第04回「金正恩に異変か-心筋梗塞で手術」
西岡 みなさんごきげんよう。救う会テレビです。前回は間違えて平成2年と言ってしまいましたが、すいませんでした。令和2年4月27日午後7時半です。4回目の放送になります。
前回に引き続いて金正恩異変説について、私がこの間に入手できた情報などについてお話しし、拉致問題の観点からこれをどう考えるべきか、皆さんと一緒に考えたいと思います。それでは質問をお願い致します。
問 4月11日以降金正恩が動画のような形でですね一切出てきません。これには何か情報がありますか。
西岡 第2回目、第3回目にもその話をしましたけれども、それから一週間ほど経って、未だに姿を現わさない。外国の元首に電報を送ったり、あるいは今日は国内の建設現場に感謝のメッセージを送ったという報道はありますけれども、動いてる姿がないわけですから、それだはどのような健康状態なのかについて分からないということです。
特に4月の21日から国際社会が大騒ぎしているのに元気であれば姿を現わして、「お前ら偽ニュースだ」と言ってもいいのにそれをしない。
それどころか、北朝鮮からすると「最高尊厳」と彼らは言ってるわけですけどもその金正恩が死んだとか、植物状態だという報道が出ているわけですから、北朝鮮の公式媒体が通常なら口をきわめて反論をして、「こんなことを言う奴は許さないぞ」と言うべきなのですけれどもそれがないということで疑惑が深まっているわけであります。
ちょっと整理してみたのですけれども、4月11日に労働党の政治局会議に金正恩は出席しました。この時は写真が出ています。
その後12日に、西海岸の空軍基地で空軍訓練を参観した。これは実は12日にあったということでなくて12日に報道されたのですね。しかし、11日には政治局会議に出たと日付付きで出ていますし、その次の日に放送されたので、12日にあったと見ても良いのではないか。
その後14日に今度東海岸で巡航ミサイルの発射事件があったんですね。金正恩は不参加。それどころか巡航ミサイルの発射実験があったのに北朝鮮のメディアは報道もしませんでした。
巡航ミサイルを打ったことは衛星などでこちらでも分かってるので日本でもニュースになりましたね。その後15日が金日成の誕生日なのに、遺体の参拝は不参加でした。
それから、16日頃からアメリカが金正恩異変情報を入手して、21日にCNNの報道があったということですけども、ここで赤く書きました。「元山で心筋梗塞ショック 北朝鮮医師が手術」。
◆金正恩は心筋梗塞で手術、療養中
今の段階で私が入手した様々な情報を総合して私が一番可能性が高いと思ってるのは、12日から14日の間でも、12日か13日に西海岸から東海岸に移動して、東海岸の元山で心筋梗塞のショックが起きて、突然起きたものだから外国の医者を呼べなくて北朝鮮の医者が手術をした。そして元山で今療養しているというのが、今の段階で私が入手した情報の中から一番可能性が高いということであります。
実は2月にも一度(心筋梗塞の)ショックが起きて、この時はフランスの医者が手術をしたというふうに言われています。ですから二度目ですから今小康状態で療養しているかもしれません。けれども元気な姿を見せることができないぐらいの病状だった。
まあ、死んだとかとか植物状態だというところまではいかないんではないかと思われますが、元気な姿を見せられない状態で、なおかつ2度目であるということですから、いつ3度目が起きるかもしれない。深刻な状態であることは間違いない。植物状態とか死んだということについてはほとんど裏付けはないということです。
◆中国には病状を知らせるな
もう一点だけですね、中国の医者が入ったという情報が「ロイター」、「朝日新聞」などで出ています。しかし、私が入手した情報では「それは事実ではない」というふうに北側が言っています。
実はですね、北朝鮮では今、「金正恩の病状を中国に一番隠せ」というふうに命令してるそうです。中国が北朝鮮内の親中派を使って金正恩政権が弱まったり、あるいは金正恩が権力を行使できなくなったら、その隙を狙って親中政権を作ろうとするんではないかと、今の金正恩・金与正(キム・ヨジョン)は疑っている。だから中国に情報を出すなと言って厳しく取り締まってる。
逆に中国は必死で今本当にどういう状態なのか知りたいと思ってるというやりとりがあるというふうに聞きました。
◆何かあった時の後継者は金与正
問 もし心筋梗塞というのが本当で、金正恩が死ぬとか、植物人間になるとかとなりますと、妹の金与正が後継者になるだろうと思われます。こうなったらどうなりますかね。
