救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「すべての拉致被害者を救出するぞ!国民大集会」全記録



◆家族会の訴え

横田早紀江(横田めぐみさん母)
 皆様こんにちは(拍手)。本当に長い年月で、私たちにとっては考えられないような長い年月です。命を何とも思っていない、棒切れのようにしか思っていない国に、大切な子どもたちを連れ去られたまま、彼らがあちらのどこにいるのか、何を働かされているのか分からない状態です。
 幽閉されたまま、親は、「助けてください」、「助けてください」と訴え続けてきました。16年前、救う会新潟の小島晴則さんという方が立ち上がってくださった頃ですが、署名活動を街頭で、恥ずかしいなと思いながら始めたことが、どんどん皆様にご縁をいただいて、今日まで支えていただきました。
 そして1000万を越えるような本当にすごい、熱意のある、このような署名が集められたことは、私たちには本当に信じられないような思いで感謝しています。
 何という恐ろしいことが、日本の国の中で、堂々と行われ続けていたのでしょうか。そして平和であった日本の国民は、私たちも含めて、平和でよかった、これで平和になったと何にも思わないで暮らしていた時期に、大切な子どもたちが色々な場所から煙のように一瞬に消えてしまっていた。
 ものすごい数の人たちが、命を命とも思わない人間によって連れていかれたまま、あちらでまだ助けを求めています。そのようなことが、本当にこの国で起きているんだということを、本当にたくさんの若者たちにも知っていただきたいと思います。
 これ以上長引かせるわけにはいきません。私たち親の代が少なくなり、後は兄弟や子どもの代になっていく。そのような長い年月、まだ大切な命を救うこともできない日本は、本当に国家として恥ではないんでしょうか(拍手)。
 こんなに恐ろしいことが、こんなに長い年月、どうしても取り返すことができない。総理大臣が10人も11人も変わられ、拉致担当大臣があっという間に変わられ、何の必要があって変わるのか分からないような状態です。
 その中にあって、私たちは何も分からない普通の庶民でしかないんですけれども、色々なことを学ばせていただきました。
 国家が本当の平和を得るためには、子どもたちを確実に自分たちの土地に取戻さなければなりません。堂々と、国民がみんな一緒になって、「よく帰ってきたね」と言ってあげなければなりません。
 そのために私たちはこれからも頑張ってまいりますので、どうか宜しくご支援ください。本当に長い間ありがとうございます(拍手)。
有本明弘(有本恵子さん父)
 みなさんこんにちは。短い時間に、皆さん方に知っていただきたいことがあります。去年は文章にして私は読上げました。そのことについても(今回)半分書きました。後の半分も注目して聞いてください。
 本日は私たち拉致被害者家族のためお集まりいただき、関係者の皆様、ご来場の皆様に厚く御礼申し上げます。
 昨年4月28日、国民大集会では、皆様に安倍元総理の唱えた憲法改正実現のため、近く行われる総選挙には、憲法改正を唱える先生方を選んでくださることをお願いして、私の挨拶に代えさせていただきますとお話しました(拍手)。
 あれから1年、私の思いは本当に届きました。皆さんご存知の通り、安倍総理が再度、日本国総理大臣の地位につき、その第一声が、「憲法を改正し、日米同盟を強化し、1月には訪米する」という力強い発言がありました。
 この会場にいらっしゃる皆さんも、私の思いと同じだと私は思っています(拍手)。中国および北朝鮮の態度は、わが国にとって容認できない事柄が続いています(拍手)。
 このことに関して、3年あまりの民主党政権で多くの国民が不安を持った結果、安倍総理が憲法を改正することを選挙の全面に掲げ、その結果が今の現実であります。
 その国民大集会の5日後の、5月3日の憲法記念日には、新聞各社は国民世論を公開し、各社は60%以上の人が憲法改正OKという数字を出しました。以上は1年前の話です。
