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◆党組織指導部が党、政府、軍、工作機関の人事権を持ち、検閲する

西岡 私の友人で、韓国にいる脱北者で、国家安全保衛部に勤めていた人がいます。保衛部で車の密輸で外貨稼ぎをやっていたんですが、その人に、「端的に言って組織指導部と国家安全保衛部とどちらが強いんだ」と聞いたんです。そしたら、「何言ってるんですか組織指導部に決まってるじゃないですか」と保衛部出身者が言いました。
 「簡単に言うとこうですよ。誰を捕まえにいくかを決めるのが組織指導部で、捕まえに行くのが保衛部です。そう考えればいいんです」と。つまり組織指導部というのは党と政府と軍、そして工作機関のすべての人事権を持っているんです。人事のファイルはそこにある。もちろん決裁は最高指導者がしますが人事はそこで決める。
 それだけじゃなくて、検閲官がいる。主体思想、党の唯一指導体制に逆らうことをやっていないかどうか検閲する権限は組織指導部にあるんです。検閲するためにどこに行ってもいいわけです。そして誰が政治犯かを決める権限がある。
 つまり、誰を捕まえるかを決めるのが組織指導部で、捕まえに行くのが保衛部だと言われたんですがその説明は正しいですか。
惠谷 そうですね。全くその通りだと思います。今西岡さんが言われたように、人事権もあれば検閲権もある。この組織指導部が「党の中の党」と言われますが、最高権力機関と言っても過言ではありません。


  
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