救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「アメリカから見た拉致問題−東京連続集会74」全記録



◆オバマ政権は、利害関係がぶつかる国に対して対決を避ける


古森 さて、こういうアメリカ側の人たちが一生懸命やってくれるのは、なにも日本が好きだからということではありません。この人たちの拠って立つ姿勢をみていると、やはりアメリカという国をすごく、単純な言い方ですが愛している。アメリカの国益、アメリカのよって立つ基盤、アメリカが世界で広げようとしている思想、イデオロギー、道義に対して非常に強い思い入れがある。
 だからある意味でアメリカのナショナリストたちである。こういう人たちこそ、なんのの罪もない若者や少女が突然自分の家の近くで連れ去られて30年も帰ってこないということに対する人間レベルでの憤りが非常に強い。
 やはり今のアメリカは日本との協力を緊密にしていくことが、結局アメリカにとってもプラスになるんだと、アメリカの立場を考えての日本に対する、こちらからすると非常に心の温まる協力というのがあるわけです。
 ではいま、オバマ政権となってどうなのか。
 基本的に日本側の拉致問題を日米の懸案とみて、協力をするという基本姿勢はいまも続いています。しかし、オバマ政権は日本側の要望にも関わらず、北朝鮮をテロ支援国家に再び指定するということはしません。
 やはり歴代の政権と同じように、公の場面では、北朝鮮が核兵器を開発しない、核武装しない、まして核弾頭を軽く、小さくして長距離ミサイルの上に積むようにしてアメリカに届かせる、グアム島やハワイに届かせる、というような動きを北朝鮮はとっているわけですが、それをまずなんとか阻止することで一生懸命やっています。
 同時に、北朝鮮の人権弾圧をも非難するという北朝鮮人権法に体現される北朝鮮政策の重要部分というのはオバマ政権にもあるわけです。この中に日本人拉致という要素も入ってくるわけです。
 ブッシュ政権が終わりの時期に、北朝鮮をテロ支援国家指定からはずしてしまったということに対して、共和党も民主党も対立というか、意見の衝突は激しいですから、ブッシュ政権が間違った解除措置をとったからいろいろまずいことが起きたとして、批判するという面もあります。民主党政権が共和党の前政権を批判するという構図です。その構図からオバマ政権も北朝鮮に対しては強い態度を取り続けなければいけないという姿勢も出てきます。
 オバマ政権の民主党側ではオバマ大統領に非常に近かった、影響力の大きかったダニエル・イノウエという上院議員がいました。日系の上院議員です。この間亡くなりました。この人の日本の拉致問題への新たな支援も特筆されるべきです。
 イノウエ氏は第2次世界大戦でアメリカ軍将校として参戦し、イタリア戦線で活躍して、片腕を失ってしまった人です。この人は民主党だったんですが、ごく最近になって、拉致問題にも非常に同情的な態度で耳を傾けてくれました。
 日本からの代表団には現職上院議員として、きちんと会ってくれて、一生懸命に支援と激励をしてくれた。ですから、オバマ政権になったから拉致問題での日本支援が減ってしまったということでもありません。
 ただしオバマ政権というのは、利害関係がぶつかる国、例えば中国に対してはソフトなんですね。なるべく対決を避けるところがあり、その傾向は北朝鮮に対しても出てくるという側面もあります。
 北朝鮮がこの春に、「アメリカに核ミサイルをぶちこむぞ」としか受け取れない言明をしました。これに対してオバマ政権がやったことは、ミサイル防衛網をちょっと復活して増やすという、非常に受動的な措置だけでした。反発の強い言明さえもしない。本来でしたら、アメリカに核攻撃をかけると宣言する国が出てくれば、歴代政権ならば、その相手に報復をして、「一挙に北朝鮮の存在を止めてしまう」とか、「廃墟になってしまう」という露骨な言明をしていました。そのことが北朝鮮の冒険主義的な核攻撃を事前に抑制する。つまり核抑止の原則です。
 朝日新聞がつい数日前か、元国務長官のコリン・パウエル氏にインタビューして、「核兵器は無用」というような言明を引き出して、一生懸命にプレイアップしていました。しかし実はコリン・パウエルさんはかつて「北朝鮮がもし核兵器でアメリカを攻撃すれば、アメリカの核報復によって、燃えた後の練炭のようになってしまう」と述べたこともあります。
「アメリカに核ミサイルをぶちこむぞ」ということを、まともに言った国に対しては、少なくともそれくらいのことを言葉で返すというのがこれまでのアメリカ歴代政権のパターンだったのです。
 しかしオバマ政権というのは、「アメリカに核ミサイルをぶちこむぞ」と言われても、ソ連だってそんな露骨な言い方はしなかったのに北朝鮮は平気でいっているわけですが、きわめてソフトな言葉しか返さない。ソフトなアプローチが成功するケースも多いのでしょうが、どうも強く北朝鮮を追い詰めていく姿勢に欠けるところがあるようにみえます。


  
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