救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「アメリカから見た拉致問題−東京連続集会74」全記録



◆アメリカ人なら軍事力を使って取り返す


 拉致問題というのは、オバマ政権にしてもブッシュ政権にしても、アメリカ政府にとって、あるいは国民にとって、自分の国の国民が外国に連れ去られていまもそこにいるという状態は非常に分かりやすいんですね。許しがたいことであり、それにどう対応するかは、明確だということになります。
 アメリカだったらどうか。先ほど申し上げたラリー・ニクシュという議会調査局の専門官は、「もしアメリカ国民が、すぐ近くにあるキューバ、百何十キロしか離れていないキューバのカストロ政権に拉致されていることがわかったら、アメリカは間違いなく軍事力を使って取り返そうとする」と、何度も述べたことがあります。
 それこそ国家観というか、先ほど申し上げたチャーチルの言葉と重なってくるわけです。しかし我々日本は、「とにかく武力はいけない。戦いはいけない」ということでずっときています。日本国民の人命救出の場合どうなのか、物理的な力を使うこと、つまり軍事手段で救えることがもし確実となった場合、それでも憲法の制約その他により日本政府はなにもしないのか。これは拉致問題によって提起された日本の国家の根幹に関わる課題ですよね。
 アメリカは歴史的にも、自国の国民が外国に誘拐された時、非常に敏感になって、国家全体で立ち向かっていく。
 古い例では、1904年、セオドア・ルーズベルト大統領の時、モロッコでアメリカ人の子ども、後で分かったのは実は元アメリカ国籍だったそうですが、その子がモロッコの軍閥のトップのような一派に誘拐されました。大統領は、それだけででもアメリカの海兵隊を送りこみ、モロッコ側と戦わせたのです。カの海兵隊を出した。
 このエピソードが映画になりました。アメリカ映画をお好きな方はご存知かもしれませんが、「風とライオン」という映画です。ショーン・コネリーが子どもを拉致する側のトップ、キャンディス・バーゲンという魅力的な女優がその少年の母親役でした。
 ベトナム戦争に関しても似た実例がありました。私はベトナム戦争の報道をした体験があるんですが、ベトナム戦争が終った後、行方不明になっていたアメリカ兵が多数いました。これを探し出す、救い出す。その作業がアメリカの政府でも民間でも国民の悲願のように叫ばれました。
 MIAという言葉がその標語の中心でした。「ミッシング イン アクション」といって、戦闘中に行方不明になったことを指します。その行方不明米兵たちをどんなことをしても救出せよ、というわけでした。この人たちが実は北ベトナムの捕虜収容所に入れられていて、これを助けなければいけないという指摘となりました。
 そのベトナムのMIAが国民的なテーマになって、これも映画になった。チャック・モリスというキック・ボクシングがすごく強い映画スターが主演して、ベトナムに捕らわれているアメリカ軍の捕虜たちを救出にいくという奇襲作戦を展開する「ランボー」みたいな映画がシリーズとなって、何本も作られ、人気を博しました。
 これこそアメリカの反応です。同胞が捕まったら必ず助けなければいけないという国民感情のコンセンサスがあって、それがそういう形で表現されていたということです。
 もうひとつの実例をあげます。
 1979年11月には、イランのイスラム革命で、テヘランのアメリカ大使館の外交官たちが人質になった。これは連れ去られたのとは違いますが、52人が捕まって、毎日テレビカメラの前で、目隠しされ、両手を縛られていて、アメリカは悪いことをしていたと告白させられた事件です。
 その時の大統領が、ジミー・カーターという人で、結局レーガン大統領候補に大敗するんですが、このイラン人質事件により、あまりにもひどいアメリカの屈辱だということで、カーター現職大統領の人気が急降下しました。
 このカーター大統領でさえ、秘かにこの外交官たちを救出する軍事作戦を実行したのです。テヘランは深い内陸部にあって、砂漠の上を超低空で飛ぶヘリコプターを出して、テヘランに入って外交官たちを救出して戻る作戦を立てたんですが、途中でヘリが落ちて無残な失敗をしてしまいました。
 しかしそこには、捕らわれた同胞は救うのだということのコンセンサスが間違いなくあったわけです。
 ですから、こうしたアメリカの実例が示すように、アメリカ国民一般にも日本人の拉致問題はわかりやすい。こんなひどいことが現在進行している現実はアメリカ側に通じやすいということなのです。
 さて、これからの課題です。やはりアメリカとの関係においては、アメリカの現実の姿勢を理解する必要があります。人道主義に基づく日本の拉致事件への同情や理解は強いとはいえ、政府の政策としては北朝鮮の核武装の阻止ということを最大の主眼としています。政策の中心にしている。それに付随して長距離ミサイルの開発も阻止する。そして同時に北朝鮮の中の人権侵害の状態を変えるべきだと主張する。
 アメリカの政策の順番、重点としては、そうした感じなのです。ですから、日本側が拉致された日本国民を救い出すことが最大の目標だと述べる時に、アメリカ側では必ず、では核・ミサイル問題との調整をどうするか、という反応が起きます。この点は拉致問題の解決を基本の政策目標として掲げる安倍政権も十二分に承知している基本点です。安倍総理も当然、考えているでしょう。しかしこの点がこんごも課題として残るわけです。
 さて以上がアメリカはいままでいかに日本の拉致問題の解決の努力にかかわってきたかということの総括です(拍手)。


  
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