。軍の総政治局というのは、もともと組織指導部と一体になって軍を統制しているところです。その統制している人間を組織指導部が処罰した。異常です。何か起きるかもしれない。



  
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