救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

第22回「中朝関係悪化 8月25日から国境完全封鎖」



 みなさんごきげんよう。救う会テレビ、救う会全国協議会会長の西岡力です。
今日は令和2年9月8日午後7時半です。
 今日はここの?にあります、「中朝関係悪化 8月25日から国境完全封鎖」と題してお送りいたします。

◆経済制裁、コロナ、水害

 前回「5重苦」という話をしたと思いますけども、それにもう一つ加わって「6重苦」になった。それが中朝関係悪化の8月25日からの国境完全封鎖であります。
 もう一度、その5重苦+1を振り返っておきます。
 経済制裁の結果、独裁政権維持に必要な外貨を扱っている党の39号室資金が枯渇している。
 これは安倍政権が、トランプ政権を誘導して行なった制裁の結果であります。私たちの努力の結果なのですが、?と?はですね神様が私たちを助けてくれたと言えると思うのですが、疫病というのは私たち人間の手には負えないわけです。今年世界中でコロナが蔓延していますけれども北朝鮮でも大変蔓延しています。
 それだけではなく、日本で集中豪雨を降らせた梅雨前線が8月になって朝鮮半島に北上していきまして、まず梅雨前線が大雨を降らせた。
 その後ですね、台風の8号、9号、10号が、すべて普通は偏西風にあおられて九州から東に曲がるのですけれども、今年は全部直進して一週間おきに朝鮮半島を直撃している。これも我々が願ってできることではないのですが、そういうこと起きている。
 実はですね、先日横田早紀江さんと少しお話をしたのですけども、私も早紀江さんもキリスト教信者なので聖書の話になるのですが、聖書の中にですね、「出エジプト記」というのがあるのですね。
 イスラエル民族がエジプトの寄留民としていじめられていた時にですね、モーゼがイスラエル民族を率いてエジプトから出て行く。だから「出エジプト」なのですが、なかなかエジプトの王様は出さないのです。
 そしたらですね虻が出てきたりですね、蛙が出てきたり、あるいは雷が鳴ったり、最後には疫病でエジプトのすべての家庭の長男、それから全ての家畜の長子がみんな死んでしまう。イスラエル民族だけは生き残ってそれで出ていけということになる。
 今金正恩が大変頑なで「死んだ」と言われためぐみさんたちを出さないのですが、
 それで先に圧力をかけた話し合いをするという戦略は安倍さんが立てて、経済制裁が効いていると言いましたが、この?と?は我々が出来ることではないのですね。
 特に?の台風が1週間おきに北上した。これは科学的に言えば海水温度が上がっているということなのですが、今までなかったことが起きていると言うことであります。

◆金正恩の健康不安、反体制勢力の活動が活発化

 そして何回も申し上げてきましたけど、金正恩の健康不安がある。それからひとつ飛ばして住民と幹部の中で不満が高まっていて、反体制勢力の活動が活発化しているということです。
 最近聞いたのではですね、住民の中でですね、この台風が沢山来るものですから、「金正恩政権を天は見捨てた」という噂が広まっているそうです。
 儒教思想がある北朝鮮ではですね、王様の徳があれば天変地異は起きない。天変地異が起きるのは王様の徳がなくなったから、という思想があるのです。天が金正恩を見捨てたと。なぜなら台風が毎週のように来ている。
 金正恩氏はですね、「台風に備えるぞ」と言って労働党の会議を開き、幹部たちを送って準備をさせ、そして人命被害が出たからといって現地の幹部をクビにしたり、「平壌の党員30万人全員が復旧作業にあたれ」と命令したりしていますが、お金がないので人は動員できるが資材はない。
 そしてその動員した人たちに食べさせるものがないので、被災地で動員された軍人が民家を襲うことも起きているとの情報があります。

◆中国側が北朝鮮との国境を完全に遮断

 そして今日お伝えするのが6重苦。この?ですけども、中朝関係が悪化しているということであります。私の最近聞いた情報によりますと、「8月25日に中国側が北朝鮮との国境を完全に遮断した」というのです。
 これまで北朝鮮側は、コロナウイルスが入ってくるのを嫌がって1月末に中朝国境を封鎖したという話をここでもいたしましたけれども、しかし最低限の必要なもの輸入はしていたわけですよ。
 平壌の病院を作るのに資材が必要なのですね。あるいは食用油とかですね。小麦粉とか北で作れないものは輸入していたのです。あるいは肥料なども買っていましたし、それから軍隊の軍服を作るための布とかですね、軍人が履く靴のためのゴムとか国産できないのです。そういうものも輸入していたのです。最小限ですね。
 ただ外貨がなくなったので、支払いを金の延べ棒でしているという話があると言っていました。
 ところが今度は中国側が完全に封鎖して物を売らなくなった。北朝鮮に今言ったようなものを売ることは国連制裁違反ではないのです。しかしそれをやめた。
 それからこの放送でも何回かいいましたけれど、石炭の密輸。これは国連制裁違反ですけれども中国は黙認していて、石炭の密輸をして、そして物々交換で食料を買ってきていると話をしましたが、それも今厳しく取り締まっている。
 何が起きたのか。中国が北に対して怒っているのです。これはファクトとして間違いないのですが、その理由についてはいろんな情報が飛びかっているのですけれども、私が聞いた内部情報によりますと、そしてこれは韓国のYouTuberの脱北者も話をしていますが、北朝鮮のハッカーたちが、外貨が無くなって世界中の銀行を襲っている。
 仮想通貨を襲っていることは国連の報告書に出ているのですが、それを黙認していた。つまり北朝鮮はネット環境が悪いですから中国に出てきて、そしてそういう作業をしているのですね。当初は旧満州、(中国の言う)(東北地方)でやっていたのですが、最近はバレてきたので中国の南方、香港の近くとか広東省とか、そういうところでやっているようなのです。
 しかしそういうことを中国当局は分かっていて一定程度やらせていたのですが、国際社会が警戒心を高めたのでハッキングがなかなかできなくなった。
 ところが今、中国人の共犯者と一緒に中国の銀行を襲っている。あるいはマカオとか香港の銀行を襲っている。ある韓国のYouTuberの脱北者人権活動家が言っているのは、被害金額は2億ドル相当だと。その仮想通貨を盗んだと。
 中国人の被害者が多数発生した。それで中国共産党が怒って、中国人の共犯者を捕まえているのですね。
 それから私の知り合いでも、北朝鮮の人と連絡を取ったりしている中国人の自宅に、安全局、中国の公安ですね、政治警察が入ってきて、その人を捕まえるのではなくてパソコンをみんな持っていった(押収した)。ハッカーと関係あるのではないかと。
 私の知り合いはハッカーとは関係ないから持って帰られても(押収されても)大丈夫でしょうと言っているのですけれど、徹底的に調べた結果どうもに200人ぐらいの犯人が今北に逃げ帰っていると。
 そのリストを中国が北朝鮮に突きつけて、9月末までにその200人を中国に送れと。そうしない限り中朝国境を完全に封鎖する。それだけではなくて、もっと中国怒らせることをしたのではないかという情報もあってですね、今探っている最中でありますけれど、とにかく中朝国境が遮断されているということです。これは大変なことで、これが続いたら本当に政権が倒れるわけです。

◆もう必需品も買えなくなった

 これを見ていただきたいのですけども、北朝鮮の貿易総額が2017年まで、これは国連制裁のかかる前ですね、17年にかかり始めたので若干下がっているのは国連制裁の影響がありますけど、18年、19年と徹底的に、北朝鮮から物を買ってはならないという制裁がかかったので、2015年、2016年は27億ドル,28億ドルあったのが2億ドル程度になっている。10分の1になっている。
 約9割の輸出がなくなったというのは、これは何回も申し上げてきたところでありますが、北は、それでも必要最低限の物は買わなくてはいけないし、北に物を売ることについての制裁は完全にはかかっていませんので、人道的なことがありますから食料品や医薬品や軍服の布とかそういうものは売れるわけです。国連制裁違反ではないわけです。
 しかし外貨がないから買えないということはあるのですが、しかし一定程度買っていた。それで貿易収支が赤字になって、どんどん外貨が無くなったということなのです。
 2019年も約30億ドル買っていたわけですね(95%は中国からの輸入)。必要なものがあるわけです。無理しても買わないといけない。では何を買っていたのかということですけれども、2019年を見ますと植物性製品これは穀物ですね。特に小麦粉とかは北では作れないのですね。
 それから油脂です。これは食用油などです。平壌で食用油の値段が高騰して買占めが起きている報道がありましたね。そういうものですね。それから鉱物性生産品これは燃料ですね。石油などです。これもなかったら軍隊を維持できないですね。それから肥料。肥料も北では作れないものが多いわけです。中国から買っているわけです。
 それからこの人造繊維というのは軍服に使うものですし、プラスチック、ゴムも軍人が履く靴の底などに使うものです。これらがなくなったら軍隊を維持できないということなのです。
 中国は制裁に協力すると言いながら最低限の物は売っていたわけです。でもその中国を怒らせてしまった。
 先ほどのハッカーの話が正しいとすると、なぜそのようなことが起きるのか。
 北朝鮮にとって自分で自分の首を絞めるようなことなのですが、つまり10月10日の労働党創建75周年までに平壌の病院建設を終わらせろとか、いろんな命令が出ているわけです。しかし外貨がない。
 そうするとそれぞれの部署に外貨を上納する。あるいは病院のこのフロアはお前たちの部署が作れと、命令が出ているわけです。
 ハッキング部隊にも上納金額の割り当てが来ていると思われる。しかし世界中の銀行が今、北がハッキングしているのは分かっていますから、厳しく監視するようになった。中国はまさか飼い犬が主人を噛まないだろうと思って少し安心していた可能性がある。
 しかし上納金を絶対作らなくてはいけないということで追い込まれて、中国人の共犯者を買収して一緒にやったのではないかと推測されるわけですね。

◆経済制裁が効いている

 つまり経済制裁が効いてきた。これは先ほど言ったこの経済制裁の結果、39号室資金の枯渇という、安倍政権そしてトランプ政権がすすめてきた国際包囲網の結果なのであります。
 そして台風10号も行きましたから今大変なことになっているということです。
 今、自民党の総裁選挙が始まりましたけれども、有力候補と言われている菅官房長官は、「安倍政権の政策を引き継ぐ。拉致問題の解決全力を尽くす」と言っています。そのために安倍総理が言った、「条件なしで日朝首脳会談を行う」という方針を引き継ぐと言っていますよね。これが正しいわけです。
 徹底的に追い込んで、出口に「核・ミサイルを廃棄しなさい、拉致被害者を全員返しなさい、そうすれば韓国にしたような経済協力が待っていますよ」と。
 もちろんそこにもう一つ人権問題の一定の改善も必要ですけど、こういうのが今の安倍政権が作った国際的枠組みですよね。それを中国が崩そうとしていた。
 なんとか中国の制裁破りを防がないといけないと申し上げてきたのですが、今中国が怒っていてですね中国さえも制裁をかけている状況で、韓国の文政権に対して、北朝鮮は逆に金与正が出てきて、「お前らは敵対勢力だ。水害が起きても対外的援助を貰わない」と言っているので、韓国との関係も良くない。
 北朝鮮からすると、韓国に対して「アメリカよりもこちらに来い」と。一部の人道支援ではなくて、「大々的な経済支援をすると文在寅が約束したのになぜしないのだ」と。そういう論理を北は持っていると聞いていますが、とにかく韓国からももう制裁破りはほぼ行われていない、という枠組みの中で、無条件で首脳会談をするという菅候補の政策は正しいと思います。
 一方、石破候補は前回の総裁選でも同じですが、「東京と平壌に連絡事務所を作る」と言っているのですね。「拉致被害者の消息を調査するのは時間がかかる。だから連絡事務所を作る」と言っているのですけど、時間はかからないんです。最高指導者が決断すれば出てくるのです。
 最高指導者が決断しないで連絡事務所を作ったら、「もう一度めぐみさんが自殺した木の枝が、前回はこの細枝と言ったがそれは間違いでしたこっちの太枝でした」とかですね。「骨を埋めてたのを掘り起こしたのが間違って、こっちでした。ここにいろんな骨が埋まっていますから一緒に発掘作業しましょう」と。出てきた骨をDNA鑑定して違ったら「もっとこっちじゃないですか」とか、そんなことをされるのです。
 まず最高指導者に、「あなたたちの出口はここしかありませんよ」と圧力をかけた上でトップ会談するしかない。安倍総理が作った置き土産が今機能する直前まで来ているというふうに思います。
 ついに中朝関係さえ悪化してきた。そして台風が毎年東に曲がるものが一週間に一つずつ直進して行っている。

◆「天が金正恩政権を見捨てた」と北朝鮮人民たち

「悪運が尽きた」、あるいは「天が金正恩政権を見捨てた」と、北朝鮮の人民たちが言っているわけですが、「拉致被害者を返しなさい」と天が言っているのではないか。「台風は神風ではないか」、というふうに私は思っています。
 ぜひ安倍政権が作った「先圧力、後交渉」というこの枠組みを生かして、次の政権が「全拉致被害者の即時一括帰国」という私たちの願いを実現してもらいたいと強く思っています。そのチャンスは来ています。
 今日は「6重苦に追い込まれる金正恩政権」、その中でも、「中朝関係悪化8月25日から国境が完全封鎖」というお話をいたしました。

 ありがとうございました。

以上


  
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