 今年7月には、国民の憲法改正の世論は上がっても下がりはしません。現に、安倍内閣支持率は75%だとマスコミは言っているのです。国民が関心を持っている事案であり、日本国民の有権者が投票する7月の参議院選挙において、憲法改正の国民投票も同時に行うべきであると私は思っております(拍手)。それは投票箱を一つ増やせば結果が出るのであります。
 これに関しては、関係する人たちに知恵を出して、話を進めていただくことをお願いするしかありませんが、本日ご来場いただいている先生方にも、このことに関して実現できますようご努力をいただけるようお願いいたします(拍手)。
 そして参議院選挙で、機会あるごとに私はお話をしていきたいと思っているのであります。
 さらに、中国、北朝鮮と緊迫した現在のアジア情勢において、早急に実現しなければならない問題なのであります。安倍総理の決断をお願いするものであります。以上です(拍手)。
増元照明(増元るみ子さん弟)
 みなさんこんにちは。今日1000万署名達成をここでご報告できたことを感謝申し上げます。これもひとえに、私たちの家族を取戻すために動き始めた全国協議会の各地の皆様が、毎日のように、また毎月該当に立ち、署名をことから始まったものです。本当に感謝申し上げます。
 私は、拉致被害者家族連絡会ができた当時から、常に考えています。北朝鮮にいる姉は私たちの活動をどう思っているだろうか、と。
 北朝鮮で自分たちの身が危なくなるから黙っていてほしいと思うのか、それとも救出するために、日本が本当に強い国で私たちを救出してほしいと心から願っているのか。それは未だに分かりません。迷いながら16年、来てしまいました。
 私は、言葉を尽くさなければこの日本は変わらないし、私たちが声を上げなければこの日本も変わらないという思いで戦ってまいりました。姉に、ぜひそう思ってもらえればと思っています。
 自分たちを30数年前に見捨てた弱い日本ではあってはならないという思いを被害者たちに持ち続けていただきたいんです。そして自分たちを救出できる強い国に生まれ変わってほしいという思いを彼女たちに思ってもらいたいと思っています(拍手)。
 その国づくりをするために、皆さんとともに、この拉致問題を通して、う私たちの国ありかたを考えていただかなければならないと思っています。
 私たちの国が、強い国であり、被害者を取戻し、そして国民を守れる強い国づくりを皆さんとともに、日本にいる私たちがやっていかなければ、北朝鮮にいる拉致被害者の犠牲は無駄になってしまいます。
 是非、ご協力をお願いします(拍手)。
市川健一(市川修一さん兄)
 みなさんこんにちは。遅々として進まない拉致問題。3月に98歳になった父に、一刻も早く会わせてやりたいと願っていても、現状は厳しく、本当にどうしていいか分からないほど落ち込んでおります。
 でも、私たちは負けるわけにはいきません。被害者を未だ再会を果たせない家族は、救う会とともに活動しています。時には心が折れる時もあります。でも、「頑張ってください」、「応援していますよ」、「全員が帰ってくることを願っていますよ」と、温かい言葉をかけてくださいます。この時が一番嬉しいです。
 また、世論も高まってきました。私たちはこの世論が頼りで、本当に心強く思っています。国が、人間本位の観点からしっかりと北朝鮮に意見を伝え、そしてぶれなく対応していくためには、どうしても国民の皆様方の後押しが必要です。
 私たちがお願いするのは、被害者全員が帰国するまで、この拉致問題に関心を持ち続けてほしいということです(拍手)。風化することが一番怖いのです。みなさん、どうか拉致問題を忘れないでください。皆様方の力をお貸しください。宜しくお願い致します(拍手)。
市川龍子(市川修一さん義姉)
 みなさんこんにちは。いつもご支援ありがとうございます。改めて家族を代表して、壇上に上がっていらっしゃる国会議員の皆様にお願いします。悠長なことは言っておれないんです。一生懸命に走りに走ってください。お願いいたします(拍手)。
 私たち家族は、安倍総理を信じて進むしかありません。でも、救出の期日がないということに悲しくてたまりません。いつ救出できるのか、それがないので、本当に悲しくて、悲しくてたまりません。
 私も、市川家に嫁いで7年目の不可解な事件でした。以来34年、夫婦共々人生の半分は拉致との戦いです。何とかここで救出をお願いしたいんです。98歳になる父、弟修一のことを尋ねてくれないのが嬉しいのか、悲しいのか複雑な心境です。
