救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

第15回「日本人拉致の3類型?横田めぐみさん拉致を中心に」



 みなさんごきげんよう。救う会テレビ、救う会全国協議会会長西岡力です。
 今日は、令和2年7月13日、午後7時半です。

◆北朝鮮の日本人拉致の3類型

 この間ずっと北朝鮮の情勢を追いかけてきましたが、もう一度拉致の全体像に戻りまして、日本人拉致について分析していきたいと思っています。
 今日は「日本人拉致の3類型?横田めぐみさん拉致を中心に」という題でお話ししたいと思っています。日本人拉致には3類型があったというのが、私たちがこの間調査してきた結論であります。
 第1類型は遭遇拉致。拉致を目的としていない。工作員が潜入してきて、偶然遭遇した対象者に対して行う拉致であります。
 2番目が人定拉致。事前に拉致対象候補者に関する調査を行って、その人物を対象とすることを決定した後に行う拉致、人定拉致です。
 3つ目が条件拉致。「若いカップル」、「若い女性」などという条件に合致する候補者をその場で選定して行う拉致。事前に拉致対象者候補に関する調査を行わないのが特徴であります。
 この1(遭遇)と2(人定)については、この間ずっとあると言われてきたわけですが、私たち救う会(の北朝鮮)拉致全貌プロジェクトが、特に亡くなられたジャーナリスト恵谷治さんと一緒に、全国の拉致現場あるいは工作員の潜入脱出現場を回りながら発見した新しい類型、これが条件拉致であります。
 その条件拉致の代表例が横田めぐみさん拉致だとというのが私たちの主張なのです。

◆横田めぐみさんは「条件拉致」

 ちょっとこれを見てください。実は今日届いた冊子なんですけども、これは新潟日報社が今回横田滋さんが亡くなられたことを契機にですね、めぐみさんたちを救い出さなくてはいけないということを再確認する立場で出して下さった写真集であります。
「めぐみさん奪還運動全記録」となっていて、この表紙の早紀江さん、そして滋さんが大変若いのが分かると思いますけれども、これは平成9年ですね。一番最初に新潟で署名運動した時でして、まだ横田さんたちについてほとんど知られていなかったので、「横田めぐみ父」、「横田めぐみ母」という襷(たすき)をしているのですね。
 この中でですね、実はここに、「謎今なお偶発的拉致か計画的拉致か浮かぶ複数の可能性」というページがあります。
〈佐渡の拉致被害者曽我ひとみさんが、北朝鮮でめぐみさん本人から聞いたという証言がある。「曲がり角で男に捕まり空き地に連れ込まれて拉致された」。しかしどの曲がり角どの空き地だったのかは今もわからないままだ〉
〈亡命した元北朝鮮工作員がかつて〉、これは安明進さんのことですけども、〈拉致の実行犯で自分の教官だった人物の話を紹介した。「部下と共に上陸したが目撃され、やむをえず拉致をした」〉、これが遭遇による偶発的拉致説の原点であります。先ほど言った遭遇拉致ですね。
 しかしですね、当初私たちは安明進さんからその話を聞いていて、その可能性もあると思っていたのですが、どうもそれは違っていると(も)。(そこで)安明進さんも現場に行ってですね、「教官からそのように聞いたことは確かだが、13歳の少女を拉致してしまってあまりにも可哀想だったので、狙ったのではないと言いたかったので嘘をついたのではないか」というような話をしていました。
 実はその拉致現場ですね。めぐみさんがいなくなった時、通学路でここの角を曲がると自宅なのですが、この角まで警察犬が臭いを追っていたのですけども、それがこの辺りではないかと思われるわけですが、11月15日の、そのバドミントンの練習が終わった午後6時近くに行ってみると真っ暗なのです。
 つまり上陸してですね、無線機を使っていたところを見られたので連れてきたと言うけど、見えないですね。真っ黒ですから何をしているか見えない。ということで、「見られたから連れてきた」というのは、この暗さであったらありえないと言うことを、現場で同じ日に同じ時間に行って確認しました。従って遭遇拉致はありえないと思うわけですね。
 じゃあめぐみさんは狙われていたのか、さきほど言いました人定拉致だったのか。あるいは我々がいう条件拉致、若い女性という条件があって拉致されたのかということです。

