救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮最新情勢と救出への展望−東京連続集会90全報告



◆日本は二行のみ、しかし安倍批判はなし−党大会報告

西岡力(救う会会長、東京基督教大学教授) ではその組織指導部の人間たちが一体拉致問題、対日問題にどういう関心を持っているのか、ということが勝負になるわけです。組織指導部主導で、金正恩が読み上げた「党活動報告」はこんなに分厚いものですが、その中で日本についてたった二行しかありません。
 「日本は、朝鮮半島に対する再侵略野望を捨て、我が民族の前に犯した過去の罪悪について反省、謝罪すべきであり、朝鮮の統一を妨害してはならない」としか書いてないのです。アメリカ帝国主義はけしからんといっぱい書いてある。韓国の朴槿惠政権批判もたくさん書いてある。
 「朴槿惠政権が今のような併合型の統一をするなら戦争をする。我々は平和を望んでいるが、併合して統一しようとするならば戦争し、我々が勝つ。青瓦台を占領する軍事計画もできている」と言っています。
 そして中国については、中国とは書かないで、「支配主義」と批判しています。そして思わせぶりのことも書いてあります。
 「たとえ、過去にはわれわれと敵対関係にあったとしても、わが国の自主権を尊重してわれわれを友好的に遇する国々とは関係を改善し、正常化していくであろう…資本主義諸国とも多方面な交流と協力を発展させるべきである」と。
 過去にわれわれと敵対関係にあった資本主義国はアメリカと日本と韓国しかない。これ以上は書いていませんが、意味深長だと思います。そして安倍晋三批判をしていない。もう一つ、注目すべきは加藤拉致問題担当大臣批判もしていないんです。
 山谷大臣がニューヨークでセミナーをやった時、ものすごい激しい批判が出ました。「人間のクズだ」と言いました。「有象無象」とも言いました。その時は国連本部前のホテルでやったのです。今回は国連本部の中でやった。そして先ほど言ったように、金正恩を政治訴追する問題についても議論した。
 それなのに、加藤大臣が「人間のクズ」とか「有象無象」とは未だに言っていません。安倍さんの側近だということを承知しているのではないか。安倍政権とのパイプを切りたくないということか。少なくともまだ、「拉致被害者を返せ」とか、「秘密交渉を進めろ」という指示が出ているのかどうかは分かりません。しかし、「パイプを切るな」という指示はおととしからまだ変わっていないというのが、公開情報から分かるんです。
 先ほど言いましたように、これからが勝負です。2年前よりも国際制裁も日本の制裁も強まりました。2年前に北朝鮮は、日本にほしいものがあって日本に接近してきました。それより今の方がもっと強まっている。
 中国との関係は2年前も悪かったのですが、もっと悪くなっている。韓国が2年後の大統領選挙で太陽政策派が勝つかもしれない。この4月の韓国総選挙の結果を見て金正恩が希望を持ったとすると、それは我々にとってマイナス材料です。
 対話は向こうから切っていないし、日本側も対話を切るとは言っていない。平壌マラソンというのがあって、スターターは猪木議員がやりました予定されていました。猪木議員は、今制裁しているのに国会議員が行くのはどうかと批判されて行くのを中止しましたが、実はある面で猪木議員はある面でキーパーソンです。
 張成沢(チャン・ソンテク)処刑の前に、一番最後に会った外国人が猪木議員です。張成沢は猪木議員に会うことで、内外に対して、これから自分が対日外交をやるぞということを示したんだという情報があります。
 もちろん猪木議員とやるというわけではないんです。猪木議員が有名だから猪木議員と会うと日本のマスコミで報道される。彼はそういう装置として使われたんです。失礼な言い方ですが。実際の交渉は裏でやるんです。
 しかし張成沢は処刑された。私が聞いているのでは、張成沢処刑の裏の理由は、拉致を含め対日接近しようとしたということも罪状に入っていた、ということです。
 猪木議員がその後「1月に招聘されている」と言っていました。張成沢処刑の後、彼が消えるかどうかを私は見ていたんですが、行きました。北から見ると、張成沢派だと見られていた人を1月に呼んだ。そして公開された罪状には対日接近と書かないで、対中接近だけを書きました。