 ぼけてはいません。施設に会いにいくと、とても喜んでくれます。でも私たちは修一のことは言いません。父も修一のことは尋ねません。きっと、父ですから修一のことは忘れられないと思います。 何としてもこの父に、修一を抱かせてやりたいと思います。
 悲しいついでですが、悪いお知らせですが、この拉致問題が解決せずに長引いていくことを喜んでいるやからがいると聞きました。本当に悲しいです。悪い言葉で言えば、この拉致問題を食い物にしているというやからです。何としても、こういう人たちも断じていかなければならない。今日ここで言うべきではなかったと思いますが、じゃあいつ言うんだ、今でしょう、という言葉で終ります(拍手)。
斉藤文代(松木薫さん姉)
 いつも皆様にご支援していただき、本当に感謝しております。
 今日は、私の母、松木スナヨに代って、私が母の気持をちょっとお話したいと思います。病院に入院してからもう12年くらいになります。自宅介護を5年くらいしていまして、病院に入りまして、寝たきりで12年くらいになり、今年の3月10日、93歳の誕生日を迎えました。
 その前、1月に、母が望んでいました大臣に手紙を書きたいということができなくて、「会いたい、会いたい、一言言いたい」と言っていた古屋大臣が、母に会いにきてくれました(拍手)。
 その時に私が母に言いました。「お母さん、今日は薫さんのお母さんに会いたいと古屋大臣が来てくれたのよ。何か言いたいことある」と言ったら、目をぱっと見開いて古屋大臣に何か訴えるような顔をしました。
 で大臣が、「斉藤さん、まだ目力があるから大丈夫だよ」と言ってくれました。でもこの2、3日はちょっと弱ってきております。目の方も力がありませんし、身体を動かすのも、看護師さんたちが一生懸命やってくれております。身体の色々なところが壊疽というんですか、何か黒くなってきて、かわいそうな骨と皮だけの姿になっておりますが、「会いたい、会いたい」という信念だけで生きております。
 「何とかもう少し頑張りましょう」と私は言っているんですけど、本人はもう声を出すこともできませんので、ウーンと言ってますけど、母が父の所に行けるのかなと、薫に会わずにこのまま行っちゃうんじゃないかなという心配で、毎日介護しています。
 もう少し頑張れば、母も会えるかもしれませんので、皆様の心の力で母がなんとか薫に会える日まで、心の中からエールを送っていただければ、母もまだ頑張れると思っております。
 いつも皆様には暖かいお力をいただいておりますので、もう一度私も熊本に帰りまして、「もう1回頑張ってみようよ」ということで、力をつけたいと思っております。これからも一生懸命、母の介護をさせていただきますので、どうぞ拉致問題が早く解決することを願って応援していただきたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します(拍手)。
松本孟(松本京子さん兄)
 みなさんこんにちは。妹がいなくなって今年で35年。母親は、今か今かと帰るのをずっと待ちながら昨年11月27日、他界いたしました。90歳でした。妹のことはほとんど何も言わずに、だまって、ひっそりと亡くなりました。さぞかし悔しかっただろうと思っています。
 葬式を終え、母親の荷物を片付けていると、たんすの中から妹の新聞の切り抜きとか、色んなものが出てきました。口では言わなかった母が、人目を忍ぶようにこんなことをしていたのかな、親ってこんなもんなんだなと身につまされました。今はその新聞の切り抜きを大事にしています。
 古屋大臣が先日、母の墓参りに見えました。遠いところを来ていただき、本当にありがとうございました(拍手)。できることなら母と一緒に墓参りをと、古屋大臣と母が一緒に墓参りができる、そういうこともちらっと夢に思いを馳せました。しかし、待つことなく他界しました。本当に悔しかっただろうなと思います。
 私の力では助けることはできませんけれど、皆さん方の力をちょうだいして、力強いご声援で、一日も早く母の墓前に嬉しい報せができる日を心待ちにしていますので、どうぞお力を貸してください。宜しくお願い致します(拍手)。
寺越昭男(寺越昭二さん長男)
