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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

1回は拉致解決のチャンスが来る?東京連続集会報告3(2018/08/08)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.08.08)

■1回は拉致解決のチャンスが来る?東京連続集会報告3

西岡 島田さんにもう一つ。シンガポール会談でトランプと金正恩の間でどんな
話があったのか。あまり表に出てきてないわけですが、安倍総理は聞いているよ
うです。アメリカのメディアが最近報道しているようですが、それを少し。

◆金正恩はトランプに、「本当に非核化するから信用してほしい」と

島田 当日の会談の内情に通じている匿名希望の政府高官の話ということでアメ
リカで色々出ています。とにかく金正恩は、「本当に非核化するから信用してほ
しい」と、そういう言い方を何度もしたと言います。

 だから細かなことや条件闘争ではなく、「本当にやる気ですから信用してほし
い」という言い方でだまそうとしてくるわけですが、トランプとしては、「じゃ
あ見せてもらうよ」というこで、その場は友好ムードだったわけです。

 もう一つ。アメリカの場合は決して一枚岩ではないのですが、ボルトンのよう
な人が政権中枢に入っているというのは我々にとっては心強いですが、国務省あ
たりは伝統的に宥和派で、国務省の人間は9割以上が民主党員です。常に妥協に
走りがちな体質があります。

 だからボルトンは言っていますが、「国務省が死んでも守りたいのは国益では
なく交渉の継続だ」と。確かにそう言わざるを得ない面があるんですね。ブッシュ
政権の時も、途中まで金融制裁をやったりしました。これはボルトンやロバート
・ジョゼフという人たちが国務省を押し返して実行させたわけですが、最後の2
006年の中間選挙は、イラン・イラク戦争が泥沼化になって共和党が負けた。
ブッシュも自信をなくして強硬派が次々に、ラムズフェルド国防長官やボルトン
などが政権を去った。

 そうなると、ボルトンの言い方によると、アメリカンフットボールで、ディフェ
ンスラインを必死に押し返していたが、どんどんディフェンスの柱が抜けていっ
て、国務省は個々の人間は弱いけど数の勢いでやられちゃった。そして宥和政策
になった、と。

 今の国務省の状況がそういう意味で大事なんですが、アジア・太平洋担当の国
務次官補、この人が北朝鮮担当の中心になるんです。日本の外務省で言うと、ア
ジア・大洋州局長に相当します。あるいはもっと大きな責任をまかされることも
あります。

 ブッシュ政権の末期には、キム・ジョンヒルと言われた、クリストファー・ヒ
ルがその地位にいました。これが今は空席なんです。スーザン・ソーントンとい
う国務省生え抜きの女性をトランプがいやいや指名した。ティラーソン前国務長
官が省内宥和を考えてソーントンを次官補にしてほしい、と。

 そして色々な人事の取引きがあった。それでトランプがしょうがないなという
ことで一応指名した。これは上院の承認が必要な人事です。

◆米国家安全保障会議の幹部が充実

西岡 そこが日本とは一番違うところです。大統領は国民から選ばれているんで
すが、局長を自分で決められないんです。上院が承認しなければ局長を決められ
ない。日本は議院内閣制ということもあるんでしょうが、国会で選ばれた総理大
臣が大臣を任命できる。国会の承認は必要ない。その大臣が局長を決めます。ア
メリカでは局長は上院の承認が必要になる。

島田 正確に言うと、Deputy Assistant Secretaryと言われる次官補代理以上は
上院の承認が必要です。スーザン・ソーントンという人は上院で通らなかった。
それはマルク・ルビオ上院議員が、この人はだめだと、中国に対して甘すぎる、
台湾に対して北京の意向を配慮したような冷たい態度をとっていた、と。それか
ら北朝鮮問題でも対応があやふやだ。こういう人間を私は承認しない、と明言し
た。

 アメリカの上院の場合、一人でも議員がだめだというと、ホールドと言って、
人事が一旦止まります。いつ解除されるかは上院の中でも取引がある。今上院で
も、共和党、民主党が拮抗していますから、共和党議員の一人がだめだと言うと、
そこで人事が止まる。

 ソーントン氏は結局、通る見込みがないということで本人が1月初めに辞退し、
国務省を引退した。その代わりにだれを指名してくるのか。今名前が上がってい
るのは、ポッティンジャー氏。先のルッジェーロの一つ上のランクの人です。

 この人は横田拓也さんたちが大分前に会っておられますが、ポッティンジャー
の名前が上がっています。ポンペオがポッティンジャーにやってくれと言ったけ
ど、本人が、「ホワイトハウスにいた方が自由に動けるから」と断ったという話
もあります。

 もう一人、ダニエル・ブルメンソールというシンクタンクのAEIにいる人の
名前が出ています。中国が専門です。私も2回AEIで会ったことがありますが、
ボルトンとAEIで同僚だった人です。これも中国に対する非常な強硬派です。

 本来北朝鮮との実務レベルの交渉をやる場合、国務次官補が中心になるんです
が、今いないので、NSCが主導権を握るチャンスが増えています。NSCでは
まずボルトンがトップにいて、その下にフレッド・ライス事務局長がいます。私
は前から個人的にも結構つきあいがあります。ハードライナーでしっかりした人
です。その一つ下に、マシュー・ポッティンジャーがいます。海兵隊出身の立派
な人です。その下にさっき言ったルッジェーロ。金融制裁の専門家がいます。

 従って今、NSCのスタッフは非常に充実しています。私も結構長く見ていま
すが、私の立場から見て、NSCの幹部にこれだけしっかりした人間が揃ってい
るのは珍しいですね。

西岡 全部島田さんの友だち?

島田 いやポッティンジャーは1回会っただけで、ルッジェーロもルビオのスタッ
フでいた時に、確か1回会った記憶があります。ルビオがソーントンの人事をつ
ぶしてくれたわけですが、ルビオも40代後半で大統領候補です。ルビオと日本
の議員が常にコンタクトをとって、拉致問題の最新情報を入れたらいいと思いま
す。彼が上院で言ってくれたら大変インパクトがあります。

 ところが外務省の最高幹部の人に最近聞いたところでは、ルビオと接触できて
いる日本の議員はいないということです。河合さん(衆議院議員)という、自民
党総裁の特別外交補佐が毎月のようにワシントンに行っておられますが、ルビオ
とは会っていないようです。

 古屋圭司拉致議連会長に聞いても、河合さんはよく知らないという人で、理念
的にどういう人なのかは分かりません。理念的にルビオと共鳴できるような大物
政治家が誰か常に接触を持てるようにすべきだと思います。

 イスラエルなんかはそういうことをやっているんです。だからイスラエルの外
交がかなりアメリカの外交に反映しています。日本では安倍さんとトランプとの
関係はしっかりしています。

 ルビオは尖閣諸島を日本領と認めるべきだと明確に言っています。そういう人
とパイプを持つ議員が一人もいない。これは日本外交の弱点じゃないでしょうか。

◆突然日本で北朝鮮に呼応したかのような動きが

西岡 拉致に話を移します。今言ったような米朝関係があるわけですが、冒頭に
言ったように、日本とすれば米朝が一定程度進んで、金正恩がトランプに約束し
たといわれるように自分たちが作った核を出してくる。それがアメリカの飛行機
に積まれてアメリカに運ばれるようなことになるかどうか。

 そうなった場合に絶対北朝鮮は、「開発にいくらかかったと思ってるんですか」
という話をすると思います。それがなくなったら、明るい未来があるという保証
もなくなる。トランプは、「そうしたらシンゾーに行け」と言ったわけです。そ
ういうことが近くあるのではないか。

 先ほどそう言いましたが、それを予感させることがもう一つあります。日本の
中に、日朝国交正常化をすすめるべきだという動きが突然活発に出てきました。
日朝国交正常化促進議員連盟が2011年まで活動していたんですが、その後冬
眠状態でした。

 山崎拓さんが平沢勝栄さんたちと一緒に北朝鮮まで行ったりして、2回目の小
泉訪朝の前に動いていた。その延長線上で、山崎さんが落選した後、衛藤征四郎
さんという元国会副議長が会長になって、2011年に超党派で平壌に行くと言っ
ていた。

 その時は民主党政権で、安倍元総理等が自民党の会議の中で大きな声で反論し
て、「そんなことをしてはだめだ」と。私も島田さんもその席にいたのでよく覚
えていますが、そういう激しい論争があった。それで行くのを諦めた。

 その衛藤先生は当時、「産経新聞」のインタビューで、「日朝議連の基本的な
立ち位置は、国交正常化へのテーブルを作り、正常化後に拉致やミサイル、核な
どの問題をテーブルに載せ、ひとつひとつ解決する努力をしていくということだ」
と。

 正常化が先で、拉致も核もミサイルも後だと言っている。拉致問題の全面解決
なくして国交正常化に踏み込んではならないという考え方はどうだろうか。拉致
問題は国交を正常化し、公式のテーブルの上に載せて解決していく方が早い」、
「国交正常化したら、日本政府としてオランダのハーグの国際司法裁判所に提訴
そることもできる。今は国交がないから、できないのだ」と全く意味がないこと
を言っています。

 また、「超党派の拉致議連は北朝鮮を孤立化させないと拉致問題は解決しない
という立場だが、どうやって拉致問題を解決するのか私には理解できない。国交
を正常化させた方が拉致問題は早く解決する」と。

 先に国交を正常化して、後に拉致問題、核問題さえ後だと言っている。公然と
そう言っていた人が2011年の時は、朝鮮総連の許宗萬(ホ・ジョンマン)議
長から招待状が届いたと言って、超党派で行きたいと言っていた。

 その議員連盟が突然、シンガポール会談の前後から活動を再開したということ
です。役員を見ると、平沢勝栄先生等は拉致議連の事務局長をやっていて、20
03年12月に北京で宋日昊(ソン・イルホ)大使等に秘密接触した。私も一緒
に行ったからよく覚えています。

 その後宋日昊さんと直接電話ができるようになって、そして突然「被害者は死
んでいる」と言い始めた。それで抗議に行ったら、「議連の事務局長は辞める」
とおっしゃった先生ですが、その先生が幹事長代行になった。そういう人たちが
また動き始めた。

 そして1回目の総会には、朝鮮総連の「朝鮮新報」という新聞の平壌支局長、
金志永(キム・ジヨン)氏と田中均さんが呼ばれて講演をした。朝鮮総連の組織
の人間が、国会に来て、議員が40人くらいいる中で話をした。

 当然彼は北の公式的立場である、「拉致は解決済み」と言ったわけです。そう
いうことが国会議員会館で起きている。田中さんはテレビに出たり色々なところ
で出ており、「月刊文芸春秋」では横田拓也さんと並んで原稿を書いているなど、
色々なところで使われています。

 何を言っているかというと、「合同調査をすべき」、「日朝合同調査委員会を
作れ」、「そのために平壌事務所を作る」と言っています。合同調査というのは
実は、小泉さんの二度目の訪朝の直前に、田中さんが外務省の審議官、アジア局
長が薮中さんの時に出てきた話です。

 安倍さんは当時幹事長で、テレビに出て、「犯人と一緒に調査をして何が分か
るんだ」、「小泉さんが二度目に訪朝する目的は、去年の9月17日に言ったこ
とが間違いでしたと認めさせることだ」と話していましたが、結果として北朝鮮
が再調査することになり、合同調査にはならなかった。

 その時否定されたと思っていた話がまた出てきたということです。この合同調
査委員会というのは大変危険です。まず、何を調査するのかということです。日
本の警察がいくら優秀でも、捜査権がなければ人は探せない。北朝鮮が「この人
たちで終わりです」と言って何人かの人が帰ってきた時に、「もっといる筈だ」
と言って探しにいっても、人間には足がついていますから北朝鮮の中では探せな
いんです。

 濃縮ウラニウム工場だったら簡単に運べませんし、衛星で見ていますが、人は
だめです。じゃあ何を調査するのか。また「死亡」と言われる。めぐみさんの遺
骨を埋めた裏山がここだと思って掘り返したら違っていた。こっちだったかもし
れない。もう1回一緒に掘りましょう。そういうことにしか合同調査はなりませ
ん。

(4につづく)


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