救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

政府に今年中の全被害者救出を再度求める国民大集会報告



◆米朝会談の結果、3つの可能性

西岡力(救う会会長)
 米朝会談は勝負です。可能性は3つあります。第1の可能性はアメリカが中途半端な譲歩をしてしまうこと。アメリカまで届く大陸間弾道弾や潜水艦発射ミサイルだけ廃棄する。核については段階的な廃棄、というようなことで譲歩してしまって11月の中間選挙で、「アメリカ本土の安全を守りました」と言う可能性がありました。
 しかし、「そんなことは絶対ダメだ」と言っているジョン・ボルトンさん。我々はボルトンさんに6回以上会っています。2003年に会った時は、拓也さんが「13歳のお姉さんが拉致されたんだ」という話をしたら、ボルトンさんは顔を真っ赤にして、「うー」と言って怒りました。
 そういう熱血漢が安保補佐官になりました。安保担当補佐官というのは昔のキッシンジャーさんみたいに、アメリカの外交安保政策の事実上の最高責任者です。彼は拉致問題を深く理解している。そして核についても、「中途半端な譲歩はだめだ」とずっと言ってきた人です。
 その人を、米朝首脳会談が決まった後に補佐官を変えて就任させたというのは、第1の可能性は相当低くなった。やらないということです。もしも、ジョン・ボルトン氏が補佐官でいる中で中途半端な譲歩をしようとしたら、彼は辞表を出すと思います。そういう人です。
 2番目の可能性は、何か。北朝鮮が大幅に譲歩してくることです。いわゆる「リビア型」というんですが、アメリカの情報機関、CIAが査察する。数か月ですべて撤去する。完全に撤去するまで見返りを与えない。この「リビア型」を呑むかもしれない。
 2003年に、リビアのカダフィさんは、今言ったことを呑みました。そしたら2011年まで8年間生き残りました。サダム・フセインさんは、毒ガスをもっていなかったのに、振りをして、査察を受け入れなかったら2006年に死にました。
 金正恩が冷静にそのことを判断できれば、ボルトンさんが入ったという意味も含めて判断できれば、私は皆さんと同じように北朝鮮は信用できないとずっと言ってきた男ですが、第1の可能性がないとすれば、彼が生き残るために何を選択するかということで、譲歩が起きるかもしれない。
 その時に、「それでもだめだ」と言わなければならない。「リビア型」というのは「検証可能で不可逆的な完全廃棄」ですが、それでもだめだ。「全拉致被害者の即時一括帰国」、この2つが起きるかもしれない。
 3つ目の可能性は決裂です。即緊張が高まるでしょう。そういう中で被害者の安全をどう保つのか。秘密裏に様々な準備をしておかなければならない。そのための情報が必要ですし、どこに被害者がいるのかについて、必死で集めなければならないという緊急の課題があります。
 我々の前に3つの道がある。しかし、中途半端な道はボルトンさんという関所の鬼がいて、そっちは通さないと言っているから多分大丈夫じゃないか。我々も総理ほどではないかもしれませんが、5月の連休に拉致議連の先生方と一緒に、家族会・救う会・拉致議連で訪米して、加藤大臣も行かれる予定だと聞いていますが、協力してアメリカの実務レベルの人たちに働きかけていきたいと思います。中途半端な譲歩ではダメだ、向こうが弱まっているんだ、と。
 本当に正念場中の正念場ですが、鉄の球を持って来て20年経ったら頂上が見えてきたんじゃないか。でも見えてきただけじゃだめなんです。本当に取り戻さなければいけない。何もしなければ勝てない。これだけは確かです。全力を尽くせば道は開ける。半年前と比べて、我々は高く上がってきた。自信を持って、これから数か月の勝負に臨もうではありませんか。そのためにも、「全拉致被害者の即時一括帰国」なしに、我々の怒りは解けないと、国民の強い怒りが必要です。一緒に頑張りましょう(拍手)。

櫻井 西岡さん、ありがとうございました。では次に、塚田一郎さんに私たちの決議案を朗読していただきたいと思います。塚田さんは拉致議連の事務局長です。宜しくお願いします(拍手)。


  
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