 みなさんこんにちは。長い間お疲れ様です。
 昭和38年に父親が拉致され、来月12日でちょうど満50年になります。父親が突然いなくなって24年後に、突然北朝鮮から手紙が来て、「突然こちらで生活するようになった」という手紙でした。
 それから北朝鮮という国は、恐い国で、どんな国かわからないのでしばらく様子を見ようということで、手紙のやり取りをしていましたが、北朝鮮にいる武志、私のいとこになりますが、武志のお母さんがあちこち飛び回って、外務省に行っても国交がない、警察に行ってもどうにもならない。
 そういうことで2002年に小泉さんが訪朝して、金正日が拉致を認めて、私たちも家族会に参加させていただきました。
 どうしてこれだけ時間がかかったのか。私はやっぱり、手紙が来た時に、強い日本であれば、拉致であれ、救助であれ、日本政府として正式に、親父たちを返せ、いとこを返せというのが本当だと思うんですね。強い日本でないばっかりに、そういうことができなかった。これがやはり一番の原因だと思います。
 本当にこれから、何があっても強い日本になっていただくために、何をしなければならないかは、国民のみなさんが一番分かっていると思います。今後とも宜しくお願いいたします(拍手)。
北野政男(寺越昭二さん次男)
 みなさんこんにちは。三人で何かしゃべろと言われても、なかなか別々のことを言うのが難しいんです。寺越友枝さんは、「拉致」でありながら「(北朝鮮による)救助」と言って、北朝鮮にこれまで72回行っています。
 一昨年は武志の胃にポリプができたと新聞紙上に載っておりましたが、それを日本に持って帰ってきて、政府に、「北朝鮮に意志を派遣してください」とお願いに来たそうですが、政府からは、「分かりました。できるだけ協力いたします」という返答をいただいた。
 北朝鮮には、「日本に治療に出してくれないか」と。しかし、「北朝鮮にも立派な医師はたくさんいますから北朝鮮の医者で十分ですよ」と言って、出してもらえなかった。
 今年また行って、2、3日前帰ってきました。そして北朝鮮政府に、「ミサイルは発射するんですか」と尋ねたらしいです。北朝鮮の公安の方は、「予告なしに発射することはありません」という答えを持ってきました。
 つまり、一生懸命北朝鮮は、「戦時下、戦時下」と煽っていても、戦時下の様子を見せていないというのが実態ではないのかなと思います。
 あまり話はうまくないんですが、そんなこともあって、寺越友枝さんが北朝鮮に行って「救助」と言っていることが関係しているのかどうかクエスチョンですが、政府は未だに(寺越事件を)拉致認定をしていただけません。証拠がないということで。
 でも、100%拉致です。北朝鮮のそういった工作に負けずに、拉致認定していただいて、証拠がなくても拉致認定されるんですよということを北朝鮮に見せていただきたい(拍手)。
 また、特定失踪者の方々にも、ある程度の拉致疑惑があれば、認定するという希望を与えていただきたい。私たちも含めて、70、80を越えて、歩くのもやっとの世代です。北朝鮮に圧力をかける意味で、特定失踪者の方々にも、もうちょっと頑張れば会えるかもしれないという希望を持っていただきたいと私は思います(拍手)。
内田美津夫(寺越昭二さん三男)
 みなさんこんにちは。私たちの親父が北朝鮮に連れていかれて50年経ちます。私たちが声を上げて家族会に参加させていただき、この活動を始めてから今年で11年目になります。
 金正日が拉致を認めて、1、2年の間に解決するんじゃないかと思って参加したんですが、本当にこんなに10年もかかるとは夢にも思いませんでした。
 その間、総理大臣、拉致担当大臣にお願いにあがりました。本当にあっという間の10年で、そこで何か収穫があったのかと言われても、「頑張ります、一緒にやりましょう」ということだけで終ったんではないかと思います。
 今日私は、古屋大臣に、「北朝鮮は核とミサイルは絶対離さないのではないか、拉致問題を核・ミサイル問題と一緒に考えていたらいつまで経っても解決しないのではないかと私は思う。今までのやり方と違って、直接拉致問題だけで北朝鮮のドアを叩くやり方をやってもらえないか」という要望をしました。