◆近くで女子高生も狙われていた

 この中でもですね、〈事件当日は現場周辺で様々な不審なことがあった〉といってですね、〈女子高生がごつい顔の男2人組に後をつけられた〉ということがあったということをここにも書いてあります。
〈そして複数の専門家らと共に改めて当時を考えると、北朝鮮が何らかのターゲットを狙った計画的拉致だった可能性が浮かぶ〉と。
〈ただ仮にターゲットがあったとしても、それが若い女性(つまり条件拉致)だったのか、めぐみさんという特定人物だったのか(人定拉致だったのか)なお謎に包まれている〉というふうにこの新潟日報は書いています。
 でもここでも、私たちの主張の若い女性という条件だったのかということも入れているのですね。これは我々のところにも取材に来て、話を聞いたからでありますけども。
 そこでさきほど我々が注目したのがですね、その女子高生の件なのですけども、これをちょっと見て頂きますと、このバツ印のところが先ほど見た曲がり角であります。そして丸をつけているところが女子高生が二人の男に追われた場所なのですね。

 こっち側が海ですけど、女子高生はこの丸をつけたところの少し先にある、四角い建物がありますね、これが宿舎でここの宿舎に帰る。つまり陸側から海側に向けて歩いてたのですね。
 ちょうどめぐみさんが拉致される30分くらい前に時間帯ですけども。そしたら海側から二人の男が歩いてきてすれ違った。「なんか嫌な気持ちがした」と。それで少し早足で家の方向かった。ぱっと振り向いたら二人の男が後ろからついてきていた。つまりすれ違った後向き直って後ろからついてきたと言うのですね。「全く足音をさせないでついてきた」と。
 怖くなってその人は、テニスのラケット持っていたので、テニスラケットを握りしめて、何かあったら振り回そうと思って、走って自宅まで逃げ込んだ。「お母さん怖かったのよ」と言っていたというのですね。
 実はそのお母さんは早紀江さんとも知り合いで、早紀江さんは事件直後にこの話を聞いていて、このことについては警察にも話をしたということなのですけども、若い女性を狙っていたのではないか、そして逃げられたので今度は一本通りの反対側に来たのではないかと。
 そしてここで、線が赤い線と黄色い線が書いてありますね、まっすぐ逃げても海岸に行けるわけですけども、まっすぐ行くとですね、当時この海岸にアベックがいっぱい居たのですね。
 めぐみさんが帰ってこないので、早紀江さんは小学生の拓也さんと哲也さんと手をつないで、アベックが居る車に懐中電灯を突きつけて、「(めぐみのことを)知りませんか」と。嫌がられたということなのですけども、そのまっすぐ行くとアベックが居る所に入ってしまって見られてしまうわけです。袋に入れて担いでたりすればですね。
 それで林の中の道か、よこの道を走って、そして細い林の中の道から海岸に出たのではないかと我々は推測しているわけですね。その海の側の林の中の道から2人の男は出てきたわけです。

◆北朝鮮工作員は電波で「接線」していた

 もう一つ条件拉致だと思う理由はですね、実はこのめぐみさんが失踪する少し前、時間は分からないのですけど、でも失踪する前ですね、北朝鮮の工作船が新潟沖に来ていたのですね。そのことは電波情報でわかっていたわけです。
 つまり人定拉致だとするとですね、人定して、「捕まえることができました」といって連絡して、そして「接線」といってですね、取りに来てもらう時間を設定して、そこに合わせて行くわけです。
 久米裕(ゆたか)さんの拉致、原敕晁(ただあき)さんの拉致はまさにその通りでした。多分田口八重子さんもそうやられたのだと思いますけれども、その場合はその拉致した時にすでに船が来ているというのはありえないということもあって、条件拉致ではないかというように私たちは思っています。
 このことについてですね、他の拉致松本京子さん拉致や、あるいは次の年の地村さんたち、蓮池さんたち、また曽我さん親子、そして松本さん、市川さんたち拉致、富山の未遂事件などと比較することによって、余計明らかになるのでありますけども、今日はその日本人拉致に3つの類型があったということ、そしてめぐみさん拉致は当初言われてた遭遇拉致ではなかったと思われる。これは現場が暗かったからです。そして我々は条件拉致だと今思っているということについてお話いたしました。
(北朝鮮)拉致の全体像を知ることによって、一体どれくらいの規模で拉致が行われたのか、そして目的は何だったのかということが分かってきます。
 そして来るべき日朝首脳会談で、北朝鮮が新たな嘘をつくことを我々がすぐ見破って、全員取り戻すために絶対必要な作業だということで、この拉致の全体像の話をまた続けてしようと思っています。

以上です。今日はここまでにいたします。

ありがとうございました。

以上


  
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