 張成沢を処刑した後も日本に対して接近しようとしているなということがそこで分かります。そして今回また猪木議員を呼びました。2月に日本が厳しい制裁をした直後に呼びました。日本の世論に対するメッセージではないかと思います。しかしそれが中止になったら、今度は料理人が行きました。
 あの料理人は、金正恩と個人的に親しいのは間違いない。しかし、金正恩はわがままで本来呼んではいけない人を呼んだという可能性もあったわけです。私が関心があったのは、彼が寿司を握ったかどうかです。わがままで呼んだとしたら、「寿司を食べたいからトロを買ってきてくれ」と言うでしょう。
 今回はそれはなくて、ただ一緒に食事をしただけでした。あの料理人は、もともと金正日の料理人だったのですが、日本当局と裏でつながっていて情報も渡していたわけです。それがばれて処刑されそうになった時、高英姫(コ・ヨンヒ)に助けられて逃げた。だからずっと隠れていました。
 彼はお金が好きで、隠れている間、ある情報機関からもらっていたお金が少ないので本を書いちゃったんです。だからスパイであったわけで、もう一つは金正日の私生活を明らかにした。二重の意味で政治犯なんです。でも一度金正恩が呼んだ。そしたら一緒に写真を撮って週刊誌などに売りまくって、それで二度目に行けなかったんです。さすがの保衛部も怒ったと思います。「お金のために指導者の写真を使うなよ」と。
 しかし、今回行った。「彼は安倍さんの親書を持ってもう一回交渉するんだ」と言うんですが、彼を使って交渉するのはナンセンスですが、彼を呼んだということに意味がるんです。制裁をしている日本に対して、「けしからん」というメッセージじゃなくて、宥和的なメッセージを投げ続けているんです。
 そして、長い報告の中でも日本については二行しかなくて、それ以外に、「資本主義国とも交流する」と書いてある。日本側も対話を切ることはないと言っている。本当に実質的協議が始まるかもしれないチャンスだと思っています。
 北朝鮮が今困っていることは間違いないんですが、どれくらい困っているのか、困っているということを主観的にどのくらい考えているのかということが分からないので、確定的なことは言えませんが、小泉訪朝の時はアメリカの軍事的圧力で本当に困っていました。今は中国との関係悪化で、また国際社会の制裁と経済の悪化で日本の制裁も効いている。国連で最高指導者が刑事訴追されている。困っていることは間違いない。
 それが拉致被害者を返すところまで行けるか。制裁で核を止めることはないんです。「報告」に書いてある通りです。しかし、「拉致は一切動かさない」とか、「死亡した」とは書かなかったんです。
 ですから2年前に比べれば、今の方が相対的に日本に有利、あるいはチャンスではないかと思っています。それが絶対ということはなかなか言えないし、裏交渉が表に出てしまったらおしまいですから、実質的な協議が今、もしかしてなされていても、それは絶対表に出ないんです。
 今、厳しい、苦しいがまんの時期だと思っています。ワンワンとマスコミが報道している時ではなく、今の方がもしかしたら実質的な動きが出るかもしれないと思っています。
 とにかく我々ができることは、「日本は拉致が動かない限り、一切北には何も出しませんよ、他のことで目くらましのようなことをしてもダメですよ。一括全員帰国ということについては、安倍政権も家族会・救う会も国民の世論も一切譲歩の余地なし」というメッセージを発信し続けて、実質的な協議をやる部署はストックホルム合意を結んだ部署ではなく、官邸が動かしてやってほしいと思っていますし、毎日息をのむような気持ちでいます。
 どうなるだろうか。しかし表に何も出ない、コトリともいわないということはどういうことなんだろうかと思っています。以上です。

  
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国民大集会「もう我慢できない。今年こそ結果を!」
「もう我慢できない。今年こそ結果を!」。2月2日に家族会・救う会合同会議で決めた今年の運動方針です。 拉致被害者家族の高齢化が進み、「生きている間に被害者に会えないかもしれない」という言葉が出るようになっています。経過はすべて説明して頂くことはないと思います。しかし、今年中にぜひ結果を出して欲しいということが、家族会・救う会そして心ある日本人の心の底からの叫びだと思います
2014年4月27日午後2時午後5時 日比谷公会堂
東京都
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日比谷公園1-3