救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会の新運動方針ー東京連続集会94全報告



◆ミスだらけの「兄貴殺しテロ」、最高幹部も忠誠心がない

西岡力(救う会会長)
 来週は3日間韓国に行ってきますが、北朝鮮の内部情勢も緊迫しています。昨日もある韓国人で北朝鮮問題の専門家に会ったのですが、北朝鮮の金正恩政権の国家システムがおかしくなっています。特に今日は朝刊に出たのでご承知と思いますが、今回のテロに大使館の二等書記官が関与していたことが分かった。まだその人がマレーシアにいる。
 北朝鮮はテロ国家です。しかし、今までテロは大変緻密に準備されていました。彼らはテロをやりながら、テロをやったのは自分たちではないようにする方針でした。テロ国家に指定されるのを恐れていました。それが金正日のテロ構想です。だから拉致をしたんです。
 拉致して、テロリストを外国人化する。日本人のパスポートを持たせてテロをやったわけです。あの時(1987、大韓航空機爆破事件)、金賢姫さんが青酸カリが入った煙草を噛んだのですが、角度がよかったので青酸カリの吸収量が少なくて生き返ったわけです。自殺に成功していれば、偽造された日本のパスポートしかなく、北朝鮮の影はないわけです。
 今回は、ベトナム人とインドネシア人が出てきた。当初はベトナム人化した工作員かと思ったのですが、タクシーで逃げた。ホテルで捕まった。ぬいぐるみを持ってうろうろしていた映像が残っている。これは工作員じゃない。新たな手法かとも考えました。
 リ・ジョンチョルという貿易会社に勤めていたことになっている男も捕まった。すぐ捕まる。リ・ジョンチョルも捕まるんだったら自殺しなければいけないんです。そもそもなぜ現場にいたのなら、一緒に飛行機に乗って逃げなかったのか。まず先に家族を出国させて、本人もミッションが終わったらすぐ飛行機にのらなくてはならない。
 また飛行機も本当はだめなんです。飛行機は搭乗名簿に残るから。貨物船が港に入っていて、夜陰にまぎれて出て行ったのではないかとも思ったのです。しかし捕まった。そしてリ・ジョンチョルは、「金正男に個人的な恨みがあった。あいつは借金を返さなかった。だからインドネシア人とベトナム人の女性と組んで殺したんだ。北朝鮮政府とは何の関係もない」と言うのかなあと、新たな形で他人のせいにするテロなのかなあと思ったのです。わざと捕まって、北とは関係ないと言うストーリーを言うのかなと。
 ところが4人の人間がいて、顔写真まで分かって、女性たちと一緒に予行演習していたところがカメラに取られている。もうちょっとちゃんとやれよ、と思いました。私も北朝鮮のテロは20年間研究してきましたから、なってないな、と。「金正日同志」がいたら嘆くだろうな、と思いました。なんだろうという思いでした。
 しかも、今いる大使館員が関与したという証拠があるわけです。マレーシアは北の友好国だけど、決定的な証拠を持っているわけです。証拠を残すなよ、と。あまりにもずさんなんですね。このずさんさはどこから来ているのか。
 我々は「今年中に返せ」と言っていますが、金正恩は「この冬中に殺せ」とか言ったんですよ、多分。もちろん「北朝鮮がやったことがばれないようにやれ」と言ったでしょう。それで「インドネシア人とベトナム人を使います。本人たちには殺人だと知らせません」、と。そして「その女たちだけ逮捕されて、誰がやったか分からなくなります。これが完全犯罪です」と。
 「そうか新たな形の現地化工作だな」と。「将軍様が言った北朝鮮人を外国人にするための活動、外国人を拉致してきて10年くらいかけて教育することをしなくてもいいのか」、「目的を教えないというのはなかなか新しいな。それでやれ」と言ったんじゃないかと思います。
 でも工作のプロがいたら、「金正男に一番隙があるのは空港です」と。彼は空港で記者たちにいつも会っています。カメラにも撮られています。空港はガードが甘い。人が大勢いるし、監視カメラがあるからテロはしないだろうと思うだろう。自分が金正男だとあかして、インタビューにまで応じている。ここが狙い目だと思って、外国人を使って、「どっきりカメラです」とだましてやればいい、という報告書を上げたと思います。
 でも詰めが甘すぎた。「そんなことをやっても北のせいだと分かってしまいますよ」と誰かが言わなければいけないんですが、そういうことを言う人間がいない。金正恩に意見ができない。「何月何日までに殺せ」と言われたら、「無理ですよ」と言えない。
 みんな心からの忠誠心がなく、「この人何考えているんだろう」と思っているけど、言ったら殺されるから言わない。言わないから失敗する。失敗したら、またその責任で殺される。最高幹部たちも完全に忠誠心をなくして、なるべく側近になりたがらない。外貨が稼げる席に行きたがる。何かあれば逃げる。だいたい20万ドルから30万ドル集めようと言っているらしい。
 「どうせこの男は長くない」、「改革開放政権になる。あるいは韓国による統一になる」。その瞬間に外貨を持っていなかったらいくら労働党の幹部でも将軍でも乞食になる。でも外貨を持っていたら鉄の鉱山を買うとか、港を買うとか。そうすれば金持ちになれる。
 ソ連が崩壊した時、共産党の幹部たちはみんな乞食になったけれども、うまく立ち回って油田を買った人間が大金持になった。「俺たちもそうしよう」とお互いに言っている。「韓国とアメリカは核の情報を買うらしい」、「日本は拉致の情報を買うらしい」と売り込みが激しいわけです。
 嘘(の情報)もいっぱいある。だから金正恩は国家保衛部に、「拉致の情報を外部に漏らしたら8等親まで全部殺す」と今言っているそうです。そういうことが国家保衛部から私に伝わってくるんだから、保衛部も忠誠心がないんです。
 一昨年、国家保衛部の課長が二人、局長が一人逃げました。韓国にいます。一昨年、将軍が三人逃げた。その一人は元作戦副局長です。作戦内容を知っている。アメリカが多大な関心を示した。ワシントンに連れて行って、徹底的な聞き取りをしたと聞いています。みんな非公開になっていますし、非公開を前提に連れて行っています。忠誠心がないわけです。
 忠誠心がない中で、専門知識のない人間が無茶な命令をするからもっとおかしくなる。一応国家の体をなしていて、保衛部があり軍もあるけれども、そこにいる一人ひとりが最高指導者に対する忠誠心が一切なく、尊敬心もなく、「あいつはばかだ」と思っている。でも殺されないよう、彼の命令に従っているふりをしながら、自分の利益ばかり考えている。
 金正日は幹部たちがそういう人間であることをよく分かっていて、信用してなく、全部に監視をつけて、徹底的に専門知識を自分が持って判断していましたが、20代で独裁者になった男にはそれができないんです。
 覚えていらっしゃるかもしれませんが、金正日が死んだ直後に、日本のテレビも韓国のテレビも、なんかお葬式のようなものばかり流していて、追悼するようなムードだったから頭にきて、「金正日に殺された人たちを追悼する東京集会」というのをやったのです。
 「あいつのためになぜ追悼しなければならないのか。あいつが殺した人の方を追悼すべきだ」と。そこに自由北韓放送の金聖●さんを呼んだんです(●=王へんに文、キム・ソンミン)。彼がこう言っていました。「西岡先生、簡単に金正恩政権は倒れません。金正日が作った独裁システムは強固です。相互監視がすごい。しかし、その独裁者に20代の若者が上がった。絶対ミスをします。そのミスにどうつけこむのかが家族会・救う会の課題ですよ」と。
 まさに今回のことそのものです。ついに中国が石炭の輸入を止めました。国連制裁の2倍も輸入していたのは本当にたぬきでけしからんと思いますが、暗殺事件の直後に「国連制裁は守ります」と言って止めたんです。外貨がないのは確かですから。確か対中輸出の6割くらいは石炭ですから、これは厳しい。
 そういう中で日本は「拉致が最優先だ」と安倍さんが言っている戦略が通じるかどうか。その前に何が起きるか分からない。これだけおかしくなると、例えば金正恩の警備だっておかしくなる。形式的にはすごく厳重な警備をやっています。しかし、それぞれの人間はみんなやる気がない。警備をやっている人の中に、金正恩にすごく恨みを持っている人間が入ってきて暗殺が起きるとか。
 組織的なクーデターはまだできないと思います。突発的な暗殺なら起きる可能性があるなと思います。国家や党や軍の機能がシロアリにやられているんです。建物は建っているが内部から浸食されている。いつガタガタと崩れるか分からない。今までの常識が通じない国になってしまったんだなと。
 もちろん韓国もおかしくなっていますが、韓国だけがおかしいのではなく、北も相当おかしいというのが今回の「兄貴殺しテロ」で分かったことです。
 そういうことも前提にしながら、何とか実質的協議のパイプをつないで被害者を取り戻すということを今年中に実現したいと思っています。可能性は十分あると思っていますが、何もしなければ拉致の旗は飛んでいってしまう。拉致の旗を固く持って、「最優先だ」と言い続ければ道は開ける。我々が何をするかにかかっている。
 本当に是非助けてください。我々はやれることをやろうと思っています。お金の面でも動員の面でも、ここにいる皆さんが我々の運動の中核ですから。今年本当に全員取り戻せると思っていますし、そのためにやれることがあると思っています。今まで以上に集会に人を集めること、関心を持ってくれる人たちを増やすこと、そしてできればカンパをしてくれる人たちを増やしてほしい。署名ももっと集めてほしい。心からお願いいたします(拍手)。

  
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国民大集会「もう我慢できない。今年こそ結果を!」
「もう我慢できない。今年こそ結果を!」。2月2日に家族会・救う会合同会議で決めた今年の運動方針です。 拉致被害者家族の高齢化が進み、「生きている間に被害者に会えないかもしれない」という言葉が出るようになっています。経過はすべて説明して頂くことはないと思います。しかし、今年中にぜひ結果を出して欲しいということが、家族会・救う会そして心ある日本人の心の底からの叫びだと思います
2014年4月27日午後2時午後5時 日比谷公会堂
東京都
千代田区
日比谷公園1-3