救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会



◆13年しか育てることができなかった

横田早紀江(横田めぐみさん母)
 皆様、こんにちは。早くから拉致問題を解決するための活動を皆様に助けていただいてきましたが、なかなか進行しませんし、被害者の声も聞くことができません。私たちは、子どもたちが暖かい身体で生まれてきて、そして親が一生懸命に愛して育て上げてきました。めぐみは非常に明るく元気な子どもに育ってくれまして、たくさんのお友だちと仲良く暮らしていました。しかし13年しか育てることができませんでした。
 夕方暗い時に、「今日は遅くなるとは何も言っていなかったね」と子どもたちと話しながら、めぐみは一体どこで何をしているんでしょうねと家族で心配をしていましたが、その時めぐみは拉致をされていたのです。
 曲がり角から2軒目が私の家でしたが、その角の大きなお屋敷の2階に女子学生が部屋を借りて住んでいました。その方が、「助けて!」という短い一声を聞かれたのは確かです。それは後から分かってびっくししました。子どもたちが一緒に帰りながら倒れたのかと思って、窓を開けたのですが、「誰もいないな」と思ったそうです。「何だったんだろう」といつも思っていたら、翌日から、隣の家の子どもが帰ってきていないという大騒ぎがあり、警察にもお報せしてくださいました。そういう色々のことが重なっています。
 私たちは、他国がこの国の順良な人間を、自分たちが必要な人間を黙って拉致をしていること、そして拉致した人たちを大きな船に運んで連れていくとか様々なやり方がありますが、その頃はそんなことが起きているとは信じることができませんでした。今も信じられないくらいのことを平気でしている国があったのかと、本当にしみじみと思います。
 元気だっためぐみが車に連れ込まれて、どこに連れていかれたのかは分かりませんが、このことをあばいてくださった安明進さん(元北朝鮮工作員)がめぐみのことを話してくださったのですが、「船の中の部屋であまりにも大きな声で泣き叫ぶので船底に閉じ込められ、長い時間泣き叫んで、見ていられないような嘔吐があり、手で壁をかきむしって爪がはがれそうになり、あちらに着いた時は指が血だらけだったということを聞いています」ということでした。
 なんと残酷なことをするのでしょう。それはめぐみのことだけではありません。たくさん連れていかれた一人ひとりの残酷な思い出が積み重なって今日まで来ています。自分のお子様が、あるいはご兄弟がそういう目にあっていたらどんな思いだろうかと、思います。北朝鮮にたくさん連れていかれた親御さんもいらっしゃると思います。
 これは日本国家の問題であり、父母のそれぞれの思いでもあります。どんなに親がめぐまれようが、大事な子どもたちを連れ帰るまで誰でも頑張ると思います。その方が集まってこんなに大きな動きが出来上がり、国民の多くの方々が何年も救出活動を続けてくださっています。今も雨の日も雪の日も、「子どもたちを助けてください」と言いながら、自分のことだったらどうするだろうという思いで助けて下さっていると思っています。
 岸田総理大臣で12人目の総理大臣を迎えました。これだけの立派な総理大臣が長い間、日本の国のためなら何でもすると私たちと心を合わせて、こんなことは許せないという思いでこちらのことをしっかりと向こうに伝えてくださいましたが、どうして救出ができなかったのだろうと私はいつも話をさせていただいています。
 もう恥も外聞もありません。ただ一人の母として、何とかして、あんなに元気で生まれて、みんなと仲良くしていた子どもを助けたい。いじめで学校にいけなかった近くの男の子を「誘ってあげなさい」と言うと、毎日その子のビルまで走っていって男の子を学校に連れていってあげたりしていました。
 先日も新潟でクラスメイトが、「何とかしてあげたい。居ても立っても居られないんだ」という思いで頑張ってくれていますが、その男の子が今校長先生になっているんです。本当にかわいい男の子でした。その人と話すと、「本当にめぐみさんのことを思うと涙が出るんですよ」と。それにまた周りが感動して、「先生は偉いね」と。
 人間のつながりというものは禁止できるものではありません。母の思いも変わるものではありません。そのことに尽きると思っています。今日まで助けることができなかったことは、本当に悔しいです。どんな女の子に、何になっているんでしょうね。勉強も好きでした。本も好きでした。歌を歌っているかもしれません。色々なことを思いながら、あんなに元気で頑張てくれたお父さんがもういない。今は小さな箱の中に静かに眠っています。
 やはり生きている間にできる限りのことをしなければならないという思いをいつも持ちながら、お父さんの箱をなでています。「今日も行ってくるからね。総理大臣も頑張ってくださっているよ」と声をかけています。
 日本は必ず素晴らしい国に変わっていくと思います。北朝鮮が返さなければいけないと、早く気づいてくれればいいなと思いながら今年も頑張っていきますので、これからも宜しくお願いいたします。本当にありがとうございました(拍手)。


  
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