北朝鮮食糧問題最新事情 2013/14及び2014/15報告について
◆食糧の流通だけは独裁が通じない
北朝鮮の労働党は、2014年9月から、闇市での食糧や物品の売買を禁止し、国営の「糧穀販売所」でしか売買できないようにした、と報道された(聯合2014.10.16)。違反すると米が没収されるため住民の反発が高まっているという。
北朝鮮はこれまでも給料を100倍にしたり、通貨を切り替えること(デノミ)で、「改革」を行ってきたが、失敗ばかりが続き、結局闇市場に負け続けてきた。
北朝鮮国内では北朝鮮の通貨は信用されないため闇市での流通はほとんど中国元、米ドル、ユーロの外貨で行われているという。「チャンマダン」と呼ばれる闇市の存在が大きくなりすぎ、国家統制を行おうとしても、これだけは独裁権力をもってしても抑えることができないのである。
闇市を利用してこられた人だけが飢餓の時期も生き残っただけに、生死がかかる闇市問題だけは人民も引くにはいかない。おそらく今回の闇市の禁止措置も、いずれ黙認せざるをえなくなるだろう。そうしなければ、政権への忠誠心が益々低下し、反感だけが高まるからである。
以上