西岡 後継者が誰なのか、与正になるのかあるいは金正日の異母弟の金平一(キム・ピョンイル)だという説もありますし、集団指導体制だと言う説もありますが、金正恩は自分の健康状態が良くないということを自覚していて、与正を後継者にせよという作業を進めていたので、もう既に遺言のようなものができているので金正恩が植物人間になったり、死んだりしたら、これが今回起きてるとは私は思いませんけど、近い将来そういうことが起きた場合には、まず金与正がトップになるのは間違いないと思います。
そこでちょっと金与正についても整理してみたのですが、彼女は1989年の9月生まれ、30歳です。これはいろんな説がありますが、金日成大学の経済学部短期特設班を卒業した。彼女がここにいた時に、金日成大学にいたという人から聞いたという人から聞きました。ということで、これはかなり角度が高いと思っています。
そして、去年の12月末に労働党の中央委員会全員会議で、組織指導部第一副部長になりました。組織指導部というのは隠されていましたけども、組織指導部の第一副部長になったことは間違いない。
読売新聞によると、「その時金与正を後継者にすると決定がなされた」とも言われています。2月に、先程も言いましたように、金正恩が心筋梗塞でショックが起きてフランスの医者が手術をした。その後2月28日の労働党拡大政治局会議で、「尊敬する金与正同志」という呼び名を使ってもよい、使えという決定がなされた。
そして「尊敬する金与正同志の指示文」という文書が出るようになり、金与正の警護が金正恩並に格上げになった。
金与正を自分と同じように「モシラ」と言えとの金正恩の命令が出た。この「モシラ」という動詞はですね、北朝鮮では最高指導者に対してだけ使われる「お仕えする」という意味で、日本語ではちょっとないんですけど、韓国でもよく使われる動詞です。
最高指導者にお仕えしなさいという指示が出たということですから、自分の健康状態に自信がなくなって金与正を後継者に選んでいる。
金正恩の息子は今11歳と言われているのですが、正妻の息子ではなくて別の母親の息子で、その息子を与正が育ててるという情報もありますけれども、11歳ですから、今すぐ四代目に渡すわけには。だから妹しかいない。妹に権力を渡す準備をしているということです。
但し、私は与正に権力が渡されることは間違いないと思いますが、金与正政権が長続きするかどうかは未知数だと。例えば、毛沢東が死んだ時、四人組はすぐ逮捕されました。毛沢東の夫人などですね。金与正の権力は金正恩という最高指導者がいてその代理人という権力です。
そして彼女がたくさんの人を粛清したんですね。彼女が主導して粛清をした。これを見ていただきたいのですが、これは2016年5月の「労働新聞」です。
「労働新聞」は北朝鮮労働党の機関紙です。この写真はですね、この5月に労働党の党大会があったんですね。金正恩になって初めてやった大会です。そこで党の幹部が金正恩を入れて28人いた。金正恩なしでは27人選ばれたのです。そのうち今残っているのは10人です。
バッテンをつけてる人は完全に粛清された人です。収容所に入れられたとかいう人です。それから斜め線になってる人は高齢ですからそのまま亡くなった人を含めてとにかく27人が10人になった。この大粛清をやったのは金与正です。
そういう人ですから恨まれている。だから、今後の金与正政権にあるタイミングでなるだろうが、その後どうなるかは未知数だというのが私の今の分析です。
問 なるほど。そうするとこのことが拉致問題に与える影響はどうなるでしょうか。
西岡 とにかく今の安倍政権、そして我々の戦略は、圧力をかけて話し合いで安全に取り戻すということですが、圧力っていう点で相手が不安定になればなるほど圧力が効いてくるわけですから、コロナの事態が一定程度安定した時に秘密交渉がまた始まる可能性は高いと思いますが、一方で政権が動揺する中で交渉相手がいなくなってしまい混乱が起きるという事態もあり得ますので、今一番大切なことは内部から情報をとるいうことですね。
金正恩の健康についての情報ももちろんですが、それよりももっと我々の観点からすれば、横田めぐみさんや田口八重子さん、増元るみ子さんや有本恵子さんたちが今どこにいるか。所在情報です。
生存情報はあるんです。今現在どこにいるかという情報がなければ、大混乱が起きた時助けに行けませんから、それを是非取ってほしいと強く願っています。また皆さんにお会いしたいと思います。今日はここまでです。ありがとうございました。
以上