救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83 全記録



◆朝鮮総連中央本部転売には強い疑惑が

西岡 ストックホルム合意では、「随時報告する」となっていました。1回目の報告がないのだから、倍返しは7月まで待つという議論もあると思いますが、解除した3つの制裁の中で、特に総連の幹部たちの自由往来をもう一度止めるべきだと思います。なぜなら、「随時報告する」と言って半年経っても1回目の報告をしていないからです。
 3月になれば、9か月経っても1回目の報告をしていないことになり、それは彼らが言ったことに違反しているからこちらも元に戻さざるを得ないとして、3つの内1つ、許宗萬たちは行かせないとか、4月の最高人民会議に行かせないというのは1つのメッセージになるのではないかと私は思っています。
惠谷 全くその通りだと思います。いずれにしろ現状を打破するには、日本側から何らかのアクションを起こして向こうを動かすことしかないと思います。
西岡 そこで、12月の選挙で増元さんが出られて残念なことになったんですが、1つだけいいことがあります。自民党が公約した文書があります。拉致問題について自民党は、こう言っています。「拉致問題では第2次安倍政権発足以降、様々な機会をとらえて圧力をかけた結果、「過去の調査にこだわることなく新しい角度で再調査を行う」と北朝鮮に約束させ」たと。圧力の結果再調査を約束させた、と言っています。「日朝協議がスタートしました。これからが正念場であり、被害者全員を取り戻すために、あらゆる手段を尽くします」。
 これは古屋さんの口癖みたいですが、その次がいいんです。「拉致問題に進展がない限り、さらなる制裁緩和や支援は一切行わず、制裁強化を含めた断固たる対応をとり、被害者全員の早期帰国を実現します」。自民党は、制裁強化を含めた断固たる対応をとると言っているんです。
 これが国民の信を得たわけです。「拉致問題に進展がない限り、制裁強化を含めた断固たる対応をとる」と言って勝ったわけです。それなのに、いつやるかということをなぜ示さないのか。
 政府が言うとすぐ政策になりますが、その前に、超党派の国会の議連で言ってもらう。この前も古屋前大臣、自民党の拉致問題対策本部長に言ったんですが、「これを言ってください」、「制裁強化を含めた断固たる対応をとると言って選挙に勝ったのですから、この通りやっていただきたい」と。公約を守れということを強く迫るべきではないかと思っています。
 ところが、「拉致問題に進展がない限り、さらなる制裁緩和や支援は一切行わず、制裁強化を含めた断固たる対応をと」るという公約からして、少しおかしいのではないかと思われることが今我々の目の前で展開されているんです。朝鮮総連中央会館問題です。
 競売が完了して、マルナカホールディングスという会社が土地と建物の所有権を持った。ところがそのマルナカが山形県にある資本金300万円のグリーンフォーレストという会社に転売した。今日登記が終わったようです。金額は44億円。
 資本金300万円の会社が、44億円のお金をどこから調達したのかと思っていたら、同じ朝鮮総連の施設である朝鮮出版会館、これは文京区にあるんですが、これが1月23日に売却されている。売却金額は17億円と報道されている。
 そして、グリーンフォーレストに所有権が移ったという登記をみると、朝鮮出版会館を所有していた白山出版会館管理会が、朝鮮総連中央会館に抵当権をつけていた。つまり売却で17億円を得た会社が、グリーンフォーレストに金を貸したということが謄本から分かる。
 資本金300万円の会社が、44億円を出せた裏には、出版会館の代金が払われていたのではないかという疑惑があったんですが、金額は出てきませんが、謄本からも一定程度その流れが証明された。これは大変不明朗だし、自民党の公約にも反することだと思います。
 この朝鮮出版会館は、実はいわく因縁がある土地建物です。1993年3月の雑誌「AERA」に、朝銀信用組合を使った北朝鮮への不法送金問題への記事が出ています。その舞台が朝鮮出版会館です。その記事が出た後、朝日新聞に朝鮮総連は激しく抗議しました。朝鮮出版会館には、つぶれた拓殖銀行が30億円融資していて、住銀リースが15億円、計45億円の融資がされていたんですが、それでだいたい担保価値くらいになっているんですが、今17億円でしか売れないところが45億円も借り入れており、その上朝銀大阪が30億円、朝銀東京が17億3千万円、朝銀神奈川が10億円、計57億3千万円が融資されています。
 お金を借りている側に「AERA」が取材したら、「返す意思はない」と言っている。その内の一人が韓光熙です。朝鮮総連の職員で、「自分が北朝鮮に金を運んだ」と言って「文芸春秋」から本を出した人が借主だった。
 計102億円の不良債権があって、出版会館は一度競売にかかっています。そして4億7880万円で入札された。誰が入札したのか。今所有しているのは有限会社白山出版会館管理会ですが、結局、朝鮮青年同盟とかミサイル技術を提供したことで有名な科学技術者協会、朝鮮新報社などがずっと使い続けているわけです。
 朝銀という朝鮮総連がもっている信用組合が、出版会館を担保に、総連系の人間に金を貸して返さなかった。公的資金が入って補てんされました。担保がついているから競売された。102億の担保がついているのに、5億円で朝鮮総連が落として使い続けています。
 そして今回、5億円で落とした朝鮮総連が17億円でそれを売った。RCC(整理回収機構)は今、朝鮮総連中央本部を競売しました。マルナカが22億円払いましたが、その他に池口恵観というお坊さんが10億円払っていますから、計32億円回収したんですが、RCCが回収しなければならない総額は627億円です。だからまだ627億円のうち37億円しか回収していないんです。
 ここで一番問題なのは、朝鮮出版会館の所有者は白山出版会館管理会で、兆銭総連とは民法上法人格が別ですが、実態は一体です。そういう所に入札させていいのかという問題があります。今回の売却だけについていっても、17億円あるんだったらRCCに差し押さえをされるべきなのに、それがされていない。
 法人格は別だと言ってもその弁解は通らないんです。なぜなら朝鮮総連中央本部も登記上の所有者は朝鮮総連中央本部管理会という有限会社です。RCCは一体である、差し押さえを認めてほしいと裁判を起こして、最高裁で差押えをしていいことになったのです。
 じゃあなぜ、RCCは白山出版会館管理会に対しても裁判を起こさなかったのか、見逃していたのかという強い疑惑があります。
 ストックホルム合意に至る日朝協議の中で、宋日昊大使は日本のマスコミを集めて、朝鮮総連中央本部の問題が重大だと何回も言っています。それを言わなくなりました。特に、マルナカホールディングスに所有権が移った後、言わなくなりました。
 こういうスキームで総連に賃貸するということが決まっていたのか。RCCが厳しく対応しないということは、なんらかの政治判断が絡んでいるのか。安倍さんがこれを知っていて、「それでもいい」と言っているのか。強い疑惑を私は持っています。


  
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