救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

第39回「人民軍指揮官・政治委員講習会に見る金正恩の健康不安と軍の動揺」




みなさんごきげんよう。救う会テレビ、救う会全国協議会会長西岡力です。今日で第39回になります。令和3年8月7日に収録しました。
 今日のタイトルは、「人民軍指揮官・政治委員講習会に見る金正恩の健康不安と軍の動揺」と題してお送りいたします。
 7月24日から27日にかけて、千数百人の全国に布陣している軍の連隊長以上の指揮官と、共産党の軍隊ですから政治委員というのがいるんです。その人たちが全員、平壌に集められて、4日間講習会をやって、そして最後に宴会をやって、そして次の日、金正恩お気に入りの歌手のショーを見たということがありました。
 全軍の指揮官が集まりますから、その時戦争が始まったら戦争ができたのかと思ってしまうんですけど、それくらいのことをしなきゃならない何かの理由があったんですね。これは第1回目ということで、金日成の時も金正日の時もやってないことなんです。

◆金正恩の後頭部に絆創膏

 まずそこで、一部の専門家に注目されたのが、そこに金正恩氏が出てきたのですが、彼の頭の後ろに後絆創膏のようなものがあった(テレビ画像参照)。なんなんだこれは、となったのです。
 そして4日間の講習会の最後の日は絆創膏を取って出てきた。そうしたら黒い何か炎症の跡のようなものが写っていた。
 その直後ですね、7月のこの講習会が終わった後ですね、友誼塔と言って、朝鮮戦争に中国の人民解放軍が参戦した。その参戦を記念する塔があるんですけど、金正恩がそこを参拝しました。その時の写真では、その黒いものがないんですね。
 それは一時的なものだったんじゃないか、では何なのか、色々な憶測が飛んでいるんですが、私が聞いたのは、血管炎という病気だそうです。様々な原因があるそうですが、血管が炎症を起こして、様々なところであざみたいなものが生まれたり、あるいは隆起が起きたりするということではないか、と。その原因は、金正恩氏の場合は糖尿病の合併症が出ていることなのではないかという話を聞きました。
 また別途ですね、韓国で北朝鮮と繋がっている人権活動家で、ユーチューブをやってる人たちによると、「腫瘍ができてるようだ。但し良性か悪性かまだわからない」。「脳腫瘍でそれについて治療をした」、「その治療の後がちょっと黒く出たんだ」と。X線か何かをかけて小さくすることをやったのかもしれません。そういう情報があります。
 元々、「10キロぐらい痩せた。それは糖尿病が悪化してこれ以上放置しておくと命に関わるということで胃を切除する手術をした」という情報も。これについて今、様々なところから少しずつ情報が出始めています。
 そして聞いたのはですね、中国の八三一病院の医師が呼ばれたということです。「中国は今金正恩の健康に不安があることを知っているということで、中国軍が国境付近で活発な活動をしている。あるいは、大量の難民が出てくることを想定して難民収容所の整備を始めた」という情報があります。
「中朝関係がそういう点で緊張していて、金正恩も自分の健康悪化を利用して中国が介入するんじゃないかと、中国に対して警戒心が強い」という情報もあります。

◆軍に「欠点」があると金正恩が認める

 一方、その会議で金正恩も出てきて、報告をしたりしたんですけども、その公開情報でも、「軍に欠点がある」ということを認めています。
 例えば人民軍の軍事・政治幹部が今回講習会をした理由はですね、「欠点と偏向を克服するための方途を見出さなければならない」。そして金正恩の報告では、「党の軍事路線と政策を貫徹するための、各級部隊と軍事・政治幹部の活動で現れている主な欠点とそれを生じさせた原因が具体的に分析された」と言っています。

◆「史上初めての試練」「試練が厳しい」と認める

 また金正恩は現在の状況について、「史上初めての挑戦と試練が重なっている」。また「一瞬一瞬を断固たる決意で切り抜けなければならない」。「今日の試練がいくら厳しいといっても、指揮官、政治活動家が労働党の不屈の革命闘争精神を強い意志で生き、闘っていくなら、乗り越えられないことはない」と。
「試練が厳しい」と言ってるんです。「欠点がある」、「史上初めての試練が軍にきている」と。

◆米韓軍の軍事演習が脅威であると認めた

 そして、「敵対勢力が狂信的で、執拗な各種侵略戦争の演習を強化している」。実はこの直後に韓国との間の電話線をつなぎました。韓国側は大変喜んで、「南北首脳会談がまたできるのではないか」と言っていたら、金与正氏が出てきて、「喜ぶな」。「軍事演習を止めなさい。軍事演習をやめなければ南北関係は全く良くならないぞ」と脅しをかけました。そしたら韓国の国会議員が70人以上で声明を出して、「軍事演習をやめるべきだ」と。
 韓国の国家情報院院長が国会の秘密会議で、「南北関係あるいは核問題を考えて軍事練習を止めるべきだ」と。情報を報告する人が、政策の提案をしたといって批判されている。

◆軍人の生活が困難であることを認めた

 もう一つ、先ほどの会議の金正恩報告で目に付いたのですね、「人民軍軍人の生活改善をしなければならない」と言ったことです。つまり生活が良くないということを認めているんです。
「金正恩総書記は、戦争に対する準備を完成する事業と軍人生活の改善に画期的な前進をもたらすとの確信を表明した」。戦争に対する準備と軍人生活の改善、その二つが今の軍の課題だと言っているんですね。
 あるいは、「人民軍軍人により改善された軍務生活条件を保障する上で提起される方途的問題を詳しく明らかにした」。つまり生活改善をする必要を認めて、金正恩がその解決策を示したと言っているわけです。つまり軍人の生活が今悪いということを認めた。
 先程言いましたように、初めて全国の連隊以上で大佐か中佐くらいまで集めているわけです。そして金正恩が直接出てきて話をして、一緒に写真を撮り、講習会が終わった後宴会を開き、飲み食いさせて、次の日金正恩が大好きな歌手で金オクチュというのがいるんですが、その楽団のコンサートを見せて帰した。「軍人を大切にしてるんだ」というメッセージを出したのですね。
 前回、「軍の元帥二人が金正恩に非常に怒られて、重大事件を起こしたと言って一人は軍籍を取られた。一人は次帥に下がった」という話をしましたけども、その理由が、「軍が持っている戦争備蓄米を住民に配れ」と言ったけれど、もうすでに備蓄米がなくて、それを金正恩に報告できないので米を密輸しようとしたという事件があったという話をしました。
 そのことを聞いた軍人たちは、「俺たちのために食糧を配ってくれた軍のトップを粛清しようとするのかといって、不満が高まっている」という話がありました。そういうことを察知して、「いや軍人の生活についても関心があるんだ」と。今試練が来ている。欠点もあるけれども最高指導者は軍人の生活が苦しいということも、戦争準備だけじゃなくてちゃんとわかっているんだということを示す、そういう必要があったのではないかということが分かるわけです。
 一方絆創膏を貼って出てきた。そういう政治的な必要があるから金正恩氏が出ざるを得なかったわけですけども、その時何かがあって絆創膏を貼らざるを得ない状況が彼の身体に現れたということで、「人民軍指揮官・政治委員講習会に見る金正恩の健康不安と軍の動揺」、その二つのことを我々は知ることができたということではないかと思います。
 内部矛盾の高まりは依然として続いています。この内部矛盾の高まりは制裁の結果もたらされている。内部矛盾の高まりを拉致問題解決にどう利用するかということを考え続けていきたいと思っています。
ありがとうございました。

以上


  
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