救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

米朝協議と拉致問題?東京連続集会102



◆アメリカは人的な情報で濃縮ウラニウム工場を突き止めた

西岡力(救う会会長)
 もう一つ。アメリカの情報機関はすごいなと思った例があります。先ほどミサイル発射実験場や核爆発実験場を壊したのは意味がなく、濃縮ウラニウム工場を壊さなければいけないといいましたが、そのためにはどこに濃縮ウラニウム工場があるのか、ミサイルをどこで作っているのか申告しろと言っている。
 申告しろと言ったことについて、先ほど島田さんが、ポンペオさんが平壌に行って申告しろと言ったのを、向こうは「強盗のようなこと」と書いた。「申告」と言ったら、「強盗だ」と言ったのですが、北朝鮮は深刻してないわけです。
 色んな問題がありますが、一番の問題は、争点の一つは濃縮ウラニウム工場です。プルトニウムは原子炉で燃料を燃やさないとできませんから、原子炉を地下に作ることはなかなかできないのです。またある場所が分かってしまう。
 しかし、濃縮ウラニウムは電気さえあれば、遠心分離機を回せばできる。北朝鮮には、世界一とも言えるくらいの天然ウラニウム鉱山があります。そして濃縮ウラニウムは今も作っている。ではどこで作っているのか。
 寧辺にあると言ってヘッカーというアメリカの学者にそれを見せたのです。8000本の遠心分離器があった。それは見せるために作ったもので、実際に作っているところは別ではないかということです。
 私も色々な話を聞いていて、平安北道の泰川(テチョン)、水力発電所のすぐ近くです。あるいは平安北道の亀城(クソン)、博川(パクチョン)のあたりに穴を掘っているところがある。そこでやっているんじゃないかという噂もある。情報機関はそこを調べてみた。私もその話を聞いて、まだやっているとして3つの地名を論文に書いたりしました。
 だまされていました。そこではやっていません。それが今回ソウルに行って分かりました。調べてみたら、意図的に穴を掘り噂も流していたけど、そこはダミー。どこでやっていたかというと、降仙(カンソン)です。アメリカのメディアは降仙に濃縮ウラニウム工場があると書いています。今は千里馬(チョンリマ)という名前に変わっています。
 降仙製鉄所という所がありますが、1950年代に金日成がそこに行って、増産を命令したら増産に成功した。これは千里走る馬のような増産だということで、製鉄所の名前も千里馬製鉄所に変え、地名まで千里馬に変えました。平壌のすぐ南にあります。
 そこの地上でやっていた。そうアメリカのメディアに情報がリークされ、衛星写真も出ました。製鉄所のすぐ近くでやっていたから建物が増築されても分からないんですね。穴を掘っているとおかしいということになるんですが、地上でやっていた。
 ではなぜ地上でやっていたことをアメリカは分かったのか。衛星では分からない。室内は写りませんから。人的な情報があるんです。この降仙でやっていたのは間違いないと思います。
 それを2000年代初めくらいから分かっていたようですが、わざわざ今リークした。「知ってるんだぞ」と。「申告しなさい」というと、「強盗的」というから、じゃあこっちが申告してやる、ここでやってるんだろう、と。
 これが正しかったら向こうも大変ですよね。アメリカは一体どこまで知っているんだ。誰がリークしたんだ、と。そういう点でもアメリカは手を緩めていない。かなりのことを知っているということが分かります。
 だから、「マクシマム・プレッシャー(最高度の圧力)」はかけ続けます。それを緩めるのが中国と韓国だとすれば、そこをきちんと見張ります。見張る手段としてセカンダリー・サンクション(二次的制裁)があります、と米軍関係者は私に言っていました。
 だから簡単にアメリカはだまされてはいない。トランプ大統領のツイッターと記者会見だけ読んでいると、頭が痛くなるんですが、実際の政策だけを追っていると、「これは信用できる」と思うんですね。
 もちろん最終決断するのは大統領ですから、不安がないわけではないですが、トランプ大統領はディール(取引き)をする人だから本音が何なのか分からないけれども、分からないようにしているということもあるかもしれない。
 少なくとも、軍事的な圧力を一時的に緩めたが、経済的な圧力は全く緩めていない。韓国と中国が緩めようとするのをきちんと見張っているというのが今の状況です。そして北の住民たちは外交がうまくいっているというのになぜ生活がよくならないのかと思っている。
 そして向こうから見ると、100億ドル出るところがあるということに、今なっています。


  
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