救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「すべての拉致被害者を救出するぞ!国民大集会」全記録



◆ガブリエル・ブンベアさんからのメッセージ

 こんにちは、日本の皆さん、そして同じ苦しみを味わっている兄弟の様な皆さん。
 わたしの姉:ドイナ・ブムベアがイタリアのローマに住んでいた時、芸術関係の仕事をしていました。2007年に行方不明になってからちょうど29年が経ちます。
 かつて姉はとても魅力的な東京での有名な画廊の仕事の誘いを受けました。しかしそれは、北朝鮮の工作員たちがよく考え抜いた、巧みな嘘の契約でした。
 1978年に姉がイタリア国籍の男性と一緒にイタリアから東京へと出発しました。しかし東京へは一度も到着することがなかったのです。その代わりにピョンヤンの収容所に連れていかれて、そこでスターリンの共産主義を暗記させられました。洗脳の効果がないと北朝鮮のスパイ工作員やその指導者達に罰せられました。こんな悪魔的な計画を仕組んだのは金日成であり、それ継承したのは金正日と金正恩です。
 姉がどのように北朝鮮に捕らえられたのかは、いまだに詳細は謎のままです。ルーマニアの政府高官たちはこのルーマニア女性に何が起きたのか、調査を怠っています。政府はいまだピョンヤンにこの件についての公式的な調査や事実の確認を申し入れていません。ルーマニア政府としての確固たる立場をいまだに見せていないのです。唯一勇気を出して関心を示したのは2006年の首相カリン・ポペスク・タリチェアヌと当時の外務大臣ミハイ・ラズヴァン・ウングレアヌだけです。このお二方が政権を後にしてから、ドイナ・ブンベア事件への関心も徐々に薄れていきました。私が日々感じているのはルーマニアの無関心さと北朝鮮に対する恐怖心です。
 80年代の初めごろ、姉は強制的にジョー・ジェイムズ・ドレスノクというアメリカの脱獄兵と同棲させられました。その結果、二人の息子が生まれました。リカルド・ドレスノク1981年12月生れとガブリエル・ドレスノク1983年2月生れ。1996年の半ばに姉が肺癌であることが分かって、数ヵ月後の1997年1月にピョンヤンで亡くなりました。47歳でした。
 これらの痛ましい事実をチャールズ・ジェンキンスさんとその妻 曽我ひとみさんから聞きました。お二人は素晴らしいご夫婦で、長い年月を北朝鮮で厳しい監禁生活を送っていました。そして私の姉と同じ建物に住んでいました。
 2007年4月に日本のNGO救う会と家族会、そして日本政府の計らいで私はチャールズ・ジェンキンスさんと曽我ひとみさんとに会うことが出来て、その時に姉は北朝鮮でどのように生きたか、子供たちはどうだったのか、姉がどのように死んだのかと色々聞く事ができました。まだはっきりしない出来事や、状況はありますが、いつか神がすべてを明らかにしてくれる事を願っています。
 わたしの母は数年前から病気で苦しんでいます。孫たちを抱きしめたいという思いが生きがいになっています。孫たちは娘との唯一のつながりだからです。この特別な瞬間のために母は生きています。これは母の最後の願いです。一般の庶民が出来ることは限られていますがわたしたちは戦いを続けて行きます。
 最近の北朝鮮と韓国の政治と軍事的な紛争、また、ピョンヤン政府が韓国やアメリカそしてこの両国を支持しているその他の国に対する好戦的な態度などから地域戦争勃発の可能性は益々高くなっています。どんなハイテクな武器を使うにせよ、人の命が失われる事は確実です。わたしたちは皆、戦争の恐ろしさをよく知っています。そしてこんなに恐ろしい武器の乱用が招く結果もよく知っています。
 反感を招く言葉かもしれませんが、戦争だけが北朝鮮の政治、経済や社会に変化をもたらすことが出来るとわたしは思っています。皆さんも知っての通り、あらゆる外交手段や友好的、また、平和的な方法が試みられて来ましたがすべて失敗に終わりました。
 どんな違った国や国民、民族でさえも色々な問題を解決できる可能性はありますが、北朝鮮とだけはそれができないのです。非常識的なものが常識的になることや、二つに分裂している国が一つになることや、共産党スターリン主義とそれが招いた悲惨な出来事がなくなって、新しい民主的な政治と安定した経済に変わることが一体あるのでしょうか。
 ルーマニア国民であるわたしもその一人ですが、皆平和を愛する国民です。わたしたちルーマニア人は紛争を支持していません。極東の人々と同じ思いでいます。北朝鮮の軍事的な脅しに各国が国際的に協調し合って圧力を強めることによって、長期的な和平問題の解決にたどり着くことを願っています。
 そしてわたしたちの拉致された愛する家族との再会の問題も解決し、北朝鮮が停戦協定後に起こした全ての問題と過ちも解決する事を望みます。わたしはこの国と近隣諸国との問題の解決の歴史的な瞬間の目撃証人になりたいです。どんな方法を使うにせよ、問題を前向きに解決できたとしたら、同じ問題を抱えている国の手本と希望になれると思います。
 この手紙の最後に、わたしはピョンヤン政権に拉致され、囚われの身になり、拷問を受けた、愛する皆さんの家族が皆さんと再会出来る事を強く願っています。冷静に注意深く聞いてくださった皆さんに深く感謝します。
島田 続いて、アメリカ人で拉致疑いがあるデヴィド・スネドンさんの両親、ロイさん、キャサリンさんからのメッセージです。ご両親は、デヴィドさんの兄、ジェイムズさんとともに、昨年この集会に出席されました。
 デヴィド・スネドンさんは日本で言えば、特定失踪者に当たる方だと思いますが、もちろん拉致問題は日本が主体的に解決すべき問題ですけれども、アメリカが当事者意識を持って臨んでくれば、これは少なくともアメリカが安易な金融制裁の解除などはできないという消極的な意味だけでも大変大きいと思います。さらに積極的な役割も期待できると思います。
 あとでちょっと触れますが、このアメリカ人拉致問題で昨日新たな展開がありました。まずメッセージです。


  
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