救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際会議「北朝鮮による国際的拉致の全貌と解決策」全記録




1-5 貧しかったから待つことしかできなかった



バンジョン・パンジョイ タイ人拉致被害者家族


私は、アノーチャー・パンジョイの兄であるスカム・パンジョイの息子です。皆様が私たちの家族を支援していただいていることに深く感謝します。

これから、私の叔母であるアノチャー・パンジョイの生い立ちについてご説明致します。アノーチャーは非情に思いやりのある人で、家族をとても愛していました。例えば、実家に戻って来るときは、家族や親族の全員に必ずお土産を持ってきました。服や食べ物や日用品など様々なものを持ってきました。性格は、度胸があって人を恐れず、また身なりをきれいに装うことを非情に大事にし、旅行を好みました。アノーチャーは友人も多く、家族、親族の誰からも愛されていました。

アノーチャーがいなくなってから、アノーチャーがマカオで一緒に仕事に行ってきたという友人から報せを受けました。その友人から実家へは、アノーチャーのお父さん、お兄さん、大事な話があるのでバンコクまで来てくださいということでした。そこでアノーチャーの父と兄が出かけていったこところ、アノーチャーは仕事先から誘拐されたというのです。二人はそのまま実家に帰ってきただけでした。家族はどこにも届けることをしませんでした。当時のタイの連絡や移動は発達しておらず困難で、私たちもどうしていいか分かりませんでした。私たち家族はただ、いつかアノーチャーが帰ってくるだろうと思い、待つことしかできませんでした。誰かに助けを頼むことも、訴えることもできませんでした。なぜなら私たち家族は貧しかったからです。交通費も依頼するお金もありませんでした。

1978年の5月、(拉致前?)アノーチャーと一緒にマカオに仕事に行ったアノーチャーの友人のロンさんという人から私たちは報せを受けました。このロンさんの手紙では、バンコクで美容院を経営しているナルモンさんのお宅まで来てくれというのです。ナルモンさんというのは、アノーチャーがバンコクにいた頃、常日頃お世話になり、尊敬していた人物です。それでまた、アノーチャーの父と兄はバンコクに行くことにしました。そしてその方にお会いしたところ、アノーチャーはどうもマカオ人2人と行方不明になったらしいということを知らされたのです。

二度目にバンコクに行った後は、アノーチャーの消息はまったく分かりませんでした。それでアノーチャーの父は、いつかある日アノーチャーは帰ってくるだろうと思って待つばかりでした。その父は、アノーチャーの消息が報道から分かる前の2005年7月に亡くなりました。

私たち家族及び親族は、昨年テレビの報道からアノーチャーの消息が分かって非常に喜びました。しかし、北朝鮮に拉致されて、あちらにいるということだったので、それをとても残念に思いました。一体、北朝鮮のような国にいてどんな仕事をしているのか、どのような生活を送っているのか、私たちには何も分かりません。そのような中でも、政府や家族会・救う会の皆様、報道や多くの親切な方々が私たちを支援してくれていることを大変嬉しく感じています。この場でお礼を申し上げたいと思います。

今日参加ができないアノーチャー・パンジョイの兄であり、私バンジョン・パンジョイの父であるスカム・パンジョイの手紙を持って来ました。

スカム・パンジョイさんが国際会議に参加する息子バンジョンさんに託した、北朝鮮にいる妹アノーチャーさんへの手紙



愛しい妹、アノーチャーよ。

私の妹よ、お前が1978年に家を出てから28年もの長い間、兄さんはお前の顔を1度も見ていない。

しかし、2005年になって「家族会」、「救う会」の日本人の人たちからお前の消息を聞くことになった。彼らが私に会いに家まで来るといい、そこで彼らから、お前が拉致されて北朝鮮に連れて行かれたということを知らされたのだ。

妹アノーチャーよ、兄さんが書いたこの手紙をお前が読んでくれたら、家族全員を思い出して欲しい、みんながお前のもう一度会うのを待ちこがれていることを。

28年もの間会えなくて、家族は本当にお前が恋しく、また苦しい。

今はもう父さんも亡くなり、私たちの親兄弟は兄さん1人になってしまった。兄さんも今はもう体力が衰えてきている。

もしお前にこの手紙が届いて返事が書けるなら、どうしているのか知らせてほしい。

妹よ、私たちの家はずっと以前のとおり、私たちが一緒に暮らした以前のとおりだ。

妹を愛する兄、スカム・パンジョイより

(通訳及び日本語訳は救う会タイ連絡員の海老原智治)

  
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