 今後どんな動きをして拉致問題を一日も早く解決してくれるのか、見守っていきたいと思います。今後ともご支援宜しくお願い致します(拍手)。
松木信宏(松木薫さん弟)
 先だって、私の兄たちを拉致したとされています「よど号」メンバーの指名手配犯たちが、東京都を相手に訴状を出しました。「いわれのない拉致疑惑で名誉を傷つけられた」ということです。
 日本は自由な国ですから、言いたいことがあるならば正々堂々と日本に帰ってきて自分の口でものを言ってからにしていただきたい。まっさきにそう思いました(拍手)。
 そのメンバーたちと近しいジャーナリストの方が言っていることは、「直感でその通りだと思う」ということで、そう言っている人がいると聞いております。メンバーたちが「正しい」と言うのであれば、その証拠を私たちに是非見せていただきたいと思います。はっきりと、「よど号メンバーは拉致に関わっていない」と言うのであれば、私の目の前にその証拠を見せていただきたいと思います(拍手)。
 これは裁判の場ではっきりすると思いますのでこれ以上は申しませんが、私は一方的な話だけでは事実は分からないと常々考えています。私の兄たち被害者は、北朝鮮にいて何も言い返しができません。何もものが言えません。そして一方は北朝鮮にいながら自由に発信しています。それだけで不公平という思いがします。
 そういう状況下で、向こうが言っていることが正しいと言える神経が分かりません。それならば、私の兄たちがはっきりものが言えるような状況になってから客観的な判断を下していただきたいと思います(拍手)。
 そのためには、北朝鮮に行かれた方たちが、北朝鮮の本を書いたり、私の兄のことを書いています。中には事実もあるでしょうし、間違いがあるのかもしれません。しかし、被害者が帰ってきていないという状況下では、客観的な事実は分からないんです。帰ってきてからじゃないと分からないんです。
 一刻も早く是非帰ってきて、先ほど姉も申しましたが、生きている内になんとか会わせてあげたいと思っています。
 (よど号の)メンバーたちも、自分たちが言いたいことがあるならば、さっさと帰ってきて、さっさと言って、事実をはっきりさせたらいいと思います。
 今後とも頑張ってまいります。是非宜しくお願い致します(拍手)。
本間 勝(田口八重子さん兄)
 みなさん今日はたくさんお集まりいただきまして、また1000万署名という北朝鮮に対する国民の大きな怒りをいただきまして、深く感謝いたします。ありがとうございます。
 1000万署名で終ったわけではありません。私たちの北朝鮮に対する怒り、救出の訴えは、国民一人ひとりの署名を続けて書いていただいて政府に頑張ってもらう。それだけしか私たちのできることはありません。是非これからも署名については、ご協力いただきたいと思います。
 私の妹、田口八重子は、(1978年)6月29日、池袋から失踪したということになっていますが、既に35年という長きに渡って北朝鮮から音信不通。情報は色々来ますが、定かではない。
 先日、ジャーナリストの惠谷治先生の分析では、八重子をだまして連れて行ったのが宮本明という在日の朝鮮人です。朝鮮総連はもちろんかんでいるんです。指示を出しています。そういった中で、工作に関わった土台人と言われる協力者が誰一人として逮捕されていない。
 そのような人が逮捕されれば、この事件がはっきりしてくるだろうし、まだ陰にかくれている人たちも出てくるかもわかりません。そういうことを、古屋国家公安委員長、是非今後力を入れて、犯人逮捕に結びつけ、この組織だということを見せていただきたいと思います。
 この問題がだらだらと長引いていますが、この決議文にもありますが、北朝鮮に対して怒りを示して、期限を切って課そうじゃないかという文章があります。まさにその通りなんです。工程表を示して、いつまでに返事しなければどういう制裁を課すということをやればいいんです(拍手)。
 今年は、2回目の国民大集会を9月に予定しています。それを節目として、それまでに何らかの態度を示さなければ、こういうことをやるよ、国民の堪忍袋の緒は切れるよと、私たちは切れてるんですけど、そういう思いをぶつけてほしいと思います。
 また、私たちが活動している仲間では、特定失踪者の藤田進さんの弟、隆司さんが、昨年国連人権委員会に失踪者の調査を申請し、受理されました。しかるに北朝鮮は、未だに国連による調査命令に回答していません。結局、無視をしているということです。
 安保理の決議も色々出ている中で、本当にふてぶてしい態度で無視し続けている。こういった国に対してはどうすればいいのかということを、私たちは国連を通じて、組織を通じて訴えていく。そして金正恩を犯罪者として処罰する。そこまでいかないと、今の体制は安穏としていられないんだぞとこちらから恫喝する、そういったことも仕掛けていいんじゃないかと思います。
 是非、北朝鮮というしたたかな国に対して、私たち日本人は絶対負けないぞ、東北大震災も頑張って復興させるぞ、そういう思いにつなげていければなと思いますので、宜しくお願い致します(拍手)。
飯塚耕一郎(田口八重子さん長男)
 みなさんこんにちは。本日はゴールデンウィーク初日にもかかわらず、これだけ多くの皆様がこの集会にご参加いただき、心から感謝いたします。
 また1000万筆の署名というのは、稀有といっていいほどの多さで、本当に国民の皆様から本当に支持が得られている、本当に協力していただいているということを切に感じています。ありがとうございます。
 今年の2月、3月、北朝鮮はミサイルや核実験で恫喝をしていますが、我々家族には時間がないということです。ですから、一部の方が未だに、日朝平壌宣言に基づき、包括的に拉致・核・ミサイルをするという話をされていますが、拉致問題に関しては切り離し、拉致問題を最優先にしていただきたい。人の命を最優先にして解決していただきたいと思います。これを国会議員の皆様には肝に銘じていただいて、本日帰宅していただきたいと思います(拍手)。
 我々が望んでいるのは普通の生活です。日本人の家族が、家族として日本で生活できること。これを日本人として純粋に望んでいるだけです。これをちゃんと守れる国であるべきです。そのために、現政権および国会議員の皆さんには頑張っていただきたいと思っています(拍手)。
司会
ありがとうございました。家族の訴えを聞きました。続きまして特定失踪者問題調査会代表の荒木和博さんに、ご挨拶と、特定失踪者家族のご紹介をお願いいたします。
荒木和博(特定失踪者問題調査会代表、拓殖大学教授)
 本日、多数の皆様、本当にご苦労様です。冒頭、平沼議連会長のご挨拶がありました中で、二つ訂正をさせていただきたいことがあります。
 1点、平沼先生は、この10年余の間に北朝鮮が2つ嘘をついたとおっしゃられましたが、これは間違いでございまして、北朝鮮は2つくらいは本当のことを言ったかもしれませんが、あとはすべて嘘です。
 もう1点、現役の自衛官で、拉致被害者を取り返しに北朝鮮に行きたいと言っていた人がいるということでした。これも訂正させていただきたいんですが、予備自衛官も行きたいと思っておりますので(拍手)。
 先ほどの大臣の話も含めまして、立法の問題が出てきました。もちろん、ありがたい話ではありますが、とりあえず出していただいて、後から法律を作っていただくというふうにしていただきたい(拍手)。
 私が元おりました民社党の元委員長、春日一幸は、常々申していました。「まず行動せよ。理屈は後から貨車に乗ってやってくる」ということです。拉致被害者を助けることに、国家の判断として、できないことは何もないと思っています。
 以前は、特定失踪者のご家族は前の座席に着席されていて、ご挨拶の時などに(壇上の)前に並んでいただいたりしたんですが、今回は壇上の後ろの方に最初から着席をしておられます。
 これは政府の方でも、先ほど大臣の話にありましたが、「認定の有無に関わらず」ということが方針として決まっておりますし、西岡会長と色々ご相談させていただいて、「それはもう是非」と言っていただいたので、今日ここにご家族の皆様がおられます。
 お名前を読上げますのでその場でご起立をお願いいたします(以下、家族名が読み上げられる度に拍手があった)。
昭和43年4月、東京で失踪された早坂勝男さんのお兄さん、早坂勇治さん。昭和46年4月、愛媛県で失踪された山下綾子さんのご親戚であります長島清さん。昭和47年11月1日、東京で失踪された生島孝子さんのお姉さん、生島馨子さん。昭和48年7月7日、千葉県で失踪された古川了子さんのお姉さん、竹下玉路さん。昭和49年2月24日、新潟で失踪された大澤孝司さんのお兄さん、大澤昭一さん。昭和49年5月13日、富山県で失踪された荒谷敏生さんの妹さん、矢島文恵さん。昭和49年8月17日、福井県で失踪された山下春夫 のご家族代理で、救う会福井の池田欣一会長。昭和51年2月7日、埼玉県で失踪された藤田進さんの弟さん、藤田隆司さん。昭和60年12月4日、兵庫県で失踪された秋田美輪さんのお姉さん、吉見美保さん。昭和62年11月、埼玉県で失踪された佐々木正和さんのお姉さん、佐々木美智子さん。平成8年4月14日、愛知県で失踪された安西正博さんのお父さん、安西茂雄さん。平成10年4月24日、福井県で失踪された宮内和也さんの義理のお兄さん澤香苗さん。平成10年4月6日、韓国で失踪された中村三奈子さんのお母さん、中村クニさん。平成13年9月13日、東京で失踪された後藤美香さんのお父さん、後藤日出男さん。平成14年3月3日、東京で失踪された宮本直樹さんのお父さん、宮本正栄さん。
ご来場の中にあと2家族おられるんですが、ご都合でご紹介を控えさせていただきます。
 今日来られていないご家族の「しおかぜ(調査会の対北ラジオ)」のメッセージをここでご披露させていただいて、ご家族のメッセージの代わりにさせていただきたいと思います。昭和57年に失踪された堺弘美さんのお母さん酒井しずさんです。
 「弘美ちゃん。お母さんしずです。あなたが3歳の時、お父さんと別れて、小さな時からいじめられたり、色々苦労をかけ、かわいそうな思いをさせてしまい、お母さんは弘美ちゃんには大変申し訳なく思っていました。そんな中、あなたは自分一人で一生懸命頑張り、美容師の免状を取り、あなたは私の所に戻って一緒に生活すると連絡してくれ、大変嬉しい思いをした後、あと1年こちらで頑張るという言葉を最後に、突然行方がぷっつりと途絶えてしまい、あれから24年も経ってしまいましたね。いまでは、ちいちゃん、しずえ、たけおあんちゃんと皆で集まって歌った時のひろみちゃんの声しか聞くことができません。お母さんも75歳になり、髪の毛も白くなりました。弘美ちゃんは元気で暮らしていますか。現在、日本政府、特定失踪者問題調査会の方々とともに、弘美ちゃんが帰国できますよう頑張ってくれています。あなたも身体に十分気をつけて、日本に帰れる日まで頑張ってください。お母さんも、弘美ちゃんが帰ってくるまで、いつまでも、いつまでも待っています。母しずより。
 昭和57年の4月2日に、東京で失踪された堺弘美さんのお母さん、しずさんです。今日来られなかった理由は、3年前の8月に亡くなられているからです。
 こうやってメッセージを残しながら亡くなられたご家族が数多くおられるということは、是非知っておいていただきたいと思います。
 今特定失踪者のご家族の方が立っておられますが、昨年警察が発表しました868人、現在4人見つかって864人と聞いておりますが、この方々について、この特定失踪者のリストにある人と照合ができないだろうかということで大臣にお願いし、また今日お見えの三宅博議員の予算委員会での質問もありましたが、昨日大臣からお電話をいただきまして、特定失踪者の中で公開されている方々については、すべて警察が捜査をしている864に含まれているとのことです。
 今日ここにお立ちの方を含めて公開の方はすべて、非公開の方もこちらからリストを出した方のほとんどが入っているということです。
 ここで改めてお願いをしておきたいことがあります。拉致認定のことについて色々話が出ています。これは、ここにおられる方々でも政府による拉致認定を求めている方々はたくさんおられます。
 我々はもちろん、それを否定するつもりはありませんが、我々の方針として、この4月に理事会をやり、当調査会として政府の拉致認定を求めないということにしました。
 それは、やはり構造からいって、警察がいくら一生懸命調べても多くの事件が長期間を経過していて、これを認定にもっていくというのは、警察がやる限りは極めて難しいだろうということです。
 しかし同時に、昨年警察が発表したことにより、その方々が警察の捜査の対象となっているということは明らかになったわけです。我々は警察の認定というのを壁にしないで、飛び越して、まさに政府の方針の通り、「認定の有無にかかわらず」取り返すことにつなげていかなければいけないと思います。
 昨日できたばかりの新しいポスターには、これまで特定失踪者という言い方をしていた中で、公開の方々については、調査会認定の拉致疑惑失踪者という言い方に切り替えていくこと等が書いてありますのでご活用いただきたいと思います。
 さきほどの堺さんの声を聞いていただいて実感された方も多いと思いますが、時間がないというのは本当に時間がないということで、理屈を言うより一刻も早くこの問題を解決するように。
 それは安倍政権になって期待をされてますが、だから任せちゃっていいんだ、安心していいんだということではなく、だからこそ前に進める、それも国民の力によってやるしかないと思っています。
 未認定の被害者の問題については、昨年、民主党政権当時に、松原大臣が尽力をしていただいて、今日お見えの藤田隆司さんがジュネーブに行ってくる。その後の11月の行事には天内みどりさんが行く。こんどの5月のアメリカには小林榮さんの弟小林七郎さんが行かれるということで、これらの扱いについては、認定、未認定関係なくやっていただいているわけで、全体がなんとなくそういうふうに動いてきていると思う一方で、やはりそのスピードを一気に加えていかなければいけないと思っています。
 最後にもう一つだけお願いを申し上げます。(ラジオ)放送のしおかぜ、あるいはバルーンプロジェクトでビラを送る行動、そしてFAX等やっていますが、今ビラは韓国の朴槿恵政権が、完全に飛ばすことを遮断してしまい、動かせない状態になっています。
 これはあのひどい盧武鉉政権でもなかったことで、改めてこちらから声をあげられる限りやっていかなければいけない。FAXについては、現在北朝鮮の70か所くらいと、北朝鮮の在外公館の番号50か所くらいが明らかになっていて、逐次そこにFAXを送っています。
 北朝鮮側もアホではありませんので、しばらく送っていると、同じ番号から来るFAXは全部遮断してしまって行かなくなる。我々も3回番号を変えたんですが、今も止められております。
 そこで、お出での皆さんの中で、うちのFAXを使っても構わないという方がおられましたら、是非使わせていただきたい。そして北朝鮮にどんどん抗議のFAXを送ろうと。FAXですから間違いなく届きます。
 北朝鮮にFAXを出して心配な方がおられましたら、名前に荒木和博と書いていただいて結構です。もう専守防衛の時代は終りましたので一気にこちらから仕掛けていこうと思っています。改めましてご協力をお願いいたします。
司会 もう一度特定失踪者の家族の方に拍手をお願いいたします(拍手)。
 一つだけ私の方から申し上げます。寺越昭二さんの問題等、殺されたかもしれないというケースがあります。高兄弟(渡辺秀子さんの子ども高敬美、高剛)は、警察が拉致だと認定していますが、渡辺秀子さんは殺されたかもしれないということで認定されていません。その人たちについても真相を明らかにしなければ、拉致問題の解決とは言えないと思います(拍手)。
 寺越さんたちが求めているのはまさにその点なのです。助けられたのか、殺されたのか。政府の拉致解決3条件、被害者を取戻すこと、真相究明、実行犯の引渡し、の中で、真相究明すべき北朝鮮国家による犯罪行為という認定を別途していただきたい。
 それを明確にすることによって、犯罪行為も北朝鮮は説明せざるをえなくなるんです。そのような認定基準の再検討を是非お願いしていきたいと思っています。
 それでは最後に決議案を採択させていただきたいと思います。決議案の朗読は、民主党の拉致議連事務局長代理、笠浩史先生、お願いいたします。
笠浩史(拉致議連事務局長代理、民主党衆議院議員)
 決議案の朗読に先立ちまして、先ほどの議員紹介以後にお越しになった先生をご紹介します。衆議院議員、三ツ林裕巳さん(拍手)。
 今日は本当に長時間お疲れ様でした。安倍総理を先頭にしながら、まさにオールジャパンで、今年こそ拉致被害者を救出し、そして今年こそこの国民大集会を最後にする。こうした思いを今日ご出席の皆様と共有しながら、案文を朗読させていただきます